超次元の外れ者(下)
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プラネテューヌ付近・廃城・隠し通路・隠し部屋(VSウラヌス)

ユウザ視点

こいつは知っている、あの剣の事を。伝承の通りの力だと言う事を・・・・

それって、こいつが使った事があるからと言う事なのだろうか・・・・

こいつは犯罪神を倒すために、仲間を殺したのだろうか・・・・

仲間の命を剣に喰らわせても、その結果が封印だったのか・・・・・

スラ2視点

俺はユウザさんを信じるッス。

以前、あの目つきになった時のユウザさんに助けられた事があるから。

最初は凄く怖かったッスけど、何だかだんだん頼もしく見えてきたんス。

あの時のユウザさんなら、俺は信じられる。

全員助かるって。

スラ4視点

すき焼きか〜。あのユウザさんがおごってくれるとは・・・

普段危険種の討伐クエストをこなしてるから、お金も沢山持ってるだろうな〜

よし、友人も呼ぼう!先ずは・・・・

スラ隊長

「あと少しだ!修復だけを考えろ!他は考えるな!」

いっけねっ。今はこれを直さねえと・・・・

死んだら元も子もないしな。

スラ3視点

俺は調査員歴は隊長の次位に長いが・・・こんな危険な状況は滅多にないものだ。

あいつのトラブル遭遇率も他の類を見ない。

あいつ曰く、トラブルがあると、他に解決してくれそうな人がいない事が多いので、仕方なくやってる事が多いらしい。

恐らく、我々の捜索についても同じ状況だったのだろう。

しかし、助けてもらったのは事実だ。

ならばそれにこたえなければならない。

スラ隊長視点

スライヌに物が持てないだろうと言う人もいるだろう。

実際、ほとんどのスライヌは手が無い。(例外もあるが)

ならどうするか。手を作ればいい。

我々の身体は液体だ。そして粘着性もある。だから壁にも上れる。

それを応用して手を作ればいい。実際、それで物がつかめるのだから。

まあ、使えるようになるには色々と難しい。

俺でも3年かかった。

おっと、余計な事を考えてる暇は無かったな。これを一刻も早く完成させねば・・・・

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スラ1視点

剣の修復も終わる所だった。終わったら、ユウザさんに渡すだけだ。

スラ1

(あと少し・・・・・あと少し・・・・・)

スラ隊長

「よし!修復完了だ!」

ユウザ

「よし!」

ユウザさんが結界を解いた。私は剣を自分の頭に乗せた。・・・結構重い・・・・

けど、後はこれを運ぶだけ・・・・・

スラ1

「えぶっ!・・・・」

転んだ。スライヌなのに・・・・・ってあれ?剣は?あ、あそこに・・・・

 

ドスンッ

 

スラ1

「ひやぁっ!!」

モンスターに阻まれた!しかも別のモンスターが剣を取りに・・・・・

あ〜もうなんで私はいつもこんな時にーーーーーー!

そう、いつもそうだった。あの時も・・・・

あの時・・・私は野良モンスターに襲われていた。

私は逃げていたが、今のように転んでしまった。

私はスライヌなのに、飛び跳ねるのが苦手だ。

スライヌは飛び跳ねて移動する。私はたまに、身体の重心を前に行き過ぎてしまう。

それで転んでしまうのだ。

そして目の前のモンスターは、それを思い出した私を、あの時の野良のように襲いかかってきた。

 

シュッ ドッッ

 

そう、あの時も同じように・・・・・・ってえ?

目の前には死んだモンスター、その上にはあの時の野良ように投剣が刺さっていた。

あの時助けてくれた彼と同じだった。ワーカーさんと同じだった。

ユウザ

「ダイジョブか?だったら下がってろ。すぐ終わらせる。」

ワーカー

「大丈夫か?なら下がっていてくれ。すぐに終わらせるから。」

そう。あの時のワーカーさんと今のユウザさんが重なっていた。

どうやらユウザさんは、無事に剣を拾ったようだ。

後は彼に任せよう。あの時のように・・・

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ユウザ視点

ついに手に入れた、魔剣を。これで勝てる道理が出来た。

調査員達は結界内に集まっているし安心だろう。後は勝つだけだ。

ウラヌス

「それを返せッ!」

モンスターをけしかける。俺はそれを両断した。

 

シュォォォォォォ・・・・・

 

斬られたモンスターは塵となり、剣に吸い込まれた。

その時、剣には紫色のかすかな光が灯っていた。

ウラヌス

「・・・・・・・ッッ!!」

ユウザ

「思った通り、その((人形|モンスター))はお前の力で作られたものか。」

ウラヌス

「クッ・・・・!」

さらにモンスターをけしかけるも、それはことごとく切り裂かれ、剣に吸い込まれていった。

 

