北郷一刀争奪戦勃発? |
ある晴れた日の建業での事
その日、北郷一刀は久々の休日の朝のためか惰眠を貪っていた。
「にゅふふ〜、か〜ずと♪」
「う〜ん・・・・」
「まだ寝てるんだ・・・そうだ♪一緒に寝ちゃおう」
そのまま、小蓮(しゃおれん)は寝台に上るとそのまま布団の中に入り、一緒に寝始めた。
「一刀、暖かい・・・・・・」
「ん・・・あぁ・・・久々によく寝たなぁ」
体の上に何か柔らかい感触がする。
「ん?なんだ?この膨らみは」
布団をめくると、そこには丸くなって寝ている小蓮の姿があった。
「しゃ、シャオ!なんでこんな所に寝てるんだ!」
「ん〜?かずと・・・おはよう」
「おはようじゃなくて!なんで俺の部屋にいるの」
「だって、遊びに行こうと思って誘いに来たら、気持ち良さそうに寝てたから一緒にって」
「・・・悪いけど、今日は蓮華(れんふぁ)と市に買い物に行くことになってるんだ」
その話をしていると、扉がノックされた。
「一刀?まだ寝ているの?」
その言葉の後に扉を開けた蓮華の動きはその場で止まった。
「ど、どどうして、どうして小蓮がここにいるの!」
「ん?私が一刀を遊びに誘いに来たんだよ」
「じゃあ、何で一刀の上に乗っているの!」
「一刀が気持ちよさそうに寝てたから一緒に寝てただけだよ?」
話している間も、一向に一刀の上から全く降りようとしない。
「一刀の上から早く降りなさい!」
「ん〜♪ヤ・キ・モ・チ?」
「そ、そんなこと・・・・・!」
すでに、当の本人は蚊帳の外である。
「シャオ、そろそろどいてくれないか?便所に行きたいんだが」
「あ、ごめ〜ん」
その言葉に反応して、のろのろと一刀の上から降りると、寝台に座った。
「小蓮、今日、一刀は、私と、市に買い物に行くんだ、小蓮は留守番だ」
ところどころを強調して言い、特に私というところを強調していた。
「ぶ〜私も付いて行っていいじゃない!」
「そんな事、許さないわ!」
「どうして!」
「一刀と市に行く約束をして、ようやく取れた休みだ!二人で居させてくれても、いいでしょ!」
「なぁに!二人でこそこそと逢引してたの!」
「こそこそなどしていない!」
「じゃあ、いつしてたのよ!」
「それは・・・・・その・・・・・・私と一刀の仕事が終わってから」
最後のほうは聞き取れないほど声が小さくなっていた。
「夜・・・ってことは・・・・・・・!」
その時、乱暴に扉が開かれた。
「北郷!おらんのか?」
扉から入ってきたのは祭(さい)だった。
「ん?蓮華様に小蓮様、二人揃ってどうなさいました?」
「祭、あなた仕事は?」
「仕事?あぁ、今日の分は昨日のうちに片づけてしまった、北郷が休みと聞いたのでな、久々に稽古をつけてやろうかと思いまして」
手に持っている二振りの訓練用の剣を見せる。
「祭までも、私の邪魔をする気か?」
「なんのことやらわかりませぬが、つい先日、北郷に次の休みに稽古をつけてやると言っておいたはずですが?」
先ほどまで二人が言い争っていたのを知らないため、理由を述べた祭、それを聞き蓮華の機嫌はさらに悪くなっていた。
「一刀さ〜ん」
独特の間延びした声はこの宮廷に一人しかいない。
「あれ〜?三人そろってどうしたんですか?」
「穏(のん)まで・・・・・」
「え?蓮華様?」
「のう、穏よ、お主も北郷に用があってきたのか?」
「はい〜、今日はお勉強しようと思いまして」
その言葉道理に、隠の手には数冊の書物が確認できた。
「穏まで・・・もしかして・・・・・」
その悪い予感は見事に的中した。
「一刀様・・・・・・っ!み、皆さん、お、お揃いで・・・・ど、どどうなさいましたか?」
「亞莎まで・・・・・もしかして」
「お、お休みの時に、一緒にゴマ団子を作ろうと約束をしていたのですが・・・・」
「ゴマ団子とな?ほう・・・・・北郷は料理ができるのか?」
「い、いえ、二人で一緒に参考書を見ながら」
袖で顔を隠しながら話している亞莎、少しだけ見える顔は真っ赤に染まっている。
「で、いつまでそこにいるつもりじゃ?明命(みんめい)に思春(ししゅん)よ」
その言葉で、外にいたのであろう二人が入ってきた。
「二人とも何か一刀と予定があったのか?」
「い、いえ・・・私は・・・・」
「思春」
「蓮華様、きょ、今日は水軍の演習をみて、北郷の意見を聞こうと思いまして」
「わ、私は・・・・・・いつでもできますから」
「明命、遠慮しなくていいのよ」
もう吹っ切れたのか、蓮華は微笑んでいる。
「今日は一緒にお猫様のところに行こうかと…」
「全く、気の多すぎる奴じゃ」
全員が肯定するように溜息をついた。
「ん?みんな揃ってどうかしたのか?」
ようやく、問題の人物が部屋へと帰ってきた。
「一刀!行くわよ!」
機会がこれしかないと思ったのか、蓮華が一刀の腕を引いて部屋を出て行こうとしたが、一刀の空いている腕を祭がつかんでいた、二人の間で綱引きが始まった。
「祭!離して!」
「こればかりは、いくら蓮華とはいえ譲れません!」
「なぜだ!私にとっては大事な買い物なのだ!」
「ほう・・・・・それでは、私たちのはそこまで大事ではないとおっしゃるのか?」
「そ、そういうわけではないのだが・・・・」
話している間も、二人は一向に一刀を離すそぶりを見せない、それどころかそれぞれの者が至る所に抱きついている。
「一刀!」
「かずと〜!」
「北郷!」
「北郷」
「かずと様〜」
「一刀様・・・」
「一刀様!」
すでに身動きをとれるような格好ではない、さらには祭が羽交い絞めにしている。
「祭さん、胸が!胸が当たってる!」
「ん?おぉ、そうかそうかじっくり楽しんでくれ」
背中に胸をさらに押しつけてくる。
「もう埒が明かないわ、一刀、今日は誰と過ごすの?」
その一言で、一瞬にして場が静かになった。
「む・・・・・みんなが俺のために頑張って、仕事を終わらせてくれてたなら・・・・だれか選べるわけがないじゃないか」
『はぁ〜』
思わず全員の口からため息が漏れた。
「一刀らしいわ、でも、みんな相手をしてよね?」
その後、一日変わりで一刀は一人一人ちゃんと相手をしたという、もちろん閨もである。
説明 | ||
呉軍EDのエピローグの前の話と思って作りました。 | ||
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コメント | ||
とりあえず変わってください!!!!(萌香) やきもちいいなぁ〜(コウガ) とりあえず一刀俺と変われと(アーバイン) 自重しろ一刀ww(jun) 結局は全員とか・・・なんとうらやましきことよ(ブックマン) 一刀!自重しろーーーー!(キーパー) ・・・・・・・・・・・・一刀・・・・・殺っちゃっていい?(ビスカス) 一刀・・・俺と変われ・・・(猫神) ファビアンさんに同意だぞと(MiTi) できれば雪蓮と冥琳バ−ジョンもみてみたいぞと(ファビアン) |
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