ソードアート・オンライン After Story 〜100層到達を目指して〜 プロローグ |
「さらばだ。キリト君。」
無情な宣告と共に俺の体は、このゲームの開発者であり真のボスでもあるヒースクリフ
こと『茅場晶彦』の剣によって貫かれた。そして、俺のHPはゆっくりと減少を始める。
「残念だよキリト君。私のことを見抜いた君ならもう少しいい勝負ができると思ったん
だが・・・。私の見当違いだったようだ。」
ヒースクリフは心底残念そうにつぶやいたが、俺はその言葉に何も感じることは無かっ
た。俺の中にあるのは、ヒースクリフに負けたという現実と、約束を守れなかったことに
対する後悔の念だった。
「必ず君を、向こうの世界に帰してみせる。」と、俺は彼女に――アスナにそう誓ったの
に、その誓いを守れなかった。今の状況がそうだ。俺はもうすぐ、HPを消失させ無数のポ
リゴンと化し消滅する――
「キリト君!!」
不意に、そんな叫び声が聞こえた。
声のしたほうに顔を向けると、そこには涙を流しているアスナがいた。そしてその姿は、
半ば諦めの方向に向いていた俺の思考を急速に方向転換させた。
ははっ・・・。彼女にまた涙を流させるなんて、俺は最低だな。
そう心の中でつぶやき、俺は右手に持つ愛剣『エリュシデータ』を握りしめる。そして、
その右手を奴の胸の高さまで上げ、大きく腕を引いた。
こいつだけは絶対に殺す!そしてアスナを、みんなを向こうの世界に帰してみせる!!
そして俺は、一層強く剣を握りしめ、狙いを定めた。
「うおおおおおおおおおおおおお!!」
その叫びと共に、俺は剣を突き出す。そして、俺の剣は――
ザシュッ!!
鈍い音を響かせて、奴の胸を貫いていた。
貫かれたヒースクリフは一瞬驚愕した表情を見せたが、その表情もすぐに消え去り、
代わりに僅かな微笑を浮かべていた。そして、奴のHPも減少を始めた。むろん、俺も奴
の剣で貫かれているため、今もなおHPは減少を続けている。ゆっくりと。ただゆっくり
と、俺たちのHPは0に向かって歩み続けた。そして、俺たちのHPは――
同時に、0を――消失を指し示した。
その瞬間、俺は意識が闇に沈んでいくのを感じた。おそらく、ポリゴン化が始まったの
だろう。見ると、ヒースクリフの体に縦へ横へと亀裂が走り始めていた。俺の体にもきっ
と、無数の亀裂が入っているのであろう。
ごめん、アスナ。でも、せめて君だけでも・・・。
その思いを残して、俺の意識は暗転した。
<あとがき>
皆様、初めまして。suikaという者です。
今回の作品が初投稿となります。
しかし、小説を書くのはとても大変ですね〜・・・。良い表現が見つからず、何度も打ち直したり、保存した原稿が吹っ飛んだり・・・。
ですが、このような困難や凡ミスにもめげずに頑張っていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
さて、今回の話では、原作1巻での最終決戦である『VSヒースクリフ』の内容を少し変更して投稿させていただきました。1番の変更点は、アスナが死んでいないことですね。
まあ、アスナが死ななかった理由は私がアスナを死なせたくなかったからですがwww
次回は、これまた原作の内容を変更したものを投稿しようと思っています。
大まかな変更点は、ヒースクリフとキリトが会話をする場所と、会話の内容です。また、アスナは死亡していないので会話には加わりません。
それでは、次回も精一杯頑張って書いていきますので、どうかよろしくお願いします。
説明 | ||
原作では75層で終わった≪ソードアート・オンライン≫。では、本来の目的であった100層到達のストーリーがあったら・・・・・。 これは、作者の妄想から始まるIFストーリーですww |
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ソードアート・オンライン 75層以降 IFストーリー | ||
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