なんか神の不手際で転生するらしい
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Side:刃

 

 

「ウィース!わ・わ・わ・忘れ物〜」

 

「な、なんだコイツ……ギャアアアア!!」

 

 

いきなりであれだったかな……今俺はとある山小屋にいてね。理由は言うまでもないよね。((忘れ物|アリサ))を取りに来たんだ。忘れ物が「逃げて」とかなんとかいうがどうでもいいや。なんかサバイバルナイフとか取りだしているけど無駄、無駄。だって、コイツ等トロいうえにたとえ当たってもレアスキル((自動回復|リジェネレート))のせいで真面なダメージ負ってないし……まあ、そもそも当たってないわけで。

 

 

 

「テメェ!!」

 

 

 

見るとオレンジ髪のイケメンオッドアイの少年がいる。おそらくあれが伸の言っていた不正転生された奴だね。嫌なら殺さなくてもいいって言っていたけど………すごいあのバカどもと同じにおいがするんだけど………同族的な意味で……顔似てるし……コイツ放っておいたら多分記憶操作系魔法使って学校に転入してきて面倒臭いことに……殺っとくか…

 

 

 

「これでも食らいやがれ!!」

 

 

 

そう言って俺に大量魔力弾を放ってきた。しかも器用に顔だけに。

 

 

 

「ヒャハッ!モブごときが俺様にたてつきやがって・・・これで奴の顔はザクロに――――」

 

「なったと思っているのか?」

 

「な!?」

 

 

 

そこには無傷の俺が……いやだってロクに魔力練れてなかったし……甘く見積もってもAクラスだね。その程度の攻撃は被弾するダメージより((自動回復|リジェネレート))のほうが速い。って、アリサさっきの爆風で気絶してるし……まあこれからちょっとグロイもの見せることになるから気絶するにはちょうどいいかな?

そう思い俺は走りながら自身のデバイス、マグナを使い((銃剣|バヨネット))を取り出し、例の転生者の――――

 

 

 

 

 

首を刎ねた

 

 

 

 

 

……てっきり『ブシュウウウウウウ』って血が出るのかと思ったら、そのまま幽霊みたいに体が透けていなくなりやがった。最初はレアスキルか何かだと思ったがどうやら違うらしくその証拠に誘拐犯の大将が「動けばコイツの命はねえ!」って言ってさっきの出来事がまるでなかったことにみたいに言ってるし。どうやら神がちゃんと事後処理をしているみたいだ。てか、パターン入ったな……コレ。

 

 

 

「いいか、一歩でも動けばコイツの命は……」

 

「オーケ、オーケ、皆まで言わなくてもわかる。」

 

「よぉし……聞き分けのいい奴は嫌いじゃねぇぜ。」

 

「ところで一つ聞くけどさ…」

 

「なんだ?」

 

「((それが|・・・))人質?」

 

「あ?何を言って……っ!?」

 

 

 

まあ簡単に言うと野郎が人質に取っていたのは気絶したざわ…ざわ…言いそうな仲間で俺の左脇に抱えているのが((アリサ|忘れ物))だ。

 

 

 

「すり替えておいたのさ!!」

 

「てめえ、いつの間に!!?」

 

「では聞くが、一体いつからお前は人質を取ったと錯覚していた?」

 

 

 

一度言ってみたかったんだよね…このセリフ

 

 

 

「クソがあ!!!」

 

 

 

そう言って銃を向けてくるけど……遅いなあ。俺は素早く野郎の懐に入り鳩尾にボディーブローをブチ込んだ。

 

 

 

「ガ……」

 

「はい、おしまい。」

 

 

 

さて、とりあえず……気絶しているコイツ等どうしよう?

 

 

 

 

 

 

 

Side:伸

 

 

さて、とりあえず倉庫の中に会った縄でコイツ等を縛り上げてあの不正転生者は月村の居ないところで((処分|・・))しておいたからもう大丈夫だろう。

 

 

「あの……」

 

「ん?」

 

「その…助けてくれてありがとう伸君…」

 

「気にするな。それより携帯は?」

 

「え?」

 

「携帯電話だ。さっさと連絡して家族に無事だということを教えてやれ」

 

「でも、携帯は壊されて……それにアリサちゃんがまだ…」

 

「バニングスのほうについては刃が向かっているから大丈夫だ。」

 

「本当?」

 

「ああ……」

 

「よかった………ねえ…」

 

「ん?」

 

 

 

月村がなんか不安そうに尋ねてきた。

 

 

 

「…私の事が怖くないの?」

 

「は?」

 

「私もその…さっきのおじさんと同じ……夜の一族…化け物だから……普通の人間じゃ、ないから…」

 

 

 

顔を俯かせ答える月村。

 

 

ああ、そういう事か。確かに彼女は普通の人間と違うのだろう。身体能力が同年代の子供よりも高く将来的にはおそらく血を吸う事になるであろう吸血鬼なのだろう。そんな自分が化け物だと思われ友達の俺や刃に嫌悪・拒絶されるかもしれない、いやそれがさらに高町たちにも伝わるかもしれない……そう思っているからこそ彼女の瞳は怯え、不安に染まっているのだろう。

