真・恋姫†無双 〜孫呉千年の大計〜 第1章 1話 |
第1章 黄巾賊討伐・独立編 01話 『蒼天已死 黄天當立』
早いもので、一刀が孫呉へと舞い降りて来て5年、黄巾の乱の切欠が見え始めてから、4年の歳月が経った頃だろうか・・・
今や一刀は15歳近い好青年へと、益々磨き抜かれた”微笑み”で
次々に難攻不落の女性陣を篭絡していくのが予想出来る程、凛々しく逞しい成長を遂げていた
雪蓮はというと、16歳を超え母の緋蓮譲りの美貌と”江東の小覇王”と噂される風格を漂い始めていた
蓮華は14歳になったばかり・・・可愛さを残しつつも、華も恥じらうような美しさを身に纏う乙女へと
それぞれ蛹から蝶へと羽化するが如く変貌を遂げていた
”蒼天すでに死す、黄天まさに立つべし”というスローガンの元、初期は大衆のファン層を取り込み掌握
後々、各地の賊を吸収し軍事組織していき、次第にその規模を拡大していった
黄巾の乱が起こった当初は、群雄割拠の良い面が出ていたのか、破竹の勢いで各軍閥により、黄巾賊は瞬く間に鎮圧されていった
しかし、本拠と目されていた青州を制しようという段階に至るのにも関わらず
賊を討伐しても首謀者と目されている張角の姿・形どころか情報すらない状態で
中心人物の張宝・張梁の情報すら一向に上がってこない有様であった
しかも張角の手配されている特徴はというと・・・
3mはあろうヒゲモジャの大男で、腕が8本、足が5本、おまけに角と尻尾まで生えているという・・・もはや人ではない化け物であった
これでは不明のがマシよね・・・とは、紅の言であるがその通りであろう
そして、ここでも後漢王朝の二派に別れての軋轢は、討伐に際しても暗い影を落としていた
乱の初期、大規模だった北部では、収束の兆しを見せていた乱も、中央近くの荊州を中心とした乱が活発化
それに伴い盛り返し溢れた賊が、袁術の豫州を通って北部に流入し、鎮圧する前以上の規模に膨れ上がっていたのである
北部を減らす度に、荊州側から流れてきて勢力を盛り返してくる黄巾賊達を・・・
土竜叩きのように、袁紹・公孫賛・曹操・陶謙を始めとした北部軍閥が出兵しては叩くものの・・・
青州を包囲殲滅しようという段階に入ると、荊州から大勢力の援軍がやってきて軍閥の包囲網を破り合流を許してしまう
荊州黄巾賊を抑えるべく何進は十常侍派へ要請するものの・・・
袁術・劉表や劉焉達は抑えきれないと、逆に大将軍派へ援護を求めてくる始末
馬騰は五胡の動向に注視しなくていけない為、涼州より度々動かす訳にもいかず・・・
青州黄巾賊を減らしては荊州黄巾賊に合流されるという繰り返しを、各軍閥の足並みが揃わず・・・
この4年もの長きに渡り、泥沼・長期化していた理由である
そこへ息を切らせた伝令が、大将軍室へ飛び込んでくる
「申しあげます! 何進大将軍 劉表・劉焉連合軍、荊州にて敗北!
劉表様は襄陽城に篭られ劉焉軍は国境まで撤退の由 至急援軍を求むとの事です!!」
それを聞いた大将軍・何進は顔色が真っ青である
「どっどういうことだ! また負けたというのか? 何をやっておるんだ あやつらは・・・
しかも奴らは十常侍派なのに・・・何故助けなければならんのだ!」
と陶謙が側に控えているにも関わらず、大声で喚き散らす大将軍・何進
「しっ しかし・・・大将軍 このままでは・・・抑えている北部の袁紹殿や曹操殿の軍にも影響が出てくるのは必定ですぞ?
