それは……なんだろう?
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 名付けるならばそれは食器なのだろう。一応、食器と分類されている場所においてある。

 だが、その形は非常にいびつな形をしている。比喩するとすれば、そうセミのような形をしている。

 不思議なものだ、見れば見るほど蝉のみたいな形をしている。いったいどのように使うのだろう? まったく想像がつかない。

 もしかしてこれは箸置きなのでは? 箸置きなら虫のようなデザインの商品も何度か見たことある。うむ、やはりそうなのだろう。

 しかし、箸置きにしては大きすぎる。やはりこの大きさだと、ほかの食器を置くのに邪魔になってしまう。それによくよく見るとなんか箸をおくのにもちょっと不便そうな形をしている。

 ううむ、ではなんだろう。

 茶碗だろうか? いや、ご飯やおかずをのせるようなスペースは見られない。

 ではコップだろうか? いや、明らかにこぼれる。

 ではなんなのだろう? よくよく観察しても、まったく用途が分からない。むしろ思考の迷宮に閉じ込められてしまう。

 観察しているとやはりどんどんセミに見える。本当になんなのだろうか?

 ふと、私の近くに店員さんがやってきたので、私は声をかけてこれはなんだと聞いた。

 すると――

「あ、これは季節感を出すための置物でして、売り物ではないんです。申し訳ございません」

 

 食器じゃないのかよ!!

説明
即興小説トレーニングにて作成

お題:名付けるならばそれは食器 必須要素:蝉

http://webken.info/live_writing/novel.php?id=18755
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コメント
むしろこのオチのために作った内容だったり(yaru_yara_call)
オチにクスッと来ましたw(紅羽根)
タグ
即興小説

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