バカとテストと召喚獣 五つの鎧を持つもの 第四話 |
ピピピっと目覚まし時計のアラームが鳴り響く。鋼牙は布団から身体を起こし目覚まし時計を止めた。
「・・・・・・・朝か。」
「鋼牙、オハヨウ。」
「おはよう、ザルバ。」
鋼牙は指輪立てに置いてあるザルバに朝の挨拶をする。
「今日モ試召戦争ダ。油断スンナヨ。」
「ああ。だが相手がBクラスだからな。」
「ナニカ問題デモアンノカ?」
「いや、Bクラス自体は問題ではない。だが・・・・・」
「ダガ?」
「代表の根元が問題なんだ。」
「確カソイツハ・・・カンニングノ疑イヤ、卑劣ナ手デ攻撃シテクルッテ話シダッタヨナ。」
「ああ。万一のことも想定した方がいい。」
「マア大丈夫ダロ。ナンテッタッテオ前ハ『魔戎騎士』ナンダカラナ。」
「だがいくら何でもそれはやりすぎだと思うんだがな。いくら昔から文月学園があるとは言えどなあ・・・・」
「召還獣ガ人デハナイ姿ヲシテイテコンピューターノ中ガ人間ノ想像ヲハルカニ凌駕スル世界ダカラ『魔戎』ト名ヲ付け、ソノシステムヲ利用シタ者ヲ『魔戎騎士』ッテ言う様ニナッタンダ。文句ガアンナラ昔ノ学園長ニ言ウンダナ。」
「まあな。カヲルさんはそれをさらにややこしくしてるんだけどな。」
「確カニナ。」
文月学園Fクラス教室内。Fクラスの皆は昨日の試召戦争により被害を受けたため補充試験を行っていた。今は丁度四時限めが終わったところである。
「ふう、疲れたのじゃ。」
「・・・・・・・・・同じく。」
「まあ連続してテストを受けるのは流石にきついからな。」
「ホント。うちも疲れたわよ。特に国語が。」
雄二、秀吉、土屋、島田の四人はテスト終了と同時に弱音を吐いていた。
「皆さんお疲れ様です。」
「おう。」
「お疲れなのじゃ。」
「・・・・・お疲れ。」
「お疲れ、瑞希。どうだった、テストの方は?」
「はい。だいぶ出来ました。」
「そっか。あれ!冴島は?」
「そういや見ておらんのう。」
「・・・・・・俺も。」
「俺もだ。」
「そういえば見ていませんね。」
雄二たちは教室を見渡すがどこにも鋼牙の姿はない。
「まあどうせトイレにでも行ってんだろ。」
「そうかもしれんのう。」
「じゃあ今のうちにお弁当を。」
「「「!!!」」」
雄二、秀吉、土屋に悪寒が走った。
(どうするのじゃ!)
(この状況で逃げようとすれば姫路の心を傷つけてしまう!)
(ここは・・・・)
三人はアイコンタクトで結論を決めた。
『死のう!』
「そ、そうだな。今のうちに食っちまおうぜ。」
「そ、そうじゃな。」
「・・・・・・・・・・・・・賛成。」
「あんたたち汗すごいことになってんけど大丈夫?」
島田が雄二たちに尋ねてきたが雄二が「少し暑いからな。」と言って誤魔化した。
「ふ〜ん。じゃあ屋上で食べましょ。」
「さ、賛成じゃ。」
五人は屋上へ向かった。
同文月学園屋上。
「鋼牙、テストハドウダッタ?」
「だいぶ点数が取れたから心配は要らない。」
「サスガダナ。伊達ニ『騎士』ノ称号ハ持ッテイナイナ。」
「当たり前だ。『騎士』の称号はただ力があればいい話しではないからな。」
鋼牙の言うとおりであった。『騎士』の称号は力だけではなく学力も必要であるからであある。『騎士』の称号は実力と学力を評価され、その器にふさわしい称号が与えられる。
その時扉が開く音が響いた。鋼牙は後ろを振り向くとそこには姫路、雄二、美波、秀吉、土屋の五人の姿があった。
「さ、冴島君!」
「ここにいたのか!」
「どこにいるか少しばかり探したぞい。」
「・・・・・・・・・聞いていいか?」
「なんだ、土屋。」
「さっき誰と話していた。」
「・・・・・・何のことだ?」
「とぼけても無駄だ。さっきお前以外の声が聞こえた。話の内容はともかくお前が誰と話していたかだけを聞きたい。」
