ギルティ&ペナルティ
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ギルティ&ペナルティ

 

 

01:つかみはオッケー

 

善「一人でお弁当を食べる、家に帰る、日々を過ごす!」

 

善「そんな悪い子は、汐ちゃんが、「ウシオキ」だ!」

 

阿「…………」

 

善「……どうかな?」

 

阿「何が」

 

善「自己紹介を兼ねたつかみのネタ」

 

阿「……誕生日のプレゼントにたけしの挑戦状をねだるくらいには成功じゃないか?」

 

善「全力の失敗判定された!」

 

 

 

02:善場 汐(17)

 

阿「で、なんだその「うしおき」ってな」

 

善「汐ちゃんの、お仕置き。略して、「ウシオキ」!」

 

阿「……あー」

 

善「解説を聞いた上で、どうかなこれ?」

 

阿「翌年のプレゼントにほしをみるひとを頼むくらいには成功じゃないか?」

 

善「失敗から学んでない!」

 

 

 

03:阿久津 つみき(17)

 

善「つみきちゃんさ、他の人とも素で接してもいいと思うんだよね」

 

阿「死ぬがよい」

 

善「死なないよ! 私に対する風当たりだけ凄まじいよ!」

 

阿「外面をよくしておいて悪い事はないだろ」

 

善「だからそういう上辺の関係は寂しいって……」

 

阿「いよいよもって死ぬがよい」

 

善「死なないもんっ!」

 

 

 

04:こういう関係

 

阿「で、その自己紹介を誰に使うつもりだったんだ?」

 

善「今度親戚の子が遊びに来るんだけど、人見知りが激しいらしくて」

 

阿「よかったじゃないか。予行演習で失敗しておいて」

 

善「あれ、もう失敗判定は覆らない感じなの?」

 

阿「そんな装備で大丈夫か、と聞きたくなるくらいにはな」

 

善「あ、もう完全にだめだそれ」

 

阿「140センチの身の丈に合った接し方が一番だと思うがな」

 

善「その言葉に具体的な数値は必要ないよつみきちゃん」

 

阿「という訳でいくつかリストアップをしておいたからここから選べ」

 

善「あれ、いつの間に?」

 

 

 

05:ぼくらのアリス

 

善「目線を合わせてゆっくり話しかけるの?」

 

阿「緊張と警戒を和らげる効果がある」

 

善「なるほどねぇ。後は子供の好きそうな話とか考えとかないと」

 

阿「「お腹が空いたなら僕をお食べよ」とか言っておけばいいだろう」

 

善「あんぱん?」

 

阿「いや、猫だ」

 

善「ホラーじゃん」

 

 

 

06:彼女の美学

 

善「ホラーはともかく、参考になったよ。ありがと」

 

阿「……む。しまった、そのリストには致命的な不備がある」

 

善「え、そうかな? どれも試す価値ありそうな事ばっかりだけど」

 

阿「リストの最後にここまで上げた私株を台無しにする一言がない」

 

善「え、それ必要?」

 

阿「これでは私がただのいい人じゃないか」

 

善「あれ、どこに問題があるの?」

 

阿「更に言うとゲームネタも入れられなかった」

 

善「時々つみきちゃんが全力で解らないよ……」

 

 

 

07:ブラッドカバー

 

善「そういえば週末はその子の誕生日なんだけどね?」

 

阿「ほう」

 

善「パーティとかしようと思ってるんだけど、つみきちゃんも来ない?」

 

阿「パーティー……」

 

善「どうかな?」

 

阿「コープス?」

 

善「ホラーじゃん」

 

 

 

08:メガブラックレーベル

 

阿「誕生日となればプレゼントくらいは送らんとな」

 

善「あ、来てくれる? てか、プレゼントも?」

 

阿「当然だ。問題は何を送るかだが……」

 

善「そうだねぇ……。女の子で、小学校上がる前だって話だから……」

 

阿「怒首領蜂とデススマイルズのどちらがいいだろうか」

 

善「つみきちゃん、聞いて。親戚の子は幼稚園児」

 

阿「……虫姫か」

 

善「やめてあげて」

 

 

 

09:「それが私の名だ」

 

善「聞いてみたけど、大きなぬいぐるみを欲しがってるみたい」

 

阿「園児の言う「大きな」と言うと、90〜100センチ程度か」

 

善「大体6千円程度のものが妥当かな」

 

阿「……ふむ」

 

善「つみきちゃん?」

 

阿「そのサイズならそこのゲーセンで千円もあれば2、3は……」

 

善「阿久津つみきお断りってまた張り紙されるよ?」

 

 

 

10:それもまた彼女の美学

 

善「結局、お店でも買ってゲームセンターでも大量に……」

 

阿「動物の指定がなかったからな。嫌いな動物でがっかりさせる訳にはいかない」

 

善「つみきちゃんって案外子供に甘い?」

 

阿「誕生日に泣きたい奴なんていないし、笑わせてやるのが祝う側の務めだ」

 

善「……そっか。そうだね」

 

阿「お前の親戚を私のようにしたくもないしな」

 

善「え、なんか言った?」

 

阿「さあな、幻聴じゃないか?」

 

善「いや言ったよ確実に。ね、もっかい言って!」

 

阿「うるさい。不眠不休で摩訶摩訶やらせるぞ」

 

善「やっぱり風当たりが凄まじい!」

 

 

とぅ びぃ こんてぃにゅー?

説明
「放課後プレイ」のような雰囲気のゲームネタ満載な4コマ漫画っぽいショートショートが書きたいと思ったので書いてみたらなんだろうこれ。冷めた女の子と軽く熱い女の子がゆるい会話を繰り広げるショートショート。よし、これで行こう。
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