ソードアート・オンライン デュアルユニークスキル 第三十一話 結婚祝い
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翌日

キリトとアスナが結婚したと報告すると、

デュオ、シリカ、ガッシュ、リズベット、クライン、エルフィー、エギルの7人が

結婚祝いをするといってデュオの家に集まった。

 

クライン「かああ・・・・!!美味いね・・・!!」

 

テーブルに並んだ料理を頬張りながら、クラインが奇声を上げる。

だが、それも仕方ない。

テーブルに並んでいる料理は全て、

出現確率数パーセントのレアモンスターのレアドロップ品を調理したものである。

 

キリト「それ、取ってくれ。」

 

アスナ「はい。」

 

クライン「おいエギル!早くしろ!」

 

エギル「クライン、お前も動け・・・」

 

いすに座ったまま料理の催促をするクラインに、エギルは呆れた顔をしている。

料理はエルフィーが作ってくれている。

最初はアスナも手伝おうとしていたが、エルフィーは「主役は座っていなさい。」と言ってアスナを引き下がらせた。

 

ガッシュ「しっかし、よくこれだけの食材があったな。」

 

シリカ「デュオさん、普段から朝食と夕食は自分で作ってますから。」

 

リズベット「嘘・・・!?」

 

デュオ「そんなに驚くことか?」

 

リズベットは目を丸くして、信じられないという顔をしている。

 

シリカ「とってもおいしいですよ。」

 

デュオ「ありがとう。シリカ。」

 

シリカは誇らしそうに言うと、デュオはシリカにお礼を言う。

すると、エギルとエルフィーが新しい料理を運んできた。

出てきたのは、大ぶりな肉が照りのある濃密なソースにごろごろと転がり、

クリームがマーブル模様を描く、シチューと

厚さ5cmほどもある、厚切りのステーキだ。(しっかり人数分用意されている。)

 

エルフィー「お待たせ。」

 

エギル「これだけあれば充分だろ。」

 

エルフィーとエギルは料理を置くと、自分たちもいすに腰を下ろす。

2人が席に着くと、リズベットが訊いてきた。

 

リズベット「ねえ、式は挙げないの?」

 

キリト「俺たちは良くても周りが騒がしくなるだろ。クラディールみたいな奴が出てきても困るし・・・」

 

アスナ「ごめんね、キリト君・・・」

 

半ば涙目になりながらアスナが謝る。

 

キリト「あ、アスナが謝ることじゃないさ。」

 

ガッシュ「んんんんん・・・・んん、んんん・・・」

 

ガッシュは料理を咀嚼しながら、口を開かずに何か言うが、何を言ってるのか全くわからない。

 

デュオ「はっきりしゃべれよ・・・」

 

デュオに言われて、ガッシュは口の中のものを飲み込んでから、もう一度言う。

 

ガッシュ「確かに、おおっぴらにやるわけにはいかねえな。」

 

クライン「キリトもアスナちゃんも、超が付く有名人だからな。心配はわからないでもないぜ。でもそれで良かったのかよ?」

 

アスナ「うん。私の知り合いのところには、キリト君と二人で回ってお知らせしてきたから。」

 

キリト「俺はほとんど知らせる奴いないし、ここが最後さ。」

 

キリトは半ば苦笑混じりに言う。

 

クライン「で、これから住むのは二十二層だっけ?小さいログハウスって言ってたけど、一軒家だろ?よく金足りたな。」

 

キリト「それは問題なかった。デュオが買ってくれたからな。」

 

デュオは大きく欠伸してからつまらなそうに言う。

 

デュオ「俺からの結婚祝いだよ。」

 

アスナ「本当にありがとう。」

 

デュオ「別にいいさ。困った時はお互い様。」

 

デュオは平然とした顔でそう言うと、お茶を啜る。

すると、エギルが残念そうな顔をして言う。

 

エギル「俺としては、好きなだけ家の二階を使ってもらっても構わなかったんだがな・・・」

 

クライン「おいエギル!あんな、むさ〜い雑貨屋の二階で新婚生活なんて、ありえねえだろうが!」

 

エギル「むさいは余計だ!」

 

二人のやり取りに、笑いが起こった。

笑いが治まると、ガッシュが口を開く。

 

ガッシュ「前線のことは俺たちに任せておけ。」

 

デュオ「そうだな。お前らは頑張り過ぎだ。今はゆっくりしておいたほうがいい。」

 

クライン「攻略のことが気になったらメッセージを送ってくれりゃあ、いつでも報告は聞かせてやるぜ。」

 

キリト「ああ、そうしてもらえると助かる。」

 

