東方燕狼歌 第一九話 妖怪退治
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・・・・よお、みんな・・・かぐや姫に会えた悠だ。

かぐや姫に会えてから数週間がたっているんだが俺は未だこの都に住んでいる。とゆうか翁さんの屋敷に住んでいるんだ。

なぜかというと、俺はお礼をもらってさっさとこの都を出ていくつもりだったんだが、翁さんに頼まれて正式にかぐや姫の護衛をしてくれと頼まれてしまった。あの爺さんとの約束もあるわけだから引き受けたわけだが・・・・・

 

「悠〜早く持ってきよ〜」

 

「だから自分でもってこいよ・・・」

 

「嫌よ、めんどくさいもの」

 

「はぁ〜」

 

結構後悔してるんだ・・・かぐや姫は確かに綺麗だったよ・・・ああ綺麗だったさ!!

姫ってことは分かるんだよ、でもこいつの生活態度がニートみたいだし、面倒なことをよくするんだよ・・・ん?なぜただの護衛の俺とかぐや姫が仲良さそうだって?まあ、ちょっとあってな・・・・

あれは、かぐや姫と会って4日ぐらいのことだったかな?まあ、その時の話をしてやろう。

 

 

 

「悠さん、ちょっと相談したいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」

 

「なんでしょうか?」

 

「いえ、買ってきて欲しいものがあるのですが」

 

「そういうのは、俺みたいな護衛ではなく侍女たちのかたに頼めば良いのではないでしょうか」

 

「むっ、別にいいじゃない」

 

「嫌ですって・・・」

 

「買ってきなさいよ!」

 

「嫌だって!」

 

「なによ!私がお願いしてるのよ、買ってきなさいよ!」

 

「嫌だっつてんだろ!」

 

そう言って悠は部屋を出ようとするが、かぐや姫が悠の腕をつかむと外に向かって思い切り投げ飛ばした。投げ飛ばされた悠は障子を突き破り中庭に投げ飛ばされたが、体を捻り着地した。

 

「何しやがる!」

 

「あなたが、私の頼みを聞かないからよ!」

 

「はぁ?ふざけんなよ、なんでお前の言うことなんて聞かなきゃならないんだよ!」

 

「そんなの私が姫だからに決まってるじゃない!」

 

「知るか!しばき倒すぞ!」

 

「やってみなさいよ!そんなことする前に私が倒してあげるわよ!」

 

「ああ、いいぜ。やれるもんならやってみろよ!」

 

 

 

と、まあこんな感じに子供みたいな理由で喧嘩しちまってな。その時の損害がたしか中庭がほぼ全壊したぐらいだったかな?うん、そのせいで翁さんにはかなりしかられたけどな。てか、かぐや姫がそこらへんの奴らより強いってどゆこと?とまあ、たぶんその喧嘩がきっかけでかぐや姫とは仲良くなったのかな?まあそのせいで面倒ごとが増えたわけだが、結構楽しいから特には気にしないな。

 

「にしても悠ってお人好しよね」

 

「そうか?」

 

「そうよ、前だって私が屋敷を抜け出したいって言ったら文句言いながらも付いてきてくれたじゃない」

 

「あのな、俺の仕事はお前の警護なのだから当たり前だろ。」

 

「でも、普通だったら止めるわよ?」

 

「どうせ俺が止めったって抜け出してただろうお前・・・・」

 

「まあ、その通りなんだけどね。あ、そうそうお爺さんが呼んでたわよ。」

 

「翁さんが?」

 

「急ぎの用件だって言ってたけど」

 

急ぎの用件?護衛のことについてか、それとも最近都を騒がしている妖怪のことか?まあ、どっちでもいいけどな。

 

「わかった、俺は翁さんの所に行ってくるけどお前はどうする?」

 

「私も一緒に行くわよ」

 

「ん?ついてくるのか?」

 

「行くわよ、とゆうか私も呼ばれてるし」

 

「そうなのか?」

 

「そうなの、だから早く行くわよ」

 

「はいはい、了解しましたよ。」

 

そういって悠と輝夜は翁のいる部屋に向かっていった。

 

 

 

ー翁の部屋ー

 

「で、翁さん急ぎの用件てなんですか?」

 

「その事なんじゃが、お主の耳にも入っとるかもしれんが最近都を騒がしておる妖怪がいるじゃろ。その妖怪をお主に退治して欲しいという依頼を預かってきたのじゃ」

 

やっぱり、妖怪退治か・・・あれ、でも依頼を預かってきた?

と言うことはこれって翁さんからの以来じゃなくてほかの誰かからの依頼?

 

「翁さん聞きたいんですけど、この用件って翁さんからの依頼じゃないんですよね?」

 

「ああ、そうじゃ」

 

「ならどうして俺にそんな妖怪退治の以来がやってくるんですか?

普通そういった用件ってその妖怪退治を専門にしている陰陽師に話が行くはずなんですけど?

なぜ、俺みたいなただの護衛にそんな依頼が来るんですか?」

 

「いや、実はなこの依頼を頼んできたのは帝様なのじゃ」

 

ふ〜ん、帝様ね・・・・・ん?帝様?

