IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode95 全学年トーナメントその1
そして時間は過ぎていって全学年トーナメント初日。大いに盛り上がっての開催となった。
企業や各国家の代表や一部の国のトップがやってきており、スカウトや様子見などをしていた。
今回の大会ではシード権があり、第一に隼人、第二にラウラ、第三にシャルロット、第四に一夏と言う組み合わせである。
それから一日目が終えて次の日の試合。
「二日目最初の相手が・・・まさかセシリアとはな」
と、バンシィを纏った隼人はシステムのコンソールを見ながら前を見る。
前にはブルー・ティアーズを纏ったセシリアがおり、後ろにはチームメイトがいた。
(チームの一人もセシリアと同じイギリス代表候補生。セシリアの話じゃ近々サイレント・ゼフィルスが専用機になるって言ったけど、やはり間に合わなかったか。だが、代表候補生と言うことだけはある。少し荷が重いな)
隼人はシステムのコンソールを閉じて動きの確認をする。
防衛戦時に中破したバンシィは修復されたがいくつかのパーツが損失したため背中のビットコンテナが無くなり、外装パーツが第一形態時の物に変更されている。そして右腕にはブラスタービットに改良されたアームドアーマーBSを装備しており、左腕にアームドアーマーVNを装備していた。
『さぁて!!全学年トーナメント!!二日目となりました!!』
ちなみに今大会はなぜか実況付き。実況しているのは三年生の放送部員で、将来の夢はコメディアンらしい。
『二日目最初のバトルはみなさまお待ちかね!!専用機がいるチーム同時の対決です!!』
コメディアンより実況者のほうが性に合っているんじゃないか?うん、違いない。
『そしてその専用機持ちは!イギリス代表候補生のセシリア・オルコット!!そして本大会の注目株!!世界で二番目にISを動かし、生徒会長代理である神風隼人!!』
そう言うと観客席より歓声が上がる。
『しかもこの試合は二人がこの学園で初めて戦った者同士です!!因縁に対決が今ここに始まります!!』
「専用機持ちがいるチームではわたくしたちが始めての対決になりますわね」
「あぁ。そうだな」
するとセシリアから通信が入り、隼人は返事をした。
「それにしても、不思議な物ですわね」
「何がだ?」
「隼人さんはお忘れですか?先ほど実況の方が言った通り、わたくしがこの学園に来て初めての相手は隼人さんですのよ」
「そういやそうだったな。こうしてまた戦うことになるか」
「そうですわね」
と、セシリアは手にしているランチャーを構えた。
しかしそれはいつものスターライトMK−Vでは無かった。そもそもブルー・ティアーズ自体も少し異なっていた。
手にしていたライフルは銃身が四角で長いもので、先端に銃口が上下に二つあった。銃身の根元の上部にはマガジンが搭載されていた。長さ自体もスターライトMK−V並にあった。カラーリングは青をベースに各所に白が施されていた。
ブルー・ティアーズ本体にも変更点があり、背中にはなにやらコンテナらしきものを背負っており、後ろ腰に搭載していたミサイルビットが外されて、代わりに後ろ腰から両サイドに下のほうに伸びて少し厚みがある薄いコンテナが搭載されていた。
「そういや、いつもと装備が違うな」
「えぇ。本国の方でようやくわたくしが依頼していた装備が承諾されて、完成したのですわ」
「ほぅ」
「それがこの『ブルー・ティアーズ・フィジカル』ですわ」
「なるほど(レーザーとは対照的に物理的装備メインか)」
「今回は勝たせてもらいますわよ」
「どうかな」
『さて!!これより試合開始です!!』
試合開始のブザーが鳴り響いた。
同時に隼人とセシリアが一気に高く飛び上がった。
セシリアはそのまま新武装である『スターライトMK−W』を隼人に向けて下の銃口よりレーザーを放った。
隼人はレーザーをかわすと右腕のアームドアーマーBSを展開してバレルの間にビームを発生させて放ったが、セシリアは背中に背負っているコンテナもといブースターを噴射して回避すると、非固定ユニットのビットを射出した。
(背負っているあれブースターだったのか!)
