壱話「超能力都市」 |
「……」
どうも、みなさん初めまして
俺の名前は上郷昊菟と書いてかみさとこうとと読みます
突然ですが、今私めは冷蔵庫とにらみ合いをしています
「…ああ、わかる、わかるよ、実家が農業だもんな」
アストネイジェ、この異境の地の都市名だ
明らかにゲームにでも出てきそうな都市名なのはここがまるでゲームみたいなところだからだ
「だからって……初日のものがコレは…」
その説明は後々するとして
今はコレだ
この冷蔵庫の中の支給品だ
えー、
大根二個
「これが一人立ちするヤツに与えるモノかあのバカ親アァァァァア!!」
1話「超能力都市」
午後2時半
ちょっと暖かくなる頃
俺は食材調達の為アパートから出てすぐにあるコンビニに立ち寄った
うむ、やっぱりおにぎりかな、日本人たるもの、お米に惹かれるのはしょうがないよな
「しかしそうなると炊飯器が来るまでは毎日米を食べる為に油で加工された飯を食べなきゃダメなのか…ちょっとキツいかもなー…」
そう言いながら俺は明太子おにぎりを手にとってみた
独り言が多いのは不安からかな…
「何言ってるのよ?
独り言の激しい人ね」
その独り言にちゃちゃ入れる人が一人
よかった、正直助かった、人と接してる時間程安心出来るものはない
「その独り言激しいヤツに話しかけるアンタが人のこと言えたもんか?」
そいつは曲がった所のパン売場に居た
手にはジャムと紙パックのジュースと食パンをもってる
肩まで髪がかかっててちょっとふわっとしてる髪型だ
「はぁ、上郷君、私の親は貴方の住んでるアパートの管理人
因みに、私の名前は((白沢疋乃|しらさわひつの))覚えてる?」
「え?ああ!小学生の時に一緒だったっけ?
ぜんぜん全く変わってるから気づかなかった」
そういうと疋乃はちょっとほっとした様子を見せて近寄って来た
「ぜんぜん全くって日本語がおかしいわよ?
お久しぶりね、昊菟、右手人差し指が相変わらずでわかったわ」
そう、右手人差し指だ
俺の力が常に漏れている指
生まれつきで、俺を知ってる人は俺のコレを見てすぐに判る
因みに俺がアパートを選んだのは両親が探してくれた結果白沢の親からそう言うことなら来ると良いと言われてこっちにきた
「あ、さっき言ってたおにぎり、鮮度維持の為の油なんて使われて無いわよ
こっちは列島と違って封印魔術がかかってるから」
ふ…封印?
「あのさ、専門用語はちゃんと解説してくれ
ここが初めてな俺にはわからん」
「ん、そうね
その封印は『対象を外界との遮断』するものよ」
「……………えっと、そんなの列島の方でもビニールで遮断してるじゃないか」
「あんねぇ、その遮断っていうのは空気も熱も何も通さないって事なんだぞー?
それに対象ってのが菌を含まないおにぎりだけだから菌も入ってないし開けると温かいわよ、炊き立てだし」
「触ってる感じ温かくないが?」
「うん、中の熱が外に逃げてない証拠よ」
「へぇ〜……テレビでしか見たこと無いようなあの力ってホントにあるんだな……」
「あなたもトンデモ能力持ってるでしょう?」
いやまあ、確かにまあ、うん
「そういえばおまえって能力持ってたっけ疋乃?」
「ううん、持ってなかったけど超能力開発で((空間接続|スペースコネクト))を出来るようになったわ」
「すぺーすこねくと?」
「対象の空間をもう一つの対象につなぐ事が出来る能力よたとえばここから列島に行くことも出来るわ
……ランクがあがればね」
デスヨネ、いけたら俺がこっち来る前に挨拶するだろうし
超能力、20年前にこの『ムー大陸』が出現してから全世界に広まった新しいもの
個人それぞれに能力は一つ
脳を使って出されるらしい
超能力をものにしたい人たちが頑張ったおかげでこの大陸ですら現れた当時200人に1人だったのに
今となっては全世界で60人に1人が超能力者だ
こちらの世界の科学技術が超能力を研究する事で飛躍的に判って来たのだと言う
もちろんその恩恵は((夢人|むじん))(大陸先住民)にもあり、彼らは3人に1人は『優秀な』超能力者となった
「あ、あんた炊飯器無いんだっけ?
