魔法少女リリカルなのは ダメ人間の覚悟 |
ハルカ Side
今、私は後悔していた。
目の前には、ジュエルシードの思念体。
今の私は、壁に叩きつけられたダメージで動けない。
ジュエルシードの思念体は此方に襲いかかろうとしている。
そして、思念体の前に立ちはだかる、友達のなのは。
なのはの足元に転がる赤い宝石。
オロオロしているフェレットのユーノ。
遠くの方で木にぶら下がったり、地面に頭から埋まって犬○家のような恰好をした転生者(馬鹿)2人。
原作とは流れが変わってしまった。
全部私のせいだ。
私が、興味本位で首を突っ込んだ所為で、今、自分だけではなく、なのはも危険に晒している。
私の脳裏には、今までのことが走馬灯のように思い浮かんできた。
私の名は中村 ハルカ。
実は転生者よ。
私をこの世界に送り込んだ神がミスをしてしまいしなせてしまったらしい。
その言葉を聞いた瞬間、私は思わず叫んだわ。
25歳にもなって、男の人と付き合ったことなんて一回も無かったから。
まあ、インターネットやアニメが趣味で、半分引きこもりみたいだった私にも原因はあるだろうけど。
それで、その神が言うには、私の希望があれば転生してくれるとのこと。
まあ、家族も他界して、天涯孤独だった私は、承諾した。その時神から私以外に男で3人の転生者もいるというのを聞いた。ま、あんまり関係ないけど。
そして、私は転生した。
あの好きなアニメ、「リリカルなのは」の主人公、高町 なのはの幼馴染として。
転生した私の家となのはの家は古くからの付き合いで私となのはが友達になったのはすごく簡単なことだった。
ちなみに私はクォーターだ。母がイギリス人のハーフだからだ。
ある程度未来を知っていた私は、少しでも未来を良くしようと思った。
士郎おじさんが怪我をして入院した時も、なのはの傍にいて、なるべく寂しくさせないようにした。
その甲斐あってか、なのはは明るいままだった。
しかし、他人に迷惑をかけないように「いい子」でいようとする所は直せなかった。
そうそう、うちの家族となのは含めた高町家は、私が前世の記憶持ちだという事は知っています。
怪訝に思った士郎おじさんや恭也兄さんが聞いてきたので、その時に暴露しました。
元々隠すつもりも無かったし、聞かれれば話すつもりでした。だけど、こんな荒唐無稽な話を聞いて両親はそれでもうちの娘だと言ってくれた時は本当に嬉しかった。
アニメ云々は黙っておきましたが。
それで今日、アニメの通り、なのはは塾の帰りにフェレットのユーノを拾った。
その時には、私にも念話が聞こえたので、私にも魔力があるようだった。まぁそぉ神に頼んだし。
そしてその夜。ユーノの念話で、なのはが家を抜け出したのを家の窓から確認した。
心配になった私は、なのはの後を追った。
ユーノが入院している動物病院に行くと、丁度なのはがジュエルシードの思念体に襲われている所だった。
ハルカ「なのはっ!」
私は思わず叫んだ。
なのは「ハルカちゃん!?」
なのはは、ビックリしたように此方を向く。
だが、そのせいで、思念体の動きから目をそらし、その瞬間を狙って思念体がなのはに襲い掛かる。
ハルカ「なのはっ!危ない!」
私は叫んだ。
なのはは、気付くのが遅れたが、何とか直撃だけは避けた。
だが、その衝撃に吹き飛ばされる。
なのは「きゃあっ!」
私は、転んだなのはに駆け寄る。
ハルカ「なのは、大丈夫?」
なのは「う、うん。ハルカちゃんは、何で此処に?」
ハルカ「そ、それは……なのはが慌てて出て行くのが見えたから気になって」
私は、それらしい理由を述べる。
なのは「そうなんだ」
ハルカ「って、そんなこと言ってる場合じゃない!」
思念体が、再び此方に体当たりを仕掛けてくる。私達は、慌てて病院から逃げ出した。