クライン「おう!まあそういうのは任せとけって。」

 

クラインはドンと胸を張って言う。

 

エギル「今日は俺の奢りだ!どんどん飲んで食っていいぞ!」

 

クライン「いや〜悪いね〜」

 

エギル「おめえには言ってねえ!後できっちり取り立ててやる。」

 

再び笑いが起こった。

クラインは「なんだよそれ・・・」とぼやいていた。

しばらくして、料理は文字通りきれいになくなった

 

エギル「飲み物、もうないんじゃないか。」

 

エギルは自分のストレージから、新しい飲み物を出すと、全員に配る。

 

クライン「で、結婚するとシステム的に何か変わるのか?」

 

アスナ「いろいろありますよ。二人の持ち物が一緒になるし、ステータスやスキルもお互いに見ることができますよ。」

 

キリト「つまり、隠し事は一切出来なくなるってわけさ。」

 

キリトとアスナの説明に、エギルは納得したように頷く。

 

エギル「ほう、それはまた・・・」

 

クラインは目を閉じると言う。

 

クライン「いやキリト、そうじゃねえ。そうじゃねえんだよ。ほらチューとか、その先のもろもろがあるじゃねえか。な、結婚するとその辺もできるようになるんだろ?」

 

キリト「その辺は結婚しなくてもできるよ。なあアスナ。」

 

平然と言うキリトの言葉に、エギルとクラインはニヤニヤと横目でアスナを見る。

 

エギル&クライン『ほお〜・・・』

 

すると、アスナは顔を真っ赤にして、ガタンと音を立てながら立ち上がる。

 

アスナ「ば、バカァァァァ!!」

 

キリト「ぐおっ・・・!!」

 

アスナの見事な正拳突きがキリトの顔面を捉えると、

キリトは凄まじいスピードで、吹き飛ばされていき、壁にぶつかって停止した。

 

キリト「ぐっは・・・っ!!」

 

その時、近くにあった家具が倒れてキリトはその下敷きになる。

その様子を見たエギルが顔を引き攣らせる。

 

エギル「アスナ・・・デュオの家壊さんといてくれよ・・・」

 

アスナ「むうぅ・・・」

 

アスナは顔を赤くしたまま俯いてしまう。

クラインはキリトのいる方を向くと、適当な感じで声をかける。

 

クライン「キリト〜生きってっか〜?街の中でほんとよかったな。」

 

そんなキリトに、リズベットが呆れたように言う。

 

リズベット「ほんと、戦闘以外は全くダメなのよね〜キリトって。」

 

ガッシュ「ははははは、キリトらしくっていいんじゃないか?」

 

ガッシュの言葉に、デュオが言う。

 

デュオ「まあ、それもそうだな。あんな感じじゃないとキリトって感じがしないしな。」

 

キリトのフォローのためか、クラインがアスナに言う。

 

クライン「まあ、なんつうか、無神経つうか。戦闘以外はほんと不器用だけど、悪い奴じゃないんで、くれぐれもよろしく頼みますよ。キリトのこと。」

 

アスナ「はい!しっかり面倒見ます!」

 

ガッシュ「はは、もう尻に敷かれてるなキリト。」

 

クライン「それじゃあ、二人の結婚を祝って、もう一度かんぱ〜い!!」

 

一同(キリト以外)『乾杯!!』

 

部屋にグラスをぶつけ合う音が響いた。

一方キリトは

 

キリト「お〜い・・・助けてくれ〜・・・」

 

まだ家具の下敷きになっていた。

 

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あとがき

食材アイテムはエギルが持参したものです。

説明
キリトとアスナの結婚祝いです。
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コメント
スターダストさんへ 変な体勢になってるので、起き上がるどころか動くことも難しい状況だったんですよ。(やぎすけ)
いや、キリト・・・お前の筋力パラメーターならすぐに起き上がれたんじゃないか? そして甘ぁーーーーーーい!!(スターダスト)
本郷 刃さんへ キリト「何とか・・・助かった・・・ありがとうございます。しばらくは2人でのんびりと暮らします。」(やぎすけ)
よいしょ、よいしょ・・・・・・ふぅ、キリト無事か? なにはともあれ、結婚おめでとう!(本郷 刃)
魅沙祈さんへ たまにはこういう話もいいと思うので、書ける時にまとめて書いてしまっています。(やぎすけ)
結婚したーー!!なんかほのぼのって感じで素敵でした♪キリト君…キスとかっていつもしてるんですかねぇ?(ニヤリ)結婚おめでとーー!!!!(魅沙祈)
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