私洋食派だけどゴハンだけ食べに来る?」
「お、それはありがたい!
いいならお邪魔させていただくー」
「うん、来なよ
一緒に食べた方が美味しい」
懐かしいな、疋乃
彼女は気があるのかと思わせぶりな言動をする
そのせいで小学校の頃は13人男子をフったという記録もちだ
俺はそんな彼女の性格を判ってる方だったので勘違いする事も無く、13人に入ることも無く、今に至る
彼女を理解し、割合近い仲間だったから13人+奥手な何人かに妬まれてたのは裏のお話
因みに疋乃は小学生卒業してから中学校を日本大陸の方に受験して受かった
その上この日本大陸ではそういった学徒を重要に扱う為、援助金が入るし一部の公共機関や保険も無償なのだ
国も超能力者を沢山得たいみたいだしな
子供の一人暮らしも出来る制度になっている
「朝ご飯は食べた?」
「ん、飛行機の中で食った、真夜中とも言えたが、わくわくして寝ていられなかったしな」
「やっぱり最初はそうなるわよね」
◇
がたんっ
「ご馳走様っ」
「相変わらずがつがつ食うわね
もっと落ち着けないの?」
「…ん、お前だって判るだろ、大陸ならこの指の事でつっかかれる事が少ないからさ、ウキウキなんだよ」
そう、様々な事を引き起こすこの指先の光
「ほんと、何なんだろうねそれは
その光を料理に当てれば美味しくなるし
味が濃くなるとか薄くなるじゃなくて美味しくなるんだよね〜」
「皆そう言うけどさ、俺にはさっぱり判らないぞ?」
「よく判らないけど、発動者だからじゃない?」
「な…なるほどなあ……」
疋乃は小さい口でもきゅもきゅ食べてる
「んーと…なんか必要な書類って何出した?」
「自己明細書、あとこっちに来たからにはコード提出しないと」
「…こーど?」
「個人番号の申請と提出よ
二週間後には高校始まるから出しておかないと高校に行けないわ」
「個人番号ねえ……
じゃあこれからそれしに行くかなー…」
俺が洗い物をすまして軽く玄関に向かおうとすると
「食べ終わるまでは居て欲しいな…」
ちょっとむすっとしてこんな事を言ってくる
「…あ、はい判りました」
◇
何はともあれ、俺は外にでた
疋乃はあのあと
「ちょっとその落ち着かない感じをほぐしましょーう」
とか言って肩を揉んできたが
旧友との再会で余計落ち着ける訳もなく
「あ゙ぁ゙…なんかもう疲れたな」
ヘトヘトである、まる
「まあ、飯作って貰ったから何も言うこと無し、かな」
シャーっと自転車こぎながらまた独り言
ああもう完璧に変質者である
いやそれじゃなくてももう変質ですがね?
「よーコト!」
向こうから俺を呼ぶツンツン頭が1人
「…新城か?」
近くに来て自転車を止める
「せやせや、なんや、おまいも大陸の学校に来おったのか奇遇よのう」
((新城誠|しんじょうまこと))
中学校二年の体育祭の催し物の時に唯一真面目にやってる俺を見て興味を惹かれたというコレまた変な人
なんだ、ここは変な人が集まるのか…?
「高校ドコ行くん?」
「俺はこの指の資料で推薦されて日本大陸側国立の高校に
オレバカだけど国立はそういう能力者欲しいみたいでね」
「なるほどー、((天央|てんおう))高校かー、一緒やな」
へー、
……………
「うぇ!?
お、お前能力者じゃないよな!?」
「せや、無能力者や」
って事は、受験して、受かったのか…能力者の見込みがあったのか
どちらにせよある程度の勉学能力は無いと無理だ
「…へぇえ…それはすごい、お前学校行かないで遊んでるとか聞いてたが…あれはウソか?」
「ほなホントや
でもちゃんとギリギリ一日不登校扱いにならないようにやってたんや
勉強はやらんとも教科書見りゃ判るわい」
「お、お前そんなっ気ないのに天才肌なんだな…」
「おうよ、わいに出来ない事はあんまりない」
「でもお前、体育祭勝てたか?」
「ああ、あんなん手加減や
学年選抜マラソンは三年連続同着二位
すごいやろ、マラソンで同着をねらう男や!」
「はいはいポケットに手を突っ込みながら走ってたな」
「お、みてくれとったん?」
「まあな、友達だし」
「それはありがたいのう!
