緋弾のアリア〜一般校の転校生〜 |
1弾
いやーたのしっ。
やっぱり見ているだけでも楽しいもんだね。
今目の前ではアリア、キンジ、あと女の人(白雪さんって言ったかな)が言い争いをしている。
まあ言い争いといっても白雪さんは日本刀を振り回しているんだけどね。
それに、たま〜に
「アリアを殺して私も死にますぅーー」
と、怖い顔で言ったりするが…まあアリアが死ぬことはないだろうから大丈夫だろ。
そんな考えでずっと見ている。
だって手を出したらとばっちり受けそうだからね。
「白雪!お前、なにを勘違いしてんだっうおっ!?」
あはは。アリアに蹴飛ばされてやがる。
「キンジ!何とかしなさいよ!あんたのせいで変なの湧いたじゃない!」
「俺のせいじゃねえよ!」
「じゃあ瑞樹!あんたも手伝いなさい!いつまでもそこで見てないで!」
気付かれてたのか〜まあそうだよな普通気付くよな。
「えっ?他にも誰かいたの?」
と、気付いてなかったらしい白雪さんがこっちを見てくる。その時、なんとなく…時が止まった気がした。
よく考えてみよう…白雪さんは、まず確実にキンジのことが好きだ。そして、キンジと一緒に住んでるアリアを追い出そうと(殺そうと?)している。つまりキンジの近くに女がいるのはダメ、ということだろう。ここまではOKだろう。じゃあなぜ、時がとまったように感じるのか…俺に何かあると考えていいだろう。白雪さんが怒る理由は女だろう。普通に考えれば男の俺には当てはまらない。だが、俺を初見で男と分かる人はそうそういない。
つまり、そこから考えられることは…。
「ふ、ふ、ふふふふふふふふふふふふ」
あ〜絶対勘違いしてるこれは。
「泥棒猫――!!キンちゃんの家から出てけーー!!」
そう言ってこっちにも日本刀を振り回してくる。
「待った待った!俺は男だから!泥坊猫とかそういうんじゃないから!」
振り回される刀を避けて、ベッドから降りながら叫ぶ。
「嘘!そんなに可愛い男の人がいるわけないもん!」
ぐさっ
正真正銘の男なのに…しかも可愛いって言われた…。
「キンちゃんの周りから女の人なんていなくなれ―!」
そう言って刀を振り下ろしてくる。とっさに横へ逃げて回避するが、避けたせいで振り下ろされる刀の間合いにアリアが入ってしまった。
「み゛ゃっ!」
猫みたいな声を出して振り下ろされる日本刀を両手ではさんで止めた。
へえ。真剣白羽取りもできるんだ。
「とりあえず、俺の性別を教えておいてくれない?」
「たぶん無理だ」
くっそ使えないやつ。
「う〜〜〜いなくなれ!キンちゃんの前から消えろ!キンちゃんと喋るな!この泥棒猫!」
こっちに向けて刀を横なぎに振ってくる。
「だから話しを聞いてよ!」
ばすんばすん!
