SAO〜黒を冠する戦士たち〜 第百六十五技 復讐の鬼姫
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第百六十五技 復讐の鬼姫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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デモントSide

 

な、なんなんだよ、あのガキは!?

 

あそこまで強ぇなんて、聞いてねぇぞ!?

 

とにかく、追いかけては来てねぇみたいだ。一旦、落ち着かねぇと…。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……はぁ〜…ホントに、なんなんだよ、あのガキは…」

 

落ち着いたお陰で思考がまともになってきた。

 

≪転移結晶≫を使って、とっととこの場所からおさらばしちまおう。

 

警備が薄い村にでも行って、そこから安全エリアのあるフィールドに隠れよう。

 

ウインドウを開いて、アイテムストレージから転移結晶を取り出した。

 

「転移『「(ひゅんっ、ぐさっ!)」ぐぁっ!?」

 

いきなり俺の手に『フライングピック』が飛んできてそのまま突き刺さり、結晶は弾き飛ばされた。

 

「ようやく、見つけたわ…」

 

「なっ、誰だ!?」

 

手に刺さったピックを抜き取り、声が聞こえた方を向くと、灰色の髪に黒い軽甲冑に身を包んだ女が居た。

 

コイツ、黒衣衆の!?

 

「【黒の戦姫】、カノン…!?」

 

デモントSide Out

 

 

 

カノンSide

 

ようやく、ようやくこの時が来た……あたしの復讐の時が…。

 

まさかこの世界で鬼船を見つけることができるだなんて思いもしなかった。

 

ついさっき偶然にもキリト君が奴の名前を発してくれたお陰で、こうやって機会が巡ってきたのだ。

 

「な、なんでお前がっ!?」

 

「キリト君に代わってもらったのよ。PoHとの因縁もあるし、((決着|ケリ))をつけたいはずだもの……でも、

 今のあたしにはそれでさえ、どうでもいいと思ってしまう…」

 

「何の話だ!?」

 

そう、分からないのね、この男は…あたしのことが。

 

「アナタはね、あたしの大切な人を殺したのよ……だから、その復讐…」

 

「っ、なるほどな…だが、俺は黒衣衆の関係者には手を出しちゃあいないぜ…」

 

本当に気が付いていないのね。

 

「それはそうよ。なんせ現実世界の事で、八年前の話しだもの…」

 

「なんだと、八年前? っ、テメェあの時のクソガキか!? 生きてやがったのか!?」

 

「ようやく思い出してくれたのね…。まぁ、八年前の事で、それにあたしは小学生だったもの。

 でもね、あたしはアナタの、いえお前の事を一度たりとも忘れたことはないわ。

 あたしの背中に一生消えない傷を負わせたのは構わない…だけど、

 あたしの目の前で((霞音|かのん))兄さんを殺したお前を、絶対に許しはしない!」

 

『ヴァントゥール』を抜き放ち、その手に力を込める。

 

「幸いここには人も居ない、だから名乗らせてもらうわね。我、狩りし者を狩る者『((狩人の騎士|ナイト))』((也|なり))」

 

「な…ん、だと…」

 

驚愕と恐怖の表情を浮かべるデモントに、あたしは一気に距離を詰めた。

 

そして自らの細剣で斬りかかる。それを奴は必死に回避し、武器である双剣を取り出した。

 

だけど、そんなもの関係ない。

 

「ハァァァァァ!!!」

 

「ちょ、ま、待てよ!?」

 

命乞いをするようにほざくデモントに対して、あたしは剣を振るう手を決して緩めない。

 

自身が持てる最高の速さで突きを行い、最高の力で斬りつける。

 

《索敵》スキルによって、奴のHPバーがみるみると減っていくのがよく分かる。

 

「ま、待ってくれ!? ホントに、待って…!?」

 

「黙れ!」

 

―――ギギィンッ!

