魏エンドアフター〜降リ立ツ二人〜
[全2ページ]
-1ページ-

華琳様の言葉に応え、光に包まれてすぐに私は意識を失ったのだろう。

暗闇の中で目も開かず、体も動かず、しかし意識ははっきりとしている。

これが外史へ落ちるということなのだろうか。

体が浮遊感に見舞われ、

かと思えば何かにぶつかったように体に衝撃が伝わる。

何度かそれを繰り返すうちに体が平らな地面に横たえたような感覚になる。

浮遊感もなく、しっかりとした地面を感じる。

体の自由が効くようになり、瞼を開けた。

眩しい陽光と共に雲ひとつ無い青空が眼前に広がっている。

上半身を起こし辺りを見回す。

やはりあの光に包まれた場所ではなく、

辺には荒野が広がっており小さな町が遠くに見える。

 

凪「これが……」

 

自分の意思でこうして外史の移動というものを体感したとはいえ、

やはり目の前に広がっている景色と先ほど自分が居た場所の景色の違い。

そして現実味のない現象に多少は頭が混乱する。

隊長が初めてあの外史へと降り立った時、

隊長自身は何も知らずにこうしてこのような荒野に放り出されたという。

その時の混乱は今の私の比ではないだろう。

辺りを見渡し、一通り今の自分が置かれている状況を把握し立ち上がる。

そして見渡した時に、後ろから3人の男が歩いてきているのが確認できた。

さらにその後方から3つ。

まだ視界には入ってはいないが氣を感じる。

自分に近づいてくるに連れて

3人組の真ん中を歩いているヒゲを生やした男がニタニタと不快な笑みを浮かべる。

それだけで自分に好意的な人物ではないことが判断できた。

 

「こんなところに一人で居たら危ないぜ?姉ちゃんよ」

 

「女一人でこんなところに居たら怖い人に襲われちゃうかもしれねぇぜ?」

 

「あ、あぶないんだな」

 

「そうそう、たとえば俺たちみたいな奴にな」

 

やはり。

想像通りの展開に少しだけため息をつきたくなる。

それと同時に納得する。

やはりこの世は平定なんてしていなくて、

こうしてすぐに盗賊が襲ってくるような時代なのだと。

しかしこの男達は気づかないのだろうか。

自分は今、戦鎧を纏い、両手足には真桜にもらった獅子王を装備している。

つまり完全武装状態である。

それとも単純に女だからと油断しているのか。

相手の力量がわかっていないのか。

黙っていると背の低い男が眼前に剣を突き出し顔の横で止める。

 

「まぁまずはその物騒な鎧と鋼爪を外し──」

 

ゴギンッと鈍い音と共にガシャンと地面に鉄の塊が落ちる音。

 

「……へ?」

 

刀身をつかみ、手に氣を纏わせ握りへし折った。

 

凪「随分と粗末な武器だ。

  で、どうする」

 

「て、てめぇ!うごぇッ!」

 

ヒゲの男が剣を振りかぶってきたので鳩尾に蹴りを入れると、後方に吹っ飛んだ。

 

「あ、あにき!クソッ!おいそいつを羽交い絞めにしろ!」

 

「り、了解なんだな」

 

太った大男が見るからに鈍い動きで掴みかかろうと手を伸ばす、

が、手首をつかみ、引き寄せると同時に腹部に掌低を入れる。

低いうめき声を上げその場に崩れ落ちる大男。

ほぼ力を出していないというほどに手加減をしたというのにこの有様。

やはり只の賊のようだ。

背の低い男に視線を向けると腰が抜けているのか、

体を引きずり怯えた表情で後ずさる。

 

「こ、こいつやべぇよアニキ!に、逃げましょうぜ!」

 

「お、おう!さっさとずらか──」

 

拳に氣を集中させ、炎のような淡い光を纏う。

それを見た途端、男は絶句し言葉を失う。

 

凪「お前たちに聞きたいことがある。答えろ」

 

「ッ……(コクコクコクコク)!!」

 

三人そろってものすごい勢いで頷く。

 

凪「では聞く。

  この世界に天の御遣いが降り立ったという話を聞いたことがあるか?」

 

質問を投げかけ数秒、男達は互いの顔を見合わせ首を振り

 

「はぁ?何言ってんだ姉ちゃん。頭だいじょう──」

 

さらに氣を込めるとズズズッと纏っている光がより濃く大きくなる。

 

「い、いいえ。

 そんな話は聞いたこともねぇです……」

 

と、なると隊長がこの世界へ降り立ってからまだ数日も経っていないということだろうか?