ガレキの中から吹き飛ばされていたらしいアリアが、撃ってきた。
ダダンッ
その弾を((銃弾撃ち|ビリヤード))で弾く。
「アリアも落ち着け!」
「うるさい!黙りなさい!瑞樹!もう怒ったんだからーー!!」
アリアが白雪さんにつっこみながら、((弾倉|マガジン))が空になるまで撃つが、全部俺が弾く。弾切れになり、今度は2本の小太刀で白雪さんの平突きと切り結び、鍔迫り合いになってしまう。
「キンちゃんこの女を後ろから刺して!そうすれば全部見なかったことにするよ!」
「キンジ!あたしに援護しなさい!あんたはあたしのパートナーでしょ!」
「キンジ、どうにか止められない?」
そうして、三人から助けを求められたキンジは……。
「……もう勝手にしろ…。心ゆくまで戦えよ」
俺にとって一番面倒な結論を下した。そしてため息をつきながらベランダに出た。
何でベランダに行くんだろ?まあそんなこと考えてる場合じゃないんだけどね。今はこっちをどうにかしないと…。でもな〜結構めんどいんだろうな〜もうずっと避けてるかな〜その方が楽だよな〜。
((星伽|ほとぎ)) ((白雪|しらゆき)) あとで聞いたのだが、白雪さんは星伽の巫女で、そこの巫女は武装巫女というらしい。そこの巫女は、自分たちの神社を武装して守っているらしい。
さらに白雪さんは、銃弾を日本刀で弾くことができるらしい。つまり俺のやったことは無駄だったということだ。その強さの源は、超能力の1種らしい。まあ説明されてもよくわかんなかったんだけど。武偵校ではSSRというのがあり、そこで超能力について研究・育成されているらしい。で、白雪さんはそこで優等生として通ってるみたい。
ちなみに超能力を持った武偵は超偵と呼ばれるらしい。
「はぁ…はぁ…なんて…しぶとい…泥棒…猫……」
「あんた…こそ…とっとと…くたばりなさいよ……」
ようやく終わったか…長かったな〜。
「で、決着はついたのか?見たところ引き分け…でもないか。何でそんなに平気そうなんだ瑞樹は」
と言い、キンジがベランダから帰ってくる。
「避けてるだけだったからね。それよりも……」
スタームルガーを向けながら近づいていく。
「ど、どうした瑞樹…危ないから銃を向けるな」
どうしたんだろキンジは。こんなに怯えて…今楽にしてあげるよ。
ダダンッ
「待て瑞樹!撃つな!」
「敵前逃亡をした者には死による償いを」
ダダダダダダダダンッ
弾切れを起こすまで撃ち続ける。
「残念仕留め損なっちゃった。まあいいよ許してあげる」
ここで殺すとあの女の人が怖い気がする。実際かなりの殺気がこっちに向いてるしね。
「キンちゃん様!」
白雪さんは、そう言ってキンジに向かって正座する。
つうか、キンちゃん様って…文法として間違ってないか?
「しっ死んでお詫びします!キンちゃん様が私を捨てるなら。アリアとそこの女を殺して、ここで私も切腹して死にます〜!」
だから俺は女じゃないっての。
「捨てるとか拾うとか、何言ってんだよお前は」
「だって籠の中にオスとメスのハムスターとか入れてたら自然と増えちゃうんだよ!しかもメスが二匹だなんていっぱいできちゃうよぉー!」
それは飛躍しすぎ。てか、こいつととか本当に女でも嫌だな〜。
「アリアやこの女は絶対キンちゃんのこと遊びだよ!そうだよ絶対!」
いや、遊びでも嫌なんですけど。でもからかうことを遊びって言うならやりまくるつもりだけどね。
「ごめんねキンちゃん。私に勇気がなかったから一度に二人も女を…」
ああもう!めんどくさい!いい加減俺を男だと気づいてくれよ!
「えっと…白雪さん?」
そう声をかけただけなのだが白雪さんはこっちをキッと睨んでくる。ちょっと怖かった。
「話しかけないでこの毒婦!」
はあ…取り付く島もないってこのことを言うのかな…。俺が男だって証明できるものって何があったっけ………?
…ああ、あれなら証明できたっけ。
「白雪さん…ちょっとこれ見てくれる?」
そう言って俺は白雪さんにパスポートを渡す。
あいつに言われてとっといてよかった〜。
「それの性別の欄見てよ」
「波谷瑞樹……M?……男?…」
「そう、男。だから別にキンジを取ろうなんてことしないから」
………俺が男だってどんだけ信じられないんだよおおおぉぉぉぉぉおおお!!!!
