なんか神の不手際で転生するらしい
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Side:三人称

 

 

 

何処までも続く砂漠の世界。

そこに一人の魔導師と一人の騎士が対峙していた。

 

 

 

「預けた決着は、できれば先の方にしたいが……。生憎、速度はお前の方が上だ。逃げられないのなら、戦うしかないな」 

 

「はい、私もそのつもりで来ました」

 

 

 

お互いにデバイスを構える。

近距離でぶつかり合う金と紫。バリアも使用しての高速戦闘が続く。

 

 

 

 

 

一方、ヴィータはシグナムとザフィーラが交戦中だとシャマルから聞き、助けに行こうとしていたがその前になのはと皇魔が立ちふさがった。

 

 

 

(ヴィータちゃん?)

 

(くそ、こっちにも来た。知らない奴と、例の白服――)

 

「高町・・・・なんとか!」

 

「なのはだってば!な、の、は!」

 

「くっ……!な、なんとか」

 

 

 

皇魔は必死に笑いを堪えていた。

その後、なのははヴィータを説得しようとするも、ヴィータは耳をかさない。

 

 

 

(後ろのあいつの魔力があれば闇の書のページも大分埋まるんだが……二人相手は流石に無理か)

 

「ヴィータちゃん!」

 

「ぶっ倒すのは、また今度だ!」

 

 

 

そう言って紅い魔力球を左手に出す。

 

 

 

「吠えろ!グラーフアイゼン!」

 

『アイゼンゲホイル』

 

 

 

辺りが閃光と共に轟音に包まれる。

その隙に脱出するヴィータ、大分離れた所で転移魔法を使う。

 

 

 

しかし、なのはは―――――

 

 

 

「いくよ、久しぶりの長距離砲撃!」

 

『ロードカートリッジ』

 

 

 

レイジングハートが砲撃形態に移行し、カートリッジをロードして砲撃魔法の発射準備をする。因みに皇魔は面白そうに見ている。

 

 

 

「まさか、撃つのか?あんな長距離から!?」

 

『ディバインバスター エクステンション』

 

「ディバイーン、バスター!!!」

 

「うそっ!?」

 

 

 

ぎりぎり視認できる距離に居たヴィータに、砲撃が届いた。この距離で砲撃を当てられるのはいくら次元世界広しと言えど、なのはの他に数人いる程度であろう。

しかし、煙が晴れると、そこには砲撃を防いだ((仮面の男|アリア))と無傷のヴィータ、ヴィータはそのまま次元転送しようとする。なのはは砲撃を撃とうとするが、皇魔共々、仮面の男のバインドで妨げられる。

 

 

 

「バインド!?こんな長距離を、一瞬で!?」

 

 

 

バインドを解いた時にはもう仮面の男もヴィータも居なかった。

 

 

 

『すみません。マスター』

 

「ううん、私の油断だよ」

 

 

 

結局皇魔は何もしていなかった。

 

 

 

 

 

シグナムとフェイトの戦いはお互いに手傷を負っていて、拮抗していた。

お互いが切り札の使いどころを思案しながら、再度激突しようとした時、後ろからフェイトの胸を腕が貫いた。

 

 

 

「貴様!」

 

 

 

横槍を入れた((仮面の男|ロッテ))に激高するシグナム、しかし男の手にはフェイトのリンカーコアが有った。

 

 

 

「さあ、奪え」

 

「ク・・・・」

 

 

 

Side:刃

 

 

俺はシャマルから連絡を受け、シグナムのところへ救援に向かっていた。ちょうどついた時にはあの時の仮面の男に後ろから貫かれているフェイトとシグナムがいた。おそらくあれが今日学校での念話で聞いた一時的な協力者だろう・・・・・あまりいい気はしないが。

 

「どうした?」

 

「・・・・・」

 

 

 

ここで俺が割って入る。

 

 

 

「イグニス・・・・・・」

 

「さっさとそいつの言うとおり蒐集しろ。今はなりふり構っているわけにはいかん(奴から話は聞いている・・・・・だが、もし妙なことをしたら・・・・)」

 

「話が速くて助かる(わかっているよ。)。」

 

 

 

そしてリンカーコアをある程度蒐集したところで仮面の男は消えた。

そして俺はシグナムのほうを見る。

 

 

 

「お前……」

 

「・・・・・・」

 

 

 

シグナムは沈黙していた。

 

 

 