外史という世界の時間軸は同じではないと聞いていたし、

私が出立したのは隊長がここへ飛ばされた翌日。

それなりに日数は経っているという事も踏んでいたが、

幸い到着した時間的にはそれほど変わらないと考えてもよさそうだ。

しかしそれはそれで手がかりが何も無い状態ということなのだから厄介かもしれない。

 

「お、おい姉ちゃん。

 もういいか?」

 

少し考えているとヒゲの男が話しかけてくる

 

「用が済んだなら俺たちはもう……」

 

凪「あぁ、もう用はない」

 

「へ、へへ。それじゃあ……」

 

凪「飛ぶか蒸発するか。選べ」

 

「へ?」

 

呆気にとられている男達を余所に拳にはどんどん氣が溜まっていき氣弾が出来上がる。

 

「ま、まて!」

 

凪「飛びたいか、そうか」

 

「ちょ、おま──」

 

目の前で喚き散らしている男を無視し、拳を振り切る。

それと同時に3人目掛けて氣弾が放たれる。

ほぼゼロ距離で氣弾が命中した男達はそのまま彼方へと吹き飛び地面に大きな穴が空いた。

本来なら捕縛して城に届けたいところだがなにせここは自分の居た場所とは違う世界。

そんな場所があるはずもなく。

 

凪「とにかく何か隊長の手がかりになるものを探さないと……」

 

遠くに見える小さな町に歩き出そうとすると──

 

「ふむ、やはり私が助けるまでもなかったか。

 それどころか相当な猛者とお見受けする」

 

よく聞き慣れた声が耳に届いた。

目の前の不快な男共と隊長についての情報を急くばかりに、感知していた気配を忘れていた。

振り返るとそこには、やはり見慣れた3人の姿があった。

 

凪「あ……せ」

 

星様。と呼びそうになるが咄嗟に口を閉ざす。

そうだ、この世界ではこの方とは初対面なのだ。

 

趙雲「?」

 

凪「あ、えっと……いえ、すみません」

 

しどろもどろになってしまう。

自分が一方的に知っている相手への接し方がこんなにも難しいとは思わなかった。

 

凪「自分の知り合いに似ていたものですから、少し驚いてしまって」

 

なんとか平静を装い適当な言い訳を口にする。

 

趙雲「ほう、私に似ている人物がいるのか」

 

程c「それはまた珍しいというか凄まじいというかもはや奇跡といいますか」

 

郭嘉「……それは褒めてるんですか?貶しているんですか?」

 

程c「もちろん褒めているんですよー」

 

見慣れた二人もいる。

しかし、解っては居た事だけれど、やはり3人とも自分の事を知らないのだ。

少しだけ寂しい気持ちになってしまう。

 

趙雲「助けに入ろうとしたが並みの使い手ではない気配がしてな。

  どうなることかと遠くから見ていたがいやはや、やはり只者では無かった」

 

凪「はぁ」

 

程c「確かにすごかったですねー。

   こう、剣を素手でポキンと」

 

郭嘉「ふむ……」

 

折れた刀身を拾い上げ、まじまじと観察するように見回す

 

郭嘉「凄まじい握力ですね。

  圧力で刀身が歪んで細くなったところから折れたようです」

 

凪「いや、えっと、その……これのおかげかと」

 

そう言い腕を少し上げ装備している獅子王を見せる。

そもそも自分の握力だけでへし折ったわけではない。

そんな事ができるのはせいぜい貂蝉達くらいのものだろう。

氣を小さく外に放出する事によって

握力と共に放出による反動で生まれる圧力を加えて握りつぶしただけだ。

閻王だったらそんな事は容易にはできないが、

これは真桜の設計により氣の放出を一切遮ることの無い。

むしろ助長する作りになっている。

ありがたい話だ。

 

趙雲「ふむ、私は今まで結構な旅をしながら大陸のものを見てきたつもりではあるが

   このような物は見たことがないな。

   鋼爪の類か?」

 

確かにこれは真桜が私のために考え、

作ってくれたものなので唯一無二であり私の分身である。

形状も閻王とは異なり肘から指先までガッチリと覆われている。

それにしても確かにこれはなんなのだろうか。

今まであまり深く考えなかったが確かに分類が不明だ。

 

凪「これは友人が考えて作ってくれたものなので自分にはよくわかりません」

 

趙雲「ほう、ならばその友人とやらは相当な腕を持っているようだな。

   見ればわかる」

 

凪「ありがとうございます」

 

自分が褒められた訳ではないが思わずお礼を言ってしまった。

それがおかしかったのか星様も口に手を当て小さく笑う。

 

趙雲「では」

 

話も終わりどこかへ行くのかと思いきや、なぜか竜牙を構える。

 

趙雲「ここで出会ったのも何かの縁。

   武人が出会ったというならばここはひとつ、手合わせ願いたい」

 

ええええ……。

 

趙雲「なに、死合をしようといっている訳ではない。

   ただ武人として、強い者と戦いたいと思うのは当たり前の事であろう?」

 

凪「しかし自分は人を探していて──」

 

趙雲「今すぐ探しに出たからと言ってすぐに見つかるわけでもあるまい。

   それに」

 

何か言葉を続けようとしたようだがそこで言葉を区切り

 

趙雲「ならばこうしよう。

   私と手合わせをしてくれるのであれば、

   お主の人探しを手伝わせてもらう」

 

郭嘉「え?」

 

程c「はい?」

 

突然の申し出に自分も驚いたがそれ以上に何を言ってるんだこいつはという表情の二人。

しかし自分にとってそれは嬉しい申し出だ。

一人で闇雲に探すよりは全然いいはず。

 

凪「……わかりました。

  それではよろしくお願いします」

 

頭を下げてから戦闘の構えを取る。

 

郭嘉「……風、何やら目の前で私たちの意見を無視して勝手に話が進んでいますが」

 

程c「ぐー」

 

郭嘉「寝るな!」

 

程c「おお?