それにいつ何時、荊州から北上し、ここ洛陽を襲って来るやも・・・」
「ええい 皆まで言わずとも、わっ わかっておるわ・・・陶(謙)爺 忌々しい十常侍のくそ狸共め・・・」
「ここに来てはやむを得ん・・・そろそろよかろう 朝貢してきておる ? ?達を至急是れへ」
「??様をですね 了解しました 直ちにお連れします」
と足早に立ち去っていく伝令と名前を聞いて眉を顰める陶謙
「陶爺 内密の話をする しばし外しておれ」
「はっ 承知しました・・・」
と神妙に答える陶謙は、杖をついてゆるりと退出していく
溜息をつきつつ椅子に深くもたれ掛かる何進
そう、今呼んでいる人物達に問題があった為である
これまで再三討伐要請を出していたにも関わらず、その者達は、”勢力規模の縮小”と袁術の”客将”を理由に
自分達がいる”一部の領地”を含めた、周りの黄巾討伐しかしてこなかったのだ
結果、その領地では”二つの現象”が起こっていた
一つ目、その者達がいる”一部の領地”へは黄巾賊が全く来襲しないこと
二つ目に”一部の領地”を除く多くの荊州と豫州では、皮肉な事に荊州黄巾賊が猛威を奮っているという
そう完全な”両極端”現象だったのである
当初、何進はこの地に張角達首謀者がいるのではないか? 裏で黄巾賊と繋がりがある者が潜んでいるのではないかと
間諜を放ち”その者達”の動向に探りを入れていた
しかし、そうではなく僅か”数千の精鋭部隊”が”数万の黄巾賊”を圧倒し蹴散らしていた事を突き止め
黄巾賊が手を出せず避けている事が判明したのだった
同様の事が、将軍直属の袁紹や曹操の領地でも見られるのだが、西園八校尉でない軍閥に・・・
以前は目をかけていたにも関わらず、凋落してしまった軍閥であったが故に、何進は嬉しさを滲ませていた
がしかし・・・”その者達”というのが、立場上に問題を抱えていたのだった・・・
”その者達”を客将としている袁術勢力に要請するものの・・・
要請された地域は確かに制圧されるのだが、その者達が去ってしまうと元通りというイタチごっこ
しかも主である袁術の幕下から”その者達”を出し渋るという出来事が起こってきた
要するに”その者達”が活躍するのが、袁術陣営にとって面白くないのである
ならば・・・と何進は仕方なく、袁術に討伐を要請するものの・・・早々に負けて帰ってくるという体たらく
そういう意地はちゃんと領地を守ってからしろと言いたい大将軍・何進であったが、袁家を敵に回しても仕方ないので我慢するも・・・
状況は良くなる筈もなく、刻一刻と状況は悪化の一途を辿っていた
この程朝貢の為、こちら(洛陽)へやってくることを察知した何進は、劉表・劉焉連合軍の結果次第で
”その者達”を今一度、桧舞台へと押し上げる機会を与えようと、密かに画策していたのである
”その者達”とは・・・もうお分かりであろう
「”孫策様”・”孫堅様”をお連れいたしました」
「うむ ご苦労であった 下がっておれ しばらくこの部屋へは誰も近づけるでない」
と大将軍・何進が伝令と近習へ退出するように申し渡す
「お召により参上致しました お久しぶりです大将軍 ご創建そうでなによりでございます
こちらに控えますのが、位を譲りました娘の孫策でございます」
「お久しゅうございます 何進大将軍」
と雪蓮は遅れて挨拶する 本来、主君となった雪蓮が挨拶すべき処なのだろうが、親しく面識のある緋蓮が先に挨拶をする
「いつぞや以来だな 堅 元気そうで何よりじゃな そちらはたしか・・・娘の・・・策じゃったか?
