真・恋姫†無双〜不信の御遣い〜 第十五話
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「……あり、がとう……」

 

アホ毛のお嬢ちゃんが頬を赤らめながら可愛らしい笑顔で僕に言う。

 

これで、少しは気持ちが楽になっただろうか。

 

「これからだ、お嬢ちゃん。

 

君は、僕とは違うんだから。

 

変わっていけるんだから」

 

「……うん……」

 

ああ、可愛いなこの笑顔。咲いたばかりの睡蓮を思わせるね。

 

その睡蓮の花言葉も、『純粋』、といった彼女にピッタリなものだし。

 

いや〜でも、我ながらあんな恥ずかしいセリフよく言えたなぁ〜。

 

だけど僕の言葉で、目の前のお嬢ちゃんがこんな笑顔を見せてくれるのなら。

 

それもいいなと、思った。

 

すると一刀くんが。

 

「あの〜、いい感じのところちょっといいですか?」

 

と、申し訳なさそうに聞いてきた。

 

アホ毛のお嬢ちゃんがビックリした様子であたふたしている。

 

どうしたんだろう?

 

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一刀君の提案で僕たちは近くの岩に座って話し合っていた。

 

「なるほど。つまり一刀君は天水の太守である月ちゃ……、じゃなくて董卓ちゃんの

 

ところで『流星に乗って現れ、この乱れた世を鎮静し安寧をもたらす天の御遣い』なんて、

 

胡散臭さ全開の肩書きを引っさげて、事実上董卓陣営の総大将として頑張っているわけね」

 

と僕が言うと、一刀君は苦笑して言う。

 

「まぁ、『天の御遣い』なんて言われてるけど、俺には大した力があるわけじゃないんだ。

 

ただ、俺が『天の御遣い』を名乗ることで、少しでも多くの人たちが勇気づけられたら

 

いいなって、それだけさ」

 

「なるほどねぇ〜」

 

僕は頷く。膝に違和感を残して。

 

一刀君の話だと今は西暦184年、中国後漢第12代皇帝、霊帝(またの名を劉宏)という

 

人が漢の皇帝の時代らしい。だが、最近は頭に黄色の巾を巻いた賊が各地で多数出没し、

 

民を苦しめているらしい。たしかこの時代のこの年じゃなかったかな。

 

『張角』っていう人が、『黄巾の乱』を起こしたのは。と僕は考える。膝に違和感を残して。

 

一刀君は僕に聞いてくる。僕の膝には違和感。

 

「ところで、高順はこれからどうするんだ?」

 

と。

 

う〜ん、特にこれといってなぁ。ないんだよなぁ〜。

 

ゼウスさんには名前を思い出すことを目標としてみてはと手紙に書かれていたが、

 

ぶっちゃけ、傷だらけの僕の人生の。

 

僕の名前を思い出す必要はないからなぁ〜。

 

どうしよう……。

 

困っている僕に助け舟を出すように一刀君が言う。

 

「お前さえよければ、俺が月や詠達に言って、お前を武官として仕官できるよう

 

取り計らってみるけど……。

 

お前の武勇は、きっとみんなが認めてくれると思うぞ」

 

と言ってくれた。

 

武官ねぇ〜、正直戦いに駆り出されるのはなぁ〜。

 

いや、嫌というか。

 

面倒くさいんだよな、人を殺すのが。

 

う〜ん、なんかたんたんとしてるなぁ、僕。

 

慣れてるみたいだ。転生する前の僕の前世か何かの影響で。

 

相変わらずの膝の違和感。

 

「う〜ん、お話はありがたいけど……。とりあえず、考えさせてもらうよ。

 

じゃあ、天水っていうところまで、道案内を頼めるかな?

 

それと……」

 

僕は、全く変わることのない膝の違和感を顔に出すことなく、

 

この違和感の正体に向かって声をかけた。

 

「どうして、僕の膝の上で僕に寄り添うように座ってるのかな?恋ちゃん?」

 

と。

 

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何故か僕の膝の上で僕に寄り添ってるこの恋ちゃん。

 

みなさん聞いて驚くなよ。

 

実はこの子。

 

あの。

 

呂布奉先ですよ。

 

いやぁ〜、互いに自己紹介した時にこの名前を彼女から聞いた時は僕はポカンとしていただろう。

 

うすうすは気づいてたんだけどね。ビックリしたよ。

 

でもそのあと、恥ずかしそうに顔を俯けて、両手の人差し指をツンツンしながらね。

 

「……でも、高順になら、『恋』で、いい……」

 

って、言われたときはね。あまりの可愛さに思わず理性を失いかけたね。

 

危ねぇ危ねぇ。紳士になれよ僕、って必死に言い聞かせたね。

 

で、まぁ、何故か出会ったばかりの僕に『真名』を許してくれんだよね。

 

何でなんだろう?

 

早すぎないか?と思ったけど。

 

彼女が満足げに笑ってくれたのでまぁ、いいか。

 

助けた女の子からは笑いながら。

 

「お兄ちゃん、女たらしですね」

 

と言われた。なぜなんだろう?

 

???

 

まぁそれは置いといて。

 

さっきからの膝の違和感は、話し合いをするってことになった時に。

 

何故か、恋ちゃんが僕の膝の上に、僕に寄り添うように座ってきての違和感でした。

 

いや、やばかったね。なんかイイ匂いしてたし。

 

また理性崩壊のカウントダウンが始まるところだった。

 

一刀君と女の子は二人で僕と恋ちゃんを笑いながら見てるし。

 

「何で僕の膝に座るの?」と僕が恋ちゃんに聞くと。

 

「……好き、だから……」

 

と頬を赤らめがら僕の方を上目遣いで見てきた。

 

「なるほど。そこまで言ってくれるなんて、僕の膝も喜んでるよ」

 

と言ったら、なぜか不機嫌そうに頬を膨らませて。

 

「……そういうことじゃ、なくて……」

 

と言われた。

 

どういうことなんだろう?僕の膝が好きだってことじゃないの?

 

???

 

一刀君と女の子は「「ハァ……」」と、

 

「分かってない……」といった様子で僕に溜め息をついた。

 

何を?

 

???

 

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とにもかくにも、僕と、なぜか不機嫌そうな恋ちゃんと、一刀君と、

 

僕が助けた(まぁ、ほとんどマグレみたいなもんだけど)女の子とともに、僕は恋ちゃんと一刀君の

 

主がいる天水まで、案内してもらうことになった。

説明
第十五話です。
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コメント
↓まぁ〜確かにごもっともだな; しかし・・・時系列的には一刀はまだそんなに月達と親しくはしていないのかな?できれば時系列の解説があると助かります。 後一刀・・・ため息ってお前が人の事言えた義理かwww(スターダスト)
おや、一刀君は呂布に恋慕してるわけじゃないのか。……まあ、捨てなくてもいい貞操を、自分の目の前でチンピラ相手に捨てようとした少女に惚れる筋合いはないな。(匿名希望)
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