IS〈インフィニット・ストラトス〉 〜G-soul〜
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凄まじい勢いで出来事があった夜が明けた。IS学園は臨時休校となり、アリーナの修復作業などが行われている。

 

「……………」

 

朝日が差し込む学園の懲罰部屋の一室に梢は幽閉されていた。扉の向こうでは職員が二人体制で見張っているはずだ。梢は今度こそ何をするわけでもなく、ただ膝を抱えて座り込んでいる。

 

「……………」

 

 

キィ…

 

 

「…?」

 

突然、部屋のドアが開いて人が入ってきた。

 

「よう、朝飯持って来たぜ」

 

明るい声とともに部屋に入ってきたのは朝食が載ったプレートを持った瑛斗だった。

 

「……………」

 

セフィロトの暴走時の事を思い出して梢は後ずさる。

 

「そう怖い顔すんなって。お前のフォルヴァニスも蘭のフォル二アスも俺が修理してやっから」

 

「……………」

 

むき出しの警戒心に瑛斗はハハ…、と困ったように笑う。

 

「昨日は寝れたか? …って、聞くのも野暮か」

 

「…あの」

 

「うん?」

 

「…私は、どうなるんでしょう……」

 

昨夜、梢は有無を言わさずここに入れられたので、取り調べすら行われなかったことが気になっていた。

 

「普通に考えれば、学園襲撃の罪で罰せられるかもな。もちろん学園からは追い出される」

 

「……………」

 

梢はその言葉に目を伏せる。

 

「…って言うのはちょっと前の話だ」

 

「…?」

 

その言葉に梢は顔を上げる。

 

「お前を学園に送り込んだのが亡国機業だっつーのは先生たちも理解してるから、今はまだお前の処分は保留されてる。ここだけの話、大半の先生達がお前を許してもいいんじゃないかって考えてる」

 

「……………」

 

「だけど、委員会の連中が何を言うか分からないんだ。そこで聞きたい」

 

しゃがんだ瑛斗は真剣な表情で梢に顔を近づけた。

 

「…お前、どうしたい?」

 

「え…」

 

「このままここで処分が決められるまで待つか、ここから出て無罪放免を勝ち取りに行くか・・・。二つに一つだ」

 

「……………」

 

梢は考えた。

 

確かに、先生たちが自分を擁護してくれるのならここで処分を待つのもいい。上手くいけば咎められることはなくなるかもしれない。

 

(…けど)

 

そこで一度思考を区切る。

 

(…もしかしたら、もう、蘭に会えないかもしれない……)

 

梢は、それだけはどうしても避けたかった。

 

「…私、は」

 

立ち上がって、瑛斗の目を真っ直ぐ見ながら答えた。

 

「…私は、蘭ともっと一緒にいたい。笑って、蘭の前に立ちたい……!」

 

「……………」

 

瑛斗はその答えを聞いて二ッと笑った。

 

「そうと決まれば話は早い! すぐに出発するから早く飯食っちまってくれよ。食い終わったら出て来てくれ」

 

瑛斗はプレートを梢に渡して扉に向かった。

 

「……………」

 

自分の気持ちをはっきりさせた梢は、朝食を取り始めるのだった。

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