「こころのアスミ」第26回
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説明
 明日美は席替えの前までは、前の方の席だったので、前の出入り口から入っていた。
だから、それまでの習慣で前の扉から入りそうになって、ふと自分の席が変わったことを思い出し、
そこからは入室せずに廊下を歩き、後の出入り口に移動した。
 そうして後の扉に辿り着いた時だった。
「あ……」
明日美は足を止めた。
 そこには、同じように足を止めた男の子がいた。
「ん?」
少し首を傾げたように明日美を見るのは、明日美の席の後に座るクラスメイト夏目和也。
夏目和也と春日野明日美は偶然にも同じ時間に登校していたのだ。
昇降口で会わなかったのは、わずかながらの時間差だったのだろう。
明日美は和也の顔を見て、一瞬どう対応したらいいのかわからなかった。
和也に避けられていたのは昨日のことだ。まさに昨日の今日。明日美はまず、第一声を考えた。
              〜こころのアスミ・ノベライズより〜
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