魔法少女リリカルなのは DevilStrikerS ー開幕ー |
ついにムンドゥスの人間界侵攻の日が来た。
「さて、ついにこの時が来たな。みんな、調子はどうや?」
はやてが皆に聞いた。
「「バッチリです!」」
「どんな事でも大丈夫です」
「今の調子なら何でも来いです!」
「援護は任せてください!」
気合い充分のフォワード陣。
「うんうん、フォワード達は気合い充分やな」
「そうだね。けど、気合いなら私達も負けないよ」
「うん」
「おう。あたし達だってやる気満々だぜ。はやて」
「そうです。主、我々は皆戦意を失っている者は誰一人としていません」
「おお!ザフィーラ、やっと喋ってくれた〜。もう無口やと友達できにくいよ」
ザフィーラが喋ってくれたくれたことに喜ぶはやて。今までの雰囲気をぶち壊すはやての言葉に苦笑いのなのは達。
そこで…
「それに悪魔の行動時間は基本、夜ですしね」
バルダの少しKY的発言により、若干士気が衰えそうな一同。
「はー、雰囲気台無しやね…まあ確かに悪魔は基本夜に行動するから、恐らく夜に仕掛けてくるやろう…そんで、決戦の場はテメンニグルっと。それじゃ、みんな、何か異変があるまで待機や。解散!!」
それで一次解散となった。
そして日も暮れ、場所はテメンニグルへと移る。
「さて、準備は整ったし…みんな覚悟はいい?」
「「「はい!!」」」
「それにしてもありがとうなクロノ君。クラウディアに乗せてもらって…」
そう今いるこの場所はフェイトの義理の兄、クロノ・ハラオウンが持つ巨大船艦…クラウディア。
「いやなに、世界の危機に何もしない時空管理局じゃないさ『まあ上の連中にお話したまでのことだがな』」
『それはお疲れ様やったなぁ。というかクロノ君が強引なことするなんて意外やったな』
クロノの念話をそう返しながら驚くはやて。
『上層部の連中が話を全く信じなかったからな。あれだけ被害がでておいて信じないとは…頭の堅い連中だったよ』
普段は生真面目で上司とかに文句はあまり言わないクロノだが今回に関しては苛立っていた。
『まあ悪魔は架空の生き物とされてたからなあ。しょうがないと言えばそうなんのやけど…』
はやてはクロノにご愁傷様と心の中で思った。
「さあ、いよいよ最終決戦や!気を引き締めてくよ!!」
はやてとクロノは一旦話を区切り、皆に激励を入れる。すると言ったそばから、
「クロノ提督!テメンニグルの頂上より巨大な時空の歪みが発生しました!」
クラウディアのクルーの報告により、現場は慌ただしくなり始めた。
「はやて、指揮は僕がとる。君も現場に行くんだ」
はやては走りながらそれに感謝した。
「ありがとうな。クロノ君」
「では機動六課…出動!!」
「「「了解!!」」」
「うわー…いかにも最終決戦って感じだなあ」
思わずバルダはそう呟いた。それもそのはず、テメンニグルの頂上から時空の歪みが発生していて、その歪みは尚も広がっている。そして極めつけは………
――オオオォオオン――
大量の悪魔の軍勢である。ヘル・プライドなどのセブン・ヘルズやエニグマ、シン・サイズ、サイクロプス、アビス、シャドウ、その他もろもろの悪魔が降ってきた。
「ちょ、あれを相手するの!?」
あまりの数に呻くスバル 。
「でも、やるしかないのよね…」
するとそこへ……
『陸士108部隊、ギンガ・ナカジマ。これよりそちらに向かいます』
スバルの姉であるギンガ・ナカジマから念話がかかった。
すると遠くからどこからともなくウイングロードに乗ったスバルと同じリボルバーナックルを左手につけた女性が現れた。
「え?ウイングロード?」
バルダは急な事に困惑するばかり……だが逆に、
「ギン姉!」
「「「ギンガさん!」」」
スバルを始め、バルダとギルバーを抜いたフォワード陣が喜んでいた。
「えっと〜みんな、あの人は誰?」