   まぁいいんじゃないですかー?風達も似たようなものですし。

   お強い旅のお供が増えてくれれば心強いですよー」

 

郭嘉「まぁ……人柄も悪くはないようですし、旅の安全性が高まるならいいんですが」

 

腰を落とし、自分の隙を無くし、そして相手の付け入る隙を探す

 

趙雲「……ほう」

 

竜牙を構え、今にも槍を突き出してきそうな闘争心を出しながらつぶやく

 

趙雲「私の前でここまで隙がないとは。

  どうやら想像以上の御仁のようだ」

 

口元を釣り上げ、嬉しくて仕方がないといった表情をする。

 

趙雲「では、いざ参るッ!!」

 

掛け声と共に間合いを詰め竜牙を放つ。

体をひねり顔の横を槍が通過し耳に風を切り裂く轟音が響く。

さすが神槍趙雲と呼ばれるだけの事はある。

もとの世界での大乱の時、直接戦ったことはなかったが

今こうして手合わせができている事を嬉しく感じる。

一発目の突きを避けるも、

そのまま勢いを殺さずに連続して神速の突きを繰り出してくる。

それを全て受ける事なく、最小限の動きで完璧に避けていく。

予想以上の動きに動揺したのか、一旦間合いを取り直そうと一瞬連撃の手が止まる。

そこに避けながら手足に溜めていた氣を膨れ上がらせ拳を振り切り気弾を放ち、

そのまま回転しながら二発の蹴り。

その蹴りからも気弾が放たれ計3発の気弾が飛ぶ。

 

星「ッ……!」

 

ほぼゼロ距離だったにも関わらず、体捌きでそれらを回避する。

その避けた氣弾が後方の地面、

郭嘉の真横に気弾が落ち、爆発音と共に地面が抉り取られる。

 

郭嘉「へ」

 

程c「ぉぉぅ……」

 

あまりの出来事に短く間抜けな声を上げ呆然と立ち尽くす。

気弾を避けた星はそのまま後ろに飛び間合いを取る。

 

趙雲「ククッ……はっはっは」

 

と、突然笑い出した。

 

趙雲「いやいや、まさかこの私の槍がこうも簡単に見切られてしまうとは」

 

既に闘気はなくなり、カラカラと笑っている。

 

凪「あの、もうよろしいのでしょうか?」

 

趙雲「あぁ、これ以上やらずとも解った。

   手合わせという形では私はお主とは同等に渡り合えぬ」

 

その言葉に驚きを覚える。

もとの世界では私は星様と手合わせをしたことがあるが、実力は均衡している。

 

趙雲「先ほどの連撃に加えての気弾、避けられたのは偶然だ。

   これ以上やるとなると只の手合わせではなくなってしまう」

 

……そうだ、ここは3年以上も前の世界なのだ。

現在の星様と目の前にいる星様とでは実力は違うに決まっている。

 

趙雲「ふふ、やはり世の中は広い。

   こうして強者に出会えたことを嬉しく思う。

   しかしいつかはお互い全力でぶつかってみたいものだ」

 

口に手を当て挑発的な笑みを浮かべる。

……いつも思っていたがこの方は仕草のひとつひとつがいちいち艷美だと思う。

……ちょっと羨ましい。

 

郭嘉「綺麗にまとめに入ってる場合か!死んだかと思いましたよ!!」

 

趙雲「ん?心配症だな禀よ。

   手合わせと言ってるだろうに。

   そうでなくとも私がそう簡単に死ぬと思うか?」

 

郭嘉「貴女じゃありません私がです!

   見てくださいここ!

