現象起こしの転生者 第五十八話
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SIDE神姫

〜グラウンド〜

 

「何々!? 姫ちゃん、零君に何あったの!?」

 

宇宙からグラウンドについてすぐ、廻さんと創さんが来た。

廻さんが私の肩を持って前後に思い切り揺さぶる。

 

「まっ…待ってください廻さん!」

 

少し気持ち悪くなって廻さんを引き離す。

 

「兄さんは宇宙空間で私の元部下と戦っています。

相手は神です、無理やり自分を同ランクに上げているので…」

 

「長くはもたないし、終った後も後遺症ありと…」

 

「その通りです」

 

全員が黙る。

グラウンドには大量の生徒が集まってきた。

グラウンドに急にロケット、基宇宙船が現れたのだから当たり前でしょうが。

 

「あのままであればおそらく実戦経験の違いで兄さんの勝ちです」

 

「その後は?」

 

「おそらく『聖者の末路』で封印して神の世界に送ると思います」

 

「今の状態なら効くからってことね、

神の世界にはどうやって返すの? 世界の座標がわからないと思うんだけど」

 

「大丈夫です、我々の世界は世界線の外側ですから、

この世界から放り出すだけで大丈夫です」

 

宇宙船からほかの皆さんが出てきました。

善吉君は少し気持ち悪そうですが大丈夫でしょう。

 

「なー神姫ー」

 

創さんが頭上を見ながら言いました。

 

「なんですか?」

 

「あの二人が落ちてくるぞ」

 

「へ?」

 

爆発音と同時に後ろのロケット中断部分が粉々になる。

ロケットから降りた皆さんが吹き飛ばされ、周りの人たちにも爆風が届いた。

もうもうと立ち上った煙の中から紫の翼と赤い翼が飛び出す。

 

「兄さん!」

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

SIDE零

 

「兄さん!」

 

姫ちゃんにそう呼ばれる、ただし返す余裕はない。

斬りあい中に周りを見る余裕はない、そんなものは漫画だけだ。

 

「さっさと切られればどうですかねねぇ、人間!」

 

「断っとこうかな、てかお前もサッサと刺されや!」

 

十字架と剣がぶち当たる。宇宙空間からの続きだ。

武器をお互いに出しまくって迎撃を繰り返すうちに地球に落ちていた。

まぁそんなことはどうでもいいが。

 

「切られたら楽になりますよ!」

 

「お前も刺さった方が楽かもしれないぜ!」

 

空中を飛ぶ。校舎を障害物にしても意味がない。

どうせならないほうがいいと言うことで、上空二キロくらいまで上がらせてもらったぜ。

それにしても拉致があかないな、さっきから切りあっているが伸びるばかりだ。

 

「さっさと落ちろや、ボケ!」

 

相手の上を取る。

これが空中都市の雷だ『審判の火』!

俺の後ろに六台の大砲が現れる。

蒼い結晶を後ろに搭載した近未来風の大砲だ。

それを一気に発射する。

 

「黙れ!」

 

アランが剣をビームに当てる。

六台のビームを剣で受ける。

剣に当たったビームはそのまま剣に吸い込まれていく。

 

「いただきましたよ、お返しです!」

 

蒼く光ったその剣を俺に投げつけてくる。

十字架で弾いた、瞬間目の前でそれが爆発した。

 

「はっはっは、どうですか? そろそろ観念してもいいんじゃないですかねぇ」

 

アランの声が聞こえる。

俺は大丈夫だ、爆発のせいで右腕を持っていかれたが再生した、動かないが。

ちっ、左腕が動くうちに終わらせよう。

 

「あれ? 返事がないですねぇ、死んじゃいましたか?」

 

アランが間抜け面で爆発地点の煙を見ている。

すまんが俺はお前の背後だ。

 

「いや、死んでねえよ」

 

言うと同時に十字架を刺す。

アランの髪が白に変わり、俺を抑えようとする力が一気になくなる。

 

「ぐっ…」

 

「悪いな、今の俺が起こした爆発の中は見えないんだったけ?」

 

神様にも通じるように俺のキャパシティを上げたときに気づいた。

宇宙空間で煙幕を起こした時にこいつがその煙幕を一掃したのだ。

こいつも同じように煙幕を起こした、透視をつけても見えなかったよ。

 

「つまりは、神を防げるのは同じ神の作った煙幕又は煙のみ、

障害物は破壊できるから問題外としてな」

 

「《まぁ確かに》《僕は煙の向こうが見えない》

《君言うとおり》《ただの人間が作った煙幕なんかはまだしも》

《神に匹敵する人間の煙幕は覗けない》」

 