美しく大きゅうなられた そこではちと遠い 近くへもそっと・・・」
「ははっ それでは失礼して」
と”孫堅こと緋蓮”と”孫策こと雪蓮”の二人は、挨拶を終え大将軍へと近づく
「荊州での大規模討伐戦に際して、劉表・劉焉の連合軍が賊めに敗れおった 聞き及んでおるか?堅 」
「いえ 初耳でございます」
「そうか? 後で質問を受け付けるのでな 今は話を続けるぞ? 単刀直入に言おう 荊州に((蔓延|はびこ))る黄巾の賊共を討ち果たして欲しい」
「今、袁紹や曹操達をそちらへ派遣するには参らぬのじゃ 青州を抑えてもらわんといけんしな・・・かと言って
このまま荊州を放置しておると、青州にどんどん流入してきて、袁紹や曹操達でさえ押さられなくなってくるやもしれんのじゃ」
「しかし何進大将軍、我らは20万もの大軍を、相手に出来る兵力等ございませんぞ?」
「そこを何とか押さえ込んで、殲滅して欲しいのじゃ・・・ そこは・・・堅と儂の仲ではないか?」
「フッ 何進大将軍は、いつも無理難題をおっしゃる・・・」
と何処かで聞いたようなセリフを吐く緋蓮
「此度、劉表の治める荊州は黄巾賊を抑えきれておらんしな・・・
出来れば”例の密約”の件の約束を、再び果たそうではないか・・・どうじゃ?」
と大将軍・何進が問いかけてくるも・・・そこで考えるフリをする緋蓮と視線を合わせる雪蓮
何進自体は何を迷ってる?条件がこれでは足りないのか?と不安に思っていたのであろうが
事情と条件を目と目で確認し合った雪蓮と緋蓮二人は、早速、冥琳が弾き出した”予定通り”のシナリオへと移るべく実行を開始する
「大将軍・・・その密約の件なのですが、変更をお願いしたいのですが・・・」
「変更とな? なんだ言ってみろ 儂にできる限りの範囲ではあるが・・・認めようぞ?」
「それでは・・・お耳を拝借」
と緋蓮は将軍に近付き囁きかける
「ふん ふん む〜 しかしだな んむぅ〜〜〜〜〜〜〜〜よかろう こちらも無理を言っているのだ その条件を飲もう
但し、青州を包囲しておる西園八校尉をそちらへ一切支援に回せんぞ? 良いな?堅」
「構いません 元より荊州黄巾賊に関しては、我らのみで成し遂げるつもりでした」
「・・・ならば構わぬ 約定の変更を許そうではないか! 見事お主らだけで成し遂げてみせよ
出来たならば、儂の方も約定を守ろうではないか!」
「ハハーーーッ 何進大将軍、見事成し遂げてご覧にみせましょう」
と約定を”数通”記す故しばし待つがよいと二人に対して答える何進
何進に対して拱手し、頭を下げる雪蓮と緋蓮の二人は視線を合わせ、密かにニヤリと口角を上げていたのだった・・・
そう、二人の様子を見られた方は、もう察知なされていることだろう
これまでの事は、ここへ呼ばれる前に冥琳により、大将軍側の事情と要求内容を、事前に予見していたのである
劉表・劉焉軍が負けたというより、牽制だけして戦わずに引き上げていったという何進が知らない事実も
明命の諜報により、劉表達の伝令が洛陽に着く前に、情報を仕入れる事が出来ていたのである
「あははーーーーっ 可笑しいったらありゃしないわ 笑いを堪えるのに大変だったわ・・・全てが冥琳の予想通り動いているわね 母様」
「そうね 一刀君が来てから三年は経ったけれど・・・前のような『砂上の楼閣』なんかではなく
全ての歯車が寸分の狂いなく噛み合っている 今度こそ必ず・・・」
「一刀が天の御使いだっていうのは・・・やっぱり真実だったようね母様」
「あら?雪蓮 一刀君を疑ってたの?」
「まっさ〜か〜 ”旦那様"の事を、これっっっぽっちも疑う事なんて絶対しないわよ」
「ふふっ ノロケはそれくらいにして、早く帰って報告してあげましょ」
「そうね あぁ〜早く帰って一刀に会うんだから! ハイッ」
「はぁ〜 この娘ったら・・・ホントにもう・・・調子がいいんだから・・・」
「そういう処 誰に似たんでしょうね〜?」
「さぁ〜? 何処の誰かしらね?」
と母娘で楽しんだ後、一ムチいれた二人の馬は、洛陽郊外にて一足先に出発の用意を終えて待っているであろう
”紅”と陰で三人を護衛をしてくれる甘寧達がいる場所を目指し疾駆する
再び大陸へ孫呉の名を轟かせる機会を、千年の大計となる”礎”を築く為、荒波へと乗り出した孫呉勢であった・・・
簡単に状況と流れをお伝えした訳だが、違う角度・・・即ち孫呉視点からもお伝えして補完しておくことにする
思春からもたらされた初期の黄巾賊の情報は、全体の総数50万はくだらない黄巾賊
人数の内訳として、荊州の黄巾賊20万、青州を中心に30万もの兵数がいて、非戦闘員も合わせると100万はくだらない数なのである