   あと半歩でもずれていたら吹き飛んでましたよ!」

 

凪「当たらないように確認してから撃ちましたので大丈夫です」

 

郭嘉「貴女方と同じものさしで図らないで頂きたい……」

 

心底びっくりしたのか、抗議の声が少し震えているように聞こえる。

何度かその場で深呼吸をし、無理にでも落ち着けようとしている。

 

趙雲「そういえばまだ名を聞いていなかったな。

   私は性は趙、名は雲、字は子龍」

 

程c「程立と申しますー」

 

郭嘉「戯志才と名乗っております」

 

改めて自己紹介するのもなんだか変な感じだが名乗らない訳にはいかない。

……というかこのお二人は偽名を使っていたのか。

 

凪「自分は──」

 

楽進と名乗ろうとして少し考える。

この世界にはもう一人自分が居るとのこと。

ここで下手に楽進と名乗るのはまずいかもしれない。

また華琳様のところに隊長がいるとするならば余計にまずい。

ならば──

 

凪「自分は楽獅と申します」

 

咄嗟に思いついた偽名を名乗った。

本来ならば名はおろか真名ですら預けても良い相手だ。

しかしこちらの世界で自分が二人いるという事をバレる訳にはいかない。

確かに目の前に居るのは別の世界の住人で自分の知る3人ではないかもしれないが

偽物などではないという以上、その信用は自分の中では変わらない。

何よりこうして少し会話を交わすだけでやはりもとの世界と同じなのだと思う。

それだけにやはり自分を知らないという違和感が否めない。

 

趙雲「うむ、では楽獅殿。よろしく頼む」

 

郭嘉「よろしくお願いします」

 

程c「よろしくなのですよー」

 

凪「はい!よろしくお願いします」

 

まっすぐに頭をさげる。

 

程c「では挨拶も終わったところで移動しましょう。

   もう目視できる位置に曹の旗がありますし」

 

趙雲「うむ、こういった面倒事は官が絡むと途端に面白みがなくなるからな」

 

郭嘉「今さらっと面倒って言いましたね」

 

趙雲「楽しい面倒事ならば私は拒まん。

   むしろ自ら首を突っ込んでいくぞ」

 

郭嘉「単なる人探しが楽しいものですか」

 

趙雲「いやいや、私の勘が告げている。

   これは只の人探しなどではないと。

   そうだな?楽獅殿」

 

……この人はそういった物事に関しての予知能力でもあるのだろうか?

ちょっとドキッとしてしまった。

 

趙雲「まぁ詳しい話は移動しながらでもいいだろう。では行くぞ」

 

そう言い何か悪いことをしたわけでもないのに曹の旗から逃げるように移動する。

というか自分達を確認した者が逃げるように立ち去るというのは

あちらからすれば引っ立てるに十分な理由な気が……。

……華琳様、申し訳ありません。

何が申し訳ないかと言われればよくわかりませんがとりあえず申し訳ありません。

 

心の中で深く頭を下げその場を後にする。

 

……そういえば見た目もなんとかしないと。

一目で”楽進”だとバレないためにも何かを施しておかなくては。

真桜や沙和あたりにはすぐにバレそうだが何もしないよりかはマシなはずだ。

幸いにもここに来る前に準備をしておけと言われそれなりにお金は持ってきている。

というよりも華琳様に渡された。

……というか星様ならまだしも禀様と風様の二人にはもう顔を知られてしまっているではないか。

……どうしよう。

 

程c「う〜。星ちゃんちょっと早いですよー」

 

郭嘉「た、確かにそうですね。

   我々には少々キツいものが……」

 

趙雲「ふむ、速度を落としても良いがそうすると追いつかれてしまうぞ?」

 

……本当に何もしてないのに罪悪感が生まれる。

とにかく近くの町に移動する事にした。

 

 

 

お二人が真剣に辛そうだったので途中で小休憩を入れつつも町に到着。

 

趙雲「さて、ではお主の探している人物とやらを教えてくれるか?」

 

昼食のため店に入り料理が来るまでの間に説明することになった。

 

凪「はい。ではまず聞きたいのですが、

  この世界に天の御遣いが降り立ったという話は聞いたことがありますか?」

 

程c「いきなりすごい入り方しましたねー。

   天の御遣いというと管輅の占いのお話ですかねー」

 

郭嘉「あの胡散臭い占い師ですか。

   ただの与太話だと思っていましたが」

 

趙雲「いや、天の御遣いについての噂ならば聞いたことはあるが

   降り立ったという話は聞かないな」

 

やはりまだ数日と経っていないようだ。

そして昔隊長から華琳様との出会いの話を聞いたことがある。

確か荒野で目が覚めて盗賊に襲われた際いろいろとあった後

すぐに出会ったと言っていたはず。

となれば先ほどの場所、

つまり私が盗賊と戦っていた場所こそが隊長と華琳様が出会った場所だったのだろう。

そしてあそこにいないということは今隊長は華琳様のもとにはいないのだろう。

 

趙雲「つまり、お主が探しているのは天の御遣いというわけか?」

 

……どういったものだろう。

確かに隊長は正真正銘天の国から来たと言えるが、私はそうではない。

そんな私が天の御遣いを探している。

その理由を問われれば自分の大切な人だから、と言える。

しかし天の御遣いを大切だからと正直に言わないとしても

知り合いだからと言って探すというのもおかしな話だ。

どこで知り合ったのだという話になる。

正直に別の世界からその方を追ってきましたと言っても

バカにしてるのかと怒らせてしまうかもしれない。

 

…………

……

 

もう正直に話してしまおうか。

などと考えながらいつものように辛味の調味料を入れていると

 

郭嘉「あの、楽獅殿。

  ……料理がもう普通の色ではなくなっているのですが」

 

程c「……真っ赤ですねー」

 

凪「あ」

 

しまった。

いつもの調子で入れてしまった。

真桜や沙和に初対面の人の前では控えるように言われてたのに!

