魔導師シャ・ノワール 無印偏 第十三話 久しぶりの再開
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さらに管理局が出てきてから1週間以上が経ち。

 

管理局の監視を掻い潜りつつジュエルシードを集めていた。

 

どうやらなのは達は管理局に協力を始めたらしい。

お蔭で立った2つしか回収ができなかった。

今持っているジュエルシードは計7個で状況は芳しくない・・・。

大半は向こうが先に回収している為だ。

 

今も先に回収されてしまったようで、何もない湖をフェイトと二人で眺めていた。

 

「いつもすまない・・・」

 

管理局と正面切っての戦いも起きず。

前のようにあまり役に立たない日々が過ぎていた。

 

「い、いいえ。ノワールが居てくれるから私も頑張れるんです・・//」

「そうか・・ならいいが・・・ここまで見つからないと後は・・海か?」

 

市街地などは探しつくしているし。山の方は温泉の時に見つけてあり。

二日前にも再度、探索に行ったが成果はなし。

海鳴市であと探せていない場所はといえば海くらいだ。

 

「海ですか・・そうですね。とりあえず一旦、戻りますか?アルフとも合流しないと」

 

「そうだな・・『ご主人さまメッセージが届いていますにゃ』あ?」

 

クローシュから表示された内容に思わず眉を顰める。

 

 

「どうかしたの?ノワール」

 

「あ、いや・・すまない。傭兵団から通達だ、一度報告に来いと」

 

「わかりました。すぐにですか?」

 

「そうだな。すぐに行かないとダメらしい」

 

表示された内容は暗号文で。報告と世界座標を示す数字の羅列が並んでいた。

機密漏えいの規則から3時間以内に辿り着かないと会うことは出来ないだろう。

しかも座標はここ(地球)からは大分転移を重ねないと行けない場所だった。

 

「気にしないでください。アルフも居るから大丈夫ですよ」

「・・・わかった。出来る限り早く戻るから気をつけてなフェイト」

 

 

その場からフェイトが多重転移でセーフハウスに戻るのを見届けてから。

俺も転移を開始し。次元世界の中を飛び回る。そして....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここだな・・・」

 

 

 

座標を元に辿りついた先は鬱蒼と茂るジャングルの密林地帯。

この世界は無人世界のひとつでジャングルから聞える獣達の鳴き声から。

人間以外の生き物が犇いているに違いない。

それと同時に奇襲などを仕掛けるには絶好のポイントだろう。

 

「さてと・・・そこッ!」

手の中で少し小型の『ミストラル・ミシィール』を隠すように一発作り出し。

振り向き座間に真後ろの茂みに撃ち込み、爆発させる。すると黒い影が飛び出し向かってくる。

それに対し左手でシールドを張り。逆に右手に抜いたクローシュを自分の腰に回し背中の上に向ける。

 

《ガキィン!パシィィィンッ!!》

背中には良く知っている形の赤い槍がクローシュの刀身で防がれ

左手に作ったシールドにはよく知っている人物の拳が当たっていた....

 

「腕は鈍ってないようね・・・シャノワール」

「気配探知も見事でしたよ。ノワール」

 

 

「冗談キツイですよ・・・姐さんにアリスさん」

 

 

二人とも槍と拳を引き。俺も構えを解いてクローシュを腰の鞘に戻す。

 

 

「あはは、ごめんごめん。でも、ちゃんと挨拶もせずに仕事に行っちゃうからだよ?」

「それについては私もクレアと同意権ですね」

 

「あ、アリスさんまで・・・ですが、団長が無理やりに」

 

「それも知ってるわ。だから...」

「女性団員の全員でボコッて措きました♪」

 

「団長・・・・」

 

さらりと怖い事を言ったアリスさんは、山猫を素体とした使い魔で

容姿はカーキと灰色を混ぜたようなうつぶし色のセミロングの髪と

明るい紺色の目をした美人のお姉さんだ。

 

彼女を作った主がもう用なしと彼女を捨てたらしく。

俺が傭兵団に入ってから少しした頃に拾われた。というか俺が拾った。

 

