スパイ |
ビルが立ち並ぶ都市に多数のACと戦車が展開している。
ACはGA社の重装甲AC、GA03‐SOLARWIND。
戦車は有澤重工のONIKOUBEである。
それらは、周辺を見渡し警戒態勢に入っている。
明らかに、襲撃に備えている行動だ。
この厳重警戒態勢に中、1機のACが何かが接近してくることに気付いた。
しかも、かなり早い速度でこちらに近づいてくる。
そのACは戦闘態勢に入り、味方のACと戦車に伝えようとした時・・・
そのACはコアに直撃弾を受け、爆散した。
味方のACが1機やられたことにより、全ACと戦車は戦闘態勢に入った。
そして、高速で接近してくるものを捉えた。
それは、企業が作り出した新型AC。
アーマードコアネクスト。
ACと戦車はネクストに一斉攻撃を開始。
しかし、ネクストはQBで攻撃を回避し、戦車群に右背中のOGOTOを発射。
固まっていた戦車群はたった1発のグレネード弾すべてやられた。
ACは、戦車の仇を取るためにミサイルを全弾発射。
ミサイルはネクストを追尾するが、ネクストはQBを使いつつ、ミサイルをある程度引き離し、QT。
両手のライフルでミサイルを迎撃する。
その隙を取りネクストの右側の物陰から1機のACが飛び出し、バースカを撃とうとするが、それを予測していたネクストは素早く右腕のライフルでそのACを攻撃し、ACはコアに直撃弾を受け戦闘不能になる。
だが、片手でミサイルを全弾撃ち落とすことは出来ず、数発のミサイルがネクストに命中し、ミサイルの爆発で黒煙が起こる。
この時点で普通のACでは勝負はついている。
そう、普通のACだったら。
黒煙が晴れるとそこには無傷のネクストの姿がいた。
ミサイルはすべてPAで防がれたのだ。
ネクストはOBを起動し、一気に目の前にいるACを接近しつつ、左腕もライフルで攻撃し、ACを撃破する。
他のACはマシンガンで攻撃するが、OBとQBですべて避けられる。ネクストはOBをやめ、物陰に隠れる。
残ったAC部隊もそのあとを追うが、見失う。
AC部隊は周りを警戒しつつ、ネクストを探す。
ある1機のACは近くにあった、格納庫内を見ようと、その格納庫の扉の前に近づいた時、
扉から無数の銃弾が出て来て、そのACを蜂の巣にする。
そして、その格納庫からネクストが扉を突き破り、そのままACを次々墜ちていく。
その圧倒的な力の差から、AC隊は何もできずに撃破されていった。最後の1機になったACは物陰を使いネクストの背後に回り込み、右腕に装着されている有澤重工製実体剣、BD-0 MURAKUMOでネクストを切りに掛ける。
だが、ネクストはQBし、右腕のライフルの下に付いているレーザーブレードを展開し、逆にACを切り裂いた。
そして、ここでシミュレーターが終了した。
「こんなものか」
シミュレーター用のコックピットから出て来たアレックスは近くに置いた水を飲む。
アレックスがAMSプラグを取り付け手術を行って、すでに2ヶ月が経つ。
機体のパーツや武器などはすでに届いており、機体の組み上げはすでに終わっている。
現在は、機体の微調整とアレックスが頼んだ武器の改造をしている。
その間アレックスはシミュレーターを使い、ネクストの扱いや、AMSの調整をしていた。
「低負荷AMSの調子はどうだったかアレックス」
シミュレーター室に1人の男が入って来た。男の名はエミール・グスタフ。
クルトの右腕と言われている研究員であり、アレックスの低負荷AMSの調整をしている。
エミールと初めて会ったのはAMSプラグを取り付け手術の次の日にクルトからの紹介で知り会った。
エミールはACのアセンブルについても詳しく、あって数分でACとアセンブルについて話し合い。
その結果、今では飲み合ってACとアセンブルについて話し合うほどの仲である。
「特に問題ない」
「それなら良かった。じゃ、このシミュレーターに使用した低負荷AMSをそのままネクストに搭載するよ」
「わかった」
「あっ、そうだ。イェルネフェルト教授が部屋に来てほしいだと」
「クルトが?」
「ああ、なんでも重要な話があるって」
一体何の話だろうか。
「わかった。すまないが後片付けを頼んでいいか?」
「別にいいよ」
「すまない。後は頼んだ」
アレックスはシミュレーター室を後にしクルトの部屋に向かった。
数十分後、アレックスはクルトの部屋の前に着き、ドアをノックする。
だが、中から出って来たのはクルトじゃなく、フィオナだった。
「あら、アレックスさんどうしたんですか?」
まさか、クルトじゃなくフェイナが出てくるとは思っていなく、少し動揺した。
「あ、いや、クルトに呼ばれて」
「わかったわ、今呼んでくるは」
フィオナは、クルトを呼びに再び部屋の中に戻っていく。
アレックスはハァーとため息をつく。
この2ヶ月アレックスはどうにかして自分の好意をフィオナに気付いてもらおうと、いくつかアプローチしたものの、全然気付いてくれなかった。
それは、アレックスだけではなく同じくフィオナに好意をもっている他の男性たちも同じで、明らかにデートの誘っている男性に対して、フィオナは友達を一緒に買い物に行くことと思っている。
クルトから鈍感だと聞いていたがまさか、あれはどとは思っていなかった。
フィオナの鈍感は女性しか動かせることがでいないパワードスーツを動かせた男性に匹敵するかそれ以上である。
「すまない、アレックス。急に呼び出してしまって。さぁ、中に入りたまえ」
アレックスはクルトの部屋に入る。
部屋には山積みになった資料やらが大量にあった
「座りたまえ」
「すまない」
アレックスは椅子に座り、クルトも椅子に座る。
そこにフィオナがお茶を持って来て、机に置く
「ありがとう、フィオナ。すまないが、このエミールにこの資料を渡せてくれないか」
「エミールなら今、シミュレーター室にいるよ」
「わかった父さん。アレックスさん場所教えてくれてありがとう」
フィオナは部屋から出ていき、残ったのはアレックスとクルトだけだ。
「でっ、要件は」
「すまないが、このリストに載っている全員を調査してくれ」
アレックスはクルトから出されたリストを見る。
そのリストは他のコロニーから来た研究員であった。
アレックスはすぐにこのリストに載っている研究員の意味が分かった。
「企業やコロニーアスピナのスパイか」
「その可能性がある研究員だ」
リストを次々見ていくアレックスはそのリストの数の多さに呆れてた、ざっと30枚以上はある。
「スパイがいると思っていたが、これほどとは」
「あくまでもその疑惑があるだけだ。まだ、スパイとは決まったわけではない。だが、急いで調べてくれ。すでに一部のAMS技術が漏れている」
「わかった。早急に調べる。
アレックスは椅子から立ち、部屋から出ようとする。
「ああ、そうだ。別の話だが、ネクストの機体名とカラーを聞くのを忘れていたが、どうする。」
「カラーは真っ黒にしてくれ、機体名は――――だ」
「君らしいな。わかった。後で整備員に伝えるよ」
「頼んだ」
アレックスはそう言い、部屋から出て行った。
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