 

郭嘉「……ッ!?

   い、痛いっ!目が痛いっ!?」

 

隣に座っていた禀様が目を抑える。

 

凪「し、失礼しました」

 

趙雲「まぁまぁ良いではないか。

   常識にとらわれないその心、大切にすべきだぞ」

 

やってしまった……次からは気を付けよう。

 

程c「まぁ話を戻しましょー。

   それで、探してるのは天の御遣い様なのですね?」

 

凪「はぁ、そういうことになります」

 

趙雲「なぜ探しているのかは聞かない方が良いか?」

 

凪「できれば……しかし決してやましい事をしようとしているわけではないのです。

  訳も話さずに信じてくれというのは虫のいい話だと思いますが……」

 

程c「いえいえー。

  貴女の人となりを見ていればそれくらいはわかりますよー。

  ご心配なく」

 

郭嘉「ええ、私たちは人を見る目は確かなつもりです」

 

……ありがたい事だ。

その答えに心が暖かくなる。

禀様は目を抑えながらだけど。

 

趙雲「まぁそのような人物ならばすぐに噂も流れてこよう。

   情報がないままでは我々も動きようがないしな」

 

その通りだ。

ならまず──

 

凪「すみません、少し服屋と武具店に行ってまいります」

 

昼食の支払いを済ませたあと、

宿を探し今日はそこに一泊することになったのでやることをやっておく

 

程c「服屋ですか。

   構いませんがあまり買うと荷物になりますよー?」

 

凪「いえ、今着ているものは破棄しますのでその心配はありません」

 

郭嘉「全て買い換えるのですか?」

 

凪「はい。今のままだと少し都合が悪いので……」

 

私の持っている服はほぼ全てにおいて見た目が変わらないものばかりだ。

それに顔も隠さないとまずい。

 

趙雲「ふむ、では私が見繕ってやろう」

 

郭嘉「え」

 

程c「ぉぉぅ……」

 

……え?

なんというか失礼な言い方ではあるが嫌な予感しかしない。

そして二人も同じ気持ちなのだろう、すごく微妙な表情をしている。

星様の着ている服は星様だからこそ映えるものであって

こんな服を私が着ようものなら……

 

凪「恥ずかしすぎて死ぬ……」

 

趙雲「ん?何か言ったか?」

 

凪「い、いえ!いやしかしこれは自分の私事でして

  趙雲殿の手を煩わせるような事は……!」

 

趙雲「何、私の好きでやるのだ。

   気にする必要はない」

 

終わった……。

心底楽しそうな微笑みを浮かべている。

これはもう何を言ったところで無駄だ。

 

凪「よ……よろしくお願いします……」

 

趙雲「うむ、お願いされよう!」

 

これでもかというほど爽やかな笑顔だ。

翻って私は今にも泣き出しそうだ。

 

では早速と未だに口元を釣り上げながら店へ向かう。

 

心配だ……果てしなく心配だ……。

 

 

 

 

しばらくして。

両方の店にも寄り宿へ向かい二人と合流する。

 

郭嘉「……ずいぶんと消耗しているように見えますが」

 

凪「……まぁ、いろいろあったもので」

 

程c「でも買ってきたものは悪くないように思えますねー。

   楽獅ちゃんにも似合うと思いますし」

 

そう、選んでくれた事は選んでくれたのだが

店に連れて行かれてからしばらく、私は星様の着せ替え人形となっていた。

中にはとてもじゃないが口では言えないような際どいものまでも……忘れよう。

今日はもう寝てしまおう。

記憶の片隅に追いやってしまえ。

 

 

 

 

 

……恥ずかしすぎて死ぬかと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、出立の準備をする。

もとの世界から着てきていた服や武具を昨日買ったものに替える。

 

……うん、我ながら似合っていると思う。

黒と紺を基調にした、少し大人びて見える服。

そしていつもは後ろで編み込んでいる髪を解く。

顔を隠すために顔の下半分を守る顔当ての防具を首につける。

よし、ばっちり。

 

準備を整えて外で待っている3人のもとへ行く。

 

凪「お待たせしました」

 

郭嘉「ほう」

 

程c「おおー」

 

趙雲「うむ」

 

三者三様の表情を見せる。

 

……うう、恥ずかしい。

 

郭嘉「似合っていますよ。とても凛々しく見えます」

 

程c「ですねー、カッコ可愛いという表現が最適でしょうか」

 

趙雲「ふふ、やはり私の見立てに狂いはなかったようだな」

 

凪「あ、ありがとうございます……」

 