初期、一気呵成に責め立てた北部軍閥達は、黄巾賊をみるみる減らし、青州10万以下へと兵力を落とす
荊州には未だに20万もの黄巾賊が残っているのにも関わらず、青州を中心として沸き起こった為
張角首脳陣が青州にいるとばかり思い込んでいた軍閥達である
しかし、冥琳を始めとした孫呉の軍師達は、明命・甘寧達が詳細に情報を集めれば集める程
張角を始めとした張宝・張梁の名前は聞くものの・・・
位置情報はおらか、姿、形すら明命を使っても不明な事に、軍師一同不審がっていたのだ
内部に潜入した明命からの報告には、「お付きの者が、張角様はこういう事を言っておられた・・・」
という伝言ゲーム状態に、もはや本人が発した言葉かすらも怪しかったのだ
こんな大規模となる組織を纏める人物が不明だらけ・指令ですら姿を見せず不鮮明という・・・
警戒・用心の為なのか・・・単に操られているだけなのか・・・は、今の時点では定かではなかった
それに北部軍閥連合が青州に追い詰めてはいるが、そこに果たして大将格がいるのか・・・
もし、青州にいなかったらどうなるのか・・・と考えると、最悪の展開しか思いつかない軍師達であった
そして軍師達の悪い予感が的中した・・・というのも
張角を始めとした張宝・張梁を操りし段珪達は、この時”青州”にはおらず”荊州”にいたのだ
何故荊州にいたかというと・・・
北方で人数が減ってきた為、手足となる信者や賊獲得の為、荊州へとやって来ていたのだった
”舞台”を村々で行った事により、荊州では爆発的に黄巾賊が膨れ上がり、荊州の村々が廃れていく事態に陥るほどであった
そして膨れあがった黄巾賊は、その勢いのまま周辺へと飛び火していく事になる
この事態を早急に察知した冥琳を始めとした軍師達は、背後に劉表と十常侍がいる事に気付いたのだ
一刀と琥珀の指摘による処が大きく、北部軍閥連合が青州へと急速に規模を縮小させた事による失態が原因といえる
というのも、ごく短期間の内に大規模な米と小麦の取引があった為である
これは各主要都市に、魯家が支店を出していた功名とも言える
荊州での急激な拡大に兵糧が尽きかけたのであろう
一度だけだが、遠い洛陽と襄陽の御用商人と呼ばれる類の商人達から仕入れたのだろう
まさかその一度の補給が仇となろうとは・・・段珪にとって思いもよらなかった事であろう
それは孫呉だったからこそ掴めた事実だとも言える
当時は劉表軍が矢面に立ち、十常侍派の面々が続々と援軍に駆けつけ
孫呉崩壊へと陥れられた策謀(参考・外伝)に実に酷似していた
今度は黄巾賊が矢面に立ち、劉表軍・十常侍派が支援するという構図になっただけ・・・
劉焉・馬騰の軍は、この度関わっている節は見受けられなかった
張角・張梁・張宝の三人が主導したのか、十常侍がそそのかしたのかは現時点では不明であるが
油断しないよう迅速にかつ慎重を期して望まねばならないと冥琳達軍師達は、他の孫呉首脳陣へ警鐘を鳴らしていた
その中で軍師達が弾き出した勝算とは、荊州の黄巾賊の人数と青州の人数比率の逆転を狙って各個撃破という
少々乱暴な未来予想図を描いていたのである
荊州20万・青州10万という比率を荊州10万・青州20万へと推移させ、その上で豫州を封鎖後・・・
荊州10万を孫呉が受け持ち、北部20万を袁紹や曹操を始めとした軍閥に手柄を譲って殲滅を任せる
不明な点が多い大将の首に関しては、討った者勝ちという計画であった
劉表・劉焉連合軍が荊州で膨らんだ黄巾賊討伐へ向かうと聞きつけた冥琳達は
明命を討伐の方へ向かわせ、代りに甘寧を十常侍達の監視に回していた
不定期に行っていた朝貢にみせかけて、密かに雪蓮と緋蓮を洛陽へと向かわせ、
それと同時に紅が、北部に点在する軍閥を回って、策の支援を取り付けていたのだった
そして冥琳達の見立て通り、劉表・劉焉討伐連合軍は黄巾賊を討伐する処か、益州・荊州南部への封鎖のみ行い
黄巾賊が引き上げ始めると・・・討伐する処か戦いもせず、荊州・益州国境近くへと引き上げていったのを見届けた明命は
馬と一刀より伝授された身体能力強化の一つ”神速”を使い分け、一両日中に寿春にいる冥琳に報告し終えると
指令を受け取り、その足で洛陽へと向かった
さらに孫呉にとって事態が好転する
明命率いる間諜が、荊州にて劉表・劉焉連合軍と牽制し合っていた、黄巾賊の兵糧を調整しつつ焼き払っていたのが功を奏し
荊州に多くいた黄巾賊は食料を求め・・・次第に豫州・寿春の北を抜けて、青州へと移動して行ったのである
青州ではみるみる黄巾賊の勢力が回復してしまう事態に、各軍閥達の顔色に焦りが交じり・・・