ふーん、そうか。

まぁいいや、封印はこのままだと弱い、

一か月くらいしか持たないだろう。

 

「『影縛り』」

 

「《ちっ》」

 

逃がさないぜ、お前の封印を強くしないとまた会うのは嫌だからな。

 

「よっと」

 

「《うぐっ》」

 

一本また一本と左手でアランに刺していく。

十字架の大きさと封印の強さは比例しない。

封印の強さは二乗していくんだ。

つまり、三十での二次関数。

 

「六、七」

 

今で大体五千九百九十一万七千八百八年くらいだ。

これくらいでいいだろう。

 

「ぐふっ」

 

口から血が出る。

封印で来て緊張が解けたからか

体から力が抜けていってる。

さっさと送ろう。

 

「世界から追放する技『何時かの故郷(アフターエンディング)』」

 

俺の背後に扉が出来る。真っ赤な扉だ。

アランの襟首を持つ。

 

「《此処はあれですかね》《王道に行きましょうか》」

 

アランがにやにやと笑う、気持ち悪いぞ。

 

「何だよ」

 

「《ボクを倒しても第二第三の僕が…」

 

「黙れ」

 

ぽいっと扉に投げ入れる。

扉の向こうに床はないらしい、そのまま悲鳴を上げて落ちて行った。

 

「はい、終わり」

 

はぁ、とため息をつくと同時に技が全部解けた。

身体強化がなくなり、翼もなくなる。

重力に逆らえずそのまま落ちだす。

 

「あ〜れ〜」

 

叫びたい気分だが声が出ない。

内心はひやひや者だ、視界もなぜか薄暗い。

 

「…」

 

創たちが受けてくれないだろうか、と言おうとしたが出なかった。

視界は暗くなってもう真っ暗に近い。

ヤバい、意識も遠くなってきた…

 

「兄さん!」

「零!」

「零君!」

 

誰かの声がした。

どっかの生意気シスコンの声、

と、それの世話をする優しい姉。

それと…

 

「姫ちゃん…」

 

そこで意識が暗闇に吸い込まれた。

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

目を開ける、真っ黒だ。

真っ暗じゃなくて真っ黒だ。

本当に何にも見えないぜ。

 

「おおあ?」

 

此処は?と言ったつもりだったが言葉がおかしい。

正しく発音が出来ていないようだ。

 

「姫ちゃん」

 

うん、姫ちゃんは呼べる、愛の力だ。

今は何時だろうか、目が見えないとわからない。

 

「姫ちゃん」

 

もう一度姫ちゃんを呼ぶ。

すると、今度は遠くから駆け足で近づいてくる音が聞こえる。

 

「兄さん!」

 

バキャッと何かが外れる音がして抱き着かれる。

この声と匂いと柔らかさは姫ちゃんで間違いがない。

 

「姫ちゃん」

 

姫ちゃんの頭を撫でようとする。

…手が動かない、ピクリとも反応しない。

 

「おはようございます」

 

「おあおう」

 

…やはり声が出ない、仕方がないだろう、一時的にとはいえ

神に対抗できるようにしたんだ、反動があって当然だ。

 

「反動ですか…」

 

姫ちゃんの声が下がる、わかっていたことだがショックなことはショックだ。

 

「だいようぶ」

 

『念念ころり』発動。

イメージを手の形で固めよう。

固めた後そのまま姫ちゃんの髪をその手で撫でる。

 

「兄さん…」

 

「ドア潰れてんじゃねーか…おじゃましまーす」

 

入ってきたのはおそらく創だな。

 

「おじゃまします」

 

廻さんも一緒のようだ。

 

「気分はどうだ零」

 

「あいあくあよ」

 

「そうか、最悪か」

 

上手く発音できなくとも伝わって入るようだ。

そういえば、善吉たちはどうなったんだろうか。

 

「そうだ、善吉君たちはそろそろ漆黒宴を再開するそうよ」

 

廻さんが思い出したように言った。

中止にはならなかったか、まぁ当たり前か。

 

「にしても会話が面倒臭いな、テレパシー系の技はないのか?」

 

「あうよ」

 

テレパシーを使えるようになる技『糸無電話(カップボイス)』

 

『これでどうだ?』

 

「大丈夫、問題ないぜ」

 

そうか、それならいい。

 

「じゃあ兄さん、見に行きましょうか」

 

『うん…あれ?』

 

今度は足も動かない。

感覚はあるけど動かせないのか。

 

「車いすでも出せばいいんじゃないか」

 

『そうだな、車いすを出すよ』

 

ベッドのわきに車いすをだす。

創に抱えてもらって乗せてもらう。

 

「じゃあ、私が押しますね」

 