 

「なぁ、翁さん帝様って確か天皇だよな?」

 

「うむ、そうじゃが」

 

「待って、なんでその帝が俺みたいな奴に妖怪退治を依頼するんだよ・・・」

 

「そのことなのじゃが、帝様は輝夜を気に入っておってな。そのため帝様は輝夜の護衛のお主に実力があるかどうかを試すためにこの依頼をしてくださったのじゃ」

 

うわ〜、天皇すら虜にしてんのかあいつの美貌は・・・・美貌以外は残念な奴なのに・・

まあいいか、面白そうだし受けるか。

 

「翁さん、その期限ていつまでですか?」

 

「おお、受けてくれるか!それで期限なんじゃが1週間じゃ。それまでに退治ができなかったらお主を護衛から外さねばならんからな・・・儂や輝夜もお主のことを気に入っているからなんとしても成功させてくれ、頼んだぞ。」

 

「分かりました、期限までには終わらせてきますよ」

 

さて、ちょっと行ってきますか!!

・・・・ん?あれ、ちょっと待てよ?

 

「翁さん、その間かぐやの護衛はどうするんですか?」

 

「それな心配いらん。帝様が信用を置ける護衛の方を何人か送ってきてくれるらしいから大丈夫じゃ」

 

「そうですか、ならちょっと行ってきますよ」

 

「え〜、悠行くの〜?」

 

「いや、行かないとダメだろうが・・・」

 

「ぶーぶー!!」

 

「まあ、さっさと終わらして戻ってくるから待ってろ」

 

「分かったわよ・・・」

 

さて、かぐやの了承も得たことだし行ってきますか!

 

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悠は屋敷を出てから噂のや聞き込みの情報を整理しながら街の中を歩き回っていた。

 

さて、俺が聞いた噂だとその妖怪は、全長3メートルの蜘蛛だったり、いくつもの頭を持った大蛇だったり、目玉がいくつもある人間だったりとその妖怪の情報が曖昧なんだよな・・・・

さっき聞き込みをしてみたけど出現する場所もバラバラでどこに出るかもわからない。

だけど、まあ、一つだけ分かった事があるとすればその妖怪は必ず深夜に現れるってことくらいか。

うーん、これだけじゃまだ情報が足りないな・・・・どうするかな?

 

そう考えつつ悠は街中を歩き回り情報をかき集めていった。

その情報を集めていく内に悠は一つの違和感に気がついた。

 

・・・まてよ、思えばこの妖怪騒ぎ誰ひとりとして犠牲者がいない?

襲われた奴の話では必死に走って逃げ出したらいつの間にかいなくなっていたらしいな・・・

いくら弱い妖怪でも人間くらいのスピードには追いつきそうなんだが、これは偶然か?

 

「ああ、わからん!!」

 

悠はそう叫ぶと、目の前にある団子屋の中に入っていった。

 

「・・・へい、いらっしゃい」

 

店の中に入ると客は誰もおらず店主らしき人物しかいないなく、閑古鳥が鳴いていた。

 

「ご注文は?」

 

「団子を3つ、あと聞きたいことがあるんですが?」

 

「なんです?」

 

「最近ここら辺で妖怪が出たって噂があるんですが詳しく聞かせていただけませんか?」

 

「ああ、その噂ね・・・確かにここらで出たって話は聞いたよ。そのせいで客は来ないわ、従業員たちはやめちまうわで・・・商売あがったりだよ・・・」

 

なるほど・・・客や従業員がいないのはそのせいか。

 

「へい、団子お待ち」

 

「どうも」

 

「それで、噂ね・・・俺が聞いた話じゃ確か、顔はサル、胴体はタヌキ、手足はトラで、尾はヘビらしいんだけど、そんな奇妙な妖怪も存在するんだねぇ」

 

「・・・・はい?」

 

あれ、どっかで聞いたことがあるような・・?

 

「店主、もう一回その噂、聞いていいか?」

 

「ああ、別にいいが、顔はサル、胴体はタヌキ、手足はトラで、尾はヘビらしいんだ。」

 

「・・・・ああ、なるほど思い出したよ」

 

「ん?なにをだい?」

 

「ああ、気にしないでこっちの話だから。」

 

「そうかい?」

 

思えばかぐや姫もいるんだ、この妖怪がいてもおかしくはないな。俺の記憶が正しければこいつの名前は((鵺|ぬえ))だったはずだ、思えば平安時代ぐらいに出てきたんだったな。

さて、たぶん今、都を騒がしてる妖怪は鵺に決まったかな?でも、こんな特徴があるのにどうして噂がバラバラだったのかわからないが、まあいいか。

まあ、あとは夜を待つだけだがにしても、この団子うまいな・・・

 

悠がそんなことを考えているとひとりの少女が店の中に飛び込んできた。

そのあとに続くように男たちが3人入ってきた。

 

「な、なんだ?」

 

「邪魔するぞ」

 

入ってきた大男たちは少女の前に立って喋りだした。

 

