いきなりパチュンした俺は傷だらけの獅子に転生した
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 九十二話 D・エクストラクターとエグザミア

 

 

 

 高志視点。

 

 「え?!それじゃあ、さっきのロボットさんはあなただったんですか!?」

 

 「ええ、まあ。正確には鎧?みたいなものです。機械の体の中に体がある?みたいな感じですね」

 

 「……私と逆なんですね」

 

 「え、なんか言いましたか。アミタさん」

 

 アミティエさん。アミタと呼んでくれと言われたのでそう呼ぶことにした。

 用意された個室で俺はアミタさんに今ある現状を話した。

 お互いの事を話し合う為に誰と話したいかと質問した時に、何故かは知らないが彼女が俺。正確にはガンレオンを指名してきたので俺が対応してきた。

 それでお互いの事を話し合った。

 アサキムの事。時空管理局に協力して闇の書の欠片事件を対応していることを。

 そして、彼女も話してきた。

 

 「…未来から来た?」

 

 「信じられませんよね。でも本当なんです。私達のいた世界エルトリア。そこで私達のいる世界は謎の奇病で死に絶えようとしているんです」

 

 「それでこの世界に逃げ込んできたんだすか?」

 

 「いえ、そうではないんです。実は…。この世界に私達の世界を救うすべを見つけたんです。でも、それはいけないこと。お父さんはそう言ってやめるように言ったんですが、妹。キリエはそれを無視して…」

 

 過去に行くことでその世界に何らかの異常が起こる。

 もしかしたらそれが原因で自分達が迎えるはずの未来が無くなるかもしれない。

 

 「…タイムパラドックスか」

 

 「そうです。だから私達はそれを禁忌として使わないようにしていたんですけど…」

 

 「妹さんは手を出した。と、」

 

 「…はい」

 

 なんか、プレシアに似ているな…。

 俺はそう思いながらも彼女と一緒に部屋を出てアースラの会議室へ行くことにした。

 

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 プレシア視点。

 

 「と、いう訳で彼女は未来からやって来たそうです」

 

 「ちょっと待て!そう簡単に信じていいのか!?」

 

 「え、だって俺も異世界からきたし…。お前等もこの((地球|世界))の住人じゃないだろ」

 

 それを言うと私達もそうなるわよね。

 それを言うとなのはさんとはやてさん以外、全員が異世界人よね。

 

 「それで、エルトリア?を救うにはあのシステムU―Dらしいんです」

 

 「それって、アサキムが言っていた『偽りの黒羊』のことなんじゃ…」

 

 私の質問にアミタさんは答える。

 

 「いえ、私達が見つけたの情報は永遠結晶エグザミアというものなんですが…」

 

 「それはどういった物なの?」

 

 「文献ではどんな人にでも巨大な力を発現出来るものだという物としか…」

 

 まるでジュエルシードみたいな物ね。

 でも、よくそれだけで彼女の妹さんは来れたわね。

 

 「…いえ、それの力を示す物が実はあったんです。それが私達の世界の文献にあったんです。私達の世界には一つの大きな湖があるんです。それは人の手で、しかも一瞬で作られた物らしくて、それがエグザミアだったんじゃないかという仮説があったんです」

 

 「それってどれくらいなんです?」

 

 今度ははやてさんがアミタさんに質問を投げかける。

 

 「えっと、この世界の単位は知りませんが、そうですねこの((アースラ|船))なら一万隻は余裕で収納可能です」

 

 「「「「「一万?!」」」」」

 

 もはや、湖というよりも海といっても過言ではないわね。

 アースラ一つでフェイト達が通っている学校一つを覆い隠すことが出来るわよ。

 

 「それは…。凄いわね」

 

 アルカンシェル並の力なんじゃないかしら?

 でも…。それだけでも足りないんじゃ…。

 と、考えていたらリンディも質問していく。

 

 「それに関する情報は?」

 

 「えと、『十二の鍵の模写したエグザミア。その爪痕、ここに残す』だけでした。その名残なのか、湖の名前もエグザミアなんです」

 

 「ぶっふぉおっ!」

 

 十二の鍵。というあたりでタカが思いっきり噴いた。

 何か思い当たるものがあるのかしら?

 

 「…タカ。思い当たる節でもあるの?」

 

 「…な、ナイニキマッテルジャナイカ」

 

 カタコトっているわよ。

 この子がカタコトるという事はスフィアに関することね。

 

 「思い当たる事があるんですか?!」

 

 アミタさんが今度はタカに掴みかかる。

 情報が少なすぎて半信半疑。いや、疑い九割近い情報がまさか本物だとしたら…。

 彼女もまた故郷の事を救えるかもしれないと思ったのだろう。

 

 「…い、言わなきゃ駄目か」

 

 「タカ、話したくないのか?」

 

 クロノ君の言葉に高志は言いよどむ。

 タカは何故か、私の方を見て観念したかのように言葉をこぼした。

 

 

 

 D・エクストラクター。と、

 

 

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 U―D視点。

 

 「…十二の鍵。は多分、スフィアの事だと思います」

 

 「それって!」

 

 キリエさんの事情を聴いてエグザミアの事は目を輝せる。

 

 「でも、あれは使えばただじゃ済まない。スフィアの模写物。…スフィアを語っている以上、使う方もただじゃ済まないんです。むしろ模写物。エグザミアは効率悪すぎるんです。使えば確実に命を縮める」

 

 「U―Dに近すぎるぞ桃色!あと、騒ぐでない!ここは狭いのだぞ!それにシュテルとレヴィの治療をしているのに…」

 

 ぶつぶつ、と言いながらもシュテルとレヴィの治療を行うディアーチェ。

 

 私達は今、『偽りの黒羊』のスフィアの力で作り上げた亜空間の中に隠れている。

 ディアーチェが二人の治療をしながら、キリエさんの目的を聞かされた私はわかる範囲で彼女に伝えた。

 『知りたがりの山羊』と交戦したところから少し離れた場所に作り上げたシェルターみたいなものだ。

 

 「私の命でエルトリアが救われるのなら構わないわ!だからお願い!私と一緒にエルトリアに来て!それが出来ないのならせめてエグザミアを私に譲って!」

 

 「だ、駄目です!エグザミアの制御に失敗して、一度私は、私は…?」

 

 私は何をした?

 何か大切な事を忘れたような…。

 

 

 

 …色とりどりの世界?でも、それも一瞬で白く?

 

 

 

 「う、うう…」

 

 「お願い!」

 

 私は頭痛を感じながらもキリエさんが私に掴みかかってくる。

 

 「桃色!いい加減にせぬか!U―Dが嫌がっているではないか」

 

 「王様は黙ってください!私は、エルトリアを!」

 

 二人が言い争っているが私は、エグザミアで何を行ったかを思い出しながらも強くなっていく頭痛で気を失った。

 そうだ。私は…。

 私はエグザミアで…。

 

 

 

 世界を灰にしたんだ。

 

 

 

 

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九十二話 D・エクストラクターとエグザミア
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