神様踊る展望台 第九話 |
校長「かなり昔に二人の仲のいい力ある者が空を見て考えたんです、『日に日に太陽と月の距離が縮まっている』と。このままいったら二つはぶつかってもしかしたら何かしら自分たちのいるところにも影響があるんじゃないか、そう思って片方は太陽をもう片方は月を破壊することに決めたんです」
幸也「無茶苦茶ですね、どうやって破壊するんですか?」
校長「その二人は破壊できるほどの力を持っていたらしいです、まあ手から破壊光線が出せたりしてたんじゃないですか?まあそんなこんなで二人は対立して戦うようになったんです。それが・・・なんという名前でしたっけ?」
父「しらん、聞いたことがないからな」
谷咲家が2週間ぶりに全員集合してそこに校長とその子供のしずくが一つの居間で各々に何かを飲みながら校長の話を聞いていた。なぜこんな話をしているのかというと父さんの『どうして俺の子とお前の子が一緒にいるのかを教えろ』から始まって今に至ります。うん、前後の文章の関係性が皆無で意味がわからないですね。
校長「まあ名前はさておきさっきの話には続きがあるんですよ。二人の力はどうあがいても互角、これじゃあ決着がつかいないから自分たちの子孫に任せようとなりました、無責任ですよねー。実際には太陽と月の距離は二人の勘違いってことがわかったんですけど、素直に言うのが恥ずかしかって『またいつ衝突しそうになるかわからないから決着をつけろ』といって二人は死んだんです。死ぬタイミングも一緒だったからとても仲が良かったんでしょうね」
幸也「・・・・・ん?」
校長「二人が死ぬ間際にある取り決めを行ったんです、『不定期に二つの勢力を戦わせ勝った方に膨大な力が手に入る秘宝が少しずつ完成に近づく』そんなこと言われたらよっぽどのことがない限り完成させようとするでしょう。月日が流れて今から20年前、僕たちが18歳のことですね。決戦が行われて僕と君のお父さんが戦ったんですよ」
戦ったってどうやって戦ったんだよ。それにかなり昔からやってるはずなのにまだ完成してないのはおかしくね?俺以外のリスナーの母さんはしんみりお酒飲んでいる。しずくと美咲はとりあえず話を聞いてる感じがするな。しずくはこの話を聞いたことがあったのか?
幸也「・・・え?もしかしてファンタジー要素満載?」
父「そうなるな、信じられないかもしれないが信じろ。大まかに説明したら勢力戦だ、戦って勝ったら点数もらえて上限に達したらなんでも願いが叶うって感じだな」
幸也「ところでどこからどこまでが嘘?」
校長「全部本当のことですよ、なんなら少し見せてあげましょうか」
幸也「・・・何を?」
ふと校長の顔がいかにも自慢するような顔をしていたので敬語をつけるのを忘れてしまった。それほど嫌な顔だった。こういうのは必ず嫌な予感しかしないんだよな・・・。
校長「――――――魔法ですよ」
場所は変わり狭い部屋では後片付けが面倒という父さんの意見を尊重してうちの庭に出た。一軒家で二階建て庭付きローンあり、なかなか裕福な家だと思う。隣の家からは塀があるから一応見えにくい、見えにくいとあるだけで見える。『先に言っておくと僕の魔法は戦闘用に修正されてるから思ってるのと少し違うかもよ?』玄関を出るときそういってハードルを下げる校長学校ではもっと威厳があるのに今ではすこし親近感がわいてきている。
校長「――――祖と成りしは水。
――――威を振るう君は、
――――かの龍をも押し返し、
――――天をも駆け昇らん。」
初めは集中しているだけのように見えていたが少し風は吹いた、さっきまでは風なんてなかったのに。詠唱途中から校長の周囲にどこからともなく水が湧き出てそのまま垂直に飛び上がっていった。魔力?気?そういうものは一切見えなかった。ただ水が見えて風を感じただけだ。なんだこれは・・・原理がわからない。何か言うだけでモノが生み出せる。これが・・・・・これが魔法なのか?
俺は知らないうちにブツブツ言っていたらしい。誰かが声を発していてくれなかったら俺は2時間ぐらい呟いて近隣住民から庭でブツブツ言ってる変人という扱いを受けていただろう。それぐらい衝撃的だった。昔から結果より過程の方が好きなタイプで水が飛んだことより生み出たことに関心が行った、そう水が飛んでいった方向には全く興味がなかった。
校長「いやー地味なやつでも良かったんですけどねー、なんかギャラリーが多いから見栄張っちゃいましたよはははははは」
父「・・・おい」
校長「なんですか?」
父「見栄張るのはいいがさっき放った水鉄砲はどうなるんだ?」
校長・幸也「「あ」」
ちゃっかり屋根のあるところまで逃げていた女性陣。案の定降ってきたスコールによりずぶ濡れになる男性陣。そりゃあそうだよな、地球上には重力っていうものが存在するんだから。
母「お風呂入ってくるから、あと家の中汚さないでよね。掃除するの大変なんだから」
幸也・父・校長「「「・・・・はい」」」
どうしてずぶ濡れになった俺達を置いて先に風呂に入るのだろうか。このあと注意したけど少し濡れてしまった玄関を掃除している美咲の機嫌が少し悪く見えたのは錯覚じゃないはず。母さんが掃除しないのはデフォルトだから。
幸也「まあここまでされても信じられないですけどね」
父・校長「濡れ損かよ!?」「濡れ損ですか?!」
【あとがき】
投稿日時は気が向いた時――――――以上。
すいませんでした、誰も続きを期待していないと思いますけども、
誤っておくのが筋なんで・・・。
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