恋姫無双SS魏√ 真・恋MIX 15話
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俺は何もない空間に立っていた。

暗闇・・・・・と言うほど暗くはなく。少なくとも自分の姿は見える。

しかし、それ以外は何も見えない。言ってみれば精神世界の中という表現がぴったり来るような場所だ。

俺は戸惑うこともなく何かを待った。

そしてそれはさほど時間をおくわけもなく現れた。

 

「一刀はどうなの?」

華琳が貂蝉に尋ねる。

「そうねぇ、多分大丈夫・・・としか言えないわね。」

「先ほどの道士は致死量の毒だと言っていたけれど・・・。」

俺はその場では寝所に寝かされている。

その様子を華琳は心配しながら見つめている。

「それは間違いないわ。その毒でご主人様は死ぬわねん。これは私でもどうしようもないわぁ。」

「貂蝉。先ほどは大丈夫と言っておきながらどういう事?返答次第では貴方も殺すわよ。」

「そうねぇ、それはご主人様が決めること・・・・でも間違いなくご主人様は目覚めるわ・・・それは確かよぉ。」

「・・・・相変わらず貴方の言葉は難解ね。でも目覚めなければ貴方も、あの道士も必ず私が殺すわ。」

華琳はその瞳に強い決意を見せた。

 

空から光りが降り注ぎ、現れたのはマッチョな変態天使・・・基、貂蝉だった。

そして俺に話しかけた。

「私は2つの命を持ってきたわぁ。」

「・・・・・・・・・。」

「いやねぇ、ご主人様。ちょっと古すぎたかしら。」

「・・・・・・。」

「でもね、あながち間違っていないのよ。すでに2つ目の命はご主人様の中にあるわ。」

「俺の?」

「ええ、ご主人様が私の名前を覚えていたときに違和感があったの・・・こちらの世界で私と面識はなかったはずだし向こうの時は名乗らなかったでしょう。」

「な・の・に、ご主人様わぁ、私の名前を答えたわ・・・・。」

「それと、貴方の力の上がり方・・・これは通常では考えられないのねん。」

「しかも、先ほど貴方が斬りつけた左慈の怪我が治らないこと・・・これで決定的と成ったわ。」

「ふぅむ、左慈は外史の人間が斬りつけてもダメージには成らないと言った・・・・しかし、奴らやお前のような存在の攻撃ならダメージになると言うことか・・・。」

「正解。ホントこのご主人様は物わかりが良いわぁ。」

「と、言うことは俺も管理者になったと言うことか・・・いや、それでは2つの命の意味がわからない・・・管理者としての存在と外史の人間としての存在・・・両方が俺の中にあるって事か。」

「ご主人様は、いくつもの世界を歩き渡った。しかもバラバラにされた思念以外にも過去の思念や他の外史の思念、それこそ無数の思念が混ざり合っていたのね・・・。」

「その所為で、管理者・・・・他には傍観者、執行者、ランドウォーカー。いろいろな呼び名があるけど・・・・神と呼ばれることもあるわね・・・・の資格を得てしまったの。これはその為に作られた物でない存在としては希有なことだわ。」

「本来ならその状態で安定している為にどちらでも執行出来るのだったけれど、先ほど左慈の毒。これはどの存在でも殺すことが出来る恐ろしい怨念の籠もった物なの。」

「つまり、その片方を殺すことでもう片方で生きることが出来るという訳か・・・。」

「ええ、管理者と成れば2つの世界を行き来することが出来るわ。ただし、今までのような干渉は出来なくなる。」

「外史の人間と成れば今まで通りよ。でもどちらかの外史を選ぶ選択をしなければならない。」

「よーく考える事ね。タイムリミットはこちらの外史に居られる時間までだけど・・・・解るわよね。」

「いや、そんなに時間は要らないな。すでに決めてある。」

「そうなの。ご主人様の結論を楽しみにしているわ。」

「あぁ、それでは目を覚ますよ。」

 

そうして俺は目を覚ました。

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俺が目を覚ます前に貂蝉から通告されたことがある。

「それと・・・・左慈はもうダメね。干吉も今回の失態は響くでしょう。」

「左慈は前回の失態で管理者としての能力をほとんど失ってしまったの。今回干吉の助けもあってこの外史に乗り込むことが出来たのだけど・・・管理者同士の殺し合いは厳禁なの。結果としてその禁を左慈が犯してしまったし、その手伝いを干吉はしてしまった。」

