IS x アギト 目覚める魂 14: VTSの覚醒
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あれから一夏は秋斗を部屋に通してシャルルの身の上を説明し、口外はしないと約束させた。その直後、部屋に大量の女子が学年別トーナメントの為のペアを組んで欲しいと突撃して来た。

 

「悪いが、俺はシャルルと組むから諦めてくれ。ごめんな。」

 

どう言う訳かそれにより鎮火、女子も約三名以外は納得して帰って行った。なお、秋斗に関しては試合にならない可能性が高いと言う事で、単独で試合に出向く事となる。

 

「ごめんね二人共。ワザワザこんな・・・・」

 

「気にしなくて良い。」

 

「そう言う事だ。俺達もちょっと訳ありだからな。そろそろ寝るか。トーナメントまでもう長くない。」

 

秋斗は部屋を出て行き、ポケットから携帯を引っ張り出して電話をかけながら自室に戻った。

 

「尾室さん。ちょっとお願いがあります。今週末、俺と友達で((外|ソッチ))に出るんですけど。G-5から何人かお借りしても良いですか?」

 

『それは別に構わないけど、何かあった?』

 

尾室隆弘は、元G3ユニットのオペレーターであり、今では氷川や一条に鍛えられた甲斐有って、その腕一つで新しく造設された部隊G-5の教官と言う座まで登り詰めた若い叩き上げである。

 

「いえ、只・・・・」

 

念の為に声を下げて早口で喋り始めた。

 

「学園の方にアンノウンが一体現れまして。週末出る時に何人か護衛を付けたいんです。アギトであると言う事が分かった人間と、その可能性が高いと言う人間を。」

 

『分かった。一条さんに何とか言ってみる。幸いと言うべきか、警察組織では女尊男卑の風潮は届かないみたいだしね。』

 

「御願いします。」

 

部屋に戻ってG4-X0とネロをトランク型のノートパソコンに接続してG3ユニットのデータベースに繋いだG4-X0のデータを送信した。

 

「さてと、大会はどれで行こうかな・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして大会当日。一夏は武装の点検をしており、シャルロットはその間一夏と特訓して会得した戦術メモを見直していた。

 

「準備、良いか?」

 

「うん。」

 

「ワザワザ遠方からよくもまあ随分と集まるもんだ。それだけ期待を寄せてるって事かねえ。まあ、何にせよ対戦相手が予想通りで良かった。後々まで残されてたら色々と面倒だからな。さっさと倒すか。あ、後さ、必要になったら武装貸してくれな?」

 

「良いよ、それ位。もう使用許可は発行してあるからね。」

 

「そりゃありがたい。」

 

右手首をスナップさせ、腕輪同士がぶつかって甲高い金属音を鳴らす。それは、試合開始のゴングだ。白式を展開し、雪片を引き抜いた。そして体中から刃が生え始める。戦闘準備は、整った。

 

「それ・・・・何・・・?」

 

「ワンオフアビリティーの一つだ。コイツは特に制限は無い。俺の闘争本能で、ISは俺に応じてくれる。俺に、相手を倒させてくれる。」

 

腕の爪が更に伸び、笑みが凶悪になり始めた。

 

「一夏、顔が恐い・・・・・」

 

「お、悪い悪い。」

 

「一夏ーーーーー!!!」

 

後ろから聞こえた叫び声に反応して振り向くと、簪が息せき切って走って来ている。

 

「おう、簪。どうした、わざわざ?」

 

「その・・・・頑張って。」

 

俯きがちに応援の言葉を贈る。

 

「また何か作ってくれるなら。」

 

「良いよ。」

 

「うっし、勝つぞ。」

 

「一夏って結構現金?」

 

「うるせえ。行くぞ。」

 

ピットからアリーナへとカタパルトで射出され、睨み合った相手は・・・・・ラウラ・ボーデヴィッヒだった。

 

「シュヴァルツェア・レーゲン・・・・万能型か。不足は無い。コイツは俺に任せろ。」

 

「一戦目で当たるとは手間が省けたな。お前だけは私の手で倒してやる。(たとえどんな手を使ってでもな・・・・)」

 

そして試合開始のブザーが鳴ると同時に、

 

「「叩き潰す!」」

 

雪片を振るって先制攻撃を仕掛けるが、ラウラが手を翳し、突如動きが止まってしまう。

 

「AICか・・・・小賢しい真似を。」

 

「試合開始直後に先制攻撃とは、予想通りだな。絵に描いたように愚かな戦術だ。所詮貴様もこのシュヴァルツェア・レーゲンの前では有象無象の一つに過ぎない。」

 

自分に向けられるレールカノンの砲口を見ても全く動じない一夏。何故なら、

 

「余所見注意。」

 

そして、突如後ろに衝撃を感じるラウラ。そこには、アサルトライフル『ヴェント』を構えたシャルルが立っている。後ろから箒が迫って来ているが、空いた手に持っている武装で弾幕を張って牽制していた。