なのは「一体何がなんだか分からないけど、一体なんなの!?何が起きてるの!?」
ユーノ「君には、資質がある。お願い、僕に少しだけ力を貸して」
なのはの腕に抱かれたユーノがそう言った。
なのは「資質!?」
ハルカ「僕は、ある探し物のために「はいそこまで!!」!?」
説明しようとしたユーノを私は止めた。
ハルカ「ここまでに至った経緯は後でいいから、この場を乗り切れる方法を簡潔に説明してちょうだい!」
私はそう怒鳴る。今はアニメでもなんでもない、現実として只今ピンチの真っ最中なのだ。
そんな経緯を聞いてる暇なんて無い。
ユーノ「そ、そうですね…」
ハルカ「なのは!今はそのフェレットのいう事を聞いてた方が助かる可能性は高いわ!」
なのは「わ、わかった」
だがその時、上空から思念体が落下してくる。嘘、アニメより来るのが早い!目の前の道の真ん中に思念体が落下する。
くっ、拙い。
ハルカ「なのは!私が何とか時間を稼ぐからなのははそのフェレットのいう事を聞いて!」
私はそれだけ言って思念体に向き直る。
なのは「そんな!ハルカちゃん!」
ユーノ「君っ!あの子を助けたかったら、僕の言うとおりに!」
ユーノがなのはに向かって叫ぶ。なんとかなりそうね。
私は、思念体が落ちてきたときに割れたアスファルトの欠片を拾う。
ハルカ「てやっ!」
私はその欠片を思念体に投げつけるが、それは容易く弾かれる。しかし、思念体は此方に気を向けたようね。
計算通り。後は私が時間を稼げば。その時、声が聞こえる。
なのは「我、使命を受けし者なり……えと、契約の元その力を解き放て………」
レイジングハートの起動パスワード。その声を聞いて、私の心に安堵感が広がる。
だが、これで何とかなると気を抜いたのがいけなかった。
思念体の攻撃に気付くのが遅れ、私は弾き飛ばされた。
ハルカ「きゃああああっ!!」
なのは「風は空に……星はッ、ハルカちゃん!?」
私の悲鳴になのはは起動パスワードを中断してしまう。
ユーノ「き、君っ!?」
ユーノは予想外の事に思わず声を漏らした。馬鹿ッ!!何してるの!!??そぉ言おうとしたが、私はそのまま壁に叩きつけられ全身を痛みが襲い声が出せなかった。
ハルカ「がはっ!?」
肺の空気が押し出されそのまま私は地面に倒れる。身体の傷みと、意識が朦朧とすることで立ち上がれない。
思念体が、止めを刺そうとこちらに身構える。
なのは「だめぇっ!!」
その瞬間、目の前に手を広げて立ち塞がるなのは。
その際、レイジングハートが地面に落ちて転がる。
そして、思念体が今にもこちらに飛びかかって来ようとしていた。
このままではなのはが危ない!!そぉ思った瞬間、
???「ヒャッハーーーー!!!」
???「オラァ―――――!!!」
何処からともなく聞き覚えのある声が2つ聞こえてきた。あぁとうとう幻聴まで聞こえてきた、今一番聞きたくない声だった。
榊と緋村の馬鹿コンビだった。
榊「大丈夫か?なのは、ハルカ俺が来たからにはもぉ安心だぜ」ニコッ
緋村「テメェなんかお呼びじゃぁないんだよ。なのは、ハルカ安心しろ俺が守ってやる」ニコッ
あぁ俗に言うニコポってやつ?実際に見ると痛いわね。傷じゃなくてね。あぁなのはの目から生気が無くなってる。あ、でもこの呆れ感を出してくれたおかげで多少痛みは引いたわ。そこだけ1ミリ感謝。
でも、本当に助かった。見たとここいつらバリアジャケットを着ているあたり、こいつらが例の転生者ね。残り1人はまだ現れてないけど、平穏に暮らしたいってやつかしら?
とりあえずこの馬鹿2人が戦ってる間になのはのレイジングハートの起動パスワードをもう1度やれれば、原作通り封印できるわね。
ヒュンヒュン!!バスッ!ドゴッ!
ッッ!?何今の音!??。音の方に目を向けると、さっきまで戦っていた馬鹿2人は思念体にあっけなくぶっ飛ばされてた……って弱ッッ!!
