ハルヒちゃんの七草粥 〜もはや七草がゆとは何の関係もない続き?〜 |
「さ、キョン、用意して」
「えいほ、えいほ」
はぁ?いま七草粥喰ってようやく濡れた足も乾いて温かくなってきた所だぞ、いったい何の用意をさせるつもりだ?
「リベンジよ?」
「えいほ、えいほ、結構高いわね」
はい?一体何のリベンジなんだ、そもそもリベンジの意味を分かって言ってるのか?
「有希、ちょっと其処の辞書でこいつの頭をひっぱたいて」
「よいしょっと、あの本の端に足をかけてっと」
「Wikipediaによればリベンジの語源は英語のrevengeで、本来の意味は『復讐』あるいは『報復』であるが、そうした個人的な恨みや復讐心と言う意味合いではなく、1度敗れた相手や敗れた事による屈辱に対して、勝利する事で『借りを返す』という独特の意味合いで使用される。対戦相手だけではなくモノゴトに対しても・・・・」
「ふん、誰も気がついてないわ」
「んな事わかってるって、私はキョンの頭をひっぱたいてって」
「げっ、涼宮さんの手が足元の辞書に・・・」
「その様な方法では人間に対しては語彙の伝達は不可能、
むしろ記憶を喪失する蓋然性が高い」
「ほっ、や、ヤバかったわ」
「うー、もう、有希、キョンをかばってるんじゃない?
夫婦役をやったのは七草採取の間だけよ。
キョン、有希となれなれしくしたら・・・」
「え、長門さん、キョン君と夫婦やってたって・・・?
って事はアレしてコレして・・・」
おい、そう簡単に人を死刑にするな。
「ふん、分かってるんじゃない。
要するにリ・ベ・ン・ジだって事を納得しなさい」
「う、羨ましいわ。私だって本当なら・・・」
だから何に対するリベンジなんだ?
「あれ、言ってなかった?
七草粥よ。
あれだけ丹精に古式ゆかしく作ったのに全然美味しく無いじゃない」
そうか? 俺はあっさりして、暖まって美味かったが。
「ナイスプロポーションで迫れば・・・」
「誰もあんたの味覚なんか相手にしてないわ。
そうよ、絶対動物性タンパク質の旨味が足らないのよ。
で、私は格好の動物性タンパク質を見落としてたのに気がついたの。
だからリベンジ」
「は! いけない、妄想で本来の目的を忘れる所だったわ」
まさか冬眠していた蛙でも拾い損ねたっていうんじゃ無いだろうな?
「誰が蛙なんて、もっと高級食材が居たでしょ。
古泉君なら分かるわよね?」
「そうよ、私の目的はキョン君のサツガイ!」
「申し訳ありません、私には分かりかねます」
「じゃ、みくるちゃんは?」
「ふう、やっと上まで上れたわ」
「ふぇ、そんなの分からないですぅ〜」
「もう、みんな何処に目ん玉つけて歩いてるのかしら。
これじゃいつまでたっても不思議が見つからないわけよ。
もう、腹が立った。
キョン、明日までのちゃんと捕まえて下ごしらえしてきて。
解散!」
「今回は前のような失敗は無しよ、ちゃんと羽をを用意したんだから」
なあ、長門、ハルヒは何を取ってこいて言ってるんだ?
「はんぺん、スジ、ゲソ、タマゴ」
おい、そりゃおでんの具だろ?
「ヘルメットもかぶったからもう恐くない。と、飛ぶのよ」
朝比奈さんは、あは、すでに現実を逃避しておられる。
古泉、おまえは・・・
「私は今からバイトが、ええ、そうです、原因は、ご存じですよね。
では」
「キョン君、死ぬのです、えい!」
ひゅぅ〜〜〜〜〜〜〜っつ。
お、あちゃくら、可愛い羽根つけてグラダーごっこか、上手いもんだな。
「え、可愛いですか?
うまいって、
そんな、て、照れちゃいます」
羽根で・・・飛ぶ。そうか、ハルヒの奴、川にいた鴨でも捕りに行くつもりだったんじゃないのか?
「きょ、キョン君が、か、可愛いって。
う、どうしよう、ポッ!」
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ハルヒちゃんの七草粥 〜前編かも〜 の続きです | ||
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