ソードアート・オンライン デュアルユニークスキル 第二十一話 決闘の前に
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血盟騎士団での会議の後、キリトとアスナはエギルの店に戻ってきた。

2人は雑貨屋の2階で、デュオとエギルに向こうであったことを話した。

 

デュオ「それは、大変なことになったな。」

 

キリト「他人事みたいに言うなよ。」

 

デュオ「そんなこと言ったって、俺には関係ないし。」

 

デュオは、自分には関係ないと笑う。

すると、エギルが思いついたように言った。

 

エギル「なあ、デュエルはどこでやるんだ?一般公開するのか?」

 

キリト「七十五層の主街区コリアでやるらしい。一般公開するかまでは知らない。」

 

エギル「なら、俺にも協力させてくれ。チケットの手配は俺がする。」

 

キリトの話を聞いたエギルは、若干興奮した様子で言う。

 

アスナ「そういうことは、たぶん経理担当のダイゼンさんが全部やっちゃてると思いますよ。」

 

アスナの言った一言に、エギルはがっくりと、うなだれていると、デュオが呟いた。

 

デュオ「まるで((剣闘士|グラディエーター))だな。」

 

アスナ「何、それ?」

 

デュオの言ったグラディエーターという単語に、アスナが首を傾げる

その問いに答えたのは、キリトだった。

 

キリト「古代ローマ時代、剣闘士と呼ばれる奴隷たちが獣や先住民、他の剣闘士と戦うのの見せ物で、その剣闘士の別名をグラディエーターって言うんだよ。」

 

アスナ「へえ・・・」

 

デュオ「さすがキリト、詳しいな。」

 

キリトの説明に、アスナは納得し、デュオは感心する。

 

キリト「こういうのはゲームやクエストの題材になってることが多いからな。」

 

デュオ「なるほどな。」

 

そんなやり取りの後、キリトは明日の試合に備えるため

アスナの友達が経営する武具店へ向かった。

アスナとデュオもボス戦以来、剣の手入れをしていないのでキリトに同行した。

 

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四十八層リンダース

水車の音が聞こえる工房の中で、1人の少女が((アスナのレイピア|ランベントライト))を研いでいる。

彼女の名前はリズベット(愛称はリズ)。

四十八層の主街区で鍛冶屋を営む少女でアスナの友達。

だが、その姿はとても鍛冶屋とは思えない。

檜皮色のパフスリーブの上着に、同色のフレアスカート。その上から純白のエプロン、胸元には赤いリボンという鍛冶屋と言うよりウェイトレスに近い格好をしている。

ベビーピンクのふわふわしたショートヘアで、ダークブルーの大きめな瞳、小作りな鼻と口から、かなり幼い見た目をしている。

リズベットは剣を研ぎ終えると、それを鞘に収める。

 

リズベット「毎度。」

 

リズベットはアスナが差し出した百コル銀貨と引き換えに、レイピアを返す。

 

アスナ「ありがとうリズ!」

 

アスナはリズベットにお礼を言いながらレイピアを剣帯に吊るす。

 

リズベット「はい。じゃあ最後はデュオの剣ね。」

 

デュオ「ああ、よろしく頼む。」

 

デュオは背中の大剣を引き抜いてから百コル銀貨と一緒にリズベットに差し出す。

それを受け取ったリズベットは、早速剣を回転砥石に滑らせる。

涼しげな金属音とともに((デュオの大剣|ブレードダスク))は輝きを取り戻していく。

そして剣が研ぎ終わると、リズベットはそれをデュオに返す。

 

デュオ「サンキュー、リズ。お前がいてくれて本当に助かってる。」

 

リズベット「それはお互い様よ。あたしだっていろんなインゴットをただでもらっちゃってるし。」

 

デュオとリズベットのやり取りを聞いたキリトがデュオに言う。

 

キリト「デュオ、お前それ売りつけたほうがいいぞ。」

 

デュオ「たしかにそうなんだが、そうするとリズの武器の値段が跳ね上がるから。」

 

キリト「なるほど、リズが急に値下げしたのはデュオがインゴットを調達してたからなのか。」

 

デュオ「そういうこと。ところでリズ、訊いていいか?」

 

リズベット「ん?何?」

 

デュオ「今日は、((あいつ|・・・))は来てないのか?」

 

リズベット「ああ((彼|・))?そうね、今日はまだ来てないわ。」

 

デュオ「そうか。まああいつは((武器の手入れが必要ない|・・・・・・・・・・・))からな。」

 

デュオは納得した様子で話を切った。

するとキリトがデュオに訊く。

 

キリト「デュオ、あいつって誰だ?」

 

デュオ「ん?ああ、攻略組の1人で、槍の使い手。」

 

キリト「ふ〜ん。」

 

デュオ「まあ、そのうち紹介するよ。」

 

キリト「ああ、わかった。」

 

その後、キリトたちはデュオの家で残りの時間を過ごした。

その時に、デュオがシリカと結婚したことを話すと、キリトは目を丸くして驚き、アスナは2人を祝福し、シリカは真っ赤になっていた。

 

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翌日

先日新たに開通になった七十五層の主街区コリアは古代ローマ風の造りだった。。すでに剣士や商人、見物客も大勢詰めかけている。新しい層が開通されるたびにこうなるのだが、今日はユニークスキル使い2人のデュエルという一大イベントも開かれるとあって、転移門は朝からひっきりなしに訪問者の群を吐き出し続けていた。

キリトとヒースクリフのデュエルは転移門の前にそびえたつ巨大なコロシアムで行われるそうだ。

すでに、その闘技場前では商人達が露店を開いてアイテムや食べ物を販売している。

完全にお祭り騒ぎだ。

 

キリト「これはヒースクリフの仕業じゃないよな?」

 

アスナ「あははは・・・ダイゼンだね。きっと・・・」

 

キリトが嫌な顔をし、アスナが苦笑していると、数人のプレイヤーがキリトに声をかける。

 

?「よっ! キリト。なんか大変なことになっちまったな。」

 

キリトに声をかけたのは、クラインたちだった。

 

キリト「まったくだ。早いとこ終わらせて、ギャラもらったら帰るとするよ。」

 

エギル「お前も苦労が絶えないな、キリト。」

 

エギルが愉快そうにそう言うと、その後ろにいたデュオとシリカがキリトに言う。

 

シリカ「大変なことになりましたね。キリトさん・・・」

 

頭の上に使い魔のピナを乗せたシリカがキリトに声をかけた。

 

キリト「ありがとう、シリカ。」

 

すると、シリカの隣にいたデュオが言う。

 

デュオ「まあ頑張れ、俺はお前のほうがヒースクリフより強いと思ってる。」

 

デュオに続いてエルフィー。

 

エルフィー「頑張ってねキリト君。私も応援してるから。」

 

キリト「ああ、俺も負けるつもりはないぜ。」

 

デュオ「お前なら、そう言うと思ったよ。」

 

デュオはわかってはいたが、呆れたと言った表情をして言った。

 

キリト「じゃあ、俺はそろそろ待機室に行くよ。」

 

アスナ「あ、私もついていくよ。」

 

そう言って、キリトとアスナは、闘技場の中へと向かった。

説明
すみません。
今回はキリトVSヒースクリフではなくて
その少し前の話になります。
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