みっしょん・いんぽっしぶる?
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「お願い、これはあなたにしか出来ない事なの」

 僕は彼女のお願いを聞いても戸惑う事しか出来ずにいた。こんな事、頼まれても出来る事じゃない。

 ああ、そんな涙目で見ないで。僕がその表情に弱いのを知ってるくせに。いや、むしろ知ってるからそんな顔するのか。だからってすぐに首を縦に振る事はしないけど。

「せめて何か用意を……」

「今すぐ」

 八方塞がり、背水の陣。どうあがいても彼女の気持ちやこの状況を変える事が出来ないようだ。

「後で文句とか言わないでよ」

「わかってる。だから――」

 僕はゆっくりと深呼吸し、一歩ずつ確かめるように歩き出す。目標は五十センチメートル先にいる。

 そして狙いを外さないようにゆっくりと手を振り上げ、静止する。

「頑張って!」

 彼女の声援が後ろから聞こえる。いいご身分だ、お姫様。

 もう一度深呼吸。まだ目標は動いていない。狙いを付けて――

「――えいっ!」

 

「ありがとう、ゴキブリを退治してくれて」

「今度、ホームセンター行こうね……」

 僕はそういいながらゴキブリを潰した新聞紙の棍棒をボール場に丸めてゴミ箱に捨てた。

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即興小説で作成しました。お題「空前絶後の使命」制限時間「15分」
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相変わらずの青春(yaru_yara_call)
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