さて・・・と

ユウザ

「この剣を最初に使ったのはお前だな?」

ウラヌス

「・・・・・!」

正解か。さらに問い詰めてみるか。

ユウザ

「そしてこの剣で、お前は仲間を殺したのか?」

ウラヌスは黙った。

ユウザ

「そうか・・・殺したのか・・・・」

ウラヌス

「・・・・ま・・れ・・・」

ユウザ

「・・・・・・?」

ウラヌス

「黙ァァァァァァァァァァまァァァァァァァァァァれェェェェェェェェェェェ!!!」

突然叫んだ。傷口をえぐってしまったようだ。

ユウザ

「仕方が無かったのか・・・・・・」

モンスターがさっきまでよりか多く出てきた。

キレたか・・・・・

ウラヌス

「貴様に何が分かるッ!意思の力だけではどうにもならなかった!他にどうしようもなかった!!」

粗ぶる感情に呼応するがごとく、さらにモンスターが出てきた。

それを一つ残らず斬りまくった。

ウラヌス

「意志の力で倒そうともした!けれどもそれだけじゃ倒せなかった!」

悲痛。あの叫びには、それが一番合っていた。

ウラヌス

「だからその剣を、ゲハバーンを作り上げた!」

え・・・?こいつが作ったものだったの?

ウラヌス

「だからそれはワシの物だ!返せ!返せェェェェェェェェェェェェ!!!」

叫びと共に、モンスターが次々とわき出る。

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ユウザ視点

ユウザ

「けど結局、失敗に終わった。打倒のために使ったが、封印と言う結果となった。」

ウラヌス

「ウゥゥゥウゥゥゥオォォォォォォォォォォォオォォォ!!」

聞かないつもりだが、さらに言う。

ユウザ

「仲間を殺してまでもやることだったのかよ!」

ウラヌス

「ワシだって・・・・ワシだって・・・・殺したくなかった!!」

ユウザ

「!?」

俺は、ウラヌスを見た時に驚いた。実は自分から仲間を殺したと思っていたからだ。

しかし奴は・・・涙を流していた。

ウラヌス

「けどっ・・・・・あやつらはっ・・・・・ワシなんかの為に・・・・・・自らっ・・・・・・」

自分から命を!?そういうことか。

こいつは後悔してるのか。頼まれた事とは言え、殺した事を・・・・

だからここにとどまっているのか。再びこの剣を使う事が、起きて欲しくないから・・・・・

それでも、それでも俺はこれを使う。使う理由がある。

こいつには悪いが、その後悔、終わりにしてもらおう。

右手に剣を左手に銃を持った。

ウラヌス

「ウゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・ウォアァァァァァァァァァァァァァッ!!」

ユウザ

「そんなに後悔してるんならッ・・・・・!」

 

ダッ

 

襲い来るモンスターを銃で蹴散らし、そして・・・・・

 

ドッッ

 

ウラヌス

「ウ・・・・・ア・・・・・・・」

ユウザ

「お前も逝って、謝って来い。」

ウラヌスを刺し貫いた。

実体が無いハズなのに、手応えがあった。

ウラヌス

「・・・・・ゴフッッ」

血を吐いた。実体が無いのに、吐いた。

そして、ウラヌスの身体から、光の粒子が出てきた。どうやら勝ったようだ。

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ウラヌス視点

ワシは・・・・死ぬのか・・・・・いや・・・・消えるのか・・・・・・

手の平を見ると、出ないはずの血が付いていた。

因果応報よな・・・・・こんな物を作り、ぬしらを殺してまでも作り上げたのに・・・・・・

結局倒すこと叶わず、封印にこじつけただけ・・・・・

あやつの言うとおり、殺す事までする事ではなかった・・・・

封印だけなら、ぬしらもワシのようになっていたかもしれんのう・・・・

今となってはもう遅い・・・・このままこの剣に喰われるのを待つだけか・・・・・

ユウザ

「聞くが、今の女神たちは、アンタに会いに、ここに来たか・・・?

