IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者?
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episode92 本当の事実

 

 

(・・・・?)

 

隼人はゆっくりと目を覚ました。

 

(ここは・・・どこだ?)

 

隼人は辺りを見回すが、そこは少なくとも自分が知っている景色ではなかった。

 

 

辺り一面に広がる風に靡く草原。空も晴天で太陽が照り付けていた。

 

(・・・・)

 

 

 

(ようやく起きたんだね)

 

(え・・・?)

 

後ろから女性の声がして、隼人は後ろを向いた。

 

 

(こうして会うのは初めてだね。神風君)

 

そこには岩の上に座っている一人の女性が居た。

 

金髪のロングヘアーをして赤い瞳をした自分より年上の女性で、ロングヘアーの先端を白いリボンで結んでいた。紺に縁に白が施された軍服のような上着にミニスカート、その上に白いマントを羽織り、左腕だけにガントレットを装着していた。物静かな女性な雰囲気があるが、隼人はそれとは別の何かを感じ取っていた。

 

(お前は・・・?)

 

(忘れちゃったかな?まぁ、この形で初めて会うからそれが当然の反応かな)

 

(・・・・)

 

(君の相棒だよ。私はその意思で、この姿はイメージ)

 

(・・・・)

 

隼人はしばらく考えて――――

 

 

 

(・・・なるほど。つまりお前は…バンシィの意思ってことか)

 

(そういうこと)

 

女性は微笑む。

 

(今まで君に返答しているのはバンシィのAI。私とは別の存在なの)

 

(そうか。それで、ここは夢の世界・・・って感じじゃなさそうだな)

 

隼人は女性の向かい側になるように地面に半分ほどめり込んでいる岩に腰掛ける。

 

(そうね。正確にはISのコアの中の・・・私自身の意思の中の世界になるかな)

 

(意思の中、か。よく分からんな。だが、なぜ出てきたんだ?)

 

(・・・本当ならもう少し早い段階で出てくる予定だったの。そう、君がバンシィの第二形態移行を行ったあの時にね)

 

(あの時に?)

 

(でも、色々と立て込んで君とこうしてゆっくりと話せる機会が中々無かった。今日まではね)

 

(・・・・)

 

 

 

 

 

(で、何を話すって言うんだ?)

 

(色々とあるけど、いくつかお話しをさせてもらえるかな)

 

(話し?)

 

(そう。色々とね)

 

(それほど話題があるというのか?)

 

(私はどちらかと言えば君を転生させた神から作られたIS。君の事は色々と知っているよ)

 

(そうか。構わない)

 

(じゃぁ最初の一つ。君の経歴について)

 

 

(・・・・)

 

 

 

(君は転生する前に女の子を助けてトラックに撥ねられて死亡した。でも神の手違いと言うことがあって色々と要望付きでこの世界に転生した)

 

(何だか懐かしいな。今となったら)

 

(で、君はこの世界に転生する際に君自身は自分の身体に要望を入れた)

 

(・・・・)

 

(それで今の身体を得た。でも――――)

 

(・・・・)

 

(君自身の身体が機械であることはどうなるのかな。正確には生体パーツをベースにナノマシンとミクロコンピューターによって構成された最も人間に近い戦闘機人)

 

(・・・・)

 

(まぁそのお陰で普通とは違う力を得た。君自身はこの事を知っていたのかな)

 

(自分の体がそうなっているか?)

 

(えぇ)

 

(・・・・)

 

 

 

 

(知っているさ。前からな)

 

(・・・・?)

 

(なにせそんな体にしてくれって頼んだのは――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――何を隠そう、この俺だからな)

 

 

 

(君自身が・・・頼んで?)

 

女性は驚いた様子を見せた。

 

(あぁ)

 

(なぜそんなことを…)

 

 

 

(俺がこの世界に転生する前に、神に無理を承知で頼んでそうしてもらうようにしたのさ)

 

(・・・・)

 

(俺が前世で成し得なかったことをこの世界でやろうと思ったのさ)

 

(成し得なかった事?)

 

(あぁ。昔の俺は本当に何もできない。力も無ければ、頭も良くない。本当に無力だった)

 

(・・・・)

 

(だが、勇気だけは人一倍あった。友達や人を助けることだってあった)

 

(それは今でも続いているんだね)

 

(あぁ。だが、助けにいっても助けられなかった時だってあった。それで信頼を裏切られる時もあった)

 

(・・・・)

 

(だからこそ、もう一度生まれ変われるのであれば、力を持ちたい。だから、大切な人や仲間を失いたくない為にこの身体を選んだのさ。例え人でなくても)

 

(君らしい回答だね)

 

(あぁ)

 

(でも、それが君一番の弱い所だって、君から生まれた影は言ったよね)

 

(・・・・)

 

(その優しさが君の身を滅ぼす。それでも、君は守り続けるの?)

 

 

(それが人生を掛けて俺が望んだことだ)

 

(・・・・)

 

(仲間想いが一つの間違いを生んだ。それを悔やんだ時だってあった。そして非情になることだって考えた)

 

(・・・・)

 

(だが、あの時思い出したんだ。自分の影と戦っているときにな)

 

(・・・・)

 

(本当の自分を・・・)

 

(・・・・)

 

(守るべき者の為なら、俺は戦える。例え自分の身を滅ぼそうとなろうとな)

 

(・・・そう。こういうのもなんだけど・・・さすがに呆れるレベルだね)

 

(よく言われる)

 

 

 

 

(そういえば・・・君のような性格の人・・・いたね)

 

(・・・・?)

 

(この際君に言っておくよ。君の今の現状、足りない物をね)

 

(足りない物?)

 

隼人は首を傾げる。

 

(・・・今の君は最後のピースが抜けているんだよ)

 

(どういうことだ?)

 

(君にはバンシィともう一つ持つべき力がある)

 

(持つべき力・・・だと?)

 

(そう。私と同系列の機体にして、もう一つの・・・・・・『ユニコーン』」

 

(ユニコーン・・・だと?)

 

(君は知っているよね。私のモデルとなったバンシィ・・・その一号機を)

 

(・・・・)

 

(君の知らないところで存在するんだよ。そう、君の知らないところでね)

 

(・・・・)

 

(白き一角獣と黒き獅子。それが君が持つべき力。与えられた力)

 

(・・・・)

 

(今の君は不完全なんだよ。片割れの力しか使えない。いや、使いこなせない)

 

(・・・・)

 

(まぁ、結果は君次第だね。そしてユニコーンも君をどう判断するか)

 

(俺次第、か)

 

 

 

 

(そろそろ時間だね。健闘を祈るよ)

 

女性が微笑むと、周りの景色が消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・」

 

しばらくして隼人は目を覚ましてベッドから半身を起き上げた。

 

時間は午前の六時半を回っていた。

 

(どうだろうな。まぁ、今はこのままでいい。今はな)

 

隼人はベッドから下りて脇にある台の上に置いているバンシィの待機状態であるドッグタグを手にする。

 

「そうだろ、バンシィ」

 

《yes sir(はい)》

 

そうして隼人は登校の準備に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!
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ユニコーン バンシィ ガンダム インフィニット・ストラトス IS 

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