戦国慕歌路絵巻 風雲!鏡音伝 第11話 安土城戦 〜信じるココロ〜
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(安土城城内・4F・晴明の異世界)

 

 ネル達が芦屋道満の異世界に飛ばされたのと同じ時、レン達は、安倍晴明の“光”と“炎”の異世界に飛ばされていた。明るいとはいえ炎やマグマがそこかしこでふき上がり、非常に危険な世界であった。

 

 レン、リン、役小角の3人は、はっきりした意識を持って、目の前で腕組みをしている“安倍晴明“と対峙していた。

 

安倍晴明:ようこそ1軍諸君。ここは“光と炎”の世界、そしてこの世界の主である私が、最後の門番の片割れ、“安倍晴明”、だ

役小角:私たち3人だけか。なるほど、芦屋道満とセットの能力“分断”というわけか

レン:こっちに来なかったメンバーは、道満と戦っているってわけだ。大丈夫かな・・・

安倍晴明:“ドーマンセーマン”。我々は二人で1セットなのだ。道満には悪いが、2軍を相手にして貰っている。私と戦うのは、君たち“光”属性のメンバーだ

リン:言って置くけど、私たち3人、強いよ?

レン:それに正々堂々と“一騎打ち”なんてやるつもりないからね。一気に全員攻撃でボコスカにして、さっさと道満の所に助けに行って、それから信長を倒しに行くよ

役小角:私も賛成だ。こんなところで時間を無駄にするつもりはない

 

 ビーーーン!

 

 レンも役小角も、刀の光の刃を出し、しっかと構えた。リンも術を唱える体制を整えた。

 

安倍晴明:冷静沈着なのが売りな1軍の割に、今回は随分、急ぎ足だな?

レン:ネル達が心配なんだよ! 俺達抜きで戦っているわけだろ!?

リン:どう考えても不利じゃないの!

役小角:私だって、ネル達だけでなく、使役鬼二人の事が気にかかる。この場は“戦略”より“押し切り”を重視したい

 

安倍晴明:・・・・ふっ。まぁいいだろう。そんなに早く戦いたいのなら、戦ってやる。私に勝てば、元の城に帰れる事以外、私から説明することは特にない

 

 ビーーーーーン!

 

 晴明も袖に隠し持っていた、柄だけの“明光剣”から、光の刃を作り、刃を下にした状態で、“彼なりに”構えた。

 

役小角:お前も“光の剣”の使い手か。さすが光属性だな

レン:やたら術で来られるよりは、やりやすい! リン! 術のバックアップ、頼むよ!

リン:うん!

役小角:では、さっさと行かせて貰う!

 

 レンと役小角は、晴明の左右の位置に走り込み、挟み撃ちの体制に持っていった。不気味なのは、晴明が“一歩も動かない”事だった。

 

レン:随分余裕ですね

役小角:・・・やはり策があるのか

安倍晴明:三角の陣で来ようが、さして問題はない。望み通り来るがいい

レン:ああ! さっさと終わらせてやるよ!

 

レンと役小角は、晴明の“下段の構え”に合わせるように、“上段の構え”で晴明に左右から斬りつけた! まずは左からレンの光の刃が晴明の頭上を襲った!

 

レン:もらった!

 

 ブン! カラーーン! カラーーン!

 

それは一瞬だった。晴明は下段の構えから、瞬時に頭上に円弧を描くように光の刃を回転させ、まずレンの剣をはたき落としてしまった! そして、その円弧の軌跡は、右から攻撃した役小角の剣をも、続いてたたき落とし、たった“一回の剣撃”で、二人の武器を無力化してしまった!

 

レン:な、なんだこれ!

役小角:くっ・・・早まったか・・・

 

 しかし、レン達の攻撃の前からリンは臨戦態勢だったので、軌道上に二人がいない事を確認して、弱点だと思う“氷結”攻撃を繰り出していた!

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リン:陰陽術“吹雪”!

 

 勾玉が光り、リンの目の前から猛吹雪が発生し、その渦は、剣撃が終わった体制になっていた晴明を襲った! しかし・・・、

 

安倍晴明:クリムゾンフレア!

 

 晴明は“片手で”剣を持っていたのだった。そしてもう片方の手は、すでに“臨戦態勢”になっており、剣撃が終わった後すぐに、炎の塊“クリムゾンフレア”をリンに向かって発射していたのだった!

 

 クリムゾンフレアは猛吹雪を物ともせず、リンに向かって一直線に飛んでいった!

 

リン:う、うわ! アイスシールド!

