とらドラif 竜児×奈々子 後日談
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「よし、俺がみっちりと教え込んでやる」

 

「えー、優しくしてよ」

 

場所は高須家。

あれから竜児の家に度々お呼ばれし、

泰子ともすっかり仲良くなった奈々子たちにはおなじみの光景だった。

 

季節はすっかり秋も深まろうかという頃

二人は恋人同士の階段をまた一つ上り新たな段階へ踏み出そうとしている……

わけではなく二人の視線はちゃぶ台の上の教科書へと注がれていた。

 

 

結局奈々子に説得され

進学の道を選んだ竜児を後追いする形で勉強を始めた奈々子だったが

もともと文系志望だっただけにこうして数学等を教わっているのだ。

 

「いいか、この形を見つけたらまずこの公式に当てはめてだな」

 

竜児の教え方はとても丁寧で分かりやすく大助かりの奈々子。

何より真面目になると結構格好いい恋人の顔を見ているのが幸せだった。

 

「まあ今のやり方でこのページは解けるはずだから、

 また分からない所があったら遠慮なく言ってくれな」

 

正直言って今も竜児の顔に見とれ上の空気味だったのだが

そんなこと言えるはずもなく勉強会の度に四苦八苦しているというわけである。

 

「でもやっぱり考え直した方がいいんじゃないか?

 な、奈々子はもともと国語とかの成績も悪くなかったわけだしわざわざ志望校かえなくても……」

 

奈々子が教科書と睨めっこしているのを見ると決まって竜児はこう言う。

 

「何言ってるのよ。私が頑張るって決めたからいいのよ。

 何より竜児とおんなじ大学でまた4年間過ごせるならこんなのへっちゃらよ」

 

「奈々子……」

 

この返しももう何度目になるだろう。

二人の仲はゆっくりだけど、それでも確実に深まっていった。

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