カーニバル 14話目 |
カラっとした気候、まぶしくてまぶしくて、まともに見ていられない太陽。
ボクらの未来、ここで輝く。
キミは口を大きく開けて、目一杯の声を上げる。風は、ろくに返事もせず
横をすり抜けた。
やがてくる困難、決壊する心。
一人ぼっちで奏でる。あとから一人、また一人とやってきて、いずれ大きな
オーケストラ。
ボクらは一つになれているかな?
居心地が悪くても、この場所に残ることを決めたよ。
「……おい」
「……ダー、ねぇ、オーダー」
ボクの目が錆びついたガレージのシャッターのように、ぎこちなく開く。
「ったく、無防備に熟睡しやがって」大柄の騎士が、面倒に言う。
「お寝坊さん、フフフ」無邪気に笑う、ちまっとした少女。
ボクは、ガバッと身を起こす。城へ戻る道すがら、一時の休憩中に、どうやら
寝てしまっていたみたいだ。
ふと、オリンズに目をやると、ワンロックの鎧に何やら細工をしている。
「オオオォォォー」重低音の叫び声が、上空へと消えた。
こめかみの辺りをピクピクさせて「大切な鎧に、何してくれてんだー!」
ボクはオリンズが細工をしていた所を見た、そこにはカワイイうさぎの
デコレーションがされていた。
「エエエェェェー」眉をハの字にして、どうしてワンロックが怒っている
のか、困惑している。
両極端の体型の二人。そのやりとりを見て、ボクは笑った。
「ところでよー、どうも城の様子がおかしいんだ、こいつで見てみろ」
と言って遠くが見える筒をこちらに投げてきた。
ボクはその筒で城の方角を見る。
「あれ?あの旗は……」
「ありゃ、敵対するガリズ国の旗だぞ」
「急いで城へ戻ろう」
城の前に辿り着くと見知らぬ兵がいて、こちらを確認したのち、門が開き
騎士と魔導士がでてきた。
「ふふッ、おいマヌケども、この城は我々ガリズ国のモノとなった。誰も
いない城とは、どうぞ取ってくださいと言わんばかりだな」
おかしいな、ブラッドさんがいるはずなのに……
すると背後から聞いた事がある声がした。
「ああ、大変な事になってるぞ」
「……ブラッド、あなたのせいよ」
「おいおい、シア、君から手紙がきて城を留守にするしかなかったんだ」
「……手紙の最後に、キャッスルガードの魔法をかけておいてねって書いて
おいたはずよ」
「ええ?……あ、本当だ」
この二人のやりとりに、ボクたち三人……いや、ガリズの二人も呆れている。
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ファンタジー小説です、剣と魔法の物語 続きものです。 | ||
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