恋姫外史終章・いつまでも一刀第18と1/4話
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「ん〜〜、後は何持って行くかな〜〜・・・・・・」

 

自室にて、旅立ちに持っていく物を選んでいる一刀。

 

そんな一刀の部屋の扉がバン!と開けはなたれる。

 

「ちょっと一刀!帰ってきてるなら顔くらい見せなさいよ!!」

 

「そうだよ〜〜」

 

「薄情ですね・・・・・・」

 

ずかずかと部屋に入ってきたのは張三姉妹であった。

 

「おお、ひさしぶりだな」

 

「おお、ひさしぶりだな・・・・・・じゃないわよ!しかもあんた!麗羽を孕ませたんですって!?」

 

「ん?どうやらそうらしい。何だ?お前も子供が欲しいのか?」

 

「せい!!」

 

ぼぐっ!

 

「げほっ!」

 

地和のこぶしが一刀のみぞおちに決まった。

 

「ぐおお・・・・・・」

 

さすがの一刀も苦しみながらごろごろのたうちまわった。

 

「それができたら苦労しないわよ!!」

 

「そうだよね〜〜。お姉ちゃんだって、本当は一刀の子供欲しいとは思うけど・・・・・・」

 

「・・・・・・仕事もやめたくないですし」

 

「・・・・・・そうだな。一大スキャンダルが巻き起こってアイドル終了・・・・・・ってことになるかもな。悪い。配慮が足りなかったわ」

 

土下座の体勢になり、深々と頭を下げる一刀。

 

「まあ、分かればいいのよ」

 

地和は腕組みしながらそう言った。

 

「で?おまえら結局何しに来たんだ?」

 

一刀の質問に答えたのは人和と天和だった。

 

「実は、二日後にこの街で公演する事になっていまして・・・・・・」

 

「一刀に来てもらいたいな〜〜と思って、三人で誘いに来たんだよ?」

 

「行く」

 

一刀は即答した。

 

「決断はやっ!」

 

「いいじゃねえか、俺だってお前らの歌久しぶりに聞きたいんだよ」

 

「ふん!いままでほったらかしてたくせに良く言うわ!」

 

「確かに随分会ってなかったけどよ、これだけは言っておくぞ?俺はお前らの事をどうでもいいと思ったことは一度だって無いからな」

 

「そ、そう・・・・・・」

 

「地和ちゃん照れてる?」

 

「天和姉さんうっさい!」

 

「・・・・・・とにかく、来てくれるという事でいいんですね」

 

「おうよ!」

 

「ありがとうございます。それじゃあ、私達は色々準備がありますから・・・・・・天和姉さん、地和姉さん」

 

「は〜い」

 

「楽しみにしてなさいよ?」

 

三人はぞろぞろと部屋を出て行った・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

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「さて、準備の続きを・・・・・・」

 

一刀が旅支度に戻ろうとしたとき、再び扉が開け放たれた。

 

一刀は三姉妹が戻ってきたのかと振り向いたが、

 

「ご主人様〜〜〜ん♪」

 

入ってきたのは貂蝉だった。

 

一刀に抱きつこうと両手を広げ、迫ってくる。

 

「悪魔封殺滅却拳!!」

 

ボグッ!

 

「破邪伐沙羅正拳突き!!」

 

ゴガッ!

 

「十字切り踵落とし!!」

 

ゴッ!

 

「九字護身呪法ラリアート!!」

 

バキッ!

 

「ハーレールーヤー!スマッシュ!!」

 

ドガーン!!

 

一刀は見事な五連コンボを貂蝉に見舞ったのだった。

 

「ひ、酷いわ!久しぶりの再会だったのにん!!」

 

しかし、あまり効いていなかった。

 

「ちっ、お前は不死身か・・・・・・」

 

舌打ちしてパチンと指を鳴らす一刀であった。

 

「せっかくいい情報を教えてあげようと思ったのにん・・・・・・」

 

「?何だ?そのいい情報ってのは?」

 

「教えてあげないわん・・・・・・」

 

先ほどの攻撃を根に持っているのか、貂蝉はそっぽを向いた。

 

「あ、そう。俺準備があるから、用が無いなら帰ってくれ」

 

そう言うと一刀は貂蝉に背を向け、準備の続きを始めようとする。

 

