神次元の外れ者(27) |
「リーンボックスの長い夜」
午後11時50分
ゲイムギョウ界上空
チータは捨て身の作戦によりわざと吹っ飛ばされ、その勢いでリーンボックスに向かっていた。
チータ
「これで何とか間に合うな・・・さて、任務が終わったら早速ナンパだ!彼女の一人や二人、出来なきゃ損って奴だ!」
嬉しそうに夢を語っていた・・・・そして、目的地が見えてきた。
彼の脳裏には、アイリスハートが追ってきた時の顔だった。その時の顔は、泣き顔だった。
まるでもう会えないような顔をしていた・・・・それが酷く焼き付いていた・・・・
それで生じた迷いを払うように、そしてしんみりした自分を奮い立たせるように、夢を語っていた。
チータ
「おっしゃ!見えてきたぜ!じゃあ降りる準備を・・・・どうするんだ?」
チータはどうやって到着するかを考えるのを忘れていた。
そもそもあの作戦は、目的地近くまで届くだろうという考えでやったのだが・・・これには誤算があった。
チータ
「って!ちょ!行き過ぎィィィィィィィィィィィ!」
イエローハートの馬鹿力を計算に入れてなかったのである。そのまま世界を一周する事になってしまった。
午前0時
リーンボックス付近・火山地帯
デバッカ
「来ないな・・・・仕方が無い。そう思って現地に来たからな。」
デバッカが聞いた神獣の報告は、午前0時に現れるというものだ。故に戦闘態勢に入っているわけである。
デバッカ
「・・・・ッ!!」
ズンッ!!
そんな時、デバッカに何かがのしかかってきた。押されてはいるが、触れられてはいない。
デバッカ
「重力か!ここ一帯の重力が跳ね上がってるのかッ!!なら・・・・・」
人神化しようとしたが、ならない。ウイルス対策はバッチリだったのだが、変身できないのだ。
その時、近くに浮遊している物体を見た時、それが原因だと瞬時に理解した。
デバッカ
「ジャマーか!!・・・・クソッ!女神対策か何かか!?」
ジャマーとは、行動を制限させる能力を持つ機能を持った装置で、アイテム、スキル、変身等を封じるためにある物だ。
そしてデバッカの近くで浮遊しているのは、変身を封じるジャマーである。
変身しているならどうにかなるが、していない今は、重力によって動けないのだ。
?????
「御名答・・・・流石は((人神|ヒトガミ))((No.000|ナンバー000))だ・・・・」
ブォォォォォンッ・・・・・・・
姿を現したのは、粒子が人の身体を成している何かだった。その中には、コアらしきものがある。
?????
「申しおくれました・・・・私はニュートン・・・以後、お見知りおきを・・・・」
ニュートンと名乗る神獣は、深々とお辞儀をした。
デバッカ
「人の名前を完全に捨てたようだな!」
ニュートン
「いかにも・・・私は人である自分を捨てました・・・・その結果がこの力とは、なんと素晴らしい事か。」
デバッカ
「神獣にもいるんだな・・・・そういうやつが・・・・・」
デバッカは、いつもより強い重力の重みに耐えて何とか立ち上がり、武器を構えた。
ニュートン
「ほぅ・・・貴方はやはり特別だったようだ・・・・しかし、私にも目的がある。故に、殺されるわけにはいかない。」
パチンッ・・・・
ニュートンは、粒子の身体の指を鳴らした。すると・・・・
ズゥゥゥゥゥンッ!!
デバッカ
「ガハァッ・・・・・・!!」
更に重力が増した。デバッカも流石に耐えきれず、地に伏した。
ニュートン
「私には夢がある・・・・貴方のその強さに敬意を表して、教えて差し上げます・・・」
午前1時40分
ゲイムギョウ界上空
チータ
「これで5週目・・・・待ってる間に夜が明けるんじゃ・・・・」
チータはまだ世界を回っていた。そして、ある賭けに出た。
まず自分の力で巨大な腕を具現化した。そして・・・
ガッ! グゥンッ!
リーンボックスにあるビルを掴んだ。幸い、あそこには大きい建物には困らなかった。
次にそのビルを利用して、具現化した腕を曲げて、無理矢理勢いの向きを変え、火山方面に自らを投げだした。
ブォンッ! ボッ!
瞬間、具現化を解除し、後は火山に突っ込むだけとなった。衝撃に備えて、チータは人神化して防御した。
ゴォォォォォォ・・・・
狙い通り、火山に突っ込む形となった。
午前2時50分
リーンボックス付近・火山地帯
デバッカは睡魔に襲われた。長々とした説明にうんざりしたのだ。
どうやら あの神獣は生前、論説をする性格だったのだろう、まだ話は続いてる。
話をまとめると、あの神獣の目標は、人類女性ロリ化計画をやる予定のようだ。
生前は学者として、リーンボックスにいたらしい。
だがそこの女神であるベールが大人びいてる事に我慢が出来ずに出て行ったらしい。
そして世の中が幼女であふれれば良いのにと思い、自ら計画に志願し、偽神となり、欲望に呑まれて今に至るようだ。
つまりは改善どころか論破、弁論の意味なしの手遅れ状態という事である。
ニュートン
「・・・・・という事だ。君には死んでもr・・・」
チータ
「ちょっと待ったァァァァァァァァァァァ!!!」
ドゴァッ! ゲシッ!
