依頼 |
「今回のターゲットはこいつだ」
男は懐から写真を取り出し、真っ黒なスーツ姿の男に渡した。スーツの男は写真に映っている人物を一瞥し、写真をズボンのポケットに押し込んだ。
「報酬額は」
「いつもと同じだ。成功を確認したら振り込む」
「了解した」
スーツの男はそれだけ言うとその場からゆっくりと歩き去っていく。
「……全部お前が悪いんだからな、恨むなよ」
男はスーツの男の後ろ姿を見届けた後、胸ポケットからタバコを取り出して口にくわえ、火をつけた。
まだ太陽が出ていない早朝。スーツの男はある部屋に忍び込んでいた。肩には円筒状の武器、バズーカを持っている。
彼の足下には布団の中で呑気にいびきを立てて眠っている少年がいた。
(任務開始)
声に出さず自らにスタートの合図をかけると男はバズーカの引き金に指をかける。
そして、一言。
「おはようございます……!」
その言葉と共に引き金を引いた。
静寂を一気に吹き飛ばすような派手な爆発音が部屋に響き渡る。
「うわあぁぁぁっ!!?」
さっきまでいびきをかいていた少年はその爆音に驚き、文字通り飛び起きた。
「お目覚めはいかがですか?」
男はバズーカを構えたままにっこりと笑顔を見せるが、少年は驚いた表情のまま彼を見つめている。
「な、何!? 何なんですか!?」
「改めまして、おはようございます。私は『目覚まし人』です」
目覚まし人。それは依頼があれば誰でも起こす、プロフェッショナルである。
説明 | ||
即興小説で作成しました。お題「プロの軽犯罪」制限時間「15分」 | ||
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コメント | ||
これは、なかなかオチが読めませんでした(yaru_yara_call) | ||
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短編 | ||
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