 

「これがタッグ戦だって事、忘れないで欲しいな。」

 

((全身武装|ジェネラルアーマメント))によって体中から生えた刃がいつの間にか迫って来る事に気付くが、既に遅い。牙が、ラウラの機体を穿ち、食らいに掛かる。

 

「ワンオフ・アビリティーか・・・?!」

 

「ちょっと違う。」

 

『ワンオフアビリティー零落白夜 出力:50%に調整』

 

「ほらよっと!」

 

確実に一撃を加え、シールドエネルギーを削った。そのまま箒の相手をしているシャルルの援護に向かう。

 

「私に背中を見せるとは、やはり貴様は馬鹿だな!」

 

ワイヤーブレードが伸び、一夏と白式を襲う。だが、

 

「そんな・・・・何故だ・・・?!!何故捉え切れない!?」

 

「お前の動きが読み易いからだ。よう、箒。暫く相手してやるよ。シャルル、ブレッドスライサーを一本貸してくれ。」

 

「はい。」

 

「メルシー。ハアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーー!!!!」

 

(は、速い!そして・・・・重い!何だ、このパワーは・・・・!?強い・・・・荒々しい、が・・・・気品がある。まるで、獅子だ。)

 

刃が全て胴体に戻り、剣戟と拳、そして蹴りの嵐。それに圧倒されて成す術も無い箒。

 

「余所見すんなっつってんだろうが!はい、終わり!」

 

シャルルとのコンビネーションで完全に箒を追い詰め、最後はレイン・オブ・サタデイの名前の通り銃弾の雨を降らせてエネルギーを削り切った。

 

「((第二世代|アンティーク))風情が良くやる物だな。」

 

「量産の目処が未だに立たない((第三世代|ルーキー))には言われたくないかな。」

 

「残りはお前一人。勝つのが難しくなったね。」

 

「ふん、邪魔者がいなくなって寧ろ清々した。これで心置き無くお前を倒す事が出来る。」

 

「AICを掛けられる相手は一人だけなのにか?タイマンじゃ確かに無理ゲー並の力だけど、バックアップしてくれる人がいるなら、話は違う。この状況で勝てる事は、無理とは言わないが、確率は低い。もし勝てたら、俺を五寸刻みにするなり何なり好きにするが良いさ。」

 

そして、前に飛び出るシャルロット。重機関銃『デザートフォックス』を構え、弾幕を張るが、やはりAICによって銃弾が全て防がれてしまう。

 

「無駄だ!停止結界の前では、そんな攻撃は通用しない!」

 

再び後ろから衝撃。見ると、一夏の左手にはブレッドスライサーは無く、代わりにアサルトカノン『ガルム』が握られていた。

 

「馬鹿な・・・・?!あの一瞬で・・・・・!?」

 

 

 

 

 

 

 

「織斑君、凄いですね!」

 

「ああ。大会前、管制室で暫く見ていたのだが、デュノアの武装を一つ一つ数百発左右の手で撃っていたからな。あいつは理論よりも体で覚えるタイプだ、あれ位は当然だろう。コンビネーションも、デュノアの武装の豊富さを利用している。だが、気になる事がある。何故あそこまで正確にボーデヴィッヒの動きが分かる?」

 

興奮する山田先生に対して、千冬は落ち着いて腕組みをしながら対戦を見ていた。

 

「確かにそうですね。まるで超能力です。」

 

「馬鹿を言うな。そんな物が存在する筈が無いだろう?」

 

 

 

 

 

 

徐々に削られるシールドエネルギー。そして、前方から迫る((危機|シャルル))。

 

「イグニッションブーストだと?!」

 

「俺が教えた。飲み込みが早くて一日で覚えてくれたよ。そしてそして、お前を倒す為の必勝法、パート2。その答えは?!」

 

二人の手に持っている武器の正体に気付き、青ざめるラウラ。

 

「シールドピアース・・・・・!?」

 

「((That’s|ザッツ))((right|ライト))!」

 

そしてシールドピアース二つの攻撃を前方、後方から食らい、更にエネルギーが削られ、三桁を下回る。

 

「もう一発!」

 

「オッケー!」

 

奏でられる炸裂音の二重奏の中、ラウラの意識は朦朧とし始めた。

 

(負け、るのか・・・・?!この私が・・・・!?嫌だ・・・・・嫌だ・・・・・!)

 

『願うか?汝は変革を齎す力を求めるか?』

 

(寄越せ!私に・・・・・力を寄越せ!!!)

 

そしてシュヴァルツェア・レーゲンとラウラ・ボーデヴィッヒは、紫電に包まれた。

説明
全然変身とかアンノウンが出ない・・・・のですが、次話で出ます。
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タグ
インフィニット・ストラトス アギト 仮面ライダー 

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