「多分あの2人が貴方の前に立つことはもう無いわ。もしあったとしても中身は全然別物になっているでしょうね。」

結果としてと言うのは俺が覚醒したことに気がついては居なかったのであろう。

「俺が左慈を切り裂いたことはどうなの?」

「そうね、それも本当はタブーなのだけれど・・・・ご主人様がまだ管理者として完全に目覚めていなかったこととあの手裏剣の時点で左慈が管理者としての資格をほぼ失効していたから咎められないのだと思うわ。」

「そうか・・・・・それと・・・・」

俺は貂蝉にとある頼みをした。

俺が今から意識を取り戻すが、その前に華琳以外の人払いをしておいてくれるようにと・・・

俺は意識を取り戻すと、周りの気配を探った。

どうやら貂蝉は成功したようだ。

俺が目を覚ますと、叫ぼうとする華琳の口を塞いだ。

そして、静かに!とモーションをする。

華琳は口を塞がれたまま頷いた。

『華琳、俺はこのまま死んだままで居ようと思う。』

『そう、それが一刀の選択なのね・・・。』

『あぁ、済まない、華琳。俺の治療として泰山の神殿に行こう。そして、そこで俺は元の世界に戻る。』

『解ったわ、それが一刀の選んだ選択なら・・・・・でも、今晩一晩だけ・・・思い出を頂戴。』

そして、2人の唇はふさがった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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次の日の昼、俺と華琳は貂蝉に連れられて泰山の神殿に居た。

夜まで待てば自動的に戻される手筈と成ってはいるが、流石にそれまで死んだまねをするのは辛すぎる。

朝方誰も気がつかれないように許昌を経ったのだ。

「しかし、誰も着いてこなかった様だけど華琳の警護とか良いのか?」

俺と貂蝉が居て何か起きることはあり得ないとは思うが一応話題として振ってみる

「ついて来させれば誰かおかしいと気がつくわよ。そうでなくてもウチの子達は優秀なんだから。」

少し自慢げに華琳は答えた

「まぁ、一番着いて来そうな春蘭に気がつかれなければ問題無いか・・・・。」

「それにね、・・・2人だけでお別れしたかったから・・・・・。」

しおらしい態度が妙に気に懸かるが、センチになっているんだろうと納得した俺は転送装置の置いてある部屋に入った。

 

「そ・れ・じゃ、ゲートを起動させるわよん。」

神殿の奥まで足を進めるととある壁の前で貂蝉は立ち止まった。

そして徐に足を壁に投げ出すとそのままスッと壁の中に入った。

続いて中に入ると部屋の中にはいわゆるSFチックな機械が所狭しと並べてある。

そのうち一つの椅子に貂蝉は座る

「ゲートが起動するまで後1刻と言ったところかしらぁ。それまで待っててねぇ。」

椅子に座った貂蝉はそのでかい体に似合わぬ繊細な手つきで機械を弄り始める

 

時間はそれと少し遡る

一刀達が許昌を離れて少し経った頃だった。

その日、許昌は呂布の来襲にあっていた。

恋の連れた何匹かの猫が城の中を走り回っていたのだ。

「おい、白いのと黒いのがあっちに行ったぞ!」

春蘭はその対処に追われていた。

「くっ、猫という物はどうしてこう自由なのだ・・・・」

走り回る春蘭を尻目に風はその内の二匹を目の前にしてなにやら話しかけていた。

「やぁ、春蘭と季衣。元気でしたか・・・・。」

さらにたまたま城に来訪していた明命がお猫様相手にトロトロに成っている。

「わぁ、モフモフぅ。」

そんな時一匹の猫が一通の書状を咥えて春蘭の前に現れた。

「むっ、なんだ・・・・・こ、これは華琳様の書状・・・。」

実はそれは秋蘭宛に書いた華琳の書状で今日の夜頃発見できるように巧みに隠してあった物だ。

しかしその巧妙な仕掛けも猫には通じなかった。

猫の来襲は華琳といえども想像するのは不可能であろう。

春蘭は何か嫌な予感がしてその書状を読んだ。

 

『秋蘭、私は一刀に付いていくわ。すでに大陸は収まり雪蓮、桃香もしっかり治めてくれるでしょう・・・中略・・・魏の国は貴方と桂花に任せます。いずれ戻ることも出来るでしょうけどそれまでよろしくたのむわ。追伸、春蘭を慰めてあげてね。』

 