「・・・・・・ここは普通、謝るから教えてくれって言うところじゃないかしらん?」

 

「どうでもいい」

 

とりつくしまもなかった。

 

「もう、仕方ないから教えてあげるわん」

 

「いや、別にいいんだけど・・・・・・」

 

「聞きなさい」

 

「・・・・・・はい」

 

「まず、卑弥呼と連絡が取れたわん」

 

「ほう?あいつ今何してんだ?」

 

「華陀ちゃんと旅してるみたい。次は揚州に行くって言ってたわん」

 

「ふ〜ん」

 

「定期的にこっちに連絡をくれるらしいわん。後、旅の途中でご主人様の消失を防ぐ手段を探してくれるらしいわん♪」

 

「おお、そいつはありがてえな」

 

「それと、華陀ちゃんは記憶が戻ってるらしいわよん」

 

「それも驚きだな。いつ戻ったんだ?」

 

「何でも卑弥呼が華陀ちゃんの寝台に忍び込んだらしいんだけど、随分狭かったらしくて、誤って寝台から華陀ちゃんを押し出しちゃったんですって。それで華陀ちゃん思い切り頭を打っちゃって、目を覚ました時には記憶が戻ってたらしいわん」

 

「・・・・・・あいつの頭は古い電化製品か?」

 

随分な言い草だった。

 

「しかし、卑弥呼と華陀の助けがあるのはありがてえな。教えてくれてありがとよ」

 

「どういたしまして。ところで、さっきここに来る途中、干吉と会ったんだけど驚いちゃったわ」

 

「何で?」

 

「だって左慈と結婚式まで挙げて、おまけに身体でも結ばれたっていうじゃない!羨ましくて思わずハンカチを噛んじゃったわん!!」

 

「・・・・・・あっそ」

 

心底どうでもいいというかんじで、一刀は軽く流そうとした・・・・・・が、

 

「でも、ご主人様が同性愛に寛容だったなんて、好都合だわん♪」

 

「・・・・・・何?」

 

話がおかしな方向に向かっているのに気づいた一刀。

 

しかし、構わず貂蝉は続けた。

 

「さあご主人様!あたし達も干吉たちに負けないくらい!愛を育みましょう!!」

 

そう叫んで貂蝉は一刀に飛び掛ってきた。

 

「ふざけんな!!」

 

一刀は飛び掛ってきた貂蝉に対し、ボディーブローを叩き込む。

 

「ふん!」

 

しかし、貂蝉の鍛え抜かれた腹筋を貫く事は出来ず、貂蝉の気合一喝で弾き飛ばされた。

 

「ええい!打撃が効かないなら・・・・・・」

 

一刀は貂蝉の腕を取り、脇固めの体勢に固めた。

 

「あいたたたたたた・・・・・・」

 

膝を折り、そのまま倒れこむ貂蝉。

 

「どうだ!さすがのお前も関節技は効くだろう!」

 

「うう・・・・・・」

 

呻き声を上げる貂蝉。

 

・・・・・・しかし、

 

「な〜んてねん♪」

 

「!?」

 

貂蝉は筋力で強引に関節技を外すと、そのまま一刀を倒し、寝技に引き込んだ。

 

「さあ、ご主人様!このままくんずほぐれずしましょう♪」

 

「い、嫌だ!来るな!!」

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

「ギャアアアアアアアアアアアア!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

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「はあ、はあ・・・・・・あの野郎」

 

息を荒くしながら、一刀は城内を歩いていた。

 

寝技の死闘は貂蝉のペースで進んでいたが、最後は貂蝉のホールドを一刀が火事場の馬鹿力で外し、足による三角締めで貂蝉を落として事なきをえた。

 

「左慈の気持ちが少し分かった気がするぜ・・・・・・」

 

そう呟きながら、今度から左慈には少し優しくしてやろうと一刀は思った。

 

「おや?一刀ではないですか」

 

「へ?」

 

後ろから声がしたので一刀が振り向くと、そこには干吉の姿があった。

 

妙に血色が良く、つやつやしている。

 

「おお、お前か。・・・・・・左慈は?」

 

「部屋で寝ていますよ。昨日は失神するまで励んでいましたから」

 

ちなみに、左慈は部屋にいる時は逃げられないよう鎖つきの首輪を着けられていたりする。

 

「・・・・・・伴侶ならいたわってやれよ?」

 