転生者なんだから何か力をもらってるんでしょ私と違って!!そこまで考えてたら思念体が再びこちらに向かってきた。
私は思わず叫んだ。
ハルカ「お願い!!私は如何なってもいいから!誰かぁ……親友を!なのはを助けて!!!」
そう叫ばずにはいられなかった。私の瞳からは涙が零れる。
その瞬間飛びかかってくる思念体、なのはは目を瞑り、
なのは「助けて!!井上君っ!!!」
そう叫んだその時、
???「ザケル!!」
バリバリバリバリッッ!!!
どこからか黄色い電撃が飛んできて思念体に当たった。今のって……、
???「ヤクモ セットアップ」
???『了解です』
私たちの目の前に白い羽織を着た黒い着物の男の子が立っていた。
Side Out
なのは Side
もう訳が分からなかった。
塾に行くときに声が聞こえ、フェレットを拾った。
家にいたら、フェレットを見つけたときの声が聞こえ、その声に呼ばれるまま病院へやってきた。
そこでは、逃げ回るフェレットと、ドロドロした良く分からないお化け。
しかもフェレットが喋るし。
私は混乱していたけど、途中でハルカちゃんが来て一緒に逃げた。
なのは「一体何がなんだか分からないけど、一体なんなの!?何が起きてるの!?」
私は思わず叫びました。
フェレット「君には、資質がある。お願い、僕に少しだけ力を貸して」
抱いていたフェレットさんがそう言います。
なのは「資質!?」
私は思わず聞き返しました。
フェレット「僕は、ある探し物のために「はいそこまで!」!?」
説明しようとしていたフェレットさんの言葉を、ハルカちゃんが止めました。
ハルカ「ここまでに至った経緯は後でいいから、この場を乗り切れる方法を簡潔に説明しなさい!」
ハルカちゃんはそう叫びます。
フェレット「そ、そうですね…」
ハルカ「なのは!今はそのフェレットのいう事を聞いてた方が助かる可能性は高いわ!」
なのは「わ、わかった」
結構強引だけど、その通りなの。
だけどハルカちゃん。フェレットさんが喋ることには驚かないの?疑問に思いましたが、そんな暇はありませんでした。目の前の道路に、ドロドロのお化けが落っこちてきたの。
ハルカ「なのは!私が何とか時間を稼ぐからなのははそのフェレットのいう事を聞いて!」
ハルカちゃんはそれだけ言うとお化けに向き直る。
なのは「そんな!ハルカちゃん!」
私はハルカちゃんを止めようとしました。
フェレット「君っ!あの子を助けたかったら、僕の言うとおりに!」
でも、フェレットさんにそう言われて踏みとどまります。
フェレット「これを!」
フェレットさんは、首にかけていた赤い宝石を私に差し出してきます。私はそれを受け取りました。
なのは「……あたたかい」
その宝石はとてもあったかく感じました。
フェレット「それを手に、目を閉じて、心を澄ませて、僕の言葉を繰り返して」
フェレットさんはそう言います。
ハルカちゃんは、ドロドロのお化けに石を投げつけたりして、気を引いている。
私はハルカちゃんが心配になった。けど、
フェレット「いくよ!いい!?」
フェレットさんのその言葉で気を取り直し、
なのは「うん!」
しっかりと頷いて目を閉じました。
フェレット「我、使命を受けし者なり」
なのは「我………使命を受けし者なり……」
フェレットさんの言葉を繰り返します。
フェレット「契約の元、その力を解き放て」
なのは「えと……契約の元、その力を解き放て」
ですが……、
フェレット「風は空に、星は天に」
なのは「風は空に…星は「きゃああああっ!!」ッハルカちゃん!?」
突如聞こえてきたハルカちゃんの悲鳴に、私は思わず其方に気を向けてしまいました。
フェレット「き、君っ!?」
中断してしまった事にフェレットさんは、叫びました。
ハルカちゃんは吹き飛ばされ、壁に叩きつけられました。
ハルカ「がはっ!?」
ハルカちゃんは、苦しそうな声を上げて地面に倒れます。