「お嬢ちゃん、そろそろ観念してくれ。」

 

「いやだ!」

 

「全く面倒なガキだな・・・」

 

「動けなくして持ち帰るかやっぱ?」

 

「いや、これは大事な商品だ。傷がつくのはいささかまずい」

 

・・・いや、なんだこの急展開、てか俺を俺の席を挟んでそんな会話するなよ・・・

ほら、店主だって今にも泣き出しそうな顔してるじゃないか。

 

「お父様が私を売ったなんて嘘だ!!」

 

「嘘じゃない、君は間違いなく私たちの依頼人に売られたんだよ。」

 

「その通りだぜお嬢ちゃん。言うけどお嬢ちゃんは邪魔だったんだよね、依頼人にとっては。」

 

「だから、君は売られたのだよ。まあ、殺されないだけでもありがたいと思いなさい。」

 

「そ、そんな・・・うそだ・・」

 

いや、だからね、俺を挟んでそんな重い話をするなって。にしても団子とお茶が美味いな〜

 

「あ、あんたたち。面倒事なら外でやってくれ!店の中でやられのは迷惑だ!」

 

「ああん、何だあんた?死にたいの?」

 

「ひぃぃ!」

 

「おい、あまり脅かすな。すまんな店主、これも仕事なのだ。この少女を捕まえしだいこの店から早急に出よう」

 

「旦那も気前がいいねぇ、俺だったらこのおっさん殺してるぜ」

 

「だから、やめろっと言っている。」

 

「冗談だって旦那、にしてもこの店客がいねえな」

 

「ふむ、この頃の妖怪騒動で外出する者も少ないからな」

 

「ふ〜ん、じゃあ、このガキはそれを承知で外に出てるってわけか?」

 

「・・・・・・」

 

「おい、なんとか言ったらどうなんだ?」

 

軽薄そうな男が悠に向かって言った。

だが悠はそれを全く気にせずに団子を食べていた。

 

「無視してんじゃねぇぞ、このガキ!」

 

軽薄そうな男が悠に掴みかかったが、その男は店の外に弾き飛ばされた。

 

「「なっ!!」」

 

まったく、なんで俺はこう面倒ごとに巻き込まれるのかな。まあ、これも人生だと諦めるか。

さて・・・・どうするかな、この状況

 

「貴様、今何をした?」

 

「別に、ただ掴まれたから投げ返しただけだよ」

 

「投げただと・・・あの一瞬でか?」

 

「っそ、第一仕掛けてきたのはそっちだ。だから俺は自分の身を守った」

 

「ふむ、確かにな。その点に関しては謝ろう。すまなかった」

 

「いや、気にしちゃいないさ。でもな、今の話を聞いて俺はあんたたちの仕事を邪魔することにしたよ」

 

「なんだと?」

 

おお、殺気丸出しで睨んじゃってこわいなぁ〜

 

「だから、この娘を渡さないって言ってるんだよ」

 

「ふざけるな!」

 

「旦那まあ、落ち着きなさい。」

 

「これが落ち着いて「いい加減黙れ旦那・・・殺すぞ」・・ック!」

 

物静かな男が旦那と呼ばれる男をたしなめた。

 

「すまなかったな。なんと言ってはなんだが取引をしないかい?」

 

「取引?ふ〜ん・・・」

 

「ああ、君はその少女こちらに引き渡せばいい。その代わり君を見逃すそれでどうだい?」

 

「・・・話にならないな」

 

「なら、交渉決裂だ!」

 

物静かな男は悠を狙い、旦那呼ばれた男は少女の方へ飛びかかっていた。

 

「まったく、めんどくさいな」

 

悠は団子についていた串を旦那と呼ばれた男に投げつけ、物静かな男の懐に一瞬で入り込んで店の外に突き飛ばした。旦那と呼ばれた男は串ギリギリのところで避けていたが、体勢が崩れており持ち直そうとしている。悠はそのまま旦那と呼ばれた男に踏み込み回し蹴りで店の外に弾き飛ばした。

 

「いっちょあがり」

 

「「・・・・・」」

 

その様子を見ていた少女と店長は唖然としていたが、悠はそのまま席に戻り残っていた団子を食べ始めた。

 

「あ、あんたいったい何者だい?」

 

「俺はただの旅人だよ、っでお前はどうするんだ?」

 

「え?」

 

「だから、お前はこれからどうするんだって聞いてるんだよ」

 

「わ、私はお前じゃない!((藤原|ふじわらの)) ((妹紅|もこう))って名前があるんだ!」

 

「ふ〜ん、で、その藤原ちゃんはこれからどうするのかな?」

 

「私は、お父様に会いにいくんだ!」

 

「ふ〜ん・・・そうかい、まあ、頑張るんだな。店長、ここにお勘定置いとくよ。」

 

「あ、ああ」

 

さて、団子がうまかったことだし、鵺退治に行きますかね!

説明
かなり更新が遅れてしまいすみませんでした。
さて、かぐや姫と出会った悠は一体どうなったのか?
ハーメルンでも投稿を開始しました
強さのステータスを6段階に変更しました。
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