そんで、こっち来たのはそんだけ出来るんだから超能力もってんやろ親に言われて飛ばされたのぞい」
確かにあるかもな…
「ほな、高校同じや、コト
またよろしくたのむわ」
手を挙げてハイタッチをせがんできた
「アホ、右手や右手」
無意識にいつもの癖で左手でやろうとしていた
「ああ、わりい」
すると急に真面目な顔になって
「ええか、ここは隠さなくてええんや
ここはコトのそういったもん全部受け入れる場所や
だから来たんやろ」
「……」
その言葉に右手のハイタッチで答えた
◇
コードを申請して、また明日来て下さいと言われたオレは5時に帰路に着いた
帰って何するか…おそらくお咎め無いだろうし疋乃と遊ぼうか…
オレは誠と会ってから結構落ち着けた
慣れ親しんだ友達だったし同じ高校と聞いてさらに安心だ
「………ん?」
自転車をこいでいると何か衝撃音に気がついた
周りにビルがある中
何か居るというのか
その瞬間
上からの衝撃にオレは自転車から転倒した
一瞬で顎を打ち、頭を打ち、体の至る所を捻って
がしゃがしゃドドン
「がッ――!?」
「きゃあう!?」
「い―――――てて」
顎と頭と背中が特に痛い
その状態のまま、何とかぐらりと立つ事が出来た
「一体―――――何が……………」
自転車はチリチリチリと音を出して車輪が回っている
この自転車、支給品だが案外結構持つな
その自転車の横に黒の髪を中途半端に金髪に染めたロングヘアーの人がうつ伏せで倒れている
そのままピクリとも動かない
…………じ…自殺?(未遂)?
すると屋根の上から
「居たぞ!行け!逃がすな!」
と集団の声
………絶賛逃亡中だったのか?
いや、この高さだったら逃げきれなくて捕まるなら死んでやるーって事なのか?
それとも大人大勢で止めてたのか?
…生死の事柄であるのは確実だ
「おい、しっかりしろ、大丈夫か?」
すると生死不明の動かないまま
「…だめー…お腹減った」
「…はい?」
え?これが死のうとした奴の台詞か?
むくっと起きあがる
「…あなた超能力者?」
「え、あ、あぁ」
するとすぐに右手に気づいた
「指先がそうね?」
「……そうだ」
「よし判った」
すっくと立ち上がる少女
「逃げるわよ」
「はあ!?っていうかお前逃げてたのか!?」
「当たり前じゃない」
「当たり前っておま……この高さだぞ!?」
「この程度の高さならちゃんと着地出来てればいけるわ、私はね」
そういってオレの手を取ると走り出した
「お前超能力者か!?」
な、なんか
「うん、そうよ」
すっごく早い
「どうやったら大丈夫なんだあの高さで!」
引っ張られるのに足が間に合わない
「そんなの超能力いらない」
そうか、こいつは
「お前!夢人だな!」
「ご名答、夢人カナン・フォルセティよ」
夢人とはムー大陸先住民の人のことであり
彼らの身体能力は異常なまでに高い
それを認めた時だ
団体が追いついてきた
「―――っ!あんたは走ってなさい!」
「ってえ!?
ちょ、何をす」
ぐわん
カナンは人間一名を投げた
たぶん本人の中では押し出したのだろうけど
運動神経に優れてないオレは投げ出された
「うわぁー!」
ズドッゴロゴロ
「だらしないわねえ」
「……ぃててて、
うっせ、夢人の身体能力がおかしいんだよ」
「私ら、特に私なんかは学生の時は戦闘実習があったからねっ!」
手元にビームサーベルを持つカナン
追いついてくる追跡者に対峙する
「さあて、深く切らないようにしなきゃね」
一体がテレポートしてカナンの真後ろに転移した
カナンはテレポートして消えたのを見て2メートル位跳躍した
これが人間の運動神経か?