「おや?どうしたんです?やけに優しいじゃないですか?」

 

「ちょっとな・・・・・・」

 

貂蝉に襲われて操を奪われかけたからとは流石に言えない。

 

「しかし、丁度いいところで会いました。貴方に相談があったんですよ」

 

「相談?」

 

一刀は首を傾げた。

 

「はい。左慈と本当に愛し合うためには身体のつながりもさることながら、心のつながりも大事だと思うんです。何か、左慈の心に私の気持ちを響かせる方法はないでしょうか?」

 

「ふむ・・・・・・」

 

一刀は顎に手を当てて考えた。

 

そして、ポンと手を打ってこう言った。

 

「歌なんかどうだ?気持ちを伝えるっていうなら、これ以上ない方法だと思うんだが・・・・・・」

 

「歌ですか、なるほど・・・・・・」

 

干吉はその手があったか、と言う顔で頷いた。

 

「干吉。お前歌に自信は?」

 

「ふふ、こう見えても持ち歌は豊富ですよ?」

 

「そうなん?」

 

「ええ、とにかくいい意見をありがとう。さっそく試してみます」

 

そう言うと、干吉は自室へ向かった。

 

「頑張れよ〜〜〜・・・・・・」

 

軽く手を振りながら、一刀は干吉を見送るのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

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そしてその夜

 

トイレに行こうと夜の城内を歩いていた一刀。

 

干吉の部屋の前を通り過ぎようとした時、中から歌が聞こえてきた。

 

「これが干吉の歌か・・・・・・」

 

一刀はしばらく聞いていたが、尿意が我慢出来なくなったので早足でトイレに向かった。

 

夜の城内に干吉の歌が響く。

 

 

 

 

 

僕の〜心は〜〜ツゲの盛り上げ駒で〜〜〜

 

君の〜心はカヤの〜〜足つき盤さ〜〜

 

二人の〜愛は〜〜まるで千日手〜〜

 

とことん攻めるぜ〜〜追い詰め〜るぜ〜〜

 

あ〜〜、やってらんねえ〜〜

 

あ〜〜、やるせない〜〜

 

王将〜ジャポネス〜〜

 

勝〜つと思うな〜〜

 

思えば、負けよ〜〜・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

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どうも、アキナスです。

 

ちょっと間が空きましたが、投稿です。

 

前回、一年ぶりくらいに王冠付きました。

 

応援してくださっている皆様に感謝を。

 

そして、何というか、干吉は色々使い勝手いいなあと思います。

 

ネタ的な意味で(笑)

 

次はどんなイベント書こうかな?と思いつつ、次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ビッグオー!ファイナルステージ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
出発まで後六日・・・・・・
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コメント
hokuhinさん:平蔵ですな(アキナス)
一刀の5連コンボってエンジェル伝説のあれかw(hokuhin)
ゴンザレスさん:分かる人いないんじゃないかと思ってました・・・・・・(アキナス)
きまおさん:まあ、呼ぶところだけなら・・・・・・(アキナス)
よーぜふさん:まあ、一線とはいかなくとも色々触れ合ったでしょうしね・・・・・・(アキナス)
きたさん:結果的に左慈が落ちれば問題ないかと・・・・・・(アキナス)
本郷 刃さん:分かりたくもなかったでしょうけどね(笑)(アキナス)
デュークさん:千日手です。キャラ的にも中の人的にも結構あってると思ったんで・・・・・・(アキナス)
劉邦柾棟さん:どのキャラもいい味出してましたね・・・・・・ベックとか(アキナス)
ジャイアントロボ、ショータイム!(チガッ(きまお)
そんな最終的に力技の人出して込んでもw  てか貂蝉自身も落とされながらも喜んでそうですねw(よーぜふ)
セイバーマリオネットJtoXかよwww(ゴンザレス)
いくらなんでも左慈が可哀そうだろ。調教で性格を変えるのか?(きたさん)
一刀も少しだけ左慈の気持ちが分かるようになりましたかw(本郷 刃)
今宵も始まる于吉と左慈の宴のオープニングは何という曲? 「来るなあああああぁぁぁぁ…」…これは「左慈の絶望」だなww (デューク)
「ビッグオー」より  「交渉を続けてくれたまえ。 ネゴシエーター」(劉邦柾棟)
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