ドロドロのお化けは、今にもハルカちゃんに襲いかかろうとしていました。
それを見て私は思わず飛び出しました。
なのは「だめぇっ!!」
私は手を目一杯広げて、ハルカちゃんを守るように立ち塞がりました。
その際に、フェレットさんから受け取った赤い宝石を落としてしまいました。
でも、そんなこと気にしていられません。
ハルカちゃんが死ぬなんて絶対にイヤだから。その時、
???「ヒャッハーーーー!!!」
???「オラァ―――――!!!」
何処からともなく聞き覚えのある声が2つ聞こえてきました。何だろう、今一番聞きたくない声だと思いました。
榊君と緋村君の……2人だった。
榊「大丈夫か?なのは、ハルカ俺が来たからにはもぉ安心だぜ」ニコッ
緋村「テメェなんかお呼びじゃぁないんだよ。なのは、ハルカ安心しろ俺が守ってやる」ニコッ
何でこの状況でこっちに微笑んでくるのか分からなかったけど、2人は不思議な格好をしていました。
榊君は赤のローブ?に身を包んで、緋村君は金色の鎧を着ていた。
2人があのお化けに向かって攻撃をしていくと、フェレットさんが、
フェレット「な!?何なんだあの2人は?」
と、とても驚いていました。でも、この間に私はハルカちゃんを安全なところに移動しようと思いました。けど、
ヒュンヒュン!!バスッ!ドゴッ!
いきなり大きな音が聞こえたのでそちら目を向けると、さっきまで戦っていた榊君と緋村が木にぶら下がってたり、地面に埋まってました。
何でだろう……心配の声を掛けようと思えないの。
だけど、お化けは私たちに向かってきました。ハルカちゃんが危ない!!!
ハルカちゃんは、飛び出した私に気付いたのか、
ハルカ「お願い!!私は如何なってもいいから!誰かぁ……親友を!なのはを助けて!!!」
そう叫びます。
その言葉の中にも、私に対する友情が感じられました。
やっぱり、ハルカちゃんは私の大好きな友達です。
その時、ドロドロのお化けが私たちに向かって飛び掛ってきました。
私は思わず目を瞑りました。
足も震えています。
目を瞑ったとき、1人の男の子が思い浮かびました。
その男の子は、小学校に入学して直ぐのころ、私が足を痛めて動けなくなっていた時、保健室まで運んでくれました。
だけど、おんぶは恥ずかしかったの。
それから私は、事ある毎にその男の子を目で追っていました。
授業中の彼は、何時も眠そうな顔をしていて、それでも指名された時はしっかりと答えています。
彼は、よく見てみるととても大人っぽくて、まるでハルカちゃんみたいです。
ハルカちゃんは確かテンセイシャだっけ?
私には良く分かりません。
アリサちゃんには、根暗だの、冷めてるだの言われてます。
ちょっと酷いの。彼は、ちょっと人付き合いが苦手なだけで、本当はとっても優しい子だと思うの。
そうじゃなきゃ、あの時に私を助けたりしないはずなの。
でも、そんな彼も、一年生の3学期に入って少しした後、とても落ち込んでる時期があったの。
私は、何度か話しかけようとしたけど、どうしても雰囲気から声をかけることが出来なかったの。
そんな彼も、時間が経つにつれて、元に戻っていったの。それに何か雰囲気も少し変わってたような気がしました。
そして、3年生になった今でも、その彼を目で追ってるの。
あの時、私を助けてくれた男の子を……
私は、思わず叫びました。
なのは「助けて!!井上君っ!!!」
その時、
???「ザケル!!」
バリバリバリバリッッ!!!
いきなり雷のようなものがお化けに向かって飛んでいきました。
???「ヤクモ セットアップ」
???『了解です』
その男の子の声と、電子音の声が聞こえました。
私たちの目の前に白い羽織を着た黒い着物の井上君が立っていた。
Side Out
何でこんな事になっとるんじゃ?
様子を見ていた俺は、原作と違う流れになっている高町達を見て動揺しとった。
アニメにはいなかった中村 ハルカという人物がいるから違うんか?