「なんだとぉ、華琳様が北郷についていくだとぉ!」

怒り心頭の春蘭は怒鳴りながら本殿の廊下を走り回る

「北郷はどこだ!華琳様はどこにいらっしゃる!」

そこに通りかかった秋蘭が春蘭を諫める。

「落ち着け姉者・・・・北郷はまだ寝込んでいるはずだ・・・・・」

「これが落ち着いていられるか・・・・この書状を・・・・・」

書状を秋蘭に渡そうとした時、丁度桂花も通りかかった。

「何を騒いでいるの?相変わらず騒がしいのは脳筋だからなの?」

いつも通り辛辣な桂花だがこのときはこちらの方が味方に成ると春蘭の直感が閃いた

「おい、桂花、これを読んでみろ。」

そう言って書状を桂花に渡す。

「・・・・・・・・・なんですってぇ。1人で消えるだけならまだしも華琳様を連れて行くだなんて・・・・討伐隊を用意するわ。」

「場所は解るのか?」

「・・・・きっと泰山の頂上よ。あそこに神殿があると聞かされているわ・・・・。」

「この文から察するに余り時間はないわね・・・・泰山まで早馬で二刻・・・・春蘭、急ぐわよ!」

「おう、任せろ・・・今度こそ北郷にとどめを刺してやる。」

春蘭は季衣、霞などと一緒に早馬を飛ばして一路泰山を目指した。

 

 

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場面は変わりここは華琳の居ない一刀の世界

 

「この方向で正しいの?」

桂花は真桜に尋ねる。

「この間大将から試作を頼まれていた”とらんしーばー”が電波を受けたんや。それを改良した探知機に依ればこの先で間違いないでぇ。」

真桜は自慢げに答える。

「大将が言っていたんやけど、天界製のからくりはこの電波という物を一定的に流しているそうなんや。」

「この電波を関知できればその場所が解るってもんや。」

「ふーん、そうなのね・・・。」

いくら桂花と言えども細かい仕組みまでは解らない。

それでもいままで一刀の側で色々な話しは聞いていたので何となく理解は出来た。

「電波だか産婆だか知らんが目に見えない物で場所が解るのか?」

春蘭は相変わらず懐疑的だ。

そこに周囲の聞き込みをしていた凪達が帰ってきた

「聞き込みの結果、周辺の農民達から怪しげな坊主頭の怪人が人を抱えて飛び跳ねていったとの目撃証言を得ました。」

凪は春蘭にそう報告した。

「よし、それなら先に進むぞ。このまま泰山に登ればいいのか?」

春蘭は先に進みたくてうずうずしている。

「どうやらそのようだ、姉者。泰山には最近突然神殿が現れたとの報告もある。どうやらそこかも知れないな。」

秋蘭は冷静に判断して周りに指示を出す。

「・・・・一刀様は待っていろと言われましたが、とてもそんな心持ちではありません。・・・・何とか探し出してお救いして見せます・・・・」

桂花の目に強い意志が感じられた。

 

此処は泰山の麓

北郷一刀が掠われてから二日経っていた。

 

一刀様救出隊は確かに目的地を目前に捕らえていた。

 

説明
これ終わらせないと先には進めないので・・・・
なんとかEDまで持っていきます
ただし最終話でなくてもう一回あります^^;

真・恋姫無双のSSではなくてあくまで恋姫無双の魏ルートSSです。
ただしキャラは真・恋のキャラ総出です。

無印恋姫無双は蜀ルートでした。
そして桃香の代わりが一刀でした。
このSSは魏ルートなので華琳の代わりが一刀です。

この作品の一刀は一刀と華琳の良いとこ取りをした為、華琳以上の完璧超人になってます。
しかもとある理由でどんどん一刀がチートキャラに成っていきます。

ブログより少し改変、割り増ししてあります

実は魏√アフターであることが判明しました。
萌将伝とは一風変わったハーレムストーリーです。
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コメント
続きお願いします!(ポンチキ)
早く次が読みたいです。(ヒロ吉)
早く更新して下さい。お願いします!(迷い猫@翔)
次の更新は、何時でしょうか?。(黒鉄 刃)
次回楽しみです^^(しもっち)
おー、久しぶりの更新おめでとうございます。あと一回、楽しみにしてます。(ナルンバ)
お久しぶりです!!更新楽しみにしてました。次回最終回ですか、楽しみに待ってます。(一丸)
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魏√アフター 華琳 恋姫無双 一刀 恋姫†無双 

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