大自然から来たトモダチ プレビュー版 |
そこへ一般人とはかけ離れた出で立ちの青年がキョロキョロと周囲を見ていた。
誰かを捜しているようだ。近くのアマゾン川の周囲に住んでいる部族の格好をしている。
気になったアントニオは声をかけてみた。
「キミ、なにかあったのかい? あー、僕の言葉わかるかな?」
「おまえの話、わかる。オレ、アマゾン。おまえ、警察官か?」
たどたどしいポルトガル語で返答をもらい、驚いた様子で返答する。
「そうか、わかるんだね。ならいいんだ。僕の名前はアントニオ・カルロス。ここで刑事をしている。それよりも、キ
ミ…じゃなくて、アマゾンだっけ? ここに何の用なの?」
「オレ、街で悪さしてる、犯人、知ってる。あれ、音が原因」
「音?…なんの事件だろう。んー。ごめん、もしも僕が捜査してる事件の犯人だったとしても、気軽に事件の内容を喋れないし、僕には関係のない事件みたいだ」
「そうか…」
アマゾンと名乗った青年は、しょんぼりと肩を落とした。そのまま、背を向けて歩き出す。その歩き方が自分に重なったアントニオは再度、声をかけた。
「ねぇ、アマゾン。せっかくだし、あっちに生活安全課があるから、そこで伝えてくれるかな?」
「話通じないか…残念」
生活安全課へ歩き出したアマゾンへ雷が落ちたように驚くような仕草をみせた。
「!!!」
急に西の方に顔を向け、アマゾンの表情が豹変する。
「…時間ない。はやくしないとまた犠牲者、でる」
「どうして、また犠牲者が出るなんてわかるのさ?」
「今度こそ、絶対に、間に合う。アマゾン、いく」
こちらへ振り向いたアマゾンの目を見たアントニオは胸騒ぎがした。この後、ここで彼の言葉を信じなければ、もっと犠牲者が多くなる。そんな予感がしたのだ。こんな時、自分の直感は信じるようにしている。
「…わかった。キミを信じるよ。ちょっと待ってて、車を出すから」
「アントニオ、オレ、うれしい。でも、車いらない。アマゾン、乗り物ある」
そう言うと、急にアマゾンは入り口へ駆けだした。さながら、人が走るのではなく、獣が駆け抜けるようにも思えた。
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冬コミで頒布予定の新刊から抜粋 29日S54a Linal Drive で参加します〜 |
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仮面ライダーアマゾン 二次創作 c83 | ||
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