獣使い 5章 分かれ道 part2 |
「ここじゃ。」
ついていくとそこには、大きな大木があった。
一見すると、御神木のように見える。
その根元には、巨大な黒い三角錐の物体が刺さっていた。
「それではこれを壊してくれぬか? 京」
「ちょっ、えぇ?」
ゆうに50mくらいはあるその物体を
壊せとねぇさんは言ってきた。
「壊せったってどうやって?」
「そんなの拳でに決まってるじゃろ。」
僕は、卒倒しかけた。
いくらなんでもこれを素手で壊せるわけがない。
割と喧嘩っ早い方で喧嘩慣れはしているが
それは無茶というものだ。
「まぁ、もちろん素手では無理じゃろな。じゃから・・・」
ねぇさんは、僕の左腕に抱きついた。
そしてねぇさんは、こう唱えた。
「月紋拘束封(げつもんこうそくふう)第一解除」
その瞬間、ねぇさんの体は光りだした。
するとねぇさんの姿が消え左腕が変化していた。
「ぇ?ええええぇぇぇぇぇぇぇ!?」
僕の左腕は、明らかに別物になっていた。
手のひらは黒くなり
人差指から小指までの付け根には金色のつめのようなものがついている。
手首には金色の円盤状のものが1こ・・・。
いや正確には違う。
たしかに1個なのだが中に2つのリングがついている。
手の甲と手首から肩口までは白くなり
肩は、球体状になり外側には、三つの刃のようなものが出ていた。
【京】
どこからともなくねぇさんの声が聞こえた。
【これは、武器化というものじゃ。
我々獣は、こうやって主と同化することによって
様々な力を与えることができる。
また、獣によって形や力、属性様々なのじゃ】
・・・・まるでRPGみたいな話だ。
【しかし、武器化したところで使い方を知らんと何にもならんのでな。
とりあえず、一回あれを殴ってみよ。】
ねぇさんが、この状態になってから僕の中で何かが漲ってるのを感じている。
とりあえず、僕は半信半疑で、その物体を思いっきりぶん殴った。
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