魔法戦記リリカルなのはmemories 閑章 第八十一話 |
言い忘れてましたが、昨日からmemoriesを優先して書いていきます。
あと二十話くらいで終わると思いますし、均等に書いてると書き終わるのがかなり先なると思い、ほかの作品を一ヶ月くらい止めて書こうと思います。
その後は元に戻りますとおもいますので。
それではどうぞ!!
「みんな、今までありがとう」
オリヴィエが聖王のゆりかごを起動させる準備が終わって少しすると、ネネと聖王家に残っていた人間全員がゆりかごの近くまでやって来ていた。
三日前に集めたときよりもかなり少ないが、ここに残っているのは全員オリヴィエの命令に対して悩んで聖王家に残っていた人間たちだ。
多分、今でもオリヴィエの命令に悩んでいる人もいるだろう。あの時オリヴィエが言った事は唐突すぎて訳が分かっていない人も多かったのだから。
「いえ、私も今までオリヴィエ聖王女の下で働けたことに光栄だと思ってます。私だけではなく、この場にみんなもそう思ってます」
「……説得したのか?」
「えぇ、少し時間が掛かりましたが、みんな私の言葉を聞いて同意してくれました。オリヴィエ聖王女の為に私たちもやるべきことがあると思い」
「そういうことか。ならここで私がネネにある事を伝えておく」
「……? なんでしょうか?」
オリヴィエが自分に何を伝えるのだろうとネネは思い、オリヴィエの言葉を待っていた。
オリヴィエがこれからいう事はこの数日間思っていた事であり、やはり彼女ならば任せられると今さらに思ったのだ。
「ネネ・アルメイア。そなたを今から聖王家代理聖王女とする」
「わ、私が聖王女ですか!?」
オリヴィエが言い放った言葉には、ネネだけではなくその場にいた全員が驚くことだった。あまりにも唐突で、特にネネが一番驚いていた。
「あぁ、っていっても聖王家は私の代で終わりのつもりだ。代理という事はこの戦争が終わるまでであり、貴様なら聖王家の兵士を全員連れて指揮できるだろう」
「しかし、それならばシルヴェルン総括に任せるべき――」
そこまで言って、シエルフィがもうこの国から遠くに離れてしまったことを思い出した。元帥の立ち位置にあたるシエルフィが居ないこの状況で指揮が出来るのは、大将の立ち位置にあたるネネ・アルメイア副統括に任せるべきだとオリヴィエは思ったのだ。
「……そういう事だ。それと、これも私ておく」
すると、オリヴィエの周辺に光の粒子が収束し、オリヴィエの手にティルヴィングが現れる。
それをオリヴィエはネネに渡し、ネネは一瞬どういうことなのか理解できていなかった。
「……ど、どうしてこの聖剣を!?」
「反応が遅いな。っといっても、実はその聖剣ティルヴィングは|レプリカ《・・・・》なんだかな」
「え!? しかしその聖剣はまるで本物のように……」
「本物はシルヴェルンに渡してしまっている。まぁ、レプリカと言ってもティルヴィングより威力は劣るけども使用すれば敵を一掃することは出来る」
「しかし、たとえレプリカとしてもこんなものを私に渡してもよろしいのですか?」
「構わない、多分私が使う事はもうないだろうし、それならネネに渡しておいた方が良いと思ってな」
実際、聖王のゆりかごに何者かが侵入しても対抗することは出来るし、ティルヴィングを使用する必要はあまりなかった。だからオリヴィエはレプリカのティルヴィングをネネに渡し、そして聖王家の兵士たちを任せることにしたのだ。
「その剣は一度見ているから分かると思うが、ティルヴィングと同様に粒子化して消すことが出来る。使うかどうかはネネに任せるが、どうか聖王家の兵士と共にこの世界を生き抜いてくれ」
「……分かりました。オリヴィエ聖王女の後を継いで、この戦争が終わせる事を誓います」
ネネはオリヴィエに命令されたように、オリヴィエに代わった代理の聖王としてこの戦争を勝ち抜いて見せると誓った。
多分、クラウスと共に組んで戦争を終わらせることになるだろうが、それはそれで構わないとオリヴィエは思っていた。
「さて、私はこれにてゆりかごに搭乗する。聖王家の兵士たちよ。この戦争がおわり、無事に生き残っている事を祈ろう!!」
オリヴィエは聖王のゆりかごに一人で乗り、その姿をネネとこの場に居た兵士が見届けるのだった。
そしてオリヴィエをのせた聖王のゆりかごは宙を浮き上がり、戦地へと向かうのだった――
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「さて、これでもう私が聖王としてやる事は大体終わったな」
聖王のゆりかごが次元空間を移動している途中、オリヴィエは王座に座りながら思っていた。
あとは聖王のゆりかごを使ってエメジスタ王国とその国に賛同している国々を一掃するだけ。最悪な事態なる前にもいち早くアンビュ・エメジスタが居る場所へ向かう必要があった。
「……昨日、ベスカから連絡があり、アンビュ・エメジスタが何処に居るのか教えてくれたおかげで早く終わりそうだがな」