何度もこっちを見て確認するような素振りを見せるが…今までで最高に傷つく反応かも。
「じゃ…じゃあアリアは?アリアは女だよね?キンちゃんと恋仲になったと勘違いしてるんだよね?」
「こ、恋仲!?」
ふう、とりあえず俺に危害はなくなったわけだ。あとは傍観してるとしよう。
「じょ、冗談言わないで!あ、あ、あた、あた、あたしは恋愛なんてどうでもいい!恋愛なんてくだらない!時間の無駄!するつもりなんてない!憧れたりもしていないんだから!憧れてない!憧れたりしないんだから!!!」
…うん。すごい憧れてるんですね。どんだけ強がっててもやっぱり年頃の女の子なんだな。
「じゃあアリアはキンちゃんのなんなの!?恋人でもないのに一緒に住んだりして!」
「そういう関係じゃないぃーー!!キンジは!あたしの奴隷!ただの奴隷!それだけぇーー!!」
その奴隷に俺も含まれているのだろうか?含まれていそうで嫌だなあ。
「ど、奴隷……そ、そんないけない遊びまでキンちゃんとしているなんて……」
「な…何考えてるのよ!違うわよ!」
「違わない!私もその逆なら考えたことあるんだもん!」
いや、そんなこと考えるなよ…。
「ちがう違うちっがーう!!」
「キンジ、そろそろ仲裁に入ったら?」
「そう思うなら瑞樹がやってくれよ。頼むから」
「やだよ。俺の問題はもう片付いたし」
「キンジ!あんたどうにかしなさい!」
「なんで俺が!?」
「このわけわかんない女が湧いたのは100%あんたのせい!だからあんたがどうにかしなさい!」
「諦めろキンジ」
「本気で手伝わないのか?」
「当たり前」
「はあ…まず白雪、俺とアリア、あと瑞樹は武偵どうし一時的にパーティーを組んでるに過ぎないんだ。俺のあだ名知ってるだろ?」
「女嫌い」
えっ?こいつ女嫌いってあだ名なの?初対面の相手にいきなり強猥したりするようなやつなのに?
「そうだ。だからお前のその怒りは全くの無意味なんだ。大体俺がこんな小学生みたいなちびとそんな関係になったりするわけがないだろ?」
えっ?コイツってそんな小学生みたいなちびが好きなロリコンじゃなかったっけ?
「瑞樹…さっきから変なこと考えてないか?」
「まさか。そんなわけないでしょ」
「でも…でもキンちゃん…それ……」
そう言って白雪さんが指差した先には…ライオン?のようなストラップがあった。
「それがどうしたの?」
「ペアルックしてるうううーーーー!!!」
ああ、そういえばそうだな。でもそれがどうしたんだ?
「ペアルックは好きな人同士ですること!私何度も夢見てきたんだもん!」
「だーかーら!あたしとコイツはそんな関係じゃない!絶対違う!」
「はあ…白雪。お前、俺の言うことが信じられないのか」
「そ、そんなことないよ!信じてる!信じてます!」
はあ…ようやく終わりそう。疲れた…。
「じゃあキンちゃん、キンちゃんはアリアとそういうことはしてないの?」
「そういうことってなんだ」
「そ、それは…き、キスとか…」
…………………………………………………………………………………
えっ!?何この沈黙。まさかしたの!?いつ!?
「キンジ…したの……?」
白雪さんの喉の奥からうつろな笑い声が聞こえるが、見たら精神が耐えられない気がするから無視、無視……こええぇぇぇ。
「し、したけど、そういうことはしたけど!」
したんだ…いつしたんだろ。
「で、でも大丈夫だったのよ!」
大丈夫って、キスに大丈夫とかそういうものあったっけ。
「昨日わかったんだけど。こ、子供はできてなかったから!」
……………いつだよっ!?あれか!?ハイジャックの時か!?それとも入院してる時か!?どっちにしても納得いかねえええぇぇぇぇ!!!!!!結果的に逃がしたけど時間稼いだり、ベッドで寝てる時にそんなことしてたのかよ!
さてここで現実逃避の間違い探しです。
この中でいてはいけない人は誰でしょう。
1 キンジ
2 アリア
3 白雪さん
4 瑞樹
誰でしょう
……………時間切れです。正解は4 瑞樹つまり俺でした。
解説です。
キンジはこの部屋に住んでいる。
アリアはキンジとそういうことをした。
白雪さんはキンジが好き。
俺はお邪魔。
なので俺がいてはいけない人でした。
さて…野宿かあ。最近野宿してないから生き残れるかなぁ。
説明 | ||
〜魔剣編〜 バカのせいでボディーガードをやることになってしまった。 今回戦う相手は武偵殺しと同じ組織に所属していた。 瑞樹は今回はきちんと守りきれるのか。 |
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