 

「ぎゃっ!?」

 

あたしは細剣で奴の双剣を弾き、

 

その隙をソードスキル《ストライクリニア》による溜めの一撃を放って、武器を遠くまで弾き飛ばした。

 

そこに回し蹴りを叩き込んだ。奴は地面に倒れ込む。

 

「た、頼むから、待ってくれ!? あ、あん時の事なら謝るから!? なんでもするからさ、頼むよ!」

 

「なんでも?」

 

「あ、ああ! 俺がユニークスキル、《双剣》を持っているのは知ってるだろ? 前線で役に立つ、だから、な…?」

 

なるほど、そういうこと…。これならばまだ……トップスリーの三人の方がマシな人間ね。

 

「それなら、死んで…」

 

「ぇ、ひっ!?」

 

「PoHやザザ、ジョニーなら命懸けで抵抗し、せめて道連れにするような気概は見せるわ。

 または、逃げるけどね…あいつらは命乞いなんて真似だけはしない」

 

そう、いくら殺しを好むとはいえ奴らは楽しむために己の命まで賭けるような人間だ。

 

コイツみたいに命乞いなんかしない。

 

「まぁ、そんなことを言ったところであたしは最初からお前を見逃す気はないし、

 早く復讐を成し遂げて、この人生とも別れたいの…」

 

あたしは再びヴァントゥールを構えて、スキル《フラッシングペネトレイター》を使用し、デモントの体を貫いた。

 

「ごはっ!? ん、の…人殺し、が…」

 

「今更ね…あたしは、『狩人』だもの…」

 

細剣がデモントの体を貫き、そのままHPが0になった……その時、

 

「カノンッ!」

 

「っ、……ぁ」

 

あたしを呼ぶ声が聞こえ、その方向に振り向く。そこには…、

 

「クライン、さん……」

 

あたしが好きになった人である、クラインさんが居た。

 

「くひ、ぎゃははははは! これでお前もおしまいだな! あひゃひゃひゃひゃひゃ!」

 

―――パキャァァァァァンッ!

 

最後にそう叫び声を上げて、((鬼船久|デモント))は永遠に世界からログアウトした。

 

あたしの中に残ったのは、復讐をやり遂げた達成感などではなく、

好きになった人にこの現場を見られたことへの、後悔と絶望感だけだった。

 

カノンSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

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オリジナルスキル説明

 

ソードスキル《ストライクリニア》

細剣のスキル。少しの溜めを行い、直後に高速の突きを放つ。

 

 

 

 

 

後書きです。

 

デモント乙っした〜www

 

というわけで、カノンは自身の復讐を果たすことに成功しました・・・が。

 

その現場をクラインに見られましたね・・・。

 

二人がどうするかは、次回からで。

 

それでは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
第百六十五話です。
逃げるデモントの後を追うカノン、果たして・・・。

どぞ・・・。
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コメント
音の葉様へ クラインは一途だとかなり良い男だと思いますし、原作でもキリトの良き理解者だと思っています(本郷 刃)
デモント、とり乙っしたーw。クラカノ成就して良かったです。(D.HELIOS)
アサシン様へ シリアスなんです・・・・・・(本郷 刃)
デモントgood-bye♪helloクライン・・・・・後者はシリアス・・・・・(アサシン)
遼東半島様へ 自分なりに、クラインがカッコ良く書けていると思います。(本郷 刃)
サイト様へ クラカノまでもう少しですw(本郷 刃)
原作でもたまに見せるクラインのカッコいい男気?がでるのかどうかたのしみですねw(遼東半島)
デモントさんよく分っているじゃないですかw二人のまどろっこしい関係が終わってクラカノが始まるんですねwww(サイト)
Kyogo2012様へ クラインタイミング悪いですね・・・二人のストーリー自体はすぐに終わりますが、楽しんでいただければ幸いです。(本郷 刃)
魅沙祈様へ クラインの漢の見せ所ですね、頑張ってもらいましょう。(本郷 刃)
不知火 観珪様へ 確かにクラインの器量が窺うことができますね、さてどうなるやら・・・。(本郷 刃)
クラインのタイミングの悪さ・・・・。そしてデモント乙。ここからクラインとカノンのストーリーに展開というわけかな。楽しみだな。(Kyogo2012)
ふむ…ここがクラインの漢のみせどころ?ですね〜(  ̄▽ ̄)クラインがんばっ!!(魅沙祈)
クラインはタイミングがいいのやら悪いのやら……とりま、カノンさんはクラインに泣きつけばいいと思うよ! 女の子1人くらいを抱きしめて慰めるだけの器量を持ち合わせてるはずだからさー(神余 雛)
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