ヤクモ『透様!助けましょう!』
ヤクモが叫ぶ。
ちなみに俺は今虹霞(にじがすみ)を使用して姿を隠してる。魔力値も抑えてる。
透「じゃけど………俺が入って更に状況が悪うなったらどうするんじゃ??!!」
ライラ『何言ってるんですか?!今のマスターならあの程度の思念体、瞬殺ですよ!』
透「って言ってもまだ修行中の身やぞ!?」
俺は未だに腹を括れない。生き残る自信はあるが、いきなりこのような場面に直面してここにきて戦うかどうか決めかねてしまった。
リコ『あ〜も〜!じれったいですね!言わせていただきます!今のマスターはカッコ悪いです!!』
リコがきっぱりとそう言った。
透「……」
その時、中村 ハルカが壁に叩きつけられ、それによって、高町も起動パスワードを中断してしまった。
その上高町は、中村を庇ってレイジングハートを落としてるし。
チッ!糞が!!何でここにきてビビッとるんじゃ!!??
俺がどうするか嘆いていると、
中村「お願い!!私は如何なってもいいから!誰かぁ……親友を!なのはを助けて!!!」
中村 ハルカの叫びが聞こえた。
ドックン!!!!!
その瞬間、俺は吹っ切れた。俺の目的を思い出した。それは………
『護りたいものを護る』
こんな幼稚な考えかもしれないが、前世じゃぁ生きがいなんぞひとっつも無かったけぇなぁ。せめて転生したんなら力を得る代わりにその力を使い自分の身近にいる人を護りたいと思うようになり主人公である高町を護ると決めたのにマジの戦闘を目の当たりにしてビビってしまっていた。
しかし、この1歩を踏み出さなければあの2人は『死ぬ』……
同時にあの死神の主人公の言葉を思い出した。
『俺の魂にだ!!!!』
俺も俺の魂に誓わにゃぁの!!!!
俺は駆け出した。
透「行くで!ヤクモ!!」
ヤクモ『はい♪リミッターはどうしましょう?』
透「とりあえず C で頼むわ!」
思念体が2人に向かって飛び掛る。
それでも高町はその場を動こうとしない。
高町「助けて!!井上君っ!!!」
なのはが叫んだ。
あれぇ!何でそこで俺の名が出てくるん!?
俺はそういう意味でも混乱しながら、右手を出し術を放つ。
透「ザケル!!」
バリバリバリバリッッ!!!
ガッシュの第一の術『ザケル』を思念体に向けて放った。
透「ヤクモ セットアップ」
ヤクモ『了解です』
ヤクモの気合の入った返事を聞いた。
俺の左手に手裏剣型のデバイスをかざし起動させ死覇装(隊長羽織有り)に身を包んだ。
そして斬魄刀を右手に持ち思念体に対し警戒を怠らない。なんつっても初戦闘じゃけぇの、あぁ〜〜足が震えちょるわぁ。これが武者震いっちゅーやつかのぉ?
透「さぁて、どぉしましょうかねぇ?」
俺は思わず呟く。
透「ここまで来たら存分にやっちまうかいねぇ」
ライラ『そぉですよ♪ここであの思念体を倒したらあの2人の好感度はグンと上がりますよ♪』
リコ『そうですよ。むしろ惚れちゃうんじゃないんですか♪』
ライラとリコは機嫌の良い声でそう言う。
透「いや、そりゃぁどぉかのぉ」
俺はため息を吐きつつそう呟く。
その時、
高町「い、井上君……?」
信じられないといった表情で、高町がこっちを見ていた。
透「うぃ〜っす、高町に中村。こんな時間に何やっちょるんじゃ?」
俺は、場違いな質問をした。
高町「い、井上君こそ……」
そう返された。
透「俺はお使いの帰りに、偶々お前らを見かけただけなんじゃけど」
右手の買い物袋を見せながらそう言った。
その時、思念体が動き出したのを感じる。
透「あ〜、高町、ちょっと持っとってや」
そう言って、買い物袋をなのはに預ける。
高町「えっ?うん………」
高町は、ちょっと困惑していたが、買い物袋を受け取った。
俺は斬魄刀を構え、思念体と向き合う。
透「んー、あれじゃぁさすがに倒せんか」
俺は諦めたように呟く。
ライラ『いいじゃないですか。早く倒してしまってはあの2人に良いとこ見せられないじゃないですか♪』
リコ『それに、これだけは言えますよ。今のマスターは……』
透「俺は……何よ?」
ライラ リコ『『かっこイイですよ♪』』
透「うっせーよ」
ライラとリコはそう言う。お前ら息ピッタリやな!?それに何でもかんでも♪マーク付けりゃいいってもんじゃないで。
それがおだてだとしても、俺の心は少し軽くなった。
透「まぁでも…それなら、とことんカッコつけちゃるとするか!ヤクモ!!」
ヤクモ『はい♪』
思念体が俺に明らかな敵意を向けて来たので、俺は斬魄刀の刃を思念体に向け
透「悪ぃけど、俺も負けるわけにはいかんのでねぇ!!ヤクモ、リミッターA解除」
ヤクモ『了解』
ブワッ!!