 

 リンは咄嗟に“厚い氷の壁”を目の前に発生させ、攻撃を防ごうとした! 炎の塊は壁にぶつかり、壁の全壊と同時に消えてくれた。

 

安倍晴明:ほぉ、そのリボン巫女は、勾玉で強化されているのか。今のところ、私の“最低魔力”をうち消すことができるようだな

 

 レンと役小角はリンの攻撃の隙を見て、飛んでいったそれぞれの剣を取り戻しに行き、なんとか攻撃を防いだリンの元に再び集まった。

 

役小角:申し訳ない。私としたことが慌てすぎた・・・

レン:“相手の攻撃に対応する”とかそんなレベルじゃないよ! どんな攻撃も“見切る”ことが出来るなんて・・・

リン:それと、言っていたよね。“私の最低魔力をうち消せる”。私、全力だったのよ・・・

 

安倍晴明:役小角、仲間の危機に心を動かされ、策を見誤るようでは、修行が足りんな。それとレン、お前の腕では私には勝てん。攻撃し始める瞬間で、どう見切るか、すぐにわかったぞ

レン:くっ・・・言い返せない・・・

役小角:・・・わかった。道満と戦っているメンバーの事は、横に置くことにする。“時には非情になる事も大切”、そういうことだな、晴明?

 

安倍晴明:敵にアドバイスするのもどうかと思うが、まぁそう言うことだ。私と互角に戦いたいのなら、非情になれ! 策を錬ろ! 全力で来い!

 

 バシュ!

 

 レンは遂にキれてしまい、覚醒スイッチが入った!

 

リン:レン・・・

レン:ソウダヨな! ゼンリョクだよな! 役小角さんと互角に闘えた、この“覚醒”モードなら、その3つを兼ね備えているぜ!

 

 ビューーーン!

 

 レンは右手の“ビームシールド”を全身に展開し、さらに輝きを増した天叢雲剣を構え直し、晴明と正面で対峙した。

 

レン:リン! 強化術をかけてくれ! 役小角さん、僕の攻撃でどこまで行けるか解りませんが、ヤツだってスキはあると思います。その時を掴んで、トドメをお願いします

役小角:わかった。相手から攻撃がなく、二人で戦っても見切られるのなら、時間差で攻撃した方が有効だからな。ヤツは危険すぎる相手だ、十分気を付けろよ

安倍晴明:お、今度は覚醒した寝癖頭の巫女さん、一人が相手なワケだ。いいだろう。今度は“見切られない”ように頼むよ

リン:はい! レン! 強化術かけたよ!

レン:おっしゃぁ! 負けるもんか! ウリャァ!

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 レンは中段の構えのまま、またもや下段の構えをしている晴明へ真っ正面から走っていった!

 

レン:中段ならどちらにでも対応できる!

安倍晴明:・・・まぁさっきよりはマシか

 

 カキン! ギリギリ・・・・

 

 レンの刃は中段から下に振り下ろし、下段から振り上げた晴明の刃と“鍔迫り合い”を起こしていた!

 

レン:負けるか!!!!!

安倍晴明:ほぉ・・・基本パワーは上がっているな。鍔迫り合いまで持ち込めたとは。しかし“もう片方の手“への対策がなってないな。フレア!

 

 晴明はまたも片手で剣を操っていた! もう片方の手からレンの腹部へ、炎の塊が発射されたのだった! しかし、

 

 ガゴン・・・・・ポト

 

安倍晴明:・・・!

 

レン:痛つつ・・・へへ! お前の“炎攻撃“は物質属性!。俺のシールドは”対物理“なんだよ! 衝撃はあったけど、防いでやったぜ! 役小角さん!! 今です!

役小角:よし! おりゃ!!!!!!!!

 

 役小角は素早く晴明の横まで近づき、鍔迫り合いと術攻撃の処理でスキが出来た晴明に斬りかかった!

 

役小角:今度こそ、直撃させる!

安倍晴明:・・・“非情になれ“って言ったろ?

 

 ブン・・

 

 晴明はなんと刃を引っ込め、レンの刃が肩に少し斬りかかったダメージを追いながらも回転しながら回避し、役小角の目の前に躍り出た!

 

役小角:な!

安倍晴明:お前は寝てろ!

 

 ブン!

 

 晴明は再び刃を出し、役小角の左肩を貫通させた!

 

役小角:ぐ!!!!!

安倍晴明:どけ!

 

 ドン!

 

 晴明は役小角に思いっきり蹴りを与えて、役小角をリンの方へ蹴り飛ばしてしまった!

 

レン、リン:役小角さん!

安倍晴明:レン、私の相手はお前だけでいい。ほら、来い!

レン:ぐ・・・、俺はそこまで非情にはなれないよ!