「最近疲れてないか?」

 

「はっ?」

 

 

 

が、俺の言葉に唖然とする。

 

 

 

「烈火の将ならあの程度の魔獣に苦戦するはずがないだろ。本来のポテンシャルなら。」

 

「いや、あれは・・・・」

 

「・・・・・まあ良い。とりあえずお前はいったん休め。」

 

「何故だ!時間が無いと言ったのはお前だろう!?」

 

「今さっき魔獣に捕まり敵に助けられた奴が何を言っている」

 

「ぐっ……!」

 

「一日休んだらまた行えばいい、とにかく一回休め」

 

「……わかった」

 

 

 

そう言ってシグナムは転移をした。

 

 

 

「さて・・・と、このまま帰りたいところだが」

 

 

 

まだやることがある。

後ろを見ると、そこにはアルフとクロノがいた。

 

 

 

「さっき、管理局のシステムをダウンさせたのはお前か!?」

 

「まさか。そんなことするくらいなら破壊する方が手っ取り早いだろ」

 

「お前が闇の書の主なのか?」

 

「・・・・・そうだ。」

 

 

 

まだはやてが闇の書の主であることを知らないのは今のクロノの質問でわかった。そしてグレアムもそのことについては黙秘している。いやせざるを得ない。彼の目的は闇の書の完全消滅・・・・そして闇の書を完全に消し去る方法を持っているのは俺達なんだから。だったらここで偽の主をでっち上げたほうがはやてに及ぶ危険も少なくなる。そして案の定信じ込んだ。手玉に取りやすいな・・・・・コイツ

 

 

 

「・・・あなたを闇の書事件の首謀者として逮捕します」

 

「できるのか?お前程度の実力で・・・・この前何秒で負けた?」

 

 

 

その言葉にクロノは苦虫を噛んだ表情をした。

 

 

 

「それに、こちらにはまだ切り札がある。」

 

「何!?」

 

 

 

そう言って俺は、気絶している・・・・フェイトの首元にバヨネットを添える。俺のその意図にアルフが気付き吠える。

 

 

 

「お前!!」

 

「おっと、下手な真似はするなよ?今コイツの命を握っているのは俺だ。」

 

 

 

あいにくと俺は騎士の誇りとかには縁遠い生活しているからね。外道でもなんでも言うがいい。

 

 

 

「さて・・・・それじゃあコイツは返す。俺もやたらむやみに命を刈り取る趣味は無いのでね。縁があったらまたどこかで会おう」

 

 

 

そう言って、俺はフェイトを乱暴に投げつけアルフがそれをキャッチした瞬間に俺は転移魔法を使って逃げた。

 

 

 

 

 

 〜八神家〜

 

 

 

「それで、奴は一体何者なんだ?榊原」

 

「管理局の猫だ」

 

「は?」

 

「時空管理局所属の魔導師の猫素体の使い魔だ」

 

「何で管理局の使い魔が、あたし達を助けるんだ?」

 

「さあ?そこまでは知らない。目的なら分かっているが」

 

「何なんだ?」

 

「復讐」

 

 

 

その言葉に守護騎士達に緊張が奔る。

 

 

 

「だがそれについてはどうにかしておいたから問題ない。だが、これからははやてを一人にしないほうがいいかもね」

 

「わかった。シャマルはなるべく主の側に――」

 

「いや、交代でいく。まずはヴィータ、お前だ」

 

「何で!?」

 

「お前らにはある程度休息が必要なんだよ。んで、お前が一番頑張りすぎなんだ。このままの調子でいけばもうすぐ完成する。」

 

「でも、間に合わなかったら!」

 

「その時は、最後の手段で管理局をおびき出して狩る。まだ((執務官|クロノ))と、あの((馬鹿魔力|皇魔))が残っているし。あいつらで多分完成する。だがそれをするには戦力が必要だ。その前に倒れてもらっては困る」

 

「……分かった」

 

 

 

しぶしぶヴィータは了解してくれた。

 

 

 

「さて、それじゃあ一行でも多く稼ぐ。この中じゃあ俺が一番、力が有り余っているからな。それじゃあはやて、コイツ等は任せたよ」

 

「あんま無茶したらアカンよ?」

 

「心配するな。俺は一定時間内でしか狩りはしない」

 

「きいつけてな」

 

「・・・・ああ」

 

 

 

そう言って俺は転移した。

 

説明
第二十三話:仮面パレード!!
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