真・恋姫†無双〜不信の御遣い〜 第九話
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宿から出てきた僕は、歩きながらこれからどうするかを考えていた。

 

「『恋姫無双』って、三国志の武将が女性になっていて、それ以外は特に変わった

 

ところはないらしいんだけど……」

 

この情報は、ゼウスさんからの手紙で知った。

 

「ということは、ベースは『三国志』の世界なんだよな。っていうか、今何年なんだ?」

 

今何年かで、残っている勢力がどんなもんか分かるんだけど……。

 

自慢じゃないけど、僕は大学で中国史の授業を取っていたので、『三国志』の世界にも

 

多少の知識はある。

 

大体でいいのなら、その年に何が起こったのかを答えることぐらいできる。

 

あとは……。

 

 

 

「誰か、助けてくれないかな……」

 

 

 

地図も全くないこの草原でどうやって、人と接触するかということだ。

 

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「クソ〜。あのジジイ……」

 

言葉遣いが乱暴になっているのは、ご容赦いただきたい。

 

「なんで初期装備がこんなに充実してるのに地図だけないんだよ……。

 

オンラインゲームならありえないぞ」

 

っていうか即刻消されるわ、そんなゲーム。

 

「はぁ〜。こんなんで大丈夫なんだろうか、僕は」

 

両親に。

 

友達に。

 

彼女にまで。

 

裏切られて。

 

何故、生きているんだろう。

 

そんなことを思うと、胸がズキッと痛む。

 

「マズイ。また色々思い出しちゃった。まだ、引きずってるんだな……」

 

言いながら、宿屋のおばちゃんからもらったおにぎりを口にほおばる。

 

うん、うまい。

 

あ、そうだ。ゼウスさんからの手紙には、まだ続きがあったんだった。

 

読んでる途中でゼウスさんと大天使さんたちの性格の悪さと、自分のアホっぽさに

 

バカバカしくなって途中で放棄したんだった。

 

読んでみるか。

 

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手紙の続きには、こうあった。

 

「やっと読んでくれたね、パトラッシュ」

 

「ウゼェ!!!」

 

とんでもなくウザイところから読み始めてしまった。

 

ツッコミしたあと、続きを読む。

 

「その世界へ転生したからには、どう生きようとお前の自由じゃ。じゃが、色々不安じゃろうから

 

これからを生きるお前さんへの生き方の一つとして、

 

お前さんの名前を思い出すことにしてみたらどうじゃ?」

 

とあった。

 

名前?

 

そんなもの自分のことなんだから知って……。

 

ん、あれ?

 

思い出せない。

 

全く思い出せない。

 

おかしい。

 

思い出そうとするたび、頭にノイズが走る。

 

どういうことだ?

 

「じつはの、儂と大天使たちの一存で、お前さんの名前を思い出せないようにしたんじゃ」

 

ふざけんな!!!また一存かよ!!!

 

「まぁ、思い出せなくても問題あるまい?」

 

いや、あるよ!!!名前聞かれた時に。

 

「名無しのゴンベエです」

 

なんて、嫌すぎるんだけど!!!

 

「怒ってる?」

 

「バカな!?見透かされている、だと?」

 

「まぁ、それではあまりにも不便ということなので、儂と大天使達でお前さんに名前を

 

つけてやることにしたんじゃ」

 

まぁ、それなら……。どんな名前なんだろう?気になるな。

 

「ああ、あと、これから先お前さんはたくさんの武将たちと出会うが、決して許可もないのに

 

『真名』を呼んではならんぞ?」

 

「真名?」、と思った僕に説明文が続く。

 

「『真名』とは、その者のあり方であり、誇りじゃ。「真名」は本人が心を許した証として呼ぶこと

 

を許した名前であり、本人の許可無く「真名」で呼びかけることは問答無用で斬られても文句は言え

 

ないほどの失礼に当たるものじゃ。用心せよ」

 

怖い風習だな、オイ。

 

「そして、お前さんのこの時代の名前じゃがな」

 

かなり、間を空けて書いてあって。

 

そこには。

 

二文字の名前があった。

 

「『高順』じゃ」

 

すると、どこかで幼い少女の叫び声が。

 

聞こえた。

 

これで道が分かる、と思う反面。

 

ああ、面倒なことになったなと。

 

僕は思った。

 

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読んで下さる皆さんに質問なんですが、『御使い』と『御遣い』

 

どっちが正しいんでしょう?

 

よければ、コメントください。

説明
第九話です。

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コメント
神様の手紙で誤字が真名を「読んではいかんぞ」→「呼んではいかんぞ」(HIBIKI)
御使い、御遣いもどちらも大丈夫みたいです。 ただ御遣いの方がかっこいいので、御遣いの方で。(イマ)
↓きついなそれ・・・(デーモン赤ペン)
う〜ん。叫ぶ少女を助ける→ノコノコやってきた少女の家臣or友人から「お前がこの娘を襲ったんだな!!」と誤解される、のがお約束の一種ですが、高順の場合人間不信が酷くなりそうな気が…・。(ナック)
正史で裏切りの代名詞である呂布の副官、忠義の代名詞である高順ですか。なかなかいい配役ではないでしょうか。(lei)
どのルートだ?(スターダスト)
ということは深紅の呂旗のもとへ?(アサシン)
高順ときましたか!?となると董卓ルートなんでしょうか?(きたさん)
もう、絶対近くで見ているだろ。 ゼウス氏は  次回は「月orねね」かな?(劉邦柾棟)
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