 

レンとリンは負傷した役小角の所へ駆け寄った。

 

安倍晴明:甘いねぇ・・・

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レン:大丈夫ですか!?

役小角:ぐ・・・左手が動かん・・・。自己修復に時間がかかる・・・

リン:無理しないで!

レン:・・・晴明が負傷しているってのに、こっちに来ちゃったです

役小角:・・・ふふ、それがお前のいいところだ。むこうだって負傷の自己修復に時間がかかるはず。少し策を練る時間はあるようだな

 

リン:・・・私、思ったんですが、アイツ、いくら何でも強すぎませんか?

レン:あ、それ、俺も思ったよ。さっきは巧く負傷までこぎ着けたけど、ある意味こっちの最大攻撃をかけての結果だよね。しかもこっちにも負傷者が出た

役小角:うむ・・・。この異世界には、なにか“謎”があるようだ

リン:・・・・・・あ! そういえばアイツ、冒頭でこんな事言ってましたね、“この世界の主”って。もしかして、それがヒントかも!

役小角:“この世界の主”か・・・。もしかすると・・・、ヤツの強さは、“この世界限定”なのか!?

レン:え、でも、この世界から脱出する条件って、“ヤツを倒す事”ですよね。それじゃ意味ないですよ

役小角:・・・・・・・・いや、もう1つあるかもしれない

リン:え?

役小角:“対の片割れ”である「芦屋道満」の存在だ。奴らの能力は全て“二人で1つ”だと言っていた。なら、相方の“道満”が倒され、存在がなくなれば、もしかすると、この世界そのものも存在出来ずに、元に戻れるかも知れない

レン:で、でも、僕たちはネル達が戦っている道満をどうすることもできない・・・。やっぱりだめですよ

 

役小角:・・・ヤツは“非情になれ”と言っていた。一時は私もそうしたのだが、しかし、それはやはり違うと思う。我々には同時間で戦っている仲間がいる。彼らを“信じる”事で、勝機が見いだせるかもしれん

 

リン:・・・・・わかりました。伏見城戦で少しわかった“覚醒”、私が完全に覚醒して、この場に“全属性のバリアー”を張ります。ヤツだってこちらが攻撃してこないって事になれば、嫌が上でも“攻撃してくる”と思うんです

レン:なるほど、でもこの策には絶対必要な事があるよね

役小角:そうだ。“道満と戦っている仲間が絶対に勝つ“事、そして、それを信じ続けられる強いココロ。かなり賭けの要素が強い策だが、二人とも、できるか?

リン:今はそれしか手がないんです。ネル達が勝つことを、信じ続けます

レン:そして、絶対に勝機を見出します!

役小角:・・・・よし! リン、早速作戦開始だ。霊力のほとんどを使い果たすことになるが、頼むぞ!

リン:はい!

 

 バシュ!!!!

 

 リンもレンと同じ様な輝く姿に変わり、完全に覚醒した。そして深々と術をかける印を結び、そして術唱えた!

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リン:最大出力! 全属性バリアー!!!!!

 

 バシッ!!!!!!!!

 

 リンを中心として、3人のまわりに半透明の強固なドーム型のバリアーが張られた。これで“守る事”以外、出来なくなった。

 

リン:攻撃が来なければ、より保たせられるけど、さぁ、どうする、晴明!

安倍晴明:さぁも何もない。万が一にも道満が倒される事はないが、そちらが攻撃してこないのなら、こちらから仕掛けるしか有るまい。私はお前らのような“情に流される”タイプではないのでな。相手が守りしかできなくても、容赦なく攻撃する

 

 晴明は術を唱え始めた。一応のため“接近戦で斬りつけてバリアーを突破する”ことはやめていた。バリアーを解いてカウンター攻撃という策もあるにはあるからだ。

 

安倍晴明:コロンゾンフレア、弾幕!!

 

 晴明は、火炎の悪魔“コロンゾン”を宿した火球を、まさにシューティングゲームの弾幕のように大量にバリアーに向けて放ってきた!

 

 ドゴン! ドゴン!

 

 しかし、覚醒リンのバリアーは想像以上に頑丈だった! 晴明が放った攻撃であるにも関わらず、ぐらぐら地面が揺れていても、破壊されずにレン達を護っていた!

 

役小角:な、なんとか保っているようだな

レン:頑張ってくれ! リン!

リン:が、頑張る!

 

 しかし晴明は攻撃を途中でやめてしまった。

 

安倍晴明:ほぉ。リボン巫女の覚醒・・・つまり“本気”とやら、甘く見ていたようだ。ならばこちらも“本気”を出さなくては失礼だ

 

 晴明は、別の印を結び、別の術を唱えた。

 

安倍晴明:炎の魔神“アグニ”を宿し炎弾よ、目の前の障害を滅せよ! アグニ・プロミネンス!

