IS-インフィニット・ストラトス ネクサス 忘れてはならない記憶ーThe memory which must not be forgotten ー |
途切れ途切れの記憶。それは俺にとって忘れてはならない記憶。
『きゃあああああああ!!!!!!!!!!!』
俺は走る。全力で走る。
『た、助け・・・』
でも間に合わなかった。俺には力があった。守る力が。でも救えなかった。
「♪〜♪〜〜〜〜♪・・・・・」
耳に優しい鼻歌が俺の耳に入ってくる。この歌は・・・・・
一夏はゆっくりと目を開ける。
「お目覚め?」
「せん・・・・ぱい・・・・」
そこには楯無の姿があったのだが・・・
「一つ聞いていいですか。」
「何かな?」
「どうして俺で膝枕で寝ているんですか?」
一夏が身体を起こそうとした瞬間、楯無が一夏の両肩を下ろす。
「うっ!」
その時であった。勢いよく扉が開く。
「一夏!」
ラウラが入ってきた。だが状況はまずい。
「・・・目標を撃破する。」
ラウラはISを起動させAICも使用しようとする。だがラウラの身体は動かなかった。
「これは・・・一体!」
楯無も驚いた。楯無は一夏の方を見る。一夏は左手だけを部分展開させてラウラに向けていた。一夏はネクサスの技・オーラミラージュを発動していた。一夏は楯無から離れラウラに近づく。
「おい、ラウラ。アリーナ以外で使ったら千冬姉に怒られるだろ。」
「それはわかった。だが何故一夏が生徒会長の膝で寝ていたのだ!」
「それは本人に聞いてくれ。」
一夏とラウラは楯無の方を見る。
「あはは。すごいね織斑君。まさかAICを持っているなんて。」
「話を逸らさないでください。」
「あら、流されなかった。でもいいわ。君が急にグランドで倒れたところを私が見つけてここまで運んだ。」
「・・・・膝枕の理由は。」
「う〜ん・・・・・なんとなく!」
「・・・・・怒っていいですか。」
「織斑君・・・なんか恐いね。」
「そらそうでしょ!」
「私も同じです!まだ私も・・・・」
「?」
「な、なんでもない!」
ラウラが急に顔を紅くしてたけど・・・・・なんでだ?
「あはは、ごめんね〜。」
そう言って楯無はラウラの頭を撫でる。
「じゃあ行こうか。」
「「どこへ?」」
「第三アリーナよ。」
楯無はにっこりと笑う。
「あれ?一夏。」
「い、一夏さん?今日は自主練ではなくて?」
以外にも第三アリーナにいたのはシャルとセシリアだった。二人はISを解除して一夏、ラウラ、楯無の方へ近づく。
「・・・・・・・どうして生徒会長と一緒にいますの?」
「いや、ちょっとあってな。」
「「何が!」」
「うお!」
二人は顔を一夏に近づけてきた。
「一夏君がグランドで急に倒れてね。先生はなんか驚いてたみたいだったよ。」
楯無がフォローする。
「だ、大丈夫ですの!」
「どこか痛いとこはない、一夏!」
「大丈夫だって。」
流石に言えないよな。グランドレスとの戦いで気を失ったなんて・・・
「でも一夏君起きる少し前までうなされていたよね。」
「「「え!」」」
皆して俺を向いてるよ。
「そういえば涙の後がありますわね。」
「なんか悪い夢でも見た?」
「一夏、答えろ!」
「いや・・・・・・ちょっと大事な記憶を見てな。」
「「「「大事な記憶?」」」」
「ああ、忘れちゃいけない・・・・・大事な記憶・・・」
一夏の顔はどこか辛そうに見えた。
「ま〜、暗くなったけど、訓練に入るわよ。」
「い、今の状況で!」
「自分勝手なんですね!」
「だが勝てそうにない・・・」
楯無に流される皆であった。
「それじゃあ織斑君には少しばかり私に力を見せてもらうよ。君の白式の赤い状態でね。」
「ジュネッスのことですか?」
「へ〜、あれジュネッスって言うんだ。」
「具体的にどんな訓練ですの?」
「セシリアちゃん、シャルロットちゃん、ラウラちゃんが地上から浮遊せずに攻撃するから織斑君は上空で私のところまで来る。三人は地上から離れたらダメね。」
「え?でもそれって・・・」
「だから言ったでしょ。実力が見たいって。」
楯無に言われるがままに一夏達はISを起動させる。一夏は上空に浮遊し、三人は射撃体勢に入る。
「準備できました。」
「こっちもです。」
「よし。それじゃあ・・・・・・始め!」
楯無の合図と同時に三人の火器から火花が吹く。一夏は急降下する。
「甘い!」
シャルロットはグレネードを放る。だが一夏はそれを雪片を使い弾く。
「散開!」
セシリアは左、ラウラは後ろ、シャルロットは左に散開する。セシリアはビットを使い一夏の動きを止める。シャルロットがアサルトライフルを使い一夏を狙い打つ。一夏は急上昇する。ラウラがレールカノンで撃墜しようとするが一夏は左に回避する。
「そこ!」
セシリアがレーザーライフルで狙撃する。一夏は加速して回避する。シャルロットはマシンガンで一夏を追撃する。一夏はさらに加速する。ラウラがワイヤーを使い一夏を捕らえようとするが一夏はラウラに接近する形でワイヤーを潜り抜ける。
「もらった!」
一夏に向けシャルロットがロケットランチャーを放つ。一夏は急上昇し回避するがシャルロットが放ったロケットランチャーは追尾型であるため一夏を追う。一夏は徐々に速度を落としていく。ロケットランチャーが一夏に後1メートルの距離に来たときであった。一夏は急停止し後ろに休息移動する。ロケットランチャーは目標を見失いそのままアリーナのバリアーに当たる。
一夏は急降下し楯無の方へ向かう。セシリアがビットを使い一夏の動きを止めようとするが一夏は倍に加速しビットの中を通り抜けていく。シャルロットがサブマシンガンを使い一夏を狙うが一夏は急停止し真下に下りる。シャルロットは瞬間加速を使い一夏に急接近する。
「もらったよ一夏!」
シャルロットの右腕には『盾殺し』が装備されている。一夏はシャルロットに接近する。シャルロットは右腕を突き出すが一夏は右に身体を反らしシャルロットの右腕を両手で掴む。
「わっ!」
「すまん、シャル。」
一夏はシャルロットを背負い投げする。ISを使用しているため地面にはつかないが衝撃は伝わっていく。
「ぐうっ!」
一夏は楯無の方へ向かう。が、ラウラがプラズマ手刀を使い近接戦闘に持ち込む。一夏は身体を低くし足払いをする。ラウラはジャンプし回避するが一夏はそこにパンチを叩き込む。ラウラは飛ばされる。そこへセシリアがインセプターを左手にコールし接近する。
「もらいましたわ!」
「甘い!」
一夏はセシリアの左手を右手で払う。そしてそのまま楯無の元へ向かった。そして一夏は楯無の前に来た。
「終わりですね。」
「すごいわね。まさかここまでの実力があるなんて!」
今日の訓練はこれにて終了した。
説明 | ||
夢の中、一夏は断片的にある記憶を思い出していた。 | ||
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