包囲の長期化、泥沼の様相を呈し恩賞すら怪しくなってきていた事態に
袁紹・曹操達軍閥らも”紅”が提案してきた策に、渋々賛同する旨を伝えてきたのだった
ただ、軍閥側も青州か荊州のどちらに張角がいるのかは、要として知れなかった為”恨みっこなし”という事で
”紅”は各軍閥と話をつけて、さっさと洛陽で雪蓮達と合流を果たしていたのだった
明命が洛陽に到着すると、雪蓮や緋蓮に加え紅も合流しており、冥琳からの指令を明命が三人へ手渡し、冥琳の指示に目を通す雪蓮と緋蓮
その頃、ようやく劉表・劉焉連合軍の伝令が到着し敗北を知らせる
そのすぐ後に大将軍・何進からの呼び出しに応じ拝謁し、冥琳の指示通りに約定を変更させる
呼び出しに応じている間に、甘寧と明命は十常侍達の監視を交代し
甘寧は雪蓮・緋蓮・紅の三人が洛陽郊外にて合流後、影から護衛しつつ寿春への帰途を果たしていた
そう、全ては冥琳こと周公瑾が描いた、筋書き通りの展開で推移していたのである
これらの冥琳の神算ともいうべきシナリオを描けた裏には、一刀の貢献が深く関わっていたのである
一刀がいなければ成り立たなかった神算とも言えるのである
そして、一刀から予め黄巾賊に関する情報を得ていた事、明命・思春の強化を始めとした間諜網の強化により
以前より迅速で、緻密な情報と謀略を張り巡らせる事に成功していた
一刀からの数々の発明品が、孫呉の軍事力、特に騎馬隊を増強させていた
この短期間に急速な増強を可能にした一因こそ、序章にて一刀が廬江で試験運用をしていた鞍と鐙である
今や孫呉の一員で騎乗できない者は”皆無”と言われる程、劇的な変化をもたらしていた・・・
と同時に、騎馬隊の中で”騎馬槍部隊”・”騎馬弩弓””騎馬弓”部隊といった
近距離・中距離・遠距離での部隊戦闘の運用をも可能としていた点にある
訓練は陽が落ちると集合、夜・郊外にて行われ・・・
早朝と共に解散という闇夜での訓練形式だった為、馬を操る腕も自然と上がったという・・・
馬達にとっては労働基準法?なんてモノが、この時代にあったのならば、無視もいい処で・・・
デモやら待遇改善といった行為をしたであろう事は想像に難くない
そしてその部隊の隊長を一刀とし、脇を雪蓮と祭が努めた黄巾賊テスト戦では、僅か1000騎足らずだったものの・・・
1万を超える黄巾賊相手に、多数の軽傷者はいたものの死者は0、黄巾賊側は逃散又は全滅という劇的な戦果をもたらした
脇を甘寧や楓に替えても、ほぼ同様の戦果が得られた為、冥琳を始めとした軍師達・祭や楓といった武将達からも称賛されていたのである
この内のひとつの戦果情報を、何進の間諜が目撃し情報を持ち帰った訳である
この戦果を聞きつけた離散していた元隊員達も多く駆けつけた為、部隊を再編成し騎馬隊と水軍共々更に増強させた冥琳である
急激に増強させた事を袁術達に悟られないよう、荒廃した村々を改築し拠点とした為
それを全く知らない黄巾賊に次々襲われるものの・・・逆に手酷い損害を被るか全滅するという事態に陥り
以降、豫州の一部特に南部には、黄巾賊は全く手出しをしなくなっていたのだった
これが”一つ目と二つ目”の現象の真相、その者達がいる”一部の領地”へは黄巾賊が全く来襲しないに該当する
これらの資金の出処は、もちろん一刀から得た知的財産の数々を、大陸へと送り出していた魯家からである
孫呉の国庫は、今では大陸でブランドとなった”御使い印”の商品群から莫大な富・利益を
そして今では”各都市に支店”を持つに至り、商人間から生み出される情報収集・他国への謀略と
次から次へと良き副産物を生み出していった
その良き効果こそ、この度の洛陽と襄陽からの一度きりの支援情報をも掴めたともいえる
雪蓮達から一足速く、詳細に記した約定の写しを伝令から受け取った冥琳達は
早速、祭と穏に”騎馬弩弓””騎馬弓隊”計2千騎を率いて、豫州の封鎖を手配するようにと行動に移す
増加した黄巾の乱の行方と、包囲する軍閥達・英傑達の今後を自身の目で確認する為に、冥琳に断りを入れ了承されると
雪蓮の帰還を待たずして、一路、北へと向かう一刀であった
洛陽より急いで帰還した雪蓮が、愛する一刀がいない事に気付いて・・・
直ぐに機嫌が悪くなり・・・周りにぶぅ〜たれて、緋蓮と飲んだくれていた事は言うまでもない
夜になると、"SD猫化雪蓮さん"は、街で配下とした元ボス猫を”一刀が帰って来た時の伝令役”に仕立て上げ
独り寂しく一刀の寝具で丸まって寝ていたという侍従長・咲による目撃談がある
昼間に酔っ払った”SD猫化雪蓮さん”と元ボス猫との死闘が繰り広げられた訳なのだが・・・ここでは割愛させて戴きます