 

 ゴゴゴゴゴ・・・・バグバグバグ!!!!!!!

 

 晴明の前に、オーラを宿した“巨大な炎弾”が出現し、バリアーに向けて放たれた! そして、バリアーに直撃した!

 

 ガゴガゴガゴガゴ!!!!!!

 

リン:キャアアアア!!!!!

レン:大丈夫だ! 少しヒビが入ったけど、バリアーは健在だ!

役小角:しかし、ヤツの本気には、そう長時間耐えられそうもないな

レン:頼む! みんな! 道満に勝ってくれ!

 

 ガゴン! ガゴン!

 

 次々に放たれるアグニ・プロミネンスの衝撃で、少しずつヒビが大きくなっていく。

 

安倍晴明:さぁ、どこまで行けるんだ? 俺は攻撃を緩めんぞ?

 

 ガゴン!ガゴン!・・・・

 

 ・・・もう何発炎弾を受けたであろう。バリアーもリンの霊力も、もう限界だった。

 

リン:ご・・ごめん・・・・もう・・・・だめかも・・・・

レン:頑張ってくれ! ここまで信じてきたんだ! 俺は最後まで仲間を信じる!!!

 

 そのとき、遂に奇跡が起きた!

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 パァァァァァァ・・・・・・・・

 

 異世界の景色が半透明になり、透明になり、そして、元の畳敷きの安土城4Fに戻ったのだった!!!

 

安倍晴明:な!!! なんだと!!!!! ど、道満がやられただと!!!!!!!!!

 

 レン達の“予想“は”確定“になった。晴明の霊力は極端に低下し、放っていた炎弾も消えてしまった。

 

 しかし、リンの霊力もリミットだった。バリアーが消え、リンは気絶してしまった。

 

レン:リン・・・そして、「仲間」のみんな、本当に有り難う! 役小角さん! 相手は極端に弱くなりました! 今のボクでも行けそうです!

役小角:いや、もっと確実な「仲間」が来てくれたようだ

 

 ブォオオオオ!!!!!

 

 なんと、道満戦を勝ち抜いて3Fから上がってきた“ホバータンク「ミリアム」”の仲間がちょうど部屋に入ってきたのだった!

 

ネル:待たせたな! 道満戦で弱点は知っている! すまんがヤツの動きを、“自分の体以外”を使って止めてくれ!

役小角:・・・・ゴズキとメズキは“それ”で・・・

ハク:すみません。それしか手が無くて・・・・

ネル:いいから! 頼む!

レン:了解!

役小角:わかった!

 

 レンは天叢雲剣の刃を再び出し、左手が使えない役小角も右手で刀を掴んで刃を出し、レンと共に、弱体化した晴明にかかっていった!

 

安倍晴明:お、お前ら如き、今の私でも勝てるわ!

 

 晴明も刀を持ち直し、“刃”を出そうとした。しかし、刃の光は宿らなかった。

 

安倍晴明:し、しまった! 異世界で霊力を使いすぎたか!

役小角:右手だけで十分だ!

レン:喰らえ!

 

 グサグサ!!!

 

 レンと役小角の刃は、それぞれ右手左手の肩を貫通し、ちょうど部屋の壁に晴明を“貼り付ける”形になった。それぞれの刀はレン達の手から離され、まさに刀が画鋲のようになっていた。そしてレン達もその場から離れた。

 

レン:これでいいか!?

ネル:オーケー!!!! 全速前進!

 

 ブォオオ!!!・・・・・・ガツン!!!

 

安倍晴明:うごぉ!!!

 

 タンクは道満の時と同じように、砲身の先を晴明の心臓部に押し当てた!

 

ネル:これで最後だ! 零点距離、最大出力! アサルトライフル、発射!!!!!!

 

 ネルは力一杯トリガーを引いた。部屋が壊れる勢いで、砲身から霊力で作られた“アサルト弾”が一発、晴明の体を貫いた!

 

 ドゴーーーーーーーーン!!!!!

 

安倍晴明:グホォォォオオオオオ!!!!!!!・・・・・・・・

 

 シューーーーーン コロン・・・・

 

 遂に最後の門番、安倍晴明も心臓部を破壊され、元の変身人形に戻ってしまったのだった。そしてその壁の側に、「Type:SONIKA」と彫られたドッグタグが転がっていた。

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リン:う・・・・・・みんな・・・だい・・じょう・・ぶ?