内心で驚くがすぐにスラスターを噴射してビットから放たれるレーザーを回避していくと、アームドアーマーBSをビットに向ける。
「っ!」
しかしその直後にセシリアがスターライトMK−Wを放ってきて、隼人は発射を中断して回避する。
更にそこからビットからレーザーを放ってバンシィをすれすれ過ぎた。
「やるな!」
『開始早々激しいバトルとなってきました!!オルコット選手!!ビットとライフルの連携で神風選手に隙を与えません!!』
「隙が無いわけじゃない!」
隼人はアームドアーマーBSを元の位置に戻すと右手にビームマグナムを展開してセシリアに向けて放った。
セシリアはビームをかわしてスターライトMK−Wを向けると、トリガーのスイッチを変えてトリガーを引くと、上の銃口より実弾が放たれた。
「っ!」
隼人はとっさにかわそうとしたが、その直後に弾が破裂して中から細かい散弾が放たれた。
「くっ!」
その散弾にバンシィのシールドエネルギーを削る。
「実弾も撃てるライフルか。考えたな」
隼人はマグナムをバックパックにマウントすると、再度アームドアーマーBSを展開してセシリアに接近する。
『神風選手!!オルコット選手の攻撃でたじろぐ!!ここからどう出る!!』
セシリアはスターライトMK−Wを放ちながら下がり、ビットを放つ。
「っ!」
隼人は攻撃を掻い潜り、左腕のビームトンファーを展開してビーム刃を出して振るうが、セシリアは左腕に搭載されたインターセプターを展開して攻撃を受け止める。
「さすがだな」
「どういたしまして!」
するとセシリアは隼人の周囲にビットを配置する。
「で、次にこの手か」
すると隼人は頭部のバルカンを放ってブルー・ティアーズのシールドエネルギーを削った。
「くっ!」
それによってセシリアは意識を逸らされてビットに攻撃命令を送れず、隼人はその間にスラスターを噴射して飛び出す。
「バレバレだ!」
そしてバンシィの装甲から金色の光が漏れると、装甲が展開していき、マスクが収納されて赤いツインアイが発光し、角が縦に割れて展開した。
「っ!」
セシリアはとっさにビットを非固定ユニットに戻した。
(さすがに学習はしているか。そうじゃないとな)
『おぉっと!!ここで神風選手のISが本気を出したぁ!!オルコット選手はどう出るか!!』
隼人はアームドアーマーBSを放ったが、セシリアはブースターを噴射して回避すると、両サイドアーマーのコンテナハッチを展開してそこからミサイルを放った。
隼人はミサイルをバルカンで撃ち落していくと、アームドアーマーBSを放ったが、セシリアはギリギリで避けてスターライトMK−Wをレーザーモードにしてレーザーを放った。
隼人はレーザーをかわしていくと、ブラスタービットを周囲に展開してセシリアに向けてビームを放った。
「そう来ますか!ですが!」
セシリアは非固定ユニットを前に向けてビットからレーザーを放った。
「固定砲台として使えるようになったのか。改良されているな」
隼人はそう思いながらレーザーをかわしていくと、アームドアーマーBSを収納してバックパックのマグナムを手に取るとセシリアに向けて放った。
「くっ!」
セシリアはビームをかわしてスターライトMK−Wを実弾モードにして連続で放っていく。
隼人は弾丸をかわしていき、マグナムを放つも、セシリアはブースターを噴射して下のほうに下降し回避した。
セシリアはライフルの実体弾が入っているマガジンをパージして左手に新しくマガジンを展開してライフルに装填する。
隼人はマグナムを放ち、同時併行してブラスタービットを放っていく。
そしてマグナムの五発目を放つと、隼人は器用にアームドアーマーVNの隙間の手にマガジンを展開してマグナムに装填する。
『両者共々激しい銃撃戦になりました!!これはどちらに勝機があるか!!』
「はぁぁぁぁぁぁ!!」
セシリアはスラスター全開で飛び出すと、左腕のインターセプターを再度展開して隼人に切り掛かる。
「っ!」
隼人はアームドアーマーVNを前に出して斬撃を受け止める。
「い、以外だな。お前から格闘戦を挑んでくるとは」
「これでも狙撃の腕ばかりを磨いているわけではありませんから。どの状況でも対応する。それが代表候補生として求められるものですわ!」
セシリアは隼人を押し返してインターセプターを振るうが隼人はアームドアーマーVNを前に出して防ぐ。
「いい心構えだな。だが!」
隼人は強引にセシリアを押し返すと、そのまま蹴りを入れた。
「ぐっ!」
「まだ甘い!」
その直後にアームドアーマーVNを突き出してセシリアを殴りつけた。
「ぐぅ!」
『おぉっと!!ここで神風選手渾身の一撃だぁ!!これにはオルコット選手体勢を崩した!!』
隼人はそのままブラスタービットとビームマグナムを放って、ブルー・ティアーズのビットを破壊する。
「これで!」
隼人はビームトンファーを展開してセシリアに向かって跳び出した。
「掛かりましたわね」
「っ!?」
するとセシリアは不敵な笑みを浮かべる。
「ミサイルはすべて撃ち尽くしたわけではありませんわよ!!」
するとセシリアは両サイドアーマーの前面をパージしてその下のハッチを開いてそこからミサイルを放った。
「まだあったのかっ!」
そしてミサイルはすべてバンシィに直撃して爆発した。
「ぐっ!」
しかし爆風と衝撃でセシリアも無事では済まずに吹き飛ばされた。
『神風選手!!オルコット選手の捨て身の戦法が炸裂!!これは手痛いぞ!!』
(・・・少し無茶をしましたわね)
セシリアはスターライトMK−Wを構えて、両サイドアーマーをパージする。
「ですが、これなら――――」
しかし煙が晴れると、そこには多少焦げてはいたが、バンシィの姿があった。
「っ!」
セシリアは目を見開いて驚く。
『な、なんと!!あの攻撃に神風選手耐えました!!いや、よく見たら持っていたはずのライフルがありません!!』
「さすがに驚いたな。セシリアがまさかそんな捨て身の戦法で来るとはな」
すると手にしていたはずのマグナムが無かった。
「だが、とっさにマグナムを投げて爆破したのが、功を奏したな。あのまま直撃を受けていたら、さすがのバンシィも危ないところだった」
「ま、まさか・・・瞬時にそれをやってのけた、と?」
「あぁ」
「・・・・」
「一気に決めさせてもらうぞ」
隼人はバックパックからビームサーベルを抜き放ち、セシリアに向かって飛ぶ。
「くっ!」
セシリアはインターセプターを振るうが、そのまま隼人に弾かれると、隼人は一気に飛び出してビームサーベルを振り下ろした。
「っ!」
そして隼人がセシリアを通り過ぎた瞬間に、ブルー・ティアーズのシールドエネルギーが尽きた。
『決まったぁぁぁぁぁ!!!オルコット選手善戦するも神風選手に敗れた!!よって勝者は・・・神風選手となりました!!』
そうして試合が終わり、観客席より歓声が上がる。
「また・・・負けましたわ」
セシリアはピットの方に戻るとため息を付く。
「わたくしが強くなっても、隼人さんも強くなっている。敵う筈もありませんわ」
『そうとも言えないぞ、セシリア』
すると隼人より通信が入った。
「隼人さん」
『あの時より巧みな戦法を使うようになったな』
「・・・・」
『まさかあんな捨て身の戦法を繰り出すとは思ってなかったがな』
「とっさに思いついた戦法ですわ。多少の無茶は通すもの。隼人さんがよく言いますよね」
『そうだな。しかし、本当に強くなったな』
「そ、そうですか!?」
セシリアは頬を赤らめて驚く。
『少なくとも、当時よりな』
「隼人さん」
『まぁ負けたことは気にするな。これも経験の一つさ』
「そうですね。優勝目指して頑張って下さい」
『優勝か。それはどうかな』
と、隼人は気になる発言をして通信を切った。
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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