俺はとりあえずそのまま月村に近づき―――――

 

 

 

 

 

思いっきりデコピンした。パチンと、小気味のいい音が響く

 

 

 

 

 

「〜〜〜〜っ!??」

 

「俺は他人の事情は余程のことじゃない限り詮索しねぇんだよ。それに、お前今までの俺の倉庫での行い見てなかったのか?」

 

「え?」

 

 

 

若干涙目になりながら俺を見た。

 

 

 

「何もない空間から刀を取り出すことをタダの人間の子供ができると思っているのか?それに俺からしたらお前はただの同年代のガキだ。刃の奴もそう思うだろうぜ。」

 

「……血も吸いますし…」

 

「誰かから吸った事あるのか?」

 

「な、ないよ!!輸血用のパックに入っている血液でも代用は出来るから、人から吸わなくてもそれほど問題にはならないよ!!」

 

「他は?」

 

「えっと…それぐらいだけど…」

 

「なら問題無いだろ。他の奴より多少身体能力が高いだけなら気にする程でもないし、血も他人から吸わなくてもいいんだろ。なら、普通の人間とあまり大差無い。」

 

 

 

むしろそれよりも化け物な奴がいるからな……別次元にも……ここにも

 

 

 

「それに、お前なんかより俺の方がよっぽど普通の人間じゃないだろ。得体のしれぬ力で簡単に大人を倒せるんだし……だからそんなに気にする事はない。だから胸張って自信持って生きろ。人間、隠し事の一つや二つぐらい抱えているもんだろ。」

 

 

 

そんなことを言うと

 

 

 

「…う……うう……」

 

 

 

月村が突然泣き始めた。

 

 

 

「……なんで泣くんだよ、怖いのか?俺が」

 

「…ち……違う…の……。私の事……怖くないって言ってくれたのが……嬉しくて……友達に……私を助けてくれた人に……気味悪がられて……拒絶されるかもしれないと思って……」

 

「……さっきも言ったが、人間、隠し事の一つや二つぐらい抱えているものだ。だから堂々と生きろ。少なくとも、此処にいる奴等よりかはお前は人間やってるぞ。」

 

 

「うわぁあああん!!」

 

 

 

どうやらさっきの言葉で限界を迎えたみたいだ。俺に抱き着いて泣きはじめた……まあ落ち着くまではこうしておいてやろう。ここだけの話、初めて女の子に抱き着かれてちょっとドキドキしたのは内緒だ。

 

 

 

 

 

 

しばらくして泣き止んだ。泣いている間、ずっと俺に抱き着いていたのが恥ずかしかったのか今は顔を赤くしてやや俯いている。

 

 

 

「あ、そうだ。」

 

「?」

 

「俺のこの力についてさ……教えるから誰にも言わないでくんないか?知られるといろいろ面倒なんでな。」

 

「え?あ、はい……」

 

 

 

 

 

 

少年(精神年齢30過ぎ)説明中………

 

 

 

 

 

 

「魔法……か…」

 

「いきなり信じろというのも無理な話だが……」

 

「いや……そんなこと…」

 

「まあ、俺からしたら誰にも言わないでくれればそれでいい」

 

「わかったよ。」

 

 

とここで電話が鳴った。

 

 

「モッスー、ん?………オッケー、こっちも終わったから………向こうも無事に救出したらしいぞ。」

 

「本当に?」

 

「ああ」

 

「よかった〜」

 

「それより、さっさと家に電話しろ。携帯貸してやるから」

 

「あ、ありがとう……」

 

 

 

そして月村は家に連絡した……すると…

 

 

 

「すずか!!」

 

 

 

………おかしいだろ。電話してから一分……いや10秒も経ってないぞ。

 

 

 

「お姉ちゃん!」

 

 

 

どうやら姉らしい。確かに同じ紫色の髪を腰ぐらいまで伸ばしている。

 

 

 

「良かった!本当に無事で良かった!!」

 

 

そういって月村を強く抱きしめる。

 

 

「うん。伸君が助けてくれたから」

 

「……そう。妹を助けてくれてありがとう。私は月村忍。この子の姉よ」

 

「いえ、偶々誘拐現場を目撃しただけですから……」

 

「でも君が助けてくれたことには変わりないわ。それに、君がいなければこの子はどんな目に遭っていたか分からないもの。だからお礼を言わせて」

 

 

 

まあ、そう言うことなら受け取っておこう。礼を言われるのは嫌じゃないからな。

 

 

 

「じゃあ、これで……」

 

「待って、何かお礼を」

 

「いや良いですよ。俺の家、此処から比較的に近いんで」

 

「でも……」

 

「そうですね……ならこのことは誰にも言わないでくれるとうれしいです。有名になるのはあまり好きじゃないんで……それに今日はもう疲れましたし………それじゃあ」

 

「そう……それじゃあ最後にもう一度……本当にありがとうございます。妹を助けていただいて……」

 

「………どういたしまして」

 

 

 

その後、刃に会ったがどうやらアリサも刃が魔法使いであることを知ってしまったらしく喋らないように固く約束をしたらしい。

 

説明
第十六話:そもそも人間に必要な絶対条件って何?
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