チートでチートな三国志・そして恋姫†無双 |
第18話 最強官庁・財務省 〜はわわっ ご主人様、私を殺す気ですか!?〜
「それにしても、ご主人様は朱里殿を殺す気なのでしょうか……。私のほうはまだなんとかなっていますが……。」
やつれ果てた諸葛亮を見ながら田豊がそう呟いた。
「はうう〜。だ、大丈夫ですょぉ。」
と諸葛亮は応じた。とはいえ、皆、諸葛亮が”大丈夫”そうには見えなかった。
その理由は”激務”である。
実務をこなしていくと、太守の劉備に直接廻ってくる仕事は殆ど無いといってよかった。そのため、”劉備の補佐役”はほぼ形骸化していた。”全体の統括”も、各部門を担当している者が極めて優秀だったためにやることはあまりなかった。しかし、北郷から頼まれた”仕事”はとても大変なものばかりであった。その中でも”一番の大仕事”をほぼ一人でやったのが諸葛亮であった。そのため、諸葛亮はやつれていた。それはもう、韓馥の手から救い出したときの田豊と沮授のように。
その”一番の大仕事”とは
「予算の策定」
である。過去の予算書を参考にしながら、今年度の予算の執行状況を確認し、太守着任後の新予算を編成し、来年度予算をも編成する……というものであった。
これは、北郷が早坂から学んだことに由来する。
北郷とて人間である。彼の趣味の一つは”週刊誌を読む”ことであった。興味のある記事があるときには買い、無ければ立ち読みで済ますことが多いのだが、政治関係の記事には毎回といっていいほど『最強官庁・財務省』の文字が躍っていた。それがなぜなのかを理解したためにこうなったのだった。
”
「早坂さん、どうして『最強官庁・財務省』なんて言われるんですか?」
「それはね、財務省には強大な二つの権限があるからだよ。ちょっとわかりにくいから、生徒会に例えてみようか。
さて、生徒会で一番大事な仕事が何かわかるかな?」
「えーっと、”生徒総会で予算案の承認を得る”こと……ですか?」
「惜しい。答えは”予算をつくること”だ。少し格好良く言うなら”予算を編成する”ことだよ。これをやらないと、どの活動にどれだけのお金をかけたのかがわからないだろ?
これをやるのが財務省なんだよ。具体的には『主計局』というところだ。エリート中のエリート。そこに居る奴らが官僚の中の官僚だ。」
「なるほど……。で、もう一つは?」
「これは生徒会にはないね。学校にある。
”生徒会費を集める”ことだよ。
要は、予算を執行するときに必要なお金を集める権利『徴税権』を持つということだ。この部署を『主税局』という。そして、この部署には下位機関として『国税庁』があるんだ。
そこでは『税務調査』という”伝家の宝刀”を抜くことができる。」
「”伝家の宝刀”?」
「ああ。”マルサ”とか聞いたこと無いか? 脱税していないかどうかをいつでも調べに行くことができる権利を持っているんだよ。大企業だろうが個人だろうがお構いなし。完璧に調べられる。……。ま、もしまたウチに来たら二度と国債買わないけどね。」
「え?」
「あー。最後のは無視していいよ。この二つの権限があるから『最強官庁』と呼ばれているのさ。財務省が予算を付けてくれないと、他の官庁は何もできないからね。」
”
故に北郷は、この二つ
――特に予算の編成――
は諸葛亮たち”だけ”でやらなければ、その機関の力が強くなりすぎる……という危惧を抱いた。そのため、この仕事を諸葛亮にさせるように言ったのだった。
そして、徴税権は田豊が持つ。これは、『警察』の組織の一つ『査察部』の最高指揮権を持つ……ということでもある。
なお、沮授は法の整備から裁判まで、立法・司法という仕事を任されていた。?統は諜報などの情報関係と軍全体の統括を任されている。
無論、他にも雑務が存在する。そのため、廬植を内政の担当に廻す必要まで出てしまった。それでも、国家としては安定して機能していた。
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第2章 劉備たちの動向 安住の地を求めて 〜神の視点から〜 | ||
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