というのもその頃、アジトにしていた穴倉に魔力が切れて消滅しかけた彼女が

偶然、落ちて来たのを俺が見つけ。姐さんが自分の使い魔としただけだ。

 

名前は傭兵団に入ってから付けられた物で由来は穴に落ちてきたことからアリスと名付けた。

しかも魔導師を教育した経験があるとかで。ある意味、俺の師匠の一人だった。

 

彼女を作った魔導師が優秀だったらしく。戦闘も使い魔とは思えないほど強い。

その分使う魔力も多いので、資質の高い魔導師でなければ使い魔には出来ないほどだ。

 

あと、ついでに言えばアリスの言ったクレアとは姐さんの名前である。

 

 

「さてと・・シャ・ノワールの報告を聞きましょうか?」

「わかりました・・・って!なんで俺に抱きつく必要があるんだ!?」

 

 

徐に姐さんが後から抱きしめ始め。さらには頬同士をくっ付けられほうずりまでされる始末だ。

 

「いいじゃない。久しぶりなんだし〜・・って?あれれ?」

「な、なんですか?///」

「ど、どうしたんですかノワール?いつもみたいにクレアから逃げないんですか?」

 

抱きついている姐さんと離れてそれを苦笑いしつつ見守るアリスさんに驚かれてしまう。

そういえば傭兵団の仲間に抱きつかれた際は、デバイスを抜いてでも抵抗をしていた。

もちろんそんな事はお見通しで。子供と大人と言う体格で劣る俺が。

組み付かれた状態で勝ち目はなかったが、それでも抵抗はしていた・・・。

 

多分、ここ最近は抱きつかれたりまた、自分から抱きついたりと

さらに抵抗も出来ずにいいようにされることもあった所為だろうか。

抵抗というそれその物を忘れていた・・・慣れは怖い。

 

 

「えっと・・・実はちょっといろいろありまして....」

 

 

大まかにこれまで起こって来た内容を包み隠さず告げる。

もちろん、自分の傭兵団員としての事情を無視した行動に付いても。

さらにこの仕事が終わり次第、お暇を貰いたいということもだ....

 

 

「なるほど・・話しは分かった・・・」

「ノワール・・・」

 

「自分は如何様な処分も受けるつもりです・・・」

 

そうは言いながらも隠れてクローシュに転移魔法のスタンバイをさせていた。

姐さんや団員とは戦いたくはない・・・そして、あいつらとも会えなくなるのはもっと嫌だ・・・

 

だが、姐さんから出された内容は意外なものだった。

 

「特に処罰も仕事内容に変更もないわよ?」

 

「はっ?」

 

「ああ、でもバックアップ要員を一人増やします。アリス」

「はい!」

 

生き生きとした返事と共に笑顔でアリスが俺の前に立つ。

ちなみに俺はまだ姐さんに後ろから抱きつかれたままだ。

 

「アリスには貴方のサポート要員として「待ってください!」なに?」

 

どう考えてもおかしいことばかりだ!

 

「俺になにか処分とかないのか!?それに使い魔を長期に離れさせるってことは!?」

 

使い魔の魔力は主人であるマスターから供給される。

その魔力のリンクは早々離れていても切れることはないが

多重に世界を離れると場合によってはリンクが途切れてしまうこともある。

もちろん、リンクが少し切れたからと言って

使い魔の保有する魔力もあるのですぐには消滅しないが。

 

「ええ、そうよ。これからアリスの主人はシャ・ノワール貴方になります」

 

年数にしてはそれほど長くは無いが

姐さんとアリスはすごくいいコンビで共に戦っていた筈だ。

そのコンビを解消してまでこの仕事に肩入れする意味が分からない。

それに俺の処分はどうなった?

 

「どうなっている!?」

 

「別に可笑しなことはないでしょ?アリスを拾って来たノワールだし

 本当ならノワールが主人をする筈だったんだから

 だけど、年齢から魔力量の関係で昔は難しかったけど

 今なら使い魔の一匹や二匹平気でしょう?

