獣使い 第1章 始まりは突然に(まとめ
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町が静けさに沈む午前2時

 

 

僕は近くの墓地にいた。

 

 

特に理由は、ない

ただ日課だっただけなのだ。

 

 

普通、夜に墓地に来るような人はいない

せいぜい肝試しに来る若者くらいだろう。

 

 

しかし、僕は違った。

幼いときから、人とは違うものが聞こえていた。

今では霊や精霊が見えるほどである。

 

 

そういうこともあってか、好奇心からよく墓地に来ていた

墓地では、いつもさまざまな感情が入り乱れている

 

 

幸福な死を迎えた人、苦しみから自殺をした人、未練を残して死んだ人。

 

 

その割合によって、墓地には、さまざまな物が集まってくる。

たとえば、未練を残したものが集まった墓地は、俗に言う心霊スポット。

つまり負の感情が集まりこの世界にさまざまな影響を与える。

場合によっては 不幸をもたらすものたちの扉が開くほどだ。

 

また幸福な死を迎えたものが多くいたなら、

その墓地はとても暖かく、やさしい感情にあふれている。

そして、そういうところは精霊や役目を終えた守護霊が住み着く

 

 

ここはそんな墓地のひとつだ。

 

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「あれ?またきていたの?」

 

 

不意に後ろから幼い子供の声がした

振り向くとそこには、

背中から蝶のような羽の生えた10cm位の女の子がいた。

 

 

「なんだ、怜夜か。」

 

 

彼女の名は、怜夜。

ここに住み着く精霊の一人だ。

白い服に身を包み、髪はシルバーのロング。

その髪を青いリボンでうしろにしばっている。

 

 

話では、光をつかさどっている精霊らしい。

 

 

「もう・・・・なんだとは何よ!なんだとは!」

 

 

そういって彼女は口をぷくっと膨らませた。

 

なぜかはしらないけど、この子はやたら僕に絡んでくる

ここには、ほかにも僕に絡んでくる精霊はいるけど

特にこの子は絡んでくる精霊だ。

 

 

「ところでさ。怜夜」

 

 

ん? と彼女は、言って僕の左肩に座った。

こう見ると非常にかわいく感じてしまう。

 

 

 

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「なんか今日は、いつもと雰囲気が違うのは気のせいか?」

 

 

僕は、そのとき初めてずっと持っていた疑問を口にした。

思えば ここにいたときからそれを感じていた。

入った瞬間、何か嫌なものを感じた。

そう・・・例えるなら蛇のような目ににらまれたときのような

全身を貫くような視線を・・・

 

 

「ぇ?特には知らないよ。新しい死者もきてないし」

「そうか・・・・ならいいんだけ・・・・・」

 

 

ど と言おうとしたとき突然、この場所の空気が重くなった。

 

 

「ぇ」

 

 

僕と怜夜は、口をそろえていった。

突然、この墓地の上空に黒い渦ができた。

それを僕は、一度見たことがある

この世界へ不吉なものが行き来する<門>だ。

 

 

しかし、その<門>は、こんな幸せなものたちのいるところには開かない

あれは負の感情の渦巻いたものであるからだ。

逆に言えば 負の感情が渦巻けばあれは開く

 

だが死んだ者のたちは、

その死に方によって負の感情となるか、正の感情となるか決まる。

そしてそれは、人間と違って変わることはない。

自我がないからだ。

 

 

だから、新しいものが入ってこない限りここの割合が変わることはなく

あれが開くことはありえない

 

 

「!!」

 

 

怜夜が、何かに気がついた。

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「見て!!」

 

 

振り返るとそこには、スライム状の物体が何体もいた。

その物体は、絶えず形を変えている。

あるものは動物型に、またあるものは人型に

まるで生き物が腐り落ち、またもとの姿に戻るのを繰り返しているかのように

 

 

それを見て僕は、吐きそうになった

あまりにもその姿は、リアルすぎるからだ。

同時に、僕は早くここから逃げなければと思った。

頭で考えるより先に、体は動いた。

 

 

ここの墓地は、近くに竹やぶがあり、

そこは、神聖な場所として祀られてる。

おそらくあのスライム状の物体は負の感情が集まったものだろう

そこなら、入ることはおろか近づくこともできないはずだ。

 

 

と、思った。

 

 

しかし、現実は残酷にも、

その選択は、

僕とあの人をつなげてしまったのだ・・・・

説明
ばらばらになってたのを
すべてまとめます

(まとめ)はその章の
まとめおよび修正をおもに作りました
各章終了ごとに作りますので一気に読みたい方はこちらをどうぞ


↓2章
http://www.tinami.com/view/51569

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