バルダは皆に思わず聞いた。
「ああ、バルダは知らなかったわね。あの人はギンガ・ナカジマ。スバルのお姉ちゃんなの」
ティアナがギンガを紹介する。
「へえ〜。俺はバルダっていいます。よろしくお願いします、ギンガさん。」
そう言って、バルダはギンガに握手を求めた。
「うん、よろしくね。それと…」
ギンガはバルダと握手を終えるとギルバーの方へ体を向ける。
「ギルバーです。あなたの事は知ってますよ。ギンガ・ナカジマさん」
「え?!」
「ああ、ギルバーは管理局のいろんな情報を知ってるんだったね」
「ええ、無論こんな事も知ってますよ。戦闘機人だとか」
「「!!」」
その言葉に強く反応するスバルとギンガ。だがギルバーはこう言った。
「だがそんな事はどうでもいい。あなた達は笑ったり泣いたり仲間と語り合ったりできるだろう?それは人間たる証だ。あなた達は決して機械じゃない……人間だ」
「「…………」」
ギルバーの思いのこもった言葉に何も言えないスバルとギンガ。
「さて、今は報告する事があるんじゃないのか?ギンガさん」
「あっ!そうだった!これから10分後に援軍が来ます。それまでは私達でやるしかないとの事です」
ギンガは思い出したように言った。
「了解や。それじゃあみんな、行くよ!向こうもしびれをきらしとるようやしな!」
はやてが言った通り、悪魔達が総攻撃を仕掛けてきた。
「みんな!増援が到着するまで無茶したらあかんで!!」
「「「はい!!」」」
「はやてさん!」
そんな時、バルダがはやてに声をかける。
「どうしたんや、バルダ」
「悪魔は無限に湧いてきます。だから元を叩かなければ意味がありません。だから俺を魔界へ行かせて下さい」
「「!!」」
バルダの言葉に驚くはやて達。
「何を言ってるのバルダ!そんな事「わかった、許可する」はやてちゃん!?」
なのはは当然反対するが、はやては許可した。
「今はそれしか手はなさそうや。戦力を分担すると悪魔達がミッドの方に行かせてしまう…やから少数の戦力を行かせた方がええと思うんや…けど」
そしてバルダの方に体を向け、
「絶対に生きて帰るんや!もしヤバいと思ったら必ず撤退すること!ええな!!」
と激励した。すると…
「一つ忘れてますよ、はやてさん。俺も付き添いで行きます。バルダ一人だと、何するか解ったもんじゃありませんからね」
ギルバーも行くと名乗り出た。
「頼めるか?ギルバー」
「もちろん」
「けど、私は……」
話は進むが、なのははまだ バルダが魔界に行くことに渋っていた。バルダは安心させるように優しく言った。
「母さん。大丈夫だよ。俺は死にに行くんじゃない。世界を救うために行くんだ。それに危なくなったらちゃんと逃げるから」
「だけど…バルダ」
そこでギルバーが自信よくこう言った。
「大丈夫ですよ、なのはさん。あなたの息子は俺が守りますから。それに俺の弟はそんなに柔じゃない。お願いします、行かせてやってください」
ギルバーの決意のこもった言葉に押され、なのはは遂に折れた。
「うう…わかった。けど約束して!絶対に帰ってくるって…でないとヴィヴィオと一緒にお仕置きだからね!」
「うん、わかった。必ず帰ってくるよ」
なのはの言葉に笑顔で返すバルダ。
「「では行ってきます」」
そう言って二人はテメンニグルへと駆けていった……
「さーて、みんな待たせたな!戦闘開始や!!」
「「「了解!!」」」
はやての号令により、戦闘が開始された。
「(バルダ、ギルバー君…必ず帰ってきてね…)」
なのははただ、バルダ達の身を案じるのだった。
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三十四話目です。 | ||
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