 

 リンはようやっと気が付いた。

 

レン:「大丈夫か?」は、リンだろ? いや、ホント、大丈夫か?

リン:う・・、うん! 大丈夫!

役小角:霊力が回復するまで、しばらく安静にしていた方がいい。勾玉がある故、急速に回復すると思う。それにしても・・・

 

ネル:いやー、美味しい所を持って行っちゃって、申し訳ないね。道満戦に引き続き、2回目だよ

レン:いやいやいや、とんでもない! 良く道満を倒して、助けに来てくれたよ! ほんと、“信じていた”かいがあったよ

リン:ほんと、良かった・・・・

役小角:今回は、信じているだけでなく、実際に“道満が倒される”ことが絶対条件だった。ホント助かった

ネル:そ、そうか? ニャハハ♪

役小角:・・・それとゴズキとメズキの件、先ほどでわかったよ。残念だが当分、再召還できそうにないな

ネル:すまないです

 

ハク:それと道満が言っていた通り、晴明と道満は一対だったんですね

レン:ああ。自分の世界での晴明の強さ、半端無かったよ。絶対に勝てないと思ったから、策を変えたんだ

ハク:あら、役小角さん、左手負傷ですか?

役小角:ああ。そこの“晴明のボディパーツ”を使って、修理する事にする。残念だが私も回復に時間を取るから、みなも、持ってきた“おにぎり”でも食べて、満タンになってから、信長に挑もう。晴明、道満がこれなのだから、信長はさらに酷い事になっている事が予測できる

 

レン:そうさせて貰います。さすがに疲れたです

ネル:お腹空いたな〜。リンも食べて回復しなよ

リン:うん。食べておく

てと:(^-^)/

 

***

 

役小角の修理も終わり、全員の食事も終わったところで、安土城最上階(5F)の「天守の間」に挑むことになった。

 

役小角:この上が“最終地点”だ。ようやっとここまでたどり着けた。相手の「第六天魔王信長」が、今、どうなっているのか、正直解らない。しかし、尋常でないこと位はわかる。色々な犠牲があっての到着だが、それ故に“負けられない戦い”でもある

レン:はい! 絶対に勝ちます!

リン:私たちの世界の信長って、かなり“技巧派で短気”だったみたいだから、気を付けなくちゃね

ネル:とりあえず“タンク”が残っていて良かったよ。これまでの事を考えても、大きな戦力だからな

ハク:絶対勝って、勝利の美酒を浴びたいです!

てと:ヽ(`Д´)ノ

 

役小角:よし! 行くぞ!!!

全員:おお!!!

 

こうして、全員はホバータンクに乗って、5Fの天守の間に向かった。

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(安土城城内・5F・天守の間)

 

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・

 

役小角:な・・・・・なんだ・・・・・こいつは・・・・

レン:信長の片鱗なんて、どこに・・・・・

リン:これのどこが信長・・・いえ、人間なの・・・・

ネル:な、何なんだ? 何のために“こんな物”を信長にしたんだ??

ハク:なんで、せめて変身タイプにしなかったのよ・・・

てと:( ̄□ ̄;)!!

 

 巨大な天守の間の奥に“いた”のは、人間の姿をした存在ではなかった。いや、それに近いが、その姿は、アニメなどで出てくる戦闘ロボット、それも武装したロボットだった

 

信長:ようこそ、最終地点へ。私が“究極兵器・第六天魔王信長”だ!!!!

 

(続く)

 

CAST

 

巫女・鏡音リン:鏡音リン

巫女(?)・鏡音レン:鏡音レン

 

陰陽師“役小角”:Prima

陰陽師“安倍晴明”:SONIKA

 

カラクリのネル:亞北ネル

深酒のハク:弱音ハク

人形の“てと”:重音テト

 

ホバータンク(ミリアム)のCOMP:MIRIAM

 

第六天魔王信長、ゴズキ、メズキ、その他:エキストラの皆さん

説明
○ボーカロイド小説シリーズ第9作目の” 戦国慕歌路絵巻 風雲!鏡音伝“シリーズの第11話です。
○巫女の鏡音姉弟(?)が主役の擬似タイムスリップジュブナイルです♪
○メインは和風の妖怪とか陰陽師とか出てくる、バトル物でもあります。

☆レン達の安倍晴明戦です。
☆2軍の底力、再び見せてくれました。
☆そして最後に出てきた信長の姿は・・・・。
☆作中の“トリン”とは、トラボルタP様のリン曲“ソラトバズ”に出てくる、飛べない鳥の名前です。
ニコ動リンク:http://www.nicovideo.jp/watch/sm9293649
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Vocaloid 鏡音レン 鏡音リン 亜種 海外組 

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