魔法少女リリカルなのは聖伝 〜ヒーローズサーガ〜 ステージ5(前) |
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「…これって…」
『キューブが構成されてる!?』
フェイトから時の庭園の座標を教えてもらった総矢は早速其処の偵察を行ったのだが、其処には総矢達の居る拠点キューブと同じキューブが構成されていた。
『…これも悪意の仕業なのか…?』
『それ以外に有るのか?』
『無いよね』
「ああ…」
唖然と言葉を続けていくヒーローズと総矢。もう少し誕生したキューブの様子が伺えないかと偵察機を近づけた瞬間、一瞬黒い影が映ったと思うと映像が消える。
『『『「………」』』』
無言のまま唖然とする一同。一瞬だけだったが、確かにそれが何だったのかは分かる。
『サイコガンダム、か?』
「だよね」
『ってか、ガーディアンまで居るのかよ?』
予想が正しければ、黒い巨大なガンダム型の破壊兵器『サイコガンダム』。それが時の庭園を中心に構成されたキューブを守っている。
「…ライドマシンは?」
『…一応動かせるが、主砲はまだ…』
ダブルオーの言葉の先は想像できる。主砲がまだ未完成なのだろう。製造自体は自動で格納庫の設備がやってくれているのだが、残念ながら今まで優先して利用していたのは次元航行艦としてだ。
主砲を使う機会が無かったと言うのも大きいが、主砲が使えない状況ではガーディアンを相手に勝ち目は無い。
「…キューブに乗り込むにしても、ライドマシンが完成するまで無理か…」
『オレ達もあそこでは戦えない』
『それに、かなり時間が掛かりそうだしね』
元々の設計に次元航行用のシステムを組み込んだのが、総矢の持っているライドマシンだ。元々のそれよりも居住に於ける点も改良点だ。
ライドマシンには最悪、拠点キューブが制圧された場合の対策として、キューブの最低限の設備を移して第二の拠点としての機能も持たされている。そんな訳で今まで主砲よりも他の機能が優先されていた。
それに、今のメンバーの中に優れた科学者が居ないのは痛い。
(…『ウルトラマンヒカリ』とかがサポートに来てくれれば助かるんだけどな)
そう思って頭を抱えたくなる思いの総矢だった。
なお、フェイトには今後の目的が決まるまでは拠点キューブに居て格納庫以外は自由に行動して良いと言って置いた。少なくとも、敵の目が届かない場所と言う事で此処意外に最適な場所は無いだろう。
「…そう言えば、オレの転校って何時からだっけ?」
『あー、それならもう少し先だと思ったけど』
「…なら、暫くは二人の援護に廻れるか…」
現状に頭を抱えつつ、一応の同居人であるフェイトに一声掛けて気分転換に外に出かける事にする総矢だった。
「ん?」
ふと、川原の近くを通り掛ると其処でサッカーをしているのに気が付いて、総矢は暫くそれを眺めていた。
「あっ、総矢くん」
静かに眺めている総矢に声が掛けられる。其方へと視線を向けてみると、友達なのだろう二人の少女と一緒に居るなのはが手を振っていた。
「やっ、高町さん、こんにちは」
彼女達の方へと近づいてそう挨拶する。
「なのは、知り合いなの?」
「う、うん、昨日…」
二人の有人の一人…金髪の少女に問いかけられて返答に困るなのは。流石にMDやヒーローの事は言えないだろう。
「昨日、偶然神社で会ってね」
「ふーん」
そう簡単に助け舟を出す。少なくとも嘘は言ってない。単に隠しているだけだ。
「でも、あんた、見たこと無い顔だけど、何処の学校なの?」
「今度こっちの学校に転校する事になったんだ。だけど、丁度予定していた時期がずれて正式に転校するまで少しだけ時間が掛かってね」
まあ、意図的に転校の時期はずらした部分がある。実際には拠点キューブでの作業と少しでも多くのジュエルシードを、それを狙う悪意達よりも先になのは達に封印させて守る為だ。