一気に魔力が膨れ上がるのを感じた
ユーノ「な、何この魔力……」
ユーノが呆然と呟く。
何故か中村 ハルカが俺の姿を見てポカーンとしている。
俺の格好が変わったことに驚いているようだ。まぁ、クラスの奴が黒い着物と刀を片手にしたらそらぁ驚くやろうな。
ちなみに俺のデバイスはセットアップしたら宝石の位置がそれぞれ違う、刀の場合柄の頭の部分に、籠手は右手の甲の部分、銃はグリップの部分といった感じじゃ。
思念体が飛び上がり、俺に突っ込んでくる。
俺は、それに対し、片手で軽く唐竹に斬った。
思念体が上下真っ二つになる。
続けて、左薙ぎにした。
透「っせぃっ!!」
更に左右真っ二つとなり、合計4つに分かれてべちゃべちゃと地面に落ちた。
だが、その切り裂かれたそれぞれはもぞもぞと動き、再び1つになろうとしている。
やっぱり普通の攻撃だけじゃ倒すのは無理か。
ユーノ「あのっ!どなたか存じませんが、あれはジュエルシードと呼ばれるロストロギアの思念体です。攻撃するだけでは倒せません!早く封印を!」
ユーノがそう言うが、最大の難問があった。
透「あ〜それ無理、俺封印苦手じゃけぇ出来んのよ」
俺の言葉に、ユーノは固まった。
ユーノ「……えええっ!?あれだけ凄い実力の持ち主なのにですか!?」
俺は頷く。まぁぶっちゃけその修行はして無かったんよなぁ。
すると、ユーノは先程落ちたレイジングハートを拾って、
ユーノ「それなら、これを使ってください。レイジングハートには封印術式がインプットされて、それに従うだけですから」
俺に差し出してくる。じゃが、
透「それも無理。俺は魔力特別でね。普通のデバイスなんて俺の魔力の負荷に耐え切れず木っ端微塵じゃぞ」
俺の言葉に、ユーノは再び固まった。
ユーノ「じゃ、じゃあどうすれば……」
透「いるじゃんそこに。その2人はどちらもAAA〜Sクラスの魔法資質を持ってるはずやぜ」
俺はそう言った。
ユーノ「そ、そうか」
ユーノはテンパっていたので、その事を忘れていたらしい。
中村「そ、それなら…私が……」
中村 ハルカが無理に起き上がろうとしている。
高町「そ、その身体じゃ無理だよハルカちゃん!」
高町はそう言う。
そして、覚悟を決めた顔になると、
高町「私がやるよ!」
そうはっきりと言った。
中村 ハルカはそれを見ると、
中村「お願いできる?」
そう尋ねる。
高町「うん!」
高町ははっきりと頷いた。
その時、思念体が再生を完了させ、再び動き出す。
高町「うっ……」
その様子に一瞬たじろぐ高町。
今の決意はなんだったのかと言いたいが、まあ、普通の女の子にあれはキツイだろう。
柄ではないが、俺は口を開いた。
透「高町」
高町「え?」
俺の呼びかけに、高町はこちらを向く。
透「心配すんな。あいつは俺が引き受けちゃるけぇ。今だけでもいいから俺を信じろや」
俺がそう言うと、高町は一瞬戸惑ったが、
高町「……信じるよ!」
はっきりと、そう頷いた。そぉ面と向かって言われるとかなり恥ずかしいわぁ。
透「よっしゃ!行くぞ!」
高町「うん!」
それと共に襲い掛かってくる思念体。
それを軽く蹴りで吹っ飛ばす。
壁に叩きつけられる思念体。
透「うらぁっ!!」
其処に追撃の斬魄刀。粉々切り裂いた。
これで少しは時間は稼げたじゃろ。
その時、後ろで桜色の光の柱が発生する。
ユーノ「成功だ!」
ユーノの声が聞こえる。
光が治まると其処にはアニメの通りのバリアジャケットと杖を持った高町がいた。近くで見ると、なるほどよく似合っちょるな。
高町「ふぇええ!?どうなっちゃったの!?」
高町は、自分の姿が突然変わってしまったことに驚いているようだ。あ、可愛い。