「・・・・・・どうやって聞いた・・・」
「・・・・・盗聴器を使って・・・」
「ソラ犯罪ダロ!」
ザルバ叫んだことで皆の時間が止まった。
「・・・・・・・・なあ鋼牙。今なんか変な声しなかったか?」
「・・・・・・・・・わしにも聞こえたぞ。」
「・・・・・・・・・・同じく。」
「ふ、腹話術か何かですか?」
「で、でも今の声明らかに叫んでいたわよね。」
「・・・・・・・・・・ザルバ・・・・・・・」
「スマン、鋼牙。ツイナ。」
鋼牙はため息を一息ついた。鋼牙は皆に左手を突き出した。
「こいつだ。」
「・・・・・・・・・・・鋼牙、病院紹介してやる。」
「オイオイ、コイツハ大丈夫ダゼ。」
「「「「「・・・・・・・・・・え?」」」」」
「自己紹介ハ始メテダナ。オレノ名ハザルバ。ヨロシクナ。」
「「「「「エ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!」」」」」
耳に痛いほどの声が鋼牙とザルバの耳に入ってきた。
「ど、どうなってんだ!」
「ま、まったく持ってわからんのじゃ!」
「一体どういう仕組みで動いている!」
「sein einer, welche Art von, das Verschworen--? . oder dieses, der Traum? -- das, was irgendwie innen nicht versteht!(それ一体どういう仕組み?てかこれは夢?何がなんだかうちはわからない!)」
「す、すごいです!」
「落ち着け。こいつはザルバ。家に代々冴島家に授かられた指輪だ。正直、俺も最初の頃は驚かされた。」
「そ、そう・・・・・」
「あの時聞こえた不思議な声の謎が今わかりました。」
「スマナイナ驚カセテ。」
「まったくだ。あれほど人前では喋るなと言っておいたのに。」
「ツイナ。マアコンナヤツダガ仲良クシテクレ。」
ザルバの言葉に皆は答えた。
「ところで鋼牙。!」
「なんだ雄二?」
「お前は昼食ったか?」
「ソウイヤマダダッタナ、鋼牙。」
「それなら一緒に食べるのじゃ、鋼牙。」
「別に構わんが。」
「そ、それじゃあ皆でお弁当を食べましょう。」
姫路が手をポンッと叩く。
姫路は座りお弁当を開く。いかにもおいしそうなお弁当。
(見た目はおいしそうじゃな。)
(ああ。だが油断するな。)
(・・・・・・・・後が怖い!)
「あっ!」
「どうした島田?」
「うち教室に水筒忘れたんだった。取ってくるね。」
そう言って島田は屋上の扉を開けて教室へ向かった。
「美味そうだな。」
「はい!冴島君に言われたとおりお母さんに聞いたところカリウムやセシウムや塩酸は入れないってことがホントでした。ですから一般調味料を使って作ってきました。」
その言葉に雄二たちは少し内心でホッとした。
(よし!ナイスだ鋼牙!)
(・・・・安心するのはまだ早い。)
(調味料も入れようによっては不味くなるからのう。)
「いただきます。」
鋼牙は両手をあわせ合掌し、箸を手に取りポテトサラダを口へ運ぶ。
「・・・・・どうですか・・・お味の方は?」
「・・・美味い。」
「!ほ、本当ですか!」
「嘘は言わない。」
「ソウダゼ。コイツハ嘘ヲツクノガ苦手ナンダ。」
雄二たちも続いて姫路の作った弁当を口にする。
「おお!」
「これはなかなか!」
「・・・・・美味い!」
「お口に合って嬉しいです!」
しばらくして島田も戻ってきて昼食は少し和んで終わった。
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オ前ラ、オ母サンガ作ッテクレタ弁当ハ好キカ?オレハアリガタイトオモウゼ! | ||
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