そう、昨日タイミングが良くベスカから連絡が届き、アンビュ・エメジスタがここ数日過ごしている場所を特定することが出来た。
そのおかげで聖王のゆりかごを向かわせる方向が決まり、すぐに終わらせることが出来るかもしれないという事になった。
「さて、勝つのは私かエメジスタか。どうなるのか楽しみだ」
オリヴィエは戦争だというのになぜか笑っていた――
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結果だけを述べると、聖王のゆりかごの圧勝に近かった。
まず、アンビュ・エメジスタが居る世界に到着すると、すぐに居城がある方へと向かい、居城が確認されると手加減なく敵を殺す覚悟で一斉に攻撃を仕掛けた。
突然の不意打ちにそこに居た人たちは驚き、その城に居たアンビュ・エメジスタはどうしてこの場所がばれたのかと思っていた。
しかも、今までの聖王家の攻撃方とは違い、聖王家側が最終兵器を持ち出してきたことに状況は一変していた。今までの優勢が一瞬の内に逆転してしまったのだから。
聖王家には最終兵器があるという事を知っていたが、まさかこれほどまでの最終兵器だとは思わず、何もすることが出来ないでいた。出来た事と言えば、この城から何とか逃げることであり、生き残る事だった。
ここで生き残れば、夜天の書のページ数もあとわずかなので集めることが出来、集め終われば聖王のゆりかごも怖くないと((彼|・))は言っていた。
だから彼はここで諦めるという事は一度もしなかった。とりあえず今はここを逃げる事を専念し、準備が整い次第聖王のゆりかごと対抗すると考えていた。
アンビュが逃げていると、先ほど夜天の書のページを集めれば聖王のゆりかごにも勝てると言った((彼|・))が
現れ、アンビュはその人物に詰め寄ってどうしてこのような状況になったのか問い詰めていた。
「ベスカ・アンデュリッヘ!! どういう事なんだこの状況は!?」
「……私が、このような状況にするようにと計画を建てていただけですが?」
「貴様ぁ!! やはり聖王家のスパイだったか!?」
襟首をつかんでベスカを目の前に近寄らせる。
ベスカが聖王家の人間だと最初から知っていたが、オリヴィエの考え方に合わなくて仲間にしてほしいとベスカが言い、聖王家の情報を渡すという理由で仲間に入れることにしていた。
最初は聖王家のスパイではないのかと思っていたが、アンビュに有利にさせるように夜天の書を渡したりなどとしてくれたおかげで、信頼してしまっていたのである。
だからこそ、やはり聖王家のスパイだったという事に怒りが湧いていた。だが、ベスカはなぜか笑っており、逆に気味が悪かった。
「……私が聖王家のスパイ? 笑わせてくれるな。私は聖王家にも、貴様の国にも((一度も仲間だと思った|・・・・・・・・・・))ことはないのだがな」
「っ!? それはどういう――」
アンビュが何かを言おうとした刹那、突然アンビュは意識を失い、そのまま倒れていくのをベスカが支えていた。
その少しした後、夜天の書の守護騎士であるシグナムが主の様子を確認しようとしたのかこちらにやって来て、主が倒れている様子を見てベスカに対して剣を構える。
「貴様、主に何を!?」
「いや、別に俺は何もしてない。先ほどの攻撃で気絶しただけだ」
「……そうか。ならば主をこちらに」
「今は渡している場合ではないと思う、いつこの辺りが破壊されるか分かったもんじゃないのだから、急いで城から脱出するべきだ」
「……確かにその通りだな」
確かに受け渡している場合ではない。早くアンビュを連れて逃げるべきだとシグナムも理解していた。
「それと、ここで話すのもなんだが、夜天の書のページを集めるならばもう仲間でもいいから収集しろ。そうすればこの状況を打破できるかもしれない」
「しかし、それは――」
「もう四の五の言っている場合ではない!! 今すぐしなければ俺たちも死ぬぞ!!」
「……主以外の命に従うのは癪だが、貴様の言っている事も最もだ。ならば私はその辺りに居る兵士から収集してくる」
「頼んだぞ!!」
シグナムと別れ、ベスカはアンビュを背負いながらこの城から脱出することにした。悪い笑みを浮かべながら――
説明 | ||
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。 その青年はなのはに関わりがある人物だった。 だがなのはにはその記憶が消されていた。 消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。 二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。 それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。 魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。 |
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