褒めてくれるのは嬉しいけどマジマジと見られるのはやはり恥ずかしい。

 

程c「ではでは早速出立しましょう」

 

趙雲「そうだな。

   我らの仕えるべき主人を探して」

 

こうして3人で一緒に探していたのか。

仕えるべき人間は違えてしまうけれど、そこには確かな絆が見える。

 

郭嘉「では、行きますよ」

 

待っていてください隊長。

必ず見つけ出してみせます、お傍にいます。

もう、一人で寂しい思いなんてさせません。

貴方は私が守ってみせますから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-2ページ-

 

…………

……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクン、ドクンと心臓の鼓動が聞こえる。

これは自分の音なのだろうか。

やけに鮮明に、はっきりと耳に届く。

周瑜さんはどうしただろうか。

華琳は上手くやってくれただろうか。

目の前が暗い。

目を閉じているからか。

でも開かない。

頑張ってまぶたを開こうとするけど、力が入らないのか、

それとも目を開いても暗いのか。

体が全く動かない。

これは現実なのだろうか。

そもそも俺自身、あの後どうなったのだろうか。

今ある俺の意識はちゃんと俺の体にあって、

目を覚ませばいつもの部屋の天井が見えるのだろうか。

それともこれは夢か何かで俺は既に死んでいて、

意識だけが幽霊のように浮遊しているとか。

……いやだなぁそれ。

 

 

 

 

 

 

 

……?

近くで人の会話が聞こえる。

女の子……3人組か?

結構近くで──というか声の近さからして目の前で会話してるんじゃないかこれ。

段々と会話が鮮明になってくる。

それと同時に自分の体も自由を取り戻していき──

 

 

 

一刀「……」

 

 

目を開けると俺の顔を覗き込むようにして

 

関羽「……」

 

劉備「……」

 

張飛「……」

 

三人が俺を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

張飛「あ、お兄ちゃん起きたのだ」

 

関羽「桃香様お下がりください!」

 

劉備「わわ、もう、大丈夫だよ愛紗ちゃん。

   雰囲気からして悪い人じゃなさそうだし」

 

関羽「そんな曖昧なもので判断しないでください」

 

張飛「鈴々も大丈夫だと思うのだ。

   愛紗は心配しすぎなのだ」

 

 

 

やいのやいのと目の前で騒いでいる3人。

しかしそれよりも気になることがある。

 

周りを見渡す。

 

 

 

…………

……

 

 

 

一刀「……は?」

 

見渡す限りの大地。

遠くには山、山、山。

ちらっと小さく街が見えるものの明らかにおかしい。

いや、この場所がおかしいのではなく、俺が今ここにいるのがおかしい。

 

え?え?いやだって……え?

俺屋敷で周瑜さんの体からあの黒い塊を吸い取って、

そのまま意識を失って……

目が覚めたらここにいる。

……い、意味がわからねぇ。

一体何が?俺の身に何が起きたの?

……つーかこの状況に超デジャヴを感じる。

前にも似たような経験をした記憶がある。

そう、詳しく言うなら華琳達と初めて会った時。

まぁあの時は最初に会ったのが盗賊のおっさん達だったんだけど。

そういえば星や風、稟と初めて会ったのもこんな感じだったなぁ。

 

 

劉備「あの〜……」

 

あまりの意味のわからなさに思考がショートし、

何故か感慨深く懐かしさに浸っているところに声をかけられる。

 

一刀「ん?」

 

そうだ、この3人がいるじゃないか。

とりあえず劉備さん達にこの状況について聞いてみよう。

 

一刀「あの、ちょっと聞きたいんだけど」

 

劉備「へ?あ、はいどうぞ!」

 

声を掛けたのに質問されるとは思わなかったのか、ちょっと声が裏返ってる。

 

一刀「ここ、どこ?洛陽じゃないよね?

   何で俺こんなとこに居るの?というか劉備さん達も城に居たよね?」

 

劉備「え?」

 

一刀「え?」

 

 

 

 

 

 

……え?

 

 

 

 

 

一刀「いや、だから。

   劉備さんも関羽さんも張飛ちゃんもウチの城に来てたでしょ?

   なのになんでこんなところ、に……?」

 

劉備「…………」

 

関羽「…………」

 

張飛「…………」

 

あれ?何か反応がおかしくね?

何か3人とも心底びっくりしたような顔で呆けてるんだけど。

そう、例えば。

あくまでも例えだが、全く知らない人間に自分の名前を当てられたような。

あ、自分で言ったけど嫌な予感しかしない。

 

劉備「やっぱり……!」

 

途端、劉備さんの顔がぱぁっと明るくなる。

 

劉備「やっぱり本物だよ愛紗ちゃん!鈴々ちゃん!」

 

突然花が開いたように笑顔になり、手をとられ勢い良く上下にぶんぶんと振られる

 

一刀「ぉおぉおお?」

 

関羽「と、桃香様!」

 

張飛「も〜愛紗は心配しすぎなのだ。

   もしこのお兄ちゃんが悪者ならとっくに手を出してるのだ」

 

またしてもやいのやいのと騒ぎだす。

 

いやいやいや。

 

一刀「待って待って待って待って」

 

ぶんぶんぶんぶん!