透「落ち着け高町。説明は後でしちゃるけぇ、今は封印を」
高町「え、えっと、封印って、どうやるの?」
ユーノ「えっと、僕達の魔法はプログラムと呼ばれる……」
ユーノが時間が無いというのにベラベラと説明しようとしていたため、
透「おーぃちょっと待ていやフェレットもどき!素人の高町にんなこと言っても分かるわけ無いじゃろが!」
手っ取り早く黙らせる。
透「高町、心を落ち着かせぇ!心の中にお前の呪文が浮かぶはずじゃけぇ!それを唱えろ!」
高町「えっ?う、うん!」
高町はレイジングハートを構えて目を瞑る。
その間にも、思念体は再生を開始する。
高町は、目を開けると杖を掲げる。
高町「リリカル・マジカル」
高町「封印すべきは忌まわしき器、ジュエルシード!」
高町「ジュエルシード!封印!」
レイジング『Sealing mode. Set up.』
高町の声でレイジングハートがシーリングモードに変形する。
そして、桜色の光の帯が思念体を締め上げる。
レイジング『Stand by, Ready.』
高町「ジュエルシード シリアル]]T!封印!!」
レイジング『Sealing』
光の帯が思念体を貫き、消滅させていく。
そして、後には小さな青い宝石、ジュエルシードだけが残った。
ユーノ「これが、ジュエルシードです。レイジングハートで触れて」
ユーノにそう言われ、高町はレイジングハートを翳すと、ジュエルシードがレイジングハートに吸い込まれる。
すると、高町のバリアジャケットが解除され、レイジングハートも待機状態になる。
高町「あれ?終わったの?」
なのはは、実感が湧かないのか呆けた声を漏らす。
ユーノ「はい………貴方のお陰で……ありが…とう……」
ユーノはそこまで言って、力尽きて気絶する。
それを確認した俺も、バリアジャケットを解除した。
高町「あっ、あのっ!井上君っ!私聞きたいことが!」
思ったとおり、なのはは俺に聞いてこようとするが、
透「ちょい待ち、聞こえんか?」
高町「え?」
俺にそういわれて高町は耳を澄ます。
パトカーのサイレン音が聞こえてきた。
そして、高町は、現場の惨状を確認する。
高町「……もしかして、私達……ここにいると大変アレなのでは……」
透「………まあそれは別にしても、補導対象であることには間違いないしのぉ」
俺は、買い物袋を拾いながら、高町の言葉に答える。
高町「じゃ、じゃあ早く逃げないと・・・・」
高町はそう言うが、
透「中村、走れるか?」
俺は中村 ハルカに尋ねる。
中村「だ、大丈夫よ…くっ………」
痛みを堪えようとする中村を見て、
透「全然大丈夫そうには見えないな………しゃーないか、2人とも文句は後で受け付けるけぇの」
高町 中村「「えっ?」」
高町と中村が、声を漏らした時、俺は彼女達を両脇に抱き抱えた。
中村「ちょ!?」
高町「あっ!」
2人が声を上げる。
透「うっし、逃げるぞ」
高町「う、うん……」
俺の言葉に高町は応え、俺は高町と中村、高町はユーノを抱き抱えながら飛雷神の術でその場を後にした。
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第5話 初戦闘と救出ともう1人の…… | ||
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デバイスが主に文句とか、説教とか、ポンコツどころかゴミだな(Takeru Kumabe) ハルカ「助けて!!井上君っ!!!」⇒なのは(黄金拍車) |
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