なんか神の不手際で転生するらしい |
「やはり・・・・星の主でも私を・・・」
「今のは・・・・危なかった・・」
「・・・・・しぶといな」
「そりゃどうも・・・だが今のはさすがに死を覚悟した。」
『咄嗟にイザナギを使ったのはよかったが・・・・』
そう、伸がとった行動はまだ一度も使っていない右目の写輪眼を犠牲にイザナギを発動し自身の死を夢に書き換えたのだ。
(足をやられたな・・・・刺された箇所は双天帰盾でどうにかしたが・・・・奴が治癒の時間を与えるとは言い難い・・・そして右目は使えない。後は左目・・・・と言っても神威でここに転移したから・・・・もうイザナギも、両目が無ければ意味がない須佐能乎も使えない・・・・だからこんな一発技使いたくなかったんだがな。でもやっぱもう少し鍛えておけば時速時間も伸ばせたな。)
もう少し写輪眼の使い方を鍛えておいた方がいいなと心の中で思った伸だった。
「なぜまだ立つ?その状態では満足に動くことすらできないはずだ」
「・・・・それでも、戦闘行動自体に影響はない。」
「・・・・・・・どうやら君を消すには本当に体を跡形もなく消すより他にないようだな」
「できるのか?(ゼイオン・・・・アレを使う)」
(認識した)
伸が挑発すると、突然槍の形をした魔力弾が襲い掛かる。しかし、伸はよけようとせずにそれを食らった。
「やはり、こう「まさかあの程度の攻撃で本気で死んだと思っているのか?」!?」
そこには背中に巨大な漆黒の翼を携え顔に黒い模様がついた伸の姿があった。
「なんだ・・・その姿は?」
「普段教えることはしないが・・・・まあいいか・・・・((黒翼大魔|ムルシエラゴ))・・・・・実戦で使ったのはこれが初めてだ。(まあ流石に孔は空いてないが)」
そう言いつつ伸は右手で((光の槍|フルゴール))を形成し
ヒュン――――
「!?」
一気に近づきU―Dを斬り裂く。
「ようやくまともなダメージを入れられたか・・・・」
U―Dは露出している腹部に確かに傷がついていた。だがU―Dが真に驚愕したのはそこじゃない
(・・・・速すぎる・・・完璧に目で追えなかった。)
ダメージ自体はそこまで大したものではないが今までとは比にならないスピードのせいで一気にU―Dの形勢が不利になった。大したことじゃないダメージでも蓄積していけば馬鹿にならない。しかも伸があの姿になって負傷していた足も治癒されているようだ。そしてU―Dからはダメージを与えられない。あのスピードに勝る攻撃手段を持ち合わせていないからだ。
(この形態になってもこれだけしか与えられないとは・・・これでは日が暮れるな。急がなければ管理局に眼をつけられかねん。だが・・・)
一方伸も伸で焦っていた。時間をかければかけるほど管理局が動き出して何かしてくるかもしれないという懸念があるからだ。正確にはまだ手段がないわけではないが、それをすれば確実に管理局が動くし最悪は・・・そのため伸も踏み出せずにいた。
(ク・・・・せめて、私にもう少し速さがあれば・・・・)
と、ここでU―Dの視界にあの三人のマテリアルたちが移った。そして、何かを閃いたのかヴェスパーリングで壁を作った後、その場所へと向かった。
(あれは・・・いったい何を・・・)
U―Dがその場所に近づき何かを呟いた後、突如U―Dの身体が光りだした。
「まさか・・・・させるか!!((黒虚閃|セロ・オスキュラス))!!!」
伸は赤く縁どられた漆黒の砲撃を放つ、それは光の中に入って行ったが―――
「遅かったか」
そこには六枚の魂翼を背に纏った無傷のU―Dがいた。姿見た目自体は魂翼の数以外はそこまで変わっていないが―――
「(魔力の量と質が桁違いだな)・・・何をした?」
「我ら四人は元々闇の書の闇のさらに深くにいた存在・・・・それが四つに分離したのが私と蒐集の際のデータをもとに創りだされたあの三人のマテリアルだ。分離できるのなら一つになるのもたやすい。」
そう、U―Dがとった策はマテリアルであるあの三人を取り込むという手段だ。
「最も分離させたのはアイツだが・・・・」
「?」
アイツという言葉に引っかかりを感じたが伸は目の前のことに集中しようとU―Dを見据えようとしたが―――
「(いない!?) どこに―――がぁ!?」
突如伸の背中から強い衝撃が入る。振り返るとそこにU―Dがおり
「ルシフェリオンブレイカー」
さらに追撃で魂翼から炎熱変換された砲撃が襲い掛かる。それを黒虚閃で相殺するも――
「光翼斬――――ジャガーノート」
さらに追撃の魔力刃と広域魔法を与えてくる。その攻撃の波に伸は飲み込まれる。
「・・・・・しぶとい」
「(神威を使わなければ死んでいた・・・危なかった・・・・)・・・そりゃどうも」
『おい、どうするんだ?スピードなら負けていないが、攻撃の出が追い付いてきているぞ。』