ウラヌス

「それが・・・・・どうした・・・・・・」

ユウザ

「なら、犯罪神を倒せたのは、あんたのおかげかもな・・・」

ウラヌス

「どういうことだ・・・・?」

倒したのは、今の女神たちだぞ。ワシではない。

ユウザ

「犯罪神が倒されたあとさ・・・・ニュースで流れたんだ。『皆の思いが、犯罪神を倒す力となった』って・・・」

だからなんだというのだ・・・・意味の無い事を・・・・・

ユウザ

「あんたが、倒し方を教えたんじゃないのか?」

ウラヌス

「ッ!・・・何故それを。」

ユウザ

「言ってたろ?『意志の力ではどうにもならなかった』って。それで思った。あんたが教えたんじゃないかってさ。」

この人間は・・・・何なのだ?モンスターを守ったり、今のように、話しかけてきたり・・・・・

ユウザ

「俺個人の推測だけどさ・・・・あんたの仲間は、あんたを責めたりしないよ。」

ウラヌス

「・・・・・・何故じゃ」

ワシは殺したのだぞ、友を・・・・しかし結局、倒せなかったのだぞ?何故そう言えるのだ?

ユウザ

「結果的に、犯罪神を倒せたからさ。その為に、あんたに思いを、この剣に命を託したんだと思う。でなければ、あんたも生きていなかったのかもしれない。そしたら、この世界は終わっていた。だから、俺もああは言ったけど、あんたを責める人はいない・・・と思う。」

ウラヌス

「・・・・・・・・・ッッ!!!」

涙がこぼれた。全てはこの為にあったということだったのか・・・・!

友の犠牲は・・・ワシのやった事は・・・・無駄ではなかったのか・・・・!

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ウラヌス視点

ウラヌス

「じゃあ、ワシは・・・・・・・」

ユウザ

「?」

ウラヌス

「私は・・・・・・・あの時のように、皆と仲良くなれるかな・・・・?」

人間は、当たり前のように即答した

ユウザ

「もちろんさ。大切な友達なんだろ?」

ウラヌス

「よかったぁ・・・・・・」

ああ・・・・目の前が真っ白になっていく・・・・・

ウラヌス

「貴方の名前・・・・教えて・・・・・・」

ユウザ

「ユウザ。」

ウラヌス

「そう・・・・ありがとう、ユウザ・・・・」

貴方に殺されて・・・・良かった・・・・・

ウラヌス視点・?????

目の前が、完全に真っ白になった・・・

真っ白・・・・・?違う・・・・何かいるけど、ぼやけてて見えない・・・・

あ、だんだん見えてきた。

????

「おーい」

ウラヌス

「・・・・・・・・ッ!!」

そこには、私が殺した筈の友達がいた。

手を振って、私を呼んでいる。

一歩踏み出そうとしたが、怖かった。殺したことへの罪悪感がいっぱいだった。

けど・・・

(「あんたの仲間は、あんたを責めたりしないよ」)

あの一言を思い出した。気づいたら、一歩踏み出していた。

そのまま駆け足で、あの時のように・・・・皆の名前を呼んだ・・・・・

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ユウザ視点・プラネテューヌ付近・廃城・隠し通路・隠し部屋

戦いは終わり、俺は勝った・・・筈なのに、気分は晴れなかった。

何故だかよく分からなかった。

殺した事に対してではない、心をえぐったことでも・・・・・いや、これは少しある。

けど、大きな理由が分からなかった。

もしかしたら、やっと親しくなったのに、その者の死を見たからかもしれない。

父さんの死も、知らせで分かった事だし、今まで、親しくなった者たちの死を直面してなかったからかもしれない。

憶測だけど、それ以外に見当たらない。

調査員達が心配そうに見てる・・・・

とりあえず、切り替えなくては。

ユウザ

「さて・・・・帰るか・・・」

そんなわけで、廃城を後にしようとしたが・・・・・

ユウザ

「ちょっと先行ってて。」

調査員たちを先に行かせた

スラ隊長視点

ユウザに先に行けといわれてしばらくたった。何をしてるのだろうかと思っていた時・・・・

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・

 

突然、強い地響きが起きた。そのすぐ後、ユウザが帰って来た。

ユウザ

「お待たせ・・・ってか大丈夫だったか?」

心配ないという意味でうなずいた。さっきの地響きの事は、聞かないようにした。

今はギルドに戻る事が先決だったからだ。

ユウザとギルドに戻ってきた後、ギルド中大騒ぎになった。

そして、三つの事が、我々に衝撃を与えた。

先ほどの地響きは、廃城が何者かに爆破された時に起きた事、ユウザは戦いの疲労の為、依頼の報酬には、我々のすきやき屋の代金をおごる事と魔剣にした事、そして、仲間がユウザのおごりを当てにして勝手に仲間を呼びよせた事だった。

こうして、ギルドがすきやき屋にいる約100以上の客のおごりをする羽目にあった。

一方ユウザはまっすぐ帰り、爆睡したという。

説明
にわかの駄文ですが、良ければどうぞ。
(※急ピッチで出来あがった為、色々とおかしい事が多々あります)
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駄文

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