 

シェイクハンドをやめない。

 

一刀「待って!?」

 

振りすぎ!間接外れるわ!

 

劉備「あああごめんなさい!つい興奮しちゃって」

 

とりあえず落ち着いてもらって

 

一刀「はい、質問です。ここはどこなんでしょうか」

 

ノと手を挙げながら質問する。

 

関羽「ここは幽州啄群。五台山の麓だ」

 

はいやってきました幽州啄群。

どうやって移動したんだよ俺。

 

張飛「それにしてもお兄ちゃんの服は変なのだ。見たこと無いのだ」

 

変とか言わないで。

確かにこっちに帰って来てからは制服なんて無いし

庶人と同じ服を着るのはどうなんだと言われて自分で意匠した服だけどさ!

これでも現代日本では普通なんだよ!……多分。

 

劉備「ホントだねー。

   材料なんかも上質だし見たことない造形だねー」

 

もの珍しそうにジロジロと見られる。

……落ち着かない。

 

一刀「じゃあ、つかぬ事をお聞きしますが……俺の事は知ってるよね?」

 

これはもう核心に迫る質問だろう。

この返答で俺の置かれている状況が全てわかるといっても良い。

 

張飛「知らないのだ」

 

関羽「知らぬな」

 

劉備「う〜ん……どこかでお会いしましたっけ?」

 

即否定。

これはいけない。

最悪のパターンかもしれない。

 

劉備「あのね、次は私から質問してもいい?」

 

一刀「……どうぞ」

 

劉備「お兄さんはどこから来たの?どうしてこんなところで寝ていたの?」

 

むしろそれは俺が聞きたい。

 

一刀「どこから来たというか、

   昨日まで……というか気を失うまでは洛陽にある城に居たはずなんだけど」

 

張飛「洛陽からここまで一日で来れるはずないのだ。

   それに洛陽から来てどうしてこんなところで寝るのだ」

 

多分、この中で一番それを知りたがってるのは俺です。

 

劉備「うーん。じゃあ、お兄さんの出身はどこ?」

 

出身?出身は……現代のほうでいいのだろうか。

というかこっちでの出身地はどこなんだ俺は。

 

一刀「俺の出身は東京都大東区、浅草」

 

関羽「……あさくさ?それはどこの州だ?」

 

ですよねー。

華琳達にも同じ反応されたもんねー。

あー懐かしい。

 

一刀「……いや、もう洛陽でいいです」

 

半分ヤケである

 

劉備「この国の事を何も知らないって訳じゃなさそうだし……」

 

中途半端な俺の立ち位置がさらに混乱を招いているようだった。

……そらそうだ。

この世界と同じ場所から来たけど、この世界の住人じゃないとか何それって話だ。

そういえば貂蝉も外史はたくさんあるみたいな事言ってたな。

……え?じゃあ俺どうやってここに来たの?

 

一刀「待って、じゃあさっきの”本物”っていうのはどういうこと?」

 

張飛「管輅の占いなのだ」

 

一刀「占い?」

 

関羽「その占い師によれば、東方より飛来する流星は、

   乱世を治める使者の乗り物だとか」

 

劉備「そう!管輅ちゃんの占いによるとね。

   天の御使い様はこの乱世の大陸を平和にするために舞い降りた愛の天使様なんだよ!」

 

一刀「……あー」

 

思い出したわー。

そういや俺は天の御遣いとやらだったね。

もう仲間内ではギャグでしか言わないような肩書きだから当たり前すぎて逆に忘れてたわー。

というか愛の天使って。

俺はキューピーか。

 

関羽「確かにその占い師によればこの方は天の御遣いということになりますが……」

 

劉備「それにほら!腰につけてるすっごく綺麗な得物!

   少なくとも私達は見たこと無いよね?」

 

劉備さんに言われて気づく、俺の腰にはしっかりと真桜様特製、桜炎、摩天楼がぶら下がっていた。

いつの間に持ってきてたんだ?

鍛錬の時は模造刀を使ってるからあのまま持ってきたって訳じゃなさそうだし……。

 

張飛「何か細っちくてすぐ折れちゃいそうなのだ。

   本当に武器なのか?それにこのお兄ちゃんも何だか頼りなさそうなのだ」

 

この娘、言いたい放題である。

しかしこれだけ言われても少しもイラっとしないのは魏で受けた教育の賜物だと思う。

……毎日が戦いだった気がするよ。

俺の名誉の。

 

関羽「確かに。天の御遣いというには英雄たる雰囲気があまり感じられないな」

 

あまりという事は少しは英雄の雰囲気とやらを感じてくれているのか。

自分で自分の名誉を傷つけないように少しでもいいところを探そうとするこのやるせなさ。

マジぱねぇ。

 

劉備「そうかなぁ?そんな事ないと思うんだけどなぁ。

   それに何も言ってないのに私達の名前も知っていたし……」

 

ありがとう、ありがとう!