ニュートン
「オブァッ!」
スタッ・・・・
突然壁からチータが出て来て、コアらしき所にクリティカルヒットし、着地した。
チータ
「そうはいかないぜ、ロリコン野郎!俺はな、ロリは趣味じゃねぇんだよ!あんなちんちくりんにどう欲情すりゃいいんだ!」
ニュートン
「ほぉ・・・・私の前でその言葉・・・やはり貴方とは相容れない宿命ですか・・・・ならば!!」
ズゥンッ!
チータ
「グッ・・・重力操作か・・・だが人神化している今なら問題ない!」
ジャマーの範囲外で変身すれば、封じられる心配はない。図らずとも良い方向に向かっている。
ニュートン
「しかし、デバッカが行動不能の今、事実上1対1!」
チータ
「ならば行くぞ!互いの((漢|プライド))をかけて・・・・」
ニュートン
「ええ・・・・ロリコン代表と!」
チータ
「アンチロリ代表の!」
チータ&ニュートン
「「勝負だ!!」」
デバッカは思った・・・・似た者同士ではないかと・・・・
チータ
「オオオオオオオオオオッ・・・・」
ニュートン
「ハアアアアアアアアアッ・・・・」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・
二人が攻撃に備えて力を溜め始めたその時!
ゴロゴロゴロ・・・・・ドォォォォォォンッ!!!
突然、上から雷が二人を襲った。
二人は膝をつき、その頭上には、女神のような神々しい輝きを放つ魔王が降臨した・・・
デバッカ
「しびれた・・・・・あれ?動ける・・・それに、ジャマーも機能が停止している・・・」
アイリスハート
「あらぁ?・・・アナタねぇ・・・コイツが言ってた仕事のやつって・・・・」
チータ
「ッ!!!」
ニュートン
「ガ・・・・ガ・・・・ガ・・・・」
デバッカは、全てを理解した。チータが今回の任務に遅れた理由も、いつもやってたバイトの事も・・・
アイリスハート
「ごめんねぇ・・・・アナタをたおさないとぉ・・・・・コイツが言う事聞かないからぁ・・・・」
ニュートン
「ヒ・・・・ヒィッ!!!」
相手がビビリまくっている様子を見て、デバッカは心から同情した・・・・
チータは、自分に向いてない間にデバッカの所に来て、提案をした。
チータ
「・・・・・逃げるぞ・・・気付かれてない今ならまだ間に合う。」
デバッカ
「・・・・・・わかった・・・」
ダッ!
二人は、持てる体力の限り全力でダッシュした。
アイリスハート
「アタシもやりたくないけどぉ・・・・・恨むなら、アイツを恨んでねぇ・・・・・」
ニュートン
「あ・・・・あ・・・・・・ああああああっ・・・・・」
午前3時5分
リーンボックス付近・火山前
ニュートン
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
神獣、ニュートンの断末魔が聞こえた。悲惨な最期と同時に、気配の消失を確認した。
デバッカ
「任務完了。反応は完全に消えた・・・・」
デバッカは報告を終えた後、チータ共々疲労がどっと来た。
チータ
「ふあぁ〜・・・さあ、アイツがまた来る前にどっかにずらかろうゼ。もう眠いし、宿に泊まろうか・・・」
デバッカ
「こんな時にお気楽発言全開かよ・・・・・またあんなのにエンカウントされないようにまっすぐ組織に戻ろうよ・・・」
チータ
「へーきへーきだってさ・・・」
アイリスハート&チータ
「「今頃満足して眠ってるから大丈夫」」
アイリスハート
「かしらぁ・・・・?」
チータ
「そうそうそれそれって・・・・・・・・・・・・え?」
ドォォンッ!!!!
【エグゼドライブ・サンダーブレードキック】
チータ&デバッカ
「あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
バタッ・・・・・・・シュゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・
アイリスハート
「全く・・・これで眠れるわぁ。ごめんねぇ。だけどぉ、やられてる時の声、可愛かったわよぉ・・・」
デバッカにそう言ったアイリスハートは、チータの首根っこを掴んで、満足そうに飛んで帰って行った・・・・・
とばっちりを受けたデバッカは結局、火山前で眠りについた・・・・・・・・
説明 | ||
今回は長めです。 | ||
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コメント | ||
コメント感謝です!デバッカ(ビフォー)「俺、完全にとばっちり……あの後どうなったかは解らない。まあ、考えたくもない…怖いから。」(ヒノ) byZ 変身したプルルートは恐ろしい・・・なんか今回はホラーゲームでもやったような感じがした・・・(がくがくぶるぶる)( Z ハデス) |
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