『うん、お願いするよ姫ちゃん』

 

姫ちゃんが俺の車いすを後ろから押す。

そのままグラウンドの方へ移動した。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

グラウンドにつくと俺は顎が外れると思うほど口を開けて驚いた。

人で埋まっている。死かも知らない奴等ばかり。

 

『誰?』

 

「王土さんのところから来た人たちです。

兄さんが心配だと言うことで来たらしいです」

 

何と言うサプライズ、俺びっくりだよ。

感心しながら見回していると、奥の方からどたどたと

走り寄ってくる音がする。

その咆哮を見ると土煙で見えないが誰かが猛スピードで近づいてきていた。

 

「れーいー!!!!」

 

そのままその誰かが車いすの前で止まる。

もうもうと上がる土煙でむせて顔が見られない。

 

『誰だって言うんだよ?』

 

目を開けると、相も変わらず鉄球をぶら下げた冥加がいた。

 

「大丈夫か?腕がうごかないんだって?

しゃべることもできないのか?もうお前の声が聞けないのか?」

 

目の前に顔を寄せて悲しそうな顔で迫ってくる。

 

『いや、腕は動かないし、

歩けないし、しゃべれないけど、無事は無事だよ』

 

「よかった…って、よくない!」

 

不自由極まりないじゃないか、と冥加は一人で叫んでいる。

鉄球が周りを飛び交っている、ってあの人当たりそうじゃないか!

いや、大丈夫か、あの人なら。

 

「よっ」

 

鉄球にぶつかりそうになった人が素手で鉄球を止める。

そのまま消えたと思うと目の前にいた。

 

『久しぶりですね王土さん』

 

「ああ、全国民を連れて見舞いに来てやったぞ。

黒神の婚約者決めも始まるようだ、さっさと行くぞ」

 

『わかりました』

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

めだかの方に行くと、

くらーい雰囲気に包まれた生徒会勢が

周りによって慰められていた。

 

「零がぁ、零がぁ」

 

「手が黒かった…すぐ直るんじゃなかったのかよぉ」

 

「…不幸が嬉しくないよ…」

 

「私が、私が加勢しなかったから零殿は…零殿は…!」

 

「腐っちゃえ、零君をあんなにした奴なんか腐ればいいんだ!」

 

「あんなにボロボロで…大丈夫ですよね?」

 

…うん、入りたくない。

てか鰐塚、馬鹿か、お前が加勢したら死ぬよ、お前が。

うん、少し戻ろう。

車いすを引いてもらおうとしたとき、

皆の目が一斉にこっちを向いた。

 

「「「「「見つけた!!!!!」」」」

 

『…やあ』

 

その後五人の手によって

俺の体をべたべたと異常がないかと探られ、

最終的には皆の前でぱんいちにされました、恥ずかしかった。

 

「まぁいい」

 

落ち着いたのかため息をつくめだか。

 

「漆黒宴は後二十分程で再開だ。

その間は存分にくつろげ」

 

ポンポンと俺の肩をたたいた。

 

『そうさせてもらうよ』

 

うん、とうなずいてめだかは善吉の方に顔を向けた。

 

「さて善吉、私を職務を放って追いかけてきたのは何事かな?」

 

ニヤッと笑みを浮かべて善吉に聞いた。

 

「そのまんまの意味だぜめだかちゃん、

忘れたのか? 俺はお前を助ける人間だぜ?」

 

善吉もニヤッとした笑みで返す。

 

「そうか、ありがとう」

 

「おう…と、そうだめだかちゃん」

 

思い出したように善吉が続ける。

 

「お前に話があるんだ」

 

「どうした、また何かイベントの話か?」

 

「いや…大事な話だ」

 

善吉が深呼吸する。

え、お前この大勢の前でするの?

 

「…めだかちゃん、漆黒宴が終わったら俺と結婚してくれ」

 

もう一度善吉が息を吸い、真っ直ぐめだかを見る。

 

「愛してるんだ」

 

周りが一気に静かになる。

全員の目が二人に向き、聞こえたのはめだかが

すった息の音だけだった。

 

「喜んで!!!」

 

めだかが笑顔で言った。

その瞬間、完成が上がり善吉が胴上げされた。

 

そして、兎がそれを見ていた。

歯ぎしりしながら。

 

説明
神様と転生した主人公が
めだかで原作に入るお話

※注意※
めだかボックスの二次創作です
キャラ崩壊するかもです
作者は分が苦手です
俺TUEEEE系です
自分的解釈もあります

上記でもよい方以外はバックすることをお勧めします
構わないという方はよろしくお願いします
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タグ
転生 神様がヒロイン 俺TUEEEE 主人公最強 チート めだかボックス 

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