劉備さんが天使に見えるよ!

貴女が真のキューピーだよ!

 

……いや、もう冗談言ってる場合じゃないから。

 

一刀「もう一度確認するけど、君達は俺の事を知らない。

   そして今は平定した世の中ではなくて、乱世でたくさんの人が苦しんでる。

   三国は同盟を締結していなくてこれから戦争が始まろうとしている」

 

劉備「最後の三国〜っていうのが何のことかはわからないけど、概ねそんな感じかな」

 

……俺が前の世界で最初に会ったのは華琳達のはず。

しかし今目の前に居るのは劉備さん達。

つまり、この世界ではそういうことなのだろうか?

 

張飛「漢王朝が腐敗して弱い人達から税金をたくさん取って苦しめているのだ。

   それに盗賊たちも一杯一杯いて弱い人たちをいじめてるのだ」

 

劉備「そんな弱い人たちを守ろうって立ち上がったのが私達三人なんだよ。

   だけど3人の力だけじゃ何もできなくて……」

 

関羽「どうすればいいのかと方策を考えているところに管輅と出会い、

   その占いを信じてここまで来たということです」

 

一刀「で、そこに俺が居たと」

 

つまり、この世界では、俺は華琳達の傍にいる事はできないのだ。

いや、そこを悲観するつもりはない。

いくら華琳達だからといってここにいる彼女達は俺の事を知らないし、

俺の知っている彼女達ではないのだ

……だけど。

それでも、

それでも華琳達と”戦う”ということになれば話は別だろう……?

ここに居る彼女達は確かに俺の知ってる華琳達ではないけど、

偽者というわけでもなく、ちゃんと生きて、自分の志を持って、存在している華琳なんだ。

呉の皆だって同じだ。

雪蓮や明命達とも戦わなくてはいけないのだろう。

 

一刀「冗談……きっついなぁ……」

 

手で顔を覆い、うなだれる

 

劉備「あの……どうかしたんですか……?」

 

一刀「……いや、ちょっとね」

 

華琳……俺はどうしたらいいんだ?

劉備さんたちは間違いなく俺の”天の御遣い”という肩書きを必要としている。

でも俺はそれを断る事もできるだろう。

前の世界なら、既に外史の枠を外れているということで

何をしたところでそれが新しい歴史となる以上逆らうという事にはなり得ない。

だけど。

だけどもしここで断ったとしたら、

この世界の”大局”に当たる部分に逆らってしまうのではないだろうか。

俺というピースがこの世界の蜀軍から外れる事によって歴史が変わってしまったとしたら。

この世界の”運命”が、

”天の御遣い”という存在が彼女達と共に乱世を沈めるというシナリオだったとしたら。

確かに正史の通りであるなら放って置いてもいいのだろう。

だけどもう”俺”という個人が存在してしまっている。

そして正史に俺はいない。

ここで断って、彼女たちと遠ざかった事により歴史が変わり、

この世界の”大局”に逆らってしまったとすれば、

俺はまた自分の世界へ引き戻される、もしくは消えてしまうかもしれない。

そうなってしまえば華琳達に会うどころか、前の世界にすら戻れなくなってしまう。

 

 

俺は……どうすればいい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐぅ〜〜〜〜

 

張飛「にゃはは、お腹空いたのだ」

 

劉備「(鈴々ちゃん!空気読んで!)」

 

関羽「(はぁ〜……)」

 

…………。

 

一刀「……あはは」

 

張飛ちゃんの腹の虫に毒気を抜かれた気分になった。

そうだ。

今は考えても仕方が無い。

それに華琳も言っていた。

後悔しないようにと。

ここで下手な行動を起こして華琳のところへ戻れなくなるのはまっぴらごめんだ。

 

一刀「とりあえず、どこか落ち着ける場所に行かないか?」

 

関羽「では、近くの街に移動しましょうか」

 

張飛「さんせーなのだ!」

 

劉備「あ、あはは」

 

とりあえずは目先の事を考える事にしよう。

必ず戻る。

ずっと傍にいると約束したのだから。

皆の居ない世界が辛くないと言えば嘘になる。

だけど、華琳のもとへ帰る手段がわからない今、

しばらくは流れに身を任せてみようと思う。

説明
(´∀`*)
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
6941 5283 37
コメント
種馬関係無いやろドアホ(ポンチキ)
一刀さんは愛のキューピーっていうか愛の伝道師。愛の良さを性的に教えてくれる種馬さんです。(yosi)
強くてニューゲームですねわかりますwww(nike)
タグ
魏エンドアフター 魏√ 真・恋姫†無双 恋姫 北郷一刀 主人公強化 

かにぱんさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com