人間じゃないと差別するのはあまりしないが明らかな人外の何かの動きをしている
テレポーターの位置を確認したカナンは空中で前方回転して叩きつける
どうやって空中で回転しだすというのか
不味いなんかもうホントに
ゲームの世界だ
相手は拳銃を構えカナンに襲いかかる
遠方からの射撃をサーベルで身を守る
バン、バン
タラララ
とマシンガンの音まで
飛び火すると困るのでオレは隣の電柱に隠れた
「((洒落臭|しゃらくさ))いわね」
カナンも奥の電柱に隠れると上着のポケットから羽を取り出した
黄色い羽だ
ソレを路上に投げてひらひら舞って居るところを羽をふっと相手に向かって一息吹いた
すると―――――
ゴォォオオオオ!!!
すさまじい音を出してカナンから相手の方向だけに暴風が吹き荒れる
なんていうか、やりすぎではなかろうか、なんか奥なんか風で電線切れてるし
「ホラ逃げるわよ!」
「あ、あぁ、
ところで何でオレは逃げなきゃならないんだ」
また手を取られて走り出す
「あんたの能力って((聖|ホーリー))でしょ?」
「ああ、そう名付けられたな」
「その能力はあんたしか持ってないの
そしてあいつらは科学者の手先よ捕まるに決まってんじゃない」
「おめえは何でそんなんに追われてるんだよ!
オレみたいに少数な能力なのか!?」
「うんにゃ、私は勝手に研究資料を持ち出しただけ」
「つまり自業自得!?
何ソレ!オレ理不尽じゃない!?」
「男なら腹くくりなさい!
そりゃ、私もバレたのは不味かったけどさ」
「そっちなの!?そっちなのかお前!?
もっと大事な何か常識か欠落してないか!?」
「私何にもいけない事はしてないわよ!?」
「あー!もう何なんですかコイツはー!」
「私なら変人ですYES」
「お前は先ず常識というものをだな!」
「―――っ!
危ない!」
「―――ぇ?」
その瞬間だ
目の前が爆発した
説明 | ||
Atlantis=アトランティス (元ネタ:伝説、ムー大陸の国の名=アトランティス) 物語より20年前 絶滅的に超能力者は少なくなった時があった その超能力者はムー大陸という昔あったとされ、忘れ去られた大陸に存在していた ムー大陸はそこの住民により大規模結界が敷かれ、太平洋上にありながら外界と遮断 「何か」の拍子にその結界が壊れ、太平洋のど真ん中に大きな大陸が現れた そこの人間は200人に一人が超能力を使い、超能力は研究されていた ムー大陸からの超能力は全世界を驚愕させた 世界各国は超能力を競うように研究 研究が進んでいる国はムー大陸に一部国を移した そして現在 研究がすすみ、ソレを実用化しようとした結果、60人に一人が超能力者になれている 超能力に憧れる者が超能力を求め現地、ムー大陸へ移住するようになった 学徒が割合多い 若ければ超能力が発生しやすいらしいのだ ムー大陸にはもともと住んでいる人が居たが(夢人)その3人に一人は「優秀」な超能力者となっていた 主人公の昊菟は 超能力と思われる力を生まれつき自然発生していた 親の薦めもあって日本列島からムー大陸の日本(日本大陸)に移住していた (超能力者の差別化が社会問題になってる それ故に研究の進められてるムー大陸は超能力者が逆に優遇されてるため 超能力者は皆そこに集まり、超能力の無い者、無能力者も超能力に憧れそこに募った) 主人公昊菟は能力を使いこなせていない いわば半永久暴走状態 常に右手の人差し指から漏れている 能力は世界に一人彼だけの能力 「聖」(ホーリー) 超能力としても異能な能力で超能力かどうかすら危ういそれは 様々な効果をもたらすため聖と抽象的に表現する他無い 未来超能力世界、ソレがこの物語を大まかにまとめた感じだろうか 魔法もムー大陸にあったため化学と連携し、技術も上がっている ――因みに、超能力は細かい情報は出ていない未知なものである そして作者は文才が無い。まる。 さらにさらに、一年以上前の作品の為、画力がとんとん変わるのと、最初はヒドイので、目も当てられません …書き直した方がいいのでしょうか |
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