現在確認させている相手はガンダムスローネ三兄弟の『チーム・トリニティ』と強豪宇宙人『テンペラ星人』と存在だけは推測できる昆虫グリード『ウヴァ』、とどれも要注意の幹部級の相手だ。
……まあ、MS系、怪獣・宇宙人系、怪人系と各ヒーローの専門の相手がバランス良く揃っているのは単なる偶然だろうが。
「改めて、オレは天地総矢。よろしく。君達は」
「私は『アリサ・バニングス』よ。よろしく」
「私は『月村すずか』です。よろしく」
アリサと名乗った金色の髪の少女と、大人しい感じの黒いロングヘアーの少女がそうなのる。
「うん、よろしく。……それにしても…なんて言うか…」
「…其処から先は言わなくて良いわよ…」
「うん」
「あはは…」
片方のチームが圧倒的に負けている。いや、少なくとも技量“だけ”は高い選手が一人居るのだが、何故かその選手が自分勝手なプレーでチーム全体の足を引っ張って負けている…。
「…えっと、応援に来たの?」
「うん、私のお父さんが監督をしてるチームの応援に来たんだけど…」
「あー…相手のチームがあれだけチームワーム悪くちゃじゃ見てても「…その負けてる方がお父さんのチームなの」…ごめんなさい、なんか…本ッ当にゴメンナサイ」
何処か悲しそうに目を逸らしながら呟くなのはの言葉に思わずキレイな土下座で謝ってしまう総矢だった。
『…おい、あの足引っ張ってる奴…『転生者』じゃないのか?』
『…あー…そうだよね、何て言うか…』
(…典型的なダメな転生者か…。…まさかこんな所で出会うなんて…)
チームメイトになってしまった人達に思わず同情したくなる。恐らくプレーを見ても分かる通り能力は高いのだろう。だが、少なくともチームメンバーと言う点では最低としか言いようが無い。
(…味方や相手を見下しているからあんな風にミスをするし勝手な事ばかりする、か。…多分、高町さんのお父さんも元々能力は高いからチームプレイの大切さを学んで貰おうって考えたんだろうけど…)
チームの様子を見る限り、彼はエースストライカーなのだろうが、味方から信頼をされていない。本来、チームの支柱の一つとなるべき存在がそれでは………チームが空中分解するのも時間の問題だ。
『…ったく、何て言うか…見ててイライラしてくるぜ』
総矢の意識の中でゼロが言葉を荒げる。そんなゼロのダブルオーは興味無いと言う様子で無言を貫き、オーズは苦笑しているのがよく分かる。
(…そう言えば、君にも同じチームの仲間が居たっけ?)
『ああ。オレの仲間達…『ウルティメイトフォース・ゼロ』のな。でもな、オレだけじゃないぜ、親父達にも仲間は居たんだからな』
ウルトラマン系のヒーローは何よりもチームの大切さをしている者が多い。彼らの戦いの中では、どれだけ強大な力を持ったウルトラマンでも人間と力を合わせなければ勝利できなかった戦いは多い。だからこそ、目の前の転生者の行動は目に余る者があるのだろう。…現にウルトラマンに勝った相手が最終的に人間の協力で敗れた例も多々ある。
なお、ゼロの仲間であるウルティメイトフォース・ゼロの他のメンバーも、他のヒーロー達と共に戦っているらしい。
さて、何とも言えない雰囲気の中フィールドでは、転生者疑惑の有る選手が味方と接触して怪我をさせてしまった様子だ。序でに怪我をした選手だけでなく、その選手も交代させられている様子だが…
「ん?」
ふと、監督らしき男性…恐らくなのはの父親だろう人と目が合った。
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悪意によって滅びを迎える未来を回避すべく、三人のヒーロー達は一人の少年に力を託す。 | ||
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