 それによく言うじゃない。生き物を拾ったら最後まで面倒見なさいって」

 

「だが、いくら使い魔とは言っても人間とそうは代わらないだろ!アリスはそれでいいのか!?」

 

なぜか先ほどと同じく嬉しそうな笑みを浮かべたまま頷き口を開いた。

 

「ええ。フェ・・いえ、消えかけた私をその小さな体で引きずりながら運び

 助けてくれたノワールを・・私は前からずっと自分のご主人になって貰いたかった人ですよ」

 

確かに・・・今より小さい子供の体でこのアリスを運ぶのには苦労した覚えが・・・あるような?

その頃は特に訓練が忙しくあまり覚えていない。

 

「わかった・・アリスさんの事はそれでいいとして・・・。姐さん、俺に処分とか出さなくていいのか?」

 

「え?なにに?なんの事か分かる?アリス」

「いいえ、なんの事を言っているのか分かりませんねクレア」

 

なんともワザとらしいやり取りが行われた。

これはいくら何でも姐さんの独断という決定ではない筈だ。

既に俺の行動が報告する前から分かっていた?

 

「姐さん・・いや、団長は一体なにを企んでいる?」

 

「う〜ん・・今はまだ言えないかな?特にシャ・ノワールちゃんには♪」

 

「私から言えることは一つですよノワール・・・いえ、私のマスターは好きなように行動してください」

 

つまりは・・アリスの言うとおり好きにしろと?

元を言えばあのような人(プレシア)の仕事を請けるという話自体が怪しかった。

それではまるで・・すべては大きな手の平の上で遊ばれているような気分だ

 

「考えるのは後にしなさい。お暇の件も団長に通して措いてあげる

 早く、使い魔の譲渡を済ませましょう。アリスは魔力馬鹿食いだからこれで私も楽になるのよね〜」

 

「そ、そんなことないですよクレア!ノ、ノワールッ!べ、別に私は好きで魔力を沢山食べている訳ではッ!」

「あ・・いや、俺は魔力あまってるくらいだから別に気にしないんだけど・・・・」

 

俺は疑問が膨れる思考の海に飲まれ。顔を赤くして恥ずかしがるアリス。

クレアはゆっくりと使い魔の契約を譲渡する魔方陣を組み上げていた。

 

 

 

そして、使い魔の契約が引き継がれると同じタイミングで姐さんのデバイスに連絡が入った。

 

「ノワールッ!すぐに戻りなさい!貴方の仲間が危険らしいわ!」

 

「ッ!!わ、わかった!アリスさん行けるか!?」

 

「すいません。まだ、ノワールとの魔力リンクが上手く馴染んでいません

 しばらくは魔法の使用も難しいかと。すいません」

 

「ちっ!あとで追いかけて来れるか!?」

 

「それは大丈夫です。それから私のことは呼び捨てで構いませんマスターノワール」

 

「わかった!アリスは後で追いつけ!姐さん、自分は仕事に戻ります!」

 

「はいは〜い。気をつけてね〜♪」

 

俺は慌てて、地球へ戻るための経由する世界への座標を設定し。転移魔法を使った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても以外でしたね。あの冷静沈着なノワールがあんなに慌てるなんて」

 

「そうね。それよりアリスもリンクがどうとか・・嘘が上手くなったね〜」

 

「か、からかわないでくださいクレア!本当はすぐにでもあの子達に会いたいですが

 今、会うと私は邪魔にしかなりません。機会を待ちますよ・・・

 団長の話ではもうそれほど、時間も残っていませんから」

 

「そっか・・・じゃあ会えるその日を楽しみに待ちましょうか」

「・・・はい」

 

 

 

 

説明
神様などに一切会わずに特典もなくリリカルなのはの世界へ転生した主人公。原作知識を持っていた筈が生まれ育った厳しい環境の為にそのことを忘れてしまい。知らず知らずの内に原作に介入してしまう、そんな魔導師の物語です。 ※物語初頭などはシリアス成分が多めですが物語が進むにつれて皆無に近くなります。 ※またハーレム要素及び男の娘などの要素も含みます。さらにチートなどはありません。 初めて読む方はプロローグからお願いします。
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再会フラグ来たー!!(アサシン)
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