以上が、孫呉側から見た一連の騒動の顛末である
■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン)
春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し
「江東の虎」の異名で各地の豪族を震撼させた
優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた
○張紘 子綱 真名は紅(コウ)
呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程c(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる
張昭と共に『江東の二張』と称される賢人
※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。
呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です
○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)
普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う
発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する
このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される
※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです
○張昭 子布 真名は王林(オウリン)
呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる
張紘と共に『江東の二張』と称される賢人
妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか
○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)
緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名
祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする
部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている
真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・
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【あとがき】
雪月でございます ようやく第1章を投稿することが出来ました
第1章に入りましたので、新規の方々も減ってきているのでは?と思い、一番上の注意書きを若干減らしてみました
外伝に際しまして、多くの方々にご登録、応援コメント、温かくご支援してくださるお言葉を数多く頂戴致しまして
これに奢る事のないように、これからも頑張って更新し完結させようと誓っております
最初は2話に分けて掲載予定でしたが、前ページを見て確認する方法も面倒かな・・・
と思いまして”1話形式”で視点を上下で分けてみましたが
改頁を使っておられる方には、余り意味がない方法かな・・・と思われます(ショボボン(´;ω;`)
序章の最後の黄巾賊が発生した後から、5年の歳月を流しました
これには”理由”もちゃんとあるのですが、その”種明かし”は、もうすこし後になるかと思います
後、年齢の件をご確認なされる方々が、多数いらっしゃった事もあり、この度はちゃんと先に掲載しておきました
ホント申し訳ありませんでした 年齢的に序章より、違和感を感じられないお年頃になったのでは?と思われます
明かせない方々に関しましては、永遠の17歳的措置でお願い致します(ぉぃ
もし何かございましたなら、気軽にコメント戴けますと有り難く存じます(辛口コメントでも、何でも結構ですのでホント・・・)
また最初にも申しましたが、”お気に入り登録”が急激に増えちゃいまして・・・(ほぼ倍増・・・)
なんだか強制催促してしまった感が・・・歪めません
外伝読んで戴きました皆様には、すでにお判りかと思いますが、ホントに”特典”ですからね?
