真・恋姫†無双〜不信の御遣い〜 第十七話
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重い!!!

 

感じたことはそれだけ。

 

薄い紫の髪の美人さん、確か華雄さんだっけ。

 

その人から振り下ろされた斧に合わせて、あわよくば弾いてはい終了といきたかったんだけど。

 

そう簡単にはいかないか。

 

そう思って慌てて『無銘』を即座に構えた瞬間。

 

一瞬驚いたような華雄さんは、いい獲物に巡りあった獣のような目をして。

 

笑った。

 

怖いよ〜。

 

と、思ったその時。

 

一気に僕に肉薄したてきた。

 

しまった。それがあったか。

 

防御が。

 

間に合わない。

 

なら、と思った瞬間。

 

華雄さんの右拳が。

 

僕の左頬を。

 

襲った。

 

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速い!!!

 

この『速さ』はいちいち私の戦いを邪魔する、霞の『速さ』に近いものがある。

 

いや、それ以上かもしれない。力で優っていた分、無理やり押し切っただけだ。

 

もう少し酒が入っていて集中力が切れていたら、まずかったな。

 

女尊男卑のこの時代に、私のような武しか頭にない女にはむかうだけでなく

 

勝ちへの意識を見せる男はそうはいないと思っていたが、まだ骨のある男がいたか。

 

ふふ。嬉しくなってくるな。

 

だが私自身斧を使っているだけであって、長柄武器の弱点は知っている。

 

槍や斧は接近戦にはあまり向いていない。しかもここはあまり広くない店内だ。

 

恋のような圧倒的な強さを持った者は、それらを全て超えていけるような『強さ』があるが、

 

私も、恐らくこの少年にも。そのような『強さ』はない。

 

故にこのような戦い方もする。

 

慌てて武器を構え直した少年に一気に肉薄する。

 

私の武器による攻撃ではないと気づいたのだろう。

 

彼の腕が動く。だが、私のほうが速い。

 

一気に。

 

えぐり込むように。

 

彼の左頬に。

 

私の右拳が。

 

炸裂した。

 

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メキィという音がして彼は思いきり後ろに殴り飛ばされた。

 

店の扉ごと破壊して、外にたたき出された彼は衆人の視線を浴びたまま、動かない。

 

「華雄!!!いい加減にせぇ!何考えとるんや!」

 

霞が私に掴みかかってくる。

 

「彼は大丈夫だ。私だって加減くらいした。酔っているのでうまく加減できたかどうか、

 

自身はないがな」

 

「何でそんなに自慢気なんや。いや、そういうことやなくてやな……」

 

霞はあきれたような様子だ。

 

「はぁ。華雄の戦闘狂にはあきれ果てたわ」

 

「貴様にだけは、そんなことは言われたくないな」

 

「ほっとけ。ってか、あの少年さっきから動かんやんけ」

 

言葉通り彼は動かない。

 

「霞」

 

呼びかけてみる。

 

「あの少年、どう思う」

 

「かなり強そうやん」

 

ニヤッとして霞が答える。

 

お前も私と同類だ。

 

「霞」

 

「今度は何や」

 

「お前には、彼が私に殴られる瞬間に、私にしたことが見えたか?」

 

「いや、ほとんど一瞬やったしわからんなぁ」

 

「あの状況で、防御は不可能だ。それを一瞬で察知し、彼も相打ちを狙って、私に

 

殴りかかるよう、彼の右拳が動いていた。恐らく本能がそうさせたのだろう」

 

「へぇ、そりゃまた……」

 

霞はそりゃ面白いといった様子だ。

 

すると。

 

「痛ってぇなぁ……」

 

彼が起き上がった。

 

声をかける。

 

「大丈夫か?加減はしたつもりだったのだが」

 

「あれを加減と抜かしやがりますか、貴方は。頬の骨折れたような気がするんですけど」

 

ふむ。大丈夫そうだ。

 

隣にいた霞が彼に声をかける。

 

「すまんなぁ、少年。このバカが世話かけて」

 

誰がバカだ。

 

「けど、アンタもバカやなぁ。ウチのような分別のある大人ならともかく、

 

華雄みたいな脳筋女に喧嘩売るなんて、な。あんたみたいな無謀な男は嫌いやないけど、

 

命は大事にしぃや?」

 

と、同情を現わにした霞が言う。

 

「貴様、頭叩き割ってやろうか?」

 

『金剛瀑布』を霞に向ける。

 

「なんや、華雄。冗談やって」

 

と霞といつもの調子で掛け合いをする。

 

だいぶ、酔いも収まってきたようだ。

 

やはり、戦いはいい。

 

すると彼は。

 

「大事にするような、命なんかないですよ」

 

と、呟いた。

 

その一言で。

 

私も。

 

霞も。

 

なんだなんだと寄ってきた衆人たちも。

 

凍りつくような。

 

感覚に襲われた。

 

彼は続ける。

 

「あなたたちみたいな人たちはいいですよ。単純なことだけ、考えてればいいんですから。

 

『戦いは楽しい』、『強い奴がいれば嬉しい』。大いに結構。

 

貴方達のことなんて、僕はどうでもいい。貴方達が生きようが、死のうが、

 

本当にどうでもいい。

 

『戦いは楽しい』、『強い奴がいれば嬉しい』。なるほど。戦闘狂らしい貴方がたらしい考え方だ。

 

でもね。

 

僕は思うんですよ。

 

そんな考えはね。

 

貴方達のような、『普通』を超えた『強さ』を持っているために。

 

圧倒的な『暴力』に、痛めつけられたことがない人間の考えで。

 

全く。

 

実に。

 

どうしようもなく。

 

愚かで。

 

そしてなにより。

 

 

 

『下らない』ってね」

 

 

 

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こんにちは皆さん。BLADEです。沖縄への修学旅行から帰ってまいりました。

 

いや〜最高でしたよ、沖縄。食べ物は美味しいし、おばちゃんたちは優しいし。

 

また行きたいです。

 

長らくお待たせしてしまって本当にすみません。

 

実は作者。左脚を肉離れしてしまい、歩くことも困難な状態でこの作品の続きを書いています。

 

超痛いです。正直舐めてました。肉離れ。病院に入院したため新しく出すのが遅れてしまいました。

 

待っていてくださった皆さんもそうでなかった皆さんも、本当にお待たせしました。

 

でも、正直大して文構成変わってませんね。なにか、誤字などがありましたら、

 

遠慮なくご指摘ください。

 

今回の高順君の最後の言葉は、勘のいい方ならお分かりになると思いますが、

 

信じていた『友達』からの『裏切り』の状況を匂わせています。

 

これからも、「真・恋姫†無双〜不信の御遣い〜」をよろしくお願いします。

説明
第十七話です。
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コメント
おそらくこの主人公、本当は死にたくないって思ってますかね?(スターダスト)
改行が多い中さらに「」を使うのでどこからどこまでがセリフなのかそうでないのが非常にややこしい。どうもこの主人公は悲劇の主人公気取りで鼻につくな・・・(PON)
肉離れですか。体はお大事に・・・(デーモン赤ペン)
あぁ、お決まりのお説教の炸裂ですね。それに切れた霞と華雄を悲劇のヒーロー()があっさりと倒しちゃうとか? まぁ話が進むにつれて、主人公がこれと矛盾したことしそうですね。(匿名希望)
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