【悠ケイ】初詣に行こう!【男女カップリング】
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元日の早朝、私は待ち合わせをしていた。

雪こそふってはいないが肌に厳しい寒さである。

これから悠平とふたりで初詣に行く予定である。

 

あ、悠平が来たようだ。

「ケイ、待ったか…ってゲッお前格好何てしてんだよ!」

今の私の格好は黒地に桜模様の振袖で帯は薄いピンク地にこれまた桜模様

帯締めは赤地に金腰紐は黄色…なのだが胸元は開けてあって谷間も見える。

彼は顔を赤らめながら

「どうしてお前は毎年毎年和服をそんな風に着こなすんだ」

私は言い返す。

「だって、私の体型じゃ普通に和服を着ると太って見えるのよ」

「じゃあ洋服にしろよ」

「せっかくの初詣だもの和服を着たいじゃない、それに洋服でも同じくらいの露出度にすると思うけど」

「…分かった、だが冬にそんな恰好じゃ寒そうだぜ」

「肌色の全身タイツを着ているから寒くないし、見えてる谷間もナマじゃないわ」

「ナ、ナマって…まあいいやそれじゃぁ行こうか」

 

そして私たちは目的の神社に向かうこととなった。

歩きながら悠平は尋ねた。

「お前もしかしてパンツも履いてないっていうんじゃないだろうな?」

「ええ、履いてないわよ下に肌襦袢は着ているしね」

「よかった、てっきりガチで下着着てないかと思ったぜ」

 

歩いてしばらくするとその神社の鳥居が見えてきた。初詣飾りもされていてまさに正月といった感じがする。

その周りにはすでに大勢の参拝客が並んでいた。

「今年ももう人がいっぱいだわ、無事にたどりつけるかしら」

「ああ、だから気を付けて行こうぜ、…グエッ!」

初詣の人だまりの行き来に悠平は巻き込まれてしまった。…あなたが気を付けてよ。

せっかくの和服の着付けも乱れ、自慢の白い無造作ヘアも本当に無造作になってしまい台無しである。

「髪の毛を整えるのはともかく着付けを直すのは自分じゃやりづらいでしょう、私が直すわ」

そう言って、彼の乱れた着付けを直してあげた。

 

気を取り直し、再びふたりは人ごみの中へ入っていく。

参拝客の大集団に押されながらも手水舎(ちょうずや)にたどり着いた。

「それじゃあ、オレが先にすすがせてもらうぜ」

悠平は柄杓に水を汲み手をすすいだ…のまではよかったのだけど問題はその後である。

手にすくった水を口に含みてずにすすいで口を清めた後、左手で口元を隠してそっと吐き出した後

「う〜ん、この水は硬度はちょうどいいんだけどミネラル分が不足気味なんだよなぁ」

と一言。水のソムリエかっ。

 

「うわっ、痛ってぇ〜、いくらツッコミでも強すぎるだろ」

彼曰く、右肩に手のひらではたいた衝撃がダイレクトに響いたとの事。

私、そんな力が秘められていたのか。下手するとツッコミの一撃で悠平がケガしたり死んだりしてしまう。

これからは力加減に気を付けてツッコまないと。

次は私がすすぎの儀式を行ってみる。

柄杓に水を汲み手をすすぐ。そしてその水を口に含んだ瞬間それが変な所へ入ってしまい

「ゲホ、ゴホ、ガホッ、グヘッ!」

私はむせてしまい水を急に吐き出してしまったようだ。幸いなことにその水は悠平や他の参拝客にかかることはなかった。

悠平は「大丈夫か!」と気遣ってくれた。惚れ直してしまうじゃないか。

 

なんとかすすぎの儀式をを終えた私たちは参拝をしに拝殿に向かう。

拝殿に着くと悠平は軽く会釈をして鈴を鳴らしお賽銭を投げ入れようとしたがその小銭に何か違和感が

「それ、ゲーセンのメダルでしょう、そんなのお賽銭にしてもご利益は得られないわ」と言ってみる。

「あ、悪ぃ今気が付いたよ指摘してくれてありがとな」

その後の動作は問題なく終わらせられた。次は私が参拝を試みる。

拝殿の前に立ち軽く会釈をして鈴を鳴らそうとした瞬間鈴を繋いである縄がブチッと音を立て引きちぎれてしまったのだ!

慌ててそこの神主さんに「ご、ごめんなさい、弁償します!」と言った。

神主さんは穏やかな笑顔で「いいんですよ、購入してから時間が経ってすっかり使い古されたものですから」と言ってくれた。

本当に申し訳ないと思った。

 

気を取り直し次はおみくじを引いてみる。

悠平は「ありゃぁ、オレの引いた奴凶だってよ」と苦笑していた。

私の引いたおみくじはどうだろう、確かめてみる。

「な、何よコレ!」思わず絶叫してしまった。「どうしたんだよ」と悠平が駆け寄ってきた。

「どれどれ…って白紙かよ」と同情的な表情を彼はした。「ええ、あなたの言う通りこのおみくじは白紙よ、私は神にも見放されたようね…」

ちょっと切なくなってしまったじゃないか。「神に見放されても、オレはお前を見放さない」と悠平は慰めてくれた。その一言に癒された。

 

社務所で今年のお守りや破魔矢を受け取り、去年のお守りや破魔矢をお焚き上げ用の炎にくべようとしたその時いろんな色んな嫌な臭いが混ざった複雑な悪臭が鼻の穴の中を覆った。

「ちょっと見てみろよ、コレ」と悠平の指差した方向には縁起物に交じって家庭ゴミの入った袋の姿があった。

こんな事をする奴らがいるなんて。腹立たしくなった。悠平は声を荒げて言った

「あんなことするなんて、捨てた奴バチ当たるぞ」

「そうね、だからせめて私たちはこういう事をしない人間でいるようにしないと」

 

私たちは願い事を書いた絵馬を絵馬掛に掛けに行った。

「ねえ、悠平は願い事何て書いた?」と尋ねた。

「オレはM.E.S.Aの同僚達が健康に過ごせるようにって書いたんだ」

「そうなんだ!私は世界から争いや差別がなくなるようにって書いたの」

「お前の願い事の方がスケールデケェな、つかお互い、お互いとの関係の発展は書かなかったんだな」

「わざわざ書かなくてもあなたは私の気持ちは分かっているでしょ?そして私もあなたの気持ちは知っているの、

恋愛関係は自分たちの力で築き上げたほうが楽しいしね」といい彼の事を抱きしめてあげた。

「ケイはそんな考えをするのか、面白いな」と抱きしめ返してくれた。

 

 

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悠ケイの初詣話です。ギャグ寄り?
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