と登録してくださった皆様に、今更言っても解除出来る筈もないので、後の祭りなのですが・・・ホントに申し訳ありません
登録してくださった皆様には、今後もご満足して戴けますよう、これからも外伝(特典)を含めました作品を投稿して参る所存です
これからも応援&ご支援よろしくお願い致します
最近、”あとがき”がまたもや・・・長くなりがちかったので(*´Д`)スッキリって感じで短くしてみました
この度のあとがきは以上で それでは 皆様 また次回更新時にお会いしましょうね〜( ´ ▽ ` )ノ
説明 | ||
常連の皆様こんばんは&初めまして 雪月です この作品は『真・恋姫†無双』・『恋姫†無双』の2次創作となっております 主人公は『北郷 一刀』 メインヒロインは『雪蓮』と『蓮華』でお送りしております ※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を 更新に関しましては”一週間に一投稿”を目標に 遅くなるようでしたら、その都度掲載してお知らせする事に致します ようやく序章を終え、第1章 黄巾編を迎える事と相成りました 没落した孫呉の運命やいかに・・・という処でしょうか 真・恋姫†無双 〜孫呉千年の大計〜 第1章 1話『蒼天已死 黄天當立』開幕となります これからも作品共々、よろしくお願い致します ※猶、オリジナル武将に関する人物紹介は下記に用意してございます |
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コメント | ||
遅くても全然構いませんので、お気軽にコメントして戴けますとありがたく存じます 引き続きコメントカキコ募集しておりますので、よろしくお願いいたします m(o・ω・o)m(雪月) >レイブン様 なるほどぉ〜(*・`Д´・)φ,,,,,,,,カキカキ 成長に疑問符があるのは・・・雪蓮さんだからですか?(違(雪月) >バズズ様 かずピーのチート部分はもう少しお待ち戴けたならお見せできるかも!? 成長に関しては身体も大人に(あ >ぱちしえ様 猫語翻訳?に時間がかかっておりまして・・・公開にはもうしばらくお待ちを(マテ(雪月) >りよう様 ありがとうございます お気軽にコメントしてくださいね 強制じゃありませんので(*´∇`*) >ハーデス様 お待たせしまして申し訳ありません 呉勢序盤は影が薄いかもですが・・・後半はキット大丈夫なはず(ぇ 外伝の感想もわざわざありがとうございました(雪月) >りよう様 ハーデス様 バズズ様 ぱちしえ様 レイブン様 来訪コメントありがとうございます(雪月) 雪蓮は好い意味でも悪い意味でも成長?してるな(レイブン) いよいよ本編突入なのですね、これからも頑張ってください。本編の続きも期待ですが”SD猫化雪蓮さん”と元ボス猫との死闘も期待してます♪(ぱちしえ) かずピーの成長っぷりに期待! チート?大好物ですよ(バズズ) やっと本編?に突入って感じですね。今回は雪蓮と緋蓮しかでてきませんでしたが、今後の一刀君の活躍に期待です。付け加えて、外伝に関してはコメできませんでしたが、読んでて切なくなってしまいますた。(ハーデス) 更新待ってました(*^^*)コメはしてなかったけど読んでます(^q^)次も期待♪(りよう) |
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