IS-インフィニット・ストラトス ネクサス 開店前ーBefore opening ー |
いよいよやってきた学園祭当日。学園内の生徒は一夏の接客が受けられることに胸を躍らせていた。
「はあ〜、楽しみだよ〜。」
「うんうん。」
「それにゲームもあるらしいよ!」
「しかもツーショットよ!ツーショット!!」
「織斑君の執事姿・・・」
「ネガも売れる!」
「薄い本のネタにも!」
なんだか雑音が入りましたがそれは置いといて。
『ご奉仕喫茶』開店一時間前のこと、弾は校内の敷地に一人突っ立っていた。周りの女子の目が少し気になる。
「ねえあの人かっこよくない!」
「赤髪でいい顔!」
・・・・・なんだかハズいな。一夏のやつこういうとこにいるんだな。
「すみません。」
「はい?」
弾の前に来たのは布仏虚であった。
「招待状を見せてもらえますか。」
「あ、はい。」
弾は虚に招待状を指し出す。
「あら!緋時弥生・・・・・・あなたね、ギターを弾くって男性は。」
「あ、はい。どうしてそれを?」
「織斑君から聞いているから。」
「あの、一夏ってここじゃどんな感じなんですか?」
「そうね。彼は学園内では無敗の男の子よ。」
「恋路は引き分け?」
「ふふ、そうね。彼は鈍感すぎね。」
「昔からですよ。」
「そう、それじゃあ私はこれで。」
「あ・・・・」
弾が声をかけようとする前に虚は去っていった。
いい人だったな・・・・・それに・・・・なんか胸が・・・・・・・・・
「お〜い、弾。」
「!」
突然声をかけられた弾は驚き、声のするほうを振り向く。そこには一夏の姿があった。
「い、一夏か・・・・ビックリさせんなよ。」
「悪い悪い。早かったな。」
「ま、まあな。」
一夏と弾は軽音部の方へ向かった。
一夏と弾は廊下を歩きながら話していた。
「そういや弾、俺が来る前に誰かと話してたか?」
「っ!何でそんなこと聞くんだ。」
「いや、俺が来たときに驚いてたのはなんか考え事をしてたからと思ってな。」
「どうしてそんなこと・・・」
「お前の癖だよ。」
「癖?」
「お前は考えことをしてるときは親指と中指の先をこすり合わせる癖があるんだ。」
「そ、そうか・・・・・よく見てるんだな・・・お前。」
「まあな。」
弾はため息をつき一夏に言う。
「実はさっき綺麗な人にあってな。」
「その人に恋したと。」
「なっ、ば、バカ言ってんじゃねえよ!」
「顔赤いぞ。」
「!」
「そろそろだな。」
弥生が駆け足で一夏達に近づいてきた。
「お〜い。織斑君、五反田く〜ん。」
「お〜す。」
「どうも。」
弥生は少しばかり息を切らしていた。
「大丈夫ですか?」
「ええ。君が五反田弾君だね。よろしく。私は緋時弥生。弥生でいいよ。」
「じゃあ俺も弾でいいです。」
「わかった。それじゃあこっち来て。」
「はい。じゃあな、一夏。」
「ライブに行くからな〜。」
弾と弥生は軽音部のほうへ行った。一夏は駆け足で教室に戻っていった。
一方箒達のところ。
「しかしこうして着てると少しいいものだな。」
「そうですわね。チェルシーが着ているのとは少しばかり違いますけど。」
「それってセシリアのメイドさんの名前?」
「ええ、そうですわ。」
「メイドとは親しいのか、セシリア。」
「ラウラさんがそういうのを聞くのは少しばかり驚きますがそうですわ。チェルシーは父と母が亡くなった頃から私の保護者のようなものでしたから。」
「そうか。」
その時箒の携帯電話のアラームが鳴る。
「はい?」
『箒か。』
「一夏今どこにいる!」
『さっき言ったろ。弾を迎えに行ったって。』
「た、確かにそういったが・・・」
『ちょっと頼みがあるんだが。』
「なんだ?」
『窓開けてくれないか。廊下に人が多すぎて目立ってしまうんだ。』
「何故窓を?」
『いいから。』
箒は言われるがままに教室の窓を開けた。
「これでいいか?」
『ああ、少し離れてくれ。』
「?」
箒は窓から離れる。
「どうしましたの、箒さん?」
「一夏が窓を開けてくれと言ったから。」
「でもなんでだろう?」
「まさかここまでジャンプで入ってくるとでも。」
「はは、ラウラ。それは無理だよ。」
「そうですわ。ここは三階、どう考えても。」
「それにISを無許可で使ったら織斑先生に怒られちゃおうよ。」
ジャリッ
「・・・・何の音?」
「『ジャリッ』っといったな。」
「ええ。」
ガシッ
「「「「!!!!!」」」」
全員窓の方を見る。そこには手があった。その手は力を入れ身体を引っ張る。それは一夏であった。
「一夏、どこから入ってきている!」
「窓から。」
「いや、そんなに堂々とされても・・・・」
そんなこんなで一年一組『ご奉仕喫茶』は開店する。
説明 | ||
『ご奉仕喫茶』開店前。弾は朝市でIS学園に来ていた。 | ||
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