「だが・・・・向こうも相当消費しているらしい」
見てみるとU―Dは肩で息をしている。おそらく相当な負担がかかるのだろう。それでも、一発がなのはのディバイン以上SLB以下の砲撃だ。流石にまともに食らえば無事じゃすまない。どちらにせよ伸からすれば食らえば終わりなのだから。
「・・・・・仕方ない。ゼイオン」
『・・・・いいのか?』
「ああ、もうこの際仕方ない。今の状態じゃ勝ち目は薄い。なら使わざるを得まい」
『わかった・・・・第二号解放』
「((帰刃第二階層|レスレクシオン・セグンダ・エターパ))」
そうつぶやくと、突如黒い魔力が伸を包み込みものすごい魔力の本流が無差別に地面をえぐる。そしてその魔力が晴れた場所には――――
「なんだその姿は・・・・その魔力は・・・」
黒い翼に長い二本角、鋭い四肢の爪、黒い体毛に覆われた両腕と下半身に尻尾を生やし眼球が黒い伸がいた。その姿はまさに悪魔の化身を思わせる姿をしていた。
(なんだあの姿は・・・・レアスキル?いやそもそも融合事故以外で魔導師があんな姿をする魔法なんて聞いたことが無い。それにこの魔力はなんだ?人間が放つ魔力じゃない・・・コイツ本当に人間なのか?コイツはまるで―――)
「できればこれは使いたくはなかった。今の俺がこれを使うには最低でも封印術式を二つ解除しなくては使えないからだ。俺はあまり目立つ行為は本来好きじゃないのでね。だから―――」
一呼吸おいて伸は言い放つ
「次で決めるぞ。お前も、そう長くは持つまい。」
「・・・・いいだろう。」
そう言って、二人はお互いに今の自分が放てる最強の技を作り出す。
「ランサ・デル」
「エンシェント」
((一人|伸))はより槍の形をした光り輝く槍をつくりだし
そう言って((一人|U―D))は禍々しい巨大な槍を
「レランパーゴ!!」
「マトリクス!!」
掛け声とともにそれを投げだした。
一瞬の静寂と共に二つの槍がぶつかり合い轟音と共に素様じいまでの大爆発を起こし巨大な光柱を出現させる。それは二人を飲み込み、マテリアルたちが造りだした結界すらをも破壊する。
「く・・・・(私の防御ならこれくらいの余波は耐えられる。これを耐えれば――――)」
そして光が徐々におさまって行く。U−Dは勝利を確信した。
「ハアハア・・・これで・・・・奴は」
―――――パァン
その時、不釣り合いな甲高い音が鳴り響いた。
「あ――――」
U―Dが気付いた時には、U―Dの胸の部分が白い光に貫かれていた。
「な―――どこから・・・」
「((永遠結晶|エグザミア))強制停止ワクチンプログラム」
「な!?」
声をしたほうを見るとそこには元の姿に戻った伸がいた。違う所は右手に一丁の銃を持ち――――
それ以外の四肢が引き千切れていることだけだ
「・・・・・なぜだ。そこまでしたなぜ私を止めようとする?」
「――――ユーリ・エーベルヴァイン」
「それは・・・・」
「このプログラムは星天の書に元からくわえられていた機能だった。そして止めてほしい者の名も書かれていた」
「な―――」
「つまり、お前を助けたかったんだよ。お前を創りこれを創ったお前の創造主は・・・・だから俺はお前を助ける。それが星天の書が創った奴の遺した願いだからな。それに今のお前を本気で殺そうとするならこの次元世界が消える。」
その直後、ユーリの体が白い光に包まれ、体中から青白い炎が出る
「ああああああああ!!!!」
銃に込められた、星天の書が作り出したエグザミア強制停止ワクチンプログラム。それを打ち込んだことによりユーリはすでに力を満足に使えない状態だった。
「機能・・・・・エグザミア強制停止・・・私は・・・壊れたのでしょうか・・・・?」
ユーリは力なくただ静かに落ちていく
「何も見えない・・・・何も聞こえない・・・・とても・・・・・静かで・・・・・」
だがその直後に落下が止まる。見ると、ユーリの体を首根っこで掴んでいる伸がいた
「悪いが・・・・・・・・今から死ぬみたいな言葉を言わないでくれないか・・・・・まだ死んでもらっては困るんだよ。俺の努力が全て台無しになるだろう・・・・まあ、でも・・・・・・・俺もお前も・・・今は休息が必要だな・・・・・」
伸はそう言うと腰に付けてあった修練の門のARMを発動し中に入って行った。
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第三十一話:悪魔降臨 | ||
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誤字発見です。